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2014年4月

2014年4月28日 (月)

原子力翼賛社会への道:放射線被曝とは、隠ぺいして、ごまかし、バレたら適当に言い逃れをし、そして健康被害が出たら切り捨てること (1)

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

別添PDFファイルは、福島第1原発事故に伴う住民の放射線被曝に関する新聞・雑誌記事です。これらの報道から「放射線被曝とは、隠ぺいして、ごまかし、バレたら適当に言い逃れをし、そして健康被害が出たら切り捨てる」ということであることがよくわかります。まさに原子力翼賛社会への道です。簡単なコメントとともにご覧ください。データ量の関係で、メールを2つに分けます。

 

 <別添PDFファイル:一部添付できませんでした>

(1)国の放射線測定のデタラメを暴く(桐島瞬 『週刊朝日 2014.2.14』)

(2)個人被曝線量、福島の調査結果、政府、半年間公表せず(朝日 2014.4.16

(3)解除準備区域、年3mSv 個人被曝線量推計(朝日 2014.4.18

(4)揺らぐ空間放射線量の基準(葉上太郎 『社会運動 2014.4』)

(5)事故避難住民の相談員、原発関連財団が研修(東京 2014.4.20

 

1.国の放射線測定のデタラメを暴く(桐島瞬 『週刊朝日 2014.2.14』)」)

 http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/asahi-20140205-01/1.htm

 http://www.asyura2.com/14/genpatu36/msg/263.html

 

 少し前の『週刊朝日』に掲載されたジャーナリストの桐島瞬氏のレポートである。文部科学省や県・市町村などの自治体が設置している環境放射能モニターの数字がいかに小さく表示されるように細工されているかを報じている。もちろん、国や自治体などの行政が行う放射能・放射線モニターなど、3.11直後から、いやもっと前から、全く信用できない代物だ。しかし今般、福島第1原発事故を受けて福島県内に設置されている放射線モニターはとりわけひどいようである。

 

2,個人被曝線量、福島の調査結果、政府、半年間公表せず(朝日 2014.4.16

 http://www.asahi.com/articles/ASG4H4RZPG4HUTFK009.html

 

 簡単にいえば、早期帰還政策を展開する上で、調査の結果が都合悪くなったので隠していたということだ。

 

(一部抜粋)

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原発事故で避難した住民の帰還政策を進める政府が、昨秋に福島県3市村で行った個人被曝(ひばく)線量の調査結果を半年間公表していなかったことが15日、わかった。政府は結果の説明をしないまま4月1日に初めて田村市の避難指示を解除したが、過半の調査地点で個人線量の推測値は平常時の被曝限度の年1ミリシーベルト(毎時0・23マイクロシーベルト)を超えていた。

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3.解除準備区域、年3mSv 個人被曝線量推計(朝日 2014.4.18

 http://ameblo.jp/jin-h-kaji/entry-11826017251.html

 

 個人線量計による被ばく量の測定自体が、被爆実態からかけ離れた過小評価になることに加え、下記の記述から察するに、恐らく内部被曝(呼吸及び飲食)は全くカウントされていない(外部被曝のみのカウント)。内部被曝=特に呼吸被ばくは、外部被曝に比べて格段に危険である。また、放射線被曝の単位である「シーベルト」は、子供や妊婦の放射線感受性の高さを全く考慮せずに、一律に被ばく評価しているインチキ単位なので、子供や妊婦の危険性が明示的にならない。更にこの推計では、屋外にいる時間を少なめに見積もったり、屋内にいれば屋外よりも低い被ばくで済む、その屋内減少割合を実際よりも過大に見積もって、被ばく量を小さく見せる細工をしている可能性がある。

 

 根拠レスの仮定・前提の上で被ばく線量の過小評価をするのではなく、24時間屋外にいるものとして線量推計を行えばいいだけの話である。そもそも危険度を推し量る場合の保守性の原則とは、もっともワーストなシナリオ(この場合は24時間屋外にいる)に基づいて計算するのが常識である。しかし、こと放射線被曝評価の世界では、その逆、つまり最も楽観的な状態を屁理屈を付けて合理化することで、放射線被曝の過小評価が押し付けられる。

 

(一部抜粋)

