原子力翼賛社会への道:放射線被曝とは、隠ぺいして、ごまかし、バレたら適当に言い逃れをし、そして健康被害が出たら切り捨てること(2)
前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは添付できませんでした)
別添PDFファイルは、福島第1原発事故に伴う住民の放射線被曝、及び除染、避難、帰還に関する新聞・雑誌記事です。これらの報道から「放射線被曝とは、隠ぺいして、ごまかし、バレたら適当に言い逃れをし、そして健康被害が出たら切り捨てる」ということがよくわかります。まさに原子力翼賛社会への道です。簡単なコメントとともにご覧ください。このメールは、先般お送りしたメールの続編です。
<別添PDFファイル:添付できませんでした>
(1)農家被ばく、事務職の倍(東京 2014.4.19)
(2)苦渋、被ばく自力検査(東京 2014.4.22)
(3)川内村避難区域で長期終日滞在、帰宅申請1割だけ(東京 2014.4.27)
(4)不安拭えぬまま帰還(読売 2014.4.25)
(5)国,原爆症審査ずさん(東京 2014.4.24)
1.農家被ばく、事務職の倍(東京 2014.4.19)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014041902000153.html
(一部抜粋)
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東京電力福島第一原発事故で避難を強いられている住民が帰還した場合の年間被ばく線量の推計値を、十八日に政府が公表した。比較的線量の少ない地域でも、屋外作業する農家などは事務職に比べ、二倍程度の被ばくをする可能性が高いとの結果だった。ただ、この現実は一年近くも前に本紙や自治体が調べたデータが示しており、今さら感がぬぐえない。
(中略)表の通り、飯舘村では屋内にいる時間が長い事務職でも年間被ばく線量は最低三・八ミリシーベルトと、一般人の線量限度(一ミリシーベルト)の四倍近い。農林業ではもっと多く被ばくする計算だ。
帰還が始まった都路地区でも、事務職やほとんど家の中にいる想定の高齢者は一ミリシーベルトを下回ったが、農林業では最大二・三ミリシーベルト。川内村ではどの職種でも一ミリシーベルトを超え、農林業は一段高い値となった。
森林の除染は人家周りを除いて手つかずで、農地の表土をかき混ぜても放射性物質は減らない。本紙が昨年、福島県各所で調査した際も、農地の線量は屋内の二倍程度あった。熱心に作業する農家ほど被ばくするのは当然ともいえる。同様の傾向は伊達市の実測データでも確認されていた。
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(田中一郎コメント)
記事にもある通り、「今さらジロー」だ(小柳ルミ子:古すぎる!!)。事故直後の2011年5月に、農林水産省は早くも耕作可能な田んぼの放射性セシウム汚染度を5千ベクレル/kg=300,000ベクレル/m2として公表した(信じがたいことに、畑については何も言わない)。あまりのひどさに、私は「こんなのだめだ、危ないぞー」と、何度も何度も申しあげた経緯がある。そもそも数字が小さく見える「/kg」で5千ベクレルとしているところなどは、明らかに生産者・農家をだまくらかす魂胆が見え見えだ。「/kg」を「/m2」に修正するには、「/kg」の数字に50~60を掛けておけばいい。1m2の面積の地面の表土を5cmばかり剥いでやると、その剥いだ土の重さがだいたい50~60kgだということだ、
また林業は、森林がひどく汚染されているせいもあって、農業よりもさらにひどい被ばく労働であり、場合によっては事故原発の現場作業員などよりも大量に被ばくをしてしまう可能性が高い。しかし、その割には、国有林野事業も含めて、林業労働者の被ばく防護については一般の関心が低すぎる。呼吸被ばく防護の装備もなければ、個人線量計も持たされず、放射線被曝の危険性さえ知らされないままに、大量被ばくさせられながら働かされている場合が多いのではないか。そもそも汚染森林から伐りだされる木材なども当然に汚染されていて危険なわけで、福島県やその周辺県の放射能汚染地域では、まず真っ先に林業やその関連事業をストップさせて、汚染物が「商品」として拡散するのを止めなければならないはずだ。おのずと、そのための賠償・補償も十全に用意されていなければならない。