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安倍政権が福島県の避難指示区域など3自治体で行った個人被曝(ひばく)線量についての最終調査結果が17日、わかった。個人線量の測定結果に職業などの生活実態を加味して推計した。年内の帰還を目指す地域で除染の長期目標の年間1ミリシーベルト(mSv)を超える年3mSvの値も出ており、今後の帰還政策に大きな影響を与えそうだ。18日に公表される。

 

(中略)今回の調査では、個人線量計を使って実測した値と空間線量値を比較した結果から、個人線量は空間線量に0.7をかけた値にあたると算出した。最終報告では、空間線量の値に0.7をかけたものに、NHKの「データブック国民生活時間調査2010年」をもとに、全国の農業従事者が田畑に滞在する時間など生活行動パターンを加味して個人線量を導き出した。

 

内閣府の原子力被災者生活支援チームはこれまで「空間線量の数分の1程度」と説明していたが、空間と個人の線量の差はそこまで大きくなかったことになる。被曝に詳しい国際医療福祉大クリニックの鈴木元・院長は「0.7など一定の係数で空間線量から個人線量を推計するなら、もっときめ細かな空間線量の計測や、住民の生活時間の調査が必要だ」と指摘する。

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4.揺らぐ空間放射線量の基準(葉上太郎 『社会運動 2014.4』)⇒ 除染基準緩和を検討(朝日 2014.4.15

 http://www.asahi.com/articles/DA3S11084555.html

 

 前半は個人線量計による測定の結果と空間線量とを比較した結果からみて、空間線量目標1mSV=0.23マイクロシーベルト/時は数字が小さすぎる。実際にはもっと数字が大きく(その倍の1mSv=0.40~0.5程度)、従って、空間線量限度1mSvに対応するマイクロシーベルト/時表示の目安はもっと緩和されていい、という主旨のレポートである。個人線量計そのものや、その計測結果自体が怪しいにもかかわらず、それを間違いのないものとして、事実上、1mSvの年間被曝線量規制を緩める方向でのバイアスに使われ始めている。


 

 このレポートの著者の葉上太郎氏の名前は、これからもよく覚えておこう。時折、雑誌等で見る名前だが、こと放射線被曝の問題については、おかしなことを言う人間らしい。たとえば個人線量計は内部被曝を計測してくれない。しかし、汚染地域に長く居住すれば、呼吸と飲食で内部被曝をしてしまう、特に呼吸による内部被曝の危険性は外部被曝の比ではない、もちろん放射性セシウムだけが問題なのではない、さまざまな放射性核種が懸念される、しかし、そういうことを無視して、放射線被曝限度の1mSvといえば、それは全部、外部被爆のことだけであるかのごとき説明の仕方になっている。ご冗談でしょう、と申し上げたい。

 

 また、1mSv以下なら安全であるかのごとき書き方も問題だ。1mSvは(特に内部被曝の場合には)大変大きな被ばく量であることを意識すべきである。決して「安全基準」などではない。

 

また、かようなレポートを載せた『社会運動』という生活クラブ生協連系の月刊誌だが、この記事で何を「社会運動」しているのだろうか? これまでの同誌の掲載記事などから見て違和感が強い。被ばくの過小評価を「社会運動」するのか。個人線量計は何のために持ち込まれてきたのか、よく考えてみることである。

 

(一部抜粋)

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環境省の井上信治副大臣は14日、東京電力福島第一原発事故の除染で、年間の追加被曝(ひばく)線量の推計方法の見直しを検討すると明らかにした。2~3カ月で結論を出すという。現在の方法では、毎時0・23マイクロシーベルトの空間線量を年間1ミリシーベルトと換算する。緩和の方向に変えると・・・・

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5.事故避難住民の相談員、原発関連財団が研修(東京 2014.4.20

 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014042002000113.html

 

 官製「フクシマ・エートス」といったところか。国の税金を使って実施されるところが恐ろしい。原子力ムラ・放射線ムラ丸出しの組織に、一般市民・住民からの被ばくへの不安についての相談に対応する相談員の「研修」の仕事を発注するという、この無神経さ。利益相反も何もあったものではない。また、受注した「原子力安全研究協会」(東京)が直接相談に応じるのではなく、相談員を介して放射線被曝の評価や判断を支配していこうとする「フクシマ・エートス」的手法が使われている点は、原子力翼賛社会への道を掃き清める役割も果たすことになるのだろう。

 