記事にある年間被ばく線量の表を見てみると、飯館村の数値が突出しているのがわかる。一般事務職で3.8~11.2mSv、農林業だと7.1~17.0mSvとなっている。ぞっとするような数字である。申し上げるまでもなく、一般人の年間被ばく限度数量は1mSv、放射線管理区域指定基準は5.2mSv、それをはるかに超えている。こんなところへ住民を帰還させる政策など狂気の沙汰という他ない。絶対に帰還させてはならない数字だ。
ところで、この発表された被ばく線量の数値には、記事には明示的に書かれてはいないが、おそらく内部被曝は含まれず、環境にばら撒かれた放射能による外部被曝だけのカウントなのだろうと推測する。そうすると、記事にある数字に、更に何倍かの内部被曝(呼吸と飲食:特に呼吸が要注意、かつ危険なのは放射性セシウムだけではない)が上乗せされ、更に内部被曝は外部被曝よりも格段に危険なので、こういう地域に住み続ける人の被ばく量は、とてもじゃないけれど、健全な人間生活の域を超えてしまっている。強制避難区域に住んでいて避難を余儀なくされた方々の生活や仕事に対して、帰還の押し付けではなく、万全の補償や賠償をするのが、まともな政策の在り方だ。また、放射線被曝の危険性についても、もっとちゃんと情報提供せよ。
2,苦渋、被ばく自力検査(東京 2014.4.22)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014042202000124.html
(一部抜粋)
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東京電力福島第一原発事故を受け、福島県以外の地域で、住民団体が被ばく検査を自主的に実施したり、自治体が支援したりする動きが広がっている。背景には、首都圏などでも局所的に空間放射線量が高い地域があるのに、福島県のように国費で被ばく検査する制度がないので自助努力せざるを得ないという苦渋の現実がある。
(中略)沢田昭二・名古屋大名誉教授は「国は検査費が膨大になることを恐れているのかもしれない」と指摘。「微量な放射線でも障害が現れる人もいる。原発事故に責任がない自治体やボランティアが検査をやらざるを得ない現状は、国の責任の放棄だ」と憤る。
福島県外での国費検査にわずかな可能性を残すのが、基本方針に従って環境省に設置された専門家会議。健康管理のあり方を再検討し、二〇一四年度中にも結論を出す。しかし、ここでの議論も雲行きが怪しい。昨年十二月の会合で、長滝重信座長(長崎大名誉教授)は、福島近隣県での初期被ばくについて「あまり考える必要がない」と発言。国が一一年三月に福島で実施した甲状腺検査で、全員が原子力安全委員会の基準値以下だったことなどが根拠だ。
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(田中一郎コメント)
全くおかしな話だ。「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」による被害を受けた方々は、当然のごとく、加害者・東京電力や事故責任者・国に対して、その全ての被害をあらゆる形で償ってもらって当然なのに、この国では、その人たちに対する被ばくの検査や健康管理でさえ、加害者側・責任者側はまともにやろうとはしない。「子ども・被災者支援法」は成立直後から踏みにじられている。私は、この被ばくの自力検査費用も含めて、全ての被害者が全ての被害の賠償・補償を訴えて裁判提訴する「福島第1原発事故1,000万人損害賠償訴訟」を日本の法曹界が全力で組織すべきであると考えている。この原発事故の被害者を法的に助けられないのなら、日本の法曹界・法律家など、存在しなくていい。
3.川内村避難区域で長期終日滞在、帰宅申請1割だけ(東京 2014.4.27)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2014042702000126.html
(関連1)東京新聞住民、除染効果に不信感 福島原発事故 (TOKYO Web) http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2014042702000124.html
(関連2)東京新聞避難の楢葉町民「帰還なぜ急ぐ」 都内で町政懇談会福島原発事故 (TOKYO Web) http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2014042702000123.html
(一部抜粋)
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東京電力福島第一原発事故で全町民が避難している福島県楢葉(ならは)町の町政懇談会が二十六日、東京都内で開かれ、首都圏に避難する町民七十人が故郷への帰還について町側と意見を交わした。町民らは、除染しても放射線量が下がらないことや、生活再建への不安を次々に明かし、拙速な帰還を避けるよう求めた。
(中略)だが、町内の放射線量は、国が除染の長期目標とする年間一ミリシーベルトより高い状態が続いている。懇談会では町民から「目標値を達成してから、帰還を考えるべきだ」「安心して住める環境になれば、町民は自然とみんな帰る。なぜ、帰還を急ぐのか」といった声が相次いだ。
除染や東電の賠償については「山林の除染や追加の除染を」「帰還後も精神的な負担は大きい。三、四年は賠償を続けて」などの意見が出た。高齢の女性は「家は荒れて、もう住めない。解体したいが、今の収入では家を再建できない」と涙を流して訴えた。
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(田中一郎コメント)
記事を読んでいて、また再び、ムカムカと腹が立ってきた。川内村も楢葉町も、基礎自治体の役場としてやるべきことが違うのではないか。まず、浪江町のように、住民の損害を全て賠償・補償させることを最優先において考えるべきではないか。そして、できもしない除染や帰還に固執するのではなく、避難・疎開・移住を柔軟に考えて、放射線被曝(外部被曝・内部被曝)を徹底して回避させながら、はやく住民の生活再建を実現することが最優先ではないか。除染はともかく、帰還にこだわるのはおかしいぞい。
4.不安拭えぬまま帰還(読売 2014.4.25)
http://premium.yomiuri.co.jp/pc/#!/news_20140425-118-OYTPT50021/list_SOCIETY2
(田中一郎コメント)
田村市都路地区に住んでいた人の体験談だが、放射能汚染地域への「帰還」をめぐる、まことに理不尽な話がコンパクトにまとめられている。国はおざなりで大雑把な「除染」をたった1回だけやって、さあ帰りなさい、と言う。しかし、放射線量はあまり下がらず、逆に上昇した場所もある。再除染を要求しても、国や環境省は聞く耳を持たずで、一向にらちが明かない、そんな感じだ。ひどい、あまりにひどい。
5.国,原爆症審査ずさん(東京 2014.4.24)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014042402000119.html
(一部抜粋)
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爆心地から二キロ以内に入ったことを証明する重要な資料を二度も見落として原爆症認定申請を却下したのは違法として、長崎市で被爆した岡山県の男性(72)が国に計三百万円の賠償を求めた訴訟の判決で、岡山地裁は二十三日、男性の請求を認め、国に三十万円の支払いを命じた。国の認定審査のずさんさが浮き彫りにされ、被爆者からは抜本的な改善を求める声が上がっている。
(中略)判決などによると、男性は三歳の時に長崎市で被爆し、その日のうちに行方不明の家族を捜すため爆心地から四百メートル地点へ入った。国が二〇〇八年に定めた原爆症認定基準の「原爆投下より百時間以内に爆心地から約二キロ以内に入市した者」という要件に当てはまるが、同年に前立腺がんや白内障などについて原爆症認定申請をすると却下され、二年後に行った異議申し立てでも認められなかった。
男性が一一年、却下の取り消しと慰謝料を求めて提訴すると、有識者による国の認定審査会が男性から提出されていた「入市証明書」を二度とも見落としていたことが判明。翌年、国は男性を認定した。
古田孝夫裁判長は、「行政には証拠資料を十分に精査しなければならない職務上の法的義務があり、過失は明らか」と国の責任を認めた。
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(田中一郎コメント)