 被ばくに不安をお持ちのみなさま、最初から「心配ねーぞ、気のせいだ」と答えることが決まっているような組織が差配している「相談員」に相談するのはやめましょう。相談するのではなく、相談事を持ちかけて相談員に話をさせて、それを録音でもしておいて、それを信頼できる人に聞いてもらってコメントをもらうように致しましょう。また、この「研修」とやらの中身もとことん追求していきましょう。

 

(一部抜粋)

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 国が東京電力福島第一原発事故で避難している住民をサポートするために配置する「相談員」制度で、相談員の研修や助言業務を、電力会社や原発メーカーの幹部らが役員を務める公益財団法人「原子力安全研究協会」(東京)に発注したことが分かった。原発推進色の強い団体から、原子力の安全性を強調するなど偏った情報が発信される恐れがあり、避難住民の不信を招きそうだ。

 

(中略)相談員には、地元の医師や保健師、自治体職員OBらが想定されるが、相談内容は広く、専門的な知識も要求される。こうした人材は多くないため、国は相談員を支援することを決め拠点を福島県内に設ける。

 

 環境省は三月、支援業務を請け負う団体を決める入札を価格評価と技術力評価を組み合わせた総合評価方式で実施。二者による入札の結果、原子力安全研究協会が七千四百万円で落札した。

 

 協会は放射線防護をはじめ、原子力の安全性を中心に研究している。ただし、運営方針を決める評議員や理事には、日本原子力研究開発機構の理事長、中部電力や電源開発(Jパワー)の副社長、三菱重工業常務らの名が並ぶ。法人登記で歴代幹部を調べても、国の原子力政策と深く関わってきた人たちがほとんど。

 

 こうした団体が相談員制度を後押しすることについて、福島県内の女性保健師は「偏った人たちのサポートを受ければ、住民からの信頼を失う」と話した。避難中の住民からは「放射線のことは、電力会社とは無関係なところで勉強してきた人から教えてもらいたい」との声が聞かれた。

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早々

2014年4月27日 (日)

(ネオ・ニコチノイド系)農薬の残留基準緩和に待ったがかかった

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

 厚生労働省・農林水産省が住友化学他の農薬業界とグルになって、とんでもない(ネオ・ニコチノイド系)農薬の残留規制の緩和を画策していたことにストップがかかりました。欧州ではネオ・ニコチノイド系農薬は使用禁止へ(オランダは先日、使用禁止を決定、EUは期間限定で3種類を使用禁止)、米国その他の国々でも使用規制・残留規制が格段に強化され始めている中で、こと日本だけが、この危険なネオ・ニコチノイド系農薬の残留規制を信じられないほどに緩和しようとしていたことが挫折したということです。

 

 背景には、多くの環境団体や市民団体の反対行動があります。詳しくは別添PDFファイルをご覧ください。(こんなものが住友化学の要請通りに認められていたら、子どもたちや妊婦は、放射線被曝とのダブルパンチで、危険な状態に置かれていたであろうことは十分推測できます)

 

●緊急オンライン署名 ネオニコチノイド系農薬の基準緩和に反対します 国際環境NGOグリーンピース

 http://www.greenpeace.org/japan/ja/Action/nico/

 

2014-2-3 ネオニコチノイド系農薬の残留基準値の規制緩和の即時凍結を求め ――NGO5団体と厚生労働省に申し入れ 国際環境NGOグリーンピース

 http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/2014/pr20140203/

 

●オランダ議会は、すべてのネオニコチノイド系農薬の使用禁止を票決。家庭でも使用禁止に。 国際環境NGOグリーンピース

 http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/staff/blog/48887/

 

(別添PDFファイルの一部抜粋)

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 厚生労働省は318日、①いったんは承認した、ネオニコチノイド(ネオニコ)系農薬の残留基準の大幅緩和案を再審査する、②残留基準の安全性審査を4月から厳しくする、と発表した。(中略)問題になっているのは、農薬のトツプメーカー住友化学が「ダントツ」などの商品名で販売しているクロチアニジン。

 

 住友化学はこの農薬の販売を促進する狙いで「登録内容(使用方法)の変更」を農林水産省に申請した。(中略)作物に残留する農薬が増加え、残留基準を超えてしまうので、基準の緩和が必要になる。

 

 今回のホウレンソウの場合、最大残留値が27ppmだったので、その約1.5倍の40ppmが基準案とされた。現行の3ppmに比べ13倍にもなる大幅緩和で、FAO/WHO合同残留農薬専門家会議(JMPR)が定めた国際基準(2ppm)と比べても桁違いの高さだ。

 

 厚労省は残留農薬量が、慢性毒性の指標であるADI(生涯にわたって摂取しても健康への悪影響がないと推定される「1日摂取許容量」)に日本人の平均体重(約53kg)をかけて算出した「摂取許容量」の80%以下という条件さえ満たしていれば、影響なしと判断するのだ。クロチアニジンの残留基準案はこの条件を満たしていた。

 

 ところが、昨年10月にパプコメが始まると、異変が起きた。危機感をもったグリーンピース・ジャパンや反農翠泉京グループなどの環境NGOが意見の提出を呼びかけたところ、厚労省に反対意見が殺到したのだ。通常は10件程度の意見が寄せられるだけなのに、この件に関しては1カ月の募集期間内に1656件もの反対意見が届いた。一方、賛成はたったの1件だった(内訳は情報開示請求をしたグリーンピース・ジャパンによる)。

 

 反対の主な理由は二つだった。一つは、わずかな量を子どもが食べただけで急性中毒を起こす可能性があるほど危険な農薬の残留基準が、ホウレンソウなどいくつもの作物に設定されていたこと。

 

 欧州連合(EU)はほとんどの農薬についてARfD(1日にこれ以上摂取すると中毒を起こす可能性がある「急性中毒基準量」)を定めている。この指標で計算すると、40ppmのクロチアニジンが残留しているホウレンソウを子ども(1~6歳、平均体重約16kg)が食べる場合、40g(1株半くらい)で急性中毒を起こす可能性がある。

 

 もう一つの理由は、EUがネオニコ系農薬への規制を強めつつあることだ。ネオニコ系は、農家には便利な農薬だが、殺虫力が強く、重要な授粉昆虫であるミツバチ大量死の原因の一つと指摘されている。この点に注目してEUは昨年12月、クロチアニジンを含む3種類のネオニコ系農薬の使用を厳しく制限する規制を始めた。

 

 さらにネオニコ系農薬については近年、ごく低濃度でも胎児や乳幼児の脳神経系の発達に影響を及ぽす可能性のあることが分かってきた。このため、欧州食品安全機関(EFSA:日本の食品安全委員会に当たるリスク評価機関)は昨年12月、現行の許容基準では安全性が十分ではないとし、アセタミプリド(日本曹達が開発、商品名は「モスピラン」など)を合む2種類の、ネオニコ系農薬についてADIなどの引き下げを勧告している。

 

 このような問題点を指摘されると厚労省も動かざるをえない。農水省や食品安全委員会と協議のうえ、クロチアニジンの残留基準案を再審査することにした。

 

 併せて、厚労省は数年前から検討していたARfDの導入に踏み切った。残留基準の安全性審査でこれまでは慢性毒性だけを考慮していたが、今後は急性毒性も考慮することになる。そのため食品安全委に対し、優先順位の高い農薬から順次、ARfDを設定するよう要請した。

 

 反対運訪を展開したグリーンピース・ジャパンは今度の結果について「市民の声が厚労省を動かした」とし、「今後も声を上げ続けよう」と呼びかけている。

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早々

 

2014年4月26日 (土)

原発推進からくり人形(2) :九州電力の王国(朝日新聞記事より)と「もんじゅ」ハッタリ延命計画

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

別添PDFファイル2つは、福島第1原発事故への反省も忘れ官民挙げて原発再推進へとなだれ込んでいく背景事情を報道する優れた記事です。以下、簡単にご紹介申し上げます。

 

 <別添PDFファイル>

(1)原発利権を追う:九電王国(2014422日付朝日新聞他)

(2)「もんじゅ」存続、看板に偽り(2014424日付東京新聞)

 

1.原発利権を追う:九電王国(2014422日付朝日新聞他)

http://www.asahi.com/topics/word/%E5%8E%9F%E7%99%BA%E5%88%A9%E6%A8%A9%E3%82%92%E8%BF%BD%E3%81%86.html

 

(1)2014422日付朝日新聞朝刊1

 我々一般個人ユーザーからの電気料金を原資にして、全国の9電力会社が、資金源が表面化しないように、特定政治家のパーティー券を水面下で分担して購入していたことが発覚した。少し前には、貿易交渉で「サゴジョー」(西遊記)役を遺憾なく発揮している甘利明経済再生相のパーティー券購入が報じられていたが、今回は元首相の麻生太郎である。9電力各社は、政治資金規正法で報告義務が定められた1回あたり購入額20万円を下回るように金額を抑えて分担購入していたという。その電力会社は、2年ほど前から電気料金の値上げを次々に申請し認められているというから驚きだ。これでは、我々一般の個人ユーザーが甘利や麻生の政治献金を電力会社を通して行っているようなものである。

 

(2)「麻生一族と九電、結束脈々」(2014422日付朝日新聞朝刊)

 麻生太郎の高祖父は大久保利通、祖父は吉田茂、実父・麻生太賀吉は九州電力の初代会長

 

 九州電力は、1951年に2つの電力会社が統合して発足。その9代目の九電会長として九州財界に君臨してきた松尾信吾・現相談役(75)が、現在の麻生太郎の後ろ盾になっている。この松尾とかいう元会長は、九州電力の「やらせ問題」が発覚して大きな社会問題となった時に、最後の最後まで「な~にが悪いんだ」とばかりに居直っていた男である。この松尾に頼むと、オール九州の支援が得やすいという。

 

 九州・沖縄に本社を置く企業の中で、九州電力は、売上高で36年間トップ。JR九州と比べると、従業員数が1.4倍の1万3千人、売上高は4.5倍の15千億円、グループ会社86社、建設業などの地元経済への影響は絶大。また、約960社でつくる「九州経済連合会」(九経連)の運営費や人員の多くを負担、会長は松尾信吾まで7代続けて九州電力会長が務めた。その九経連会長だが、松尾が「やらせメール問題」で引責辞任した後を、麻生太郎の実弟の麻生泰・麻生セメント社長が就任した。

 

(3)「地元支配、再稼働へ追い風」(2014423日付朝日新聞朝刊)

 定期検査で原発立地地元に落ちるカネが数十億~100億円の費用のうちの約2割。更に、福島第1原発事故後、九州電力は佐賀県の玄海原発と鹿児島県の川内原発とを合わせて約3,400億円の安全対策工事を進めているという(全部我々の電気代が原資である)。地元建設業界は「再稼働歓迎」一色であるという。

 

 九州電力支配が強い鹿児島では、近年、高レベル放射性廃棄物の最終処分場の誘致をめぐる動きも表面化した。鹿児島県南大隅町では、昨年、町長が処分場誘致を第三者に一任する委任状を作成していたことが問題化している。

 

(4)「カネと票、知事に食い込む」(2014424日付朝日新聞朝刊)

 九州電力に、カネと票で「食い込まれた知事」とは、鹿児島県・伊藤祐一郎知事と、佐賀県・古川康(やすし)知事。パーティー券、ミュージカルの観劇券、福岡県知事選挙の話、出入り業者でつくる親睦会の「九電商友会」の話、佐賀県鳥栖市の「サガハイマット」というがん治療施設に、隣接県の福岡県が建設費を一部負担して金を出した背景事情などが書かれている。あきれるばかりの「カネと利権」の集積所である。

 

 その「利権」の揺りかごから生まれ出てきた様子の伊東祐一郎鹿児島県知事は「3月までに原子力規制委員会は審査を終了してほしい」「いつまでも(原発を動かせない)今の状況を放置できない」「(規制委が地元の要請があれば開くとした公聴会も「お願いする予定は全くない」などと発言している。

 

2.「もんじゅ」存続、看板に偽り(2014424日付東京新聞)

 http://www.asyura2.com/14/genpatu37/msg/621.html

 

(東京新聞:一部抜粋)

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ずさんな管理で運転禁止中の高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)。初臨界から20年で、稼働したのは250日。1兆円を超す血税が注がれ、いまも15500万円が投じられている。いよいよ廃止かと思いきや、今月、閣議決定されたエネルギー基本計画で放射性廃棄物の「減害・減容」化研究の名目で生き残った。この理由は妥当なのか。存続の本当の理由は何なのか。

 

◆看板に偽り 実用化「机上の空論」

費用対効果の面でも実現の見通しは極めて暗い。

 

高速炉1基でMAを減容化・減害化できるのは一般の原発12基分にすぎない。ここでいう高速炉はもんじゅのように実験段階に近い原型炉ではなく、開発が進んで規模も大きくなった実用炉を指す。

 

京都大原子炉実験所の小出裕章助教は「もんじゅですら巨額を投じてろくに動かないのに、それより巨大な高速炉を何基もつくるのか」と話す。核廃棄物からMAを取り出す技術も実用化はほど遠く「政府がやろうとしているのは机上の空論にすぎない」と語る。

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(関連)●迷走する原子力/下 検証・エネルギー基本計画 もんじゅ延命「錬金術」頼み 行き場ない、核のごみ - 毎日新聞

 http://mainichi.jp/shimen/news/m20140415ddm002010108000c.html

 

(毎日新聞:一部抜粋)

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 「放射性物質の寿命が約1万年から数百年に短縮!」「最終処分場が100分の1とコンパクトに」。今月3日、自民党の非公開会合で、原発推進派議員約20人に、文相などを歴任した有馬朗人・元東京大学長(83)が配った資料だ。原発から出る「核のごみ」の寿命を大幅に縮める技術の解説だった。

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早々

 

日豪EPAには「秘密条項」があった=5年後に更なる譲歩へ向けて見直しだそうだ

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

別添PDFファイルは、今般、妥結となった日豪EPAと、目下交渉中のTPPに関連した若干の記事です。日豪EPAに「5年後に再度(日本の豪州への更なる譲歩へ向けての)見直し」の「秘密条項」があることが発覚しました。政府は詳細説明を拒否しているようです。2つの「売国奴」協定の正体が露わになってきています。こんなものは国会が批准を拒否する以外にありません。以下、簡単にご紹介いたします。

 

 <別添PDFファイル>

(1)日豪EPA、5年後に見直し状況が存在(日本農業新聞 2014.4.25

(2)TPP報道、官僚が名指し批判(東京 2014.4.23

(3)食料自給率、目標下げ(日経 2014.4.23

 

1.日豪EPAの詳細内容(農林水産省HP)

 まず、農林水産省のHPに発表されている日豪EPAの内容詳細を見ておく。日豪EPA妥結に関するマスコミの報道は、あたかも安倍晋三政権が巧みな外交手腕で交渉を妥結させたかのごとく伝え、その場合に必要不可欠(であるかのごとき)な譲歩部分=日本が農業で失うもの、についてのものばかりを詳述しているが、そんな記事ばかりを見ていると、いつの間にやら洗脳されてしまって判断を間違うことになる。

 

 このEPAのポイントは、前回のメールでも申し上げたように下記のようなことである。かような自国農業の破壊だけの結果に終わる、日本にとっては何のメリットも利点もない、単純な豪州政権へのご機嫌取り協定=EPAなどは、さっさと国会の場で批准を否決すればいいだけの話である。かつて明治時代の政治家たちは、欧米の帝国主義列強に対抗して自国の独立を確保するために「関税自主権」=関税の奪還外交交渉を繰り広げた。翻って、その約100年後の子孫の馬鹿もの政治家たちは、その大事な大事な、欧米列強から奪い返した関税自主権を、何の見返りも得るものもないままに、交渉相手政府や一部大資本のために、投げ捨ててしまおうとしているのである。愚か極まりない市場原理主義アホダラ教である。

 

第一に、このEPAは日本にとって得るものが皆無に近いのに対して、失うものは農業をはじめとして巨大(豪州の自動車の関税引き下げなどは無意味で、タイ・豪州EPAに乗せてタイから自動車を豪州に輸出すればいいだけの話:実際問題、三菱自工その他の自動車メーカーはおそらくそうするだろう。トヨタも豪州の現地生産から撤退予定)

 

第二に、農業の聖域5品目に手を付けるなという国会決議に明確に違反

 

第三に、マスコミ報道は、畜産物・酪農製品や聖域5品目だけに着目し、事実上の関税割当下での関税率の半減だから、あるいは米・麦・砂糖には手がつけられていないから、だから影響は大きくないと言わんばかりにしきりに書きたてている。しかし実際は、食肉や酪農製品の価格低下をもたらし、今でも収支がきつい農業経営・畜産酪農経営を圧迫し、現状での工業型畜産・酪農の弊害を拡大しながら、日本の農業・畜産・酪農の中長期的衰退・目先の廃業多発の引き金となるだろうということ

 

第四に、更に、下記で詳細が明らかになった通り、多くの分野で農林水産物や加工食品・農林水産加工製品の関税破壊が行われている。中でも、農産品分野に入っている園芸作物や果樹・野菜、及び加工食品などについては、今後、中長期的にじわじわと日本の国産品産業の首を絞め続け、日本の食のほとんどすべてが外国産品にとって代わられていく大きな流れをつくってしまうであろうことが推測される。そもそも豪州にかような関税破壊を認めてしまえば、他の国の要求に対しても抵抗し難くなるのは必定だ。

 

第五に、こうした、日本の食と農を捨て去る売国奴協定の日豪EPAを締結したにもかかわらず、時の安倍晋三・自民党政権は、この日豪EPAの影響は限られているので、競争力を強化しなければいけない日本の農業に対しては、補助金等による価格補てんのような直接的支援よりも、生産者・農家の競争力を付けるような、言いかえれば、生産者・農家の尻を鞭打つような、そういう政策的フォローを展開する旨の発言が相次いでいる。自国農業は叩けるだけ叩いて、後は野となれ山となれ、ということのようである。ちなみに現在の日本の生産者・農家の過半は65歳以上の高齢者である。つまり農村地帯のじいさま・ばあさまを日豪EPAやTPPのために、殴り続けろ・ムチ打ち続けろということだ。

 

第六に、そして、極めつけは、下記の「5年後の大幅譲渡へ向けての見直し秘密条項」の存在発覚である(下記参照)

 

(1)農林水産省-日豪EPA(経済連携協定)交渉の大筋合意について

 http://www.maff.go.jp/j/press/kokusai/renkei/140407.html

 

(2)農林水産省-日豪EPA(経済連携協定)交渉大筋合意の詳細について(畜産物関係)

 http://www.maff.go.jp/j/press/seisan/c_shokuniku/140417.html

 

(3)水産庁-日豪EPA(経済連携協定)大筋合意の内容について(水産物関係)

 http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/kakou/140418.html

 

(4)農林水産省-日豪EPA(経済連携協定)交渉大筋合意の詳細について(農産物関係)

 http://www.maff.go.jp/j/press/seisan/kikaku/140418.html

 

(5)林野庁-日豪EPA(経済連携協定)交渉大筋合意の内容について(林産物関係)

 http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/boutai/140422.html

 

(6)農林水産省-日豪EPA(経済連携協定)交渉大筋合意の内容について(加工食品関係)

 http://www.maff.go.jp/j/press/shokusan/seizo/140422.html

 

 

2.日豪EPA、5年後に見直し状況が存在(日本農業新聞 2014.4.25

http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=27352

 

(日本農業新聞 一部抜粋)

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7日に大筋合意した日豪経済連携協定(EPA)に、日本が米国など他国に農産物関税で有利な条件を与えた場合、日豪間で合意内容を見直す条項が含まれていることが分かった。日本農業新聞の取材に両国の政府関係者が24日、存在を認めた。米国とのTPP交渉で日本が大幅譲歩すれば、オーストラリアが米国並みまで関税引き下げを求めてくるのは確実だ。

 

 両国の政府関係者によると「日豪EPAの物品では最恵国待遇を含まないが、一部の農産物の市場開放については、発効の一定期間が経過、または日本が他国により良好な(関税削減などの)条件を与えた場合、見直すことを認める」との内容が項目として含まれる。この項目の存在はこれまで公表されていなかった。

 

 「一部の農産物」が何を指すのかなど詳細については、両国政府とも説明を拒んだ。最後まで関税率の削減幅をめぐって調整した牛肉が含まれるとすれば、TPP交渉などの結果次第で影響が懸念される。「発効後の一定期間」は5年間で合意したもようだ。

 

 日米協議は、24日の日米首脳会談を受けて閣僚間の大詰めの調整が続いた。日本政府はこれまで、日豪EPAの合意を関税削減などで譲歩できる「上限」として日米協議に臨むとしていた。しかし、オーストラリアに対する合意には見直し条項が含まれ、事実上、天井がないことが分かった。

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 日本がTPP交渉で米国に、日豪EPA以上の譲歩をすれば、それは日豪EPAにも反映させるべく、協定見直しが約束されている。それだけではない。何もなくても5年後には、再び日豪EPAの中身が見直され、更に日本側から豪州へ、自国農業踏み潰しのための譲歩策が検討されることになっていた。それが