ひどい話だが、これが今の日本政府の放射線被曝被害者に対する基本姿勢である。被ばく被害認定審査は「切り捨てる」ために行われている。いわば「切り捨ての手続き」だ。そしてそれは、ひょっとすると福島県やその他の放射能汚染地域の近未来なのかもしれない。この原爆被害者の事例を見ても、「子ども・被災者支援法」の扱いの例を見ても、「福島県民健康管理調査検討委員会」のふるまいを見ても、あるいは上記(2)「苦渋、被ばく自力検査」(東京 2014.4.22)の記事を見ても、およそ日本政府に放射線被曝被害者をきちんと救済しようという姿勢はない。
しかし、この日本政府を牛耳る政治家たちを選挙で選び出しているのも我々有権者・市民であることを忘れてはならない。こんな非人間的で、有権者・市民や放射線被曝被害者に対して「敵対的」な政府など、我々が「変えよう」と思えば変えることができるものだ。決して「運命」や「定め」ではない。
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<追>次の3つの情報にご注目ください。
(1)トリチウム濃度が上昇=地下水バイパス井戸上流―福島第1 (時事通信) - Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140430-00000042-jij-soci
(一部抜粋)
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東京電力は30日、福島第1原発で汚染前の地下水を海に放出する「地下水バイパス計画」のくみ上げ用井戸の上流で、放射性物質のトリチウム濃度が4月中旬から上昇傾向にあると発表した。昨年8月のタンクからの高濃度汚染水漏えいが原因とみられる。
東電によると、上昇が見られるのは8月に300トンの高濃度汚染水が漏えいしたタンク近くの観測用井戸で採取した地下水。12カ所のくみ上げ用井戸より山側にあり、距離は最短で約100メートル。4月16日時点で1リットル当たり4500ベクレルだったトリチウム濃度が28日に同7700ベクレルまで上がった。
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(田中一郎コメント)
こんな調子で、まだ「バイパス方式」だとか何だとか言って、汚染水を海へぶん投げるつもりなのか。「バイパス方式」じゃなくて「ストレート直進汚染ぐちゃまぜ方式」ではないか。
(2)福島県のキノコ・山菜汚染のものすごさ
●原子力災害対策特別措置法第20条第2項の規定に基づく食品の出荷制限の設定について
|報道発表資料|厚生労働省(福島・栃木の山菜)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000044967.html
(田中一郎)この厚生労働省のHPの通知を見ているだけでは、規制がかけられた食品が、いったいどれほどの汚染状況なのかは、わざと書かれていないのでわからない。そこで他のサイトを見てみると、何とびっくり・どっきりのこの猛烈な汚染状況である。何故、HPにちゃんと記載しないのか。
●東京江戸川放射線 福島県の凄まじい農産物汚染、コシアブラ7700ベクレル、ゼンマイ4500ベクレル、タラノメ1400ベクレル、ワラビ310ベクレル、コゴミ250ベクレル、フキ210ベクレル、タケノコ120ベクレル(5-10 厚生労働省)
http://radiation7.blog.fc2.com/blog-entry-2066.html
(田中一郎)天然のキノコ・山菜類は、単に食べ物として見るだけでなく、環境放射能モニターとしても見るといいです。天然のキノコ・山菜に出荷制限(100ベクレル/kg超)が出ている地域は、それを食べなくても、環境放射能による外部被曝や呼吸内部被曝に万全の注意をしてください。
●キノコ・山菜類の測定結果はここにあります(農林水産省HP)
http://www.maff.go.jp/j/kanbo/joho/saigai/s_chosa/H25gaiyo.html#H25hinmoku
(3)「荒井広幸新党改革代表に自民党・安倍晋三首相が福島県知事選(10月)出馬を依頼した」という記事が『選択』という月刊誌の今月号(2014/5)に掲載されています。真偽のほどは不明。
早々
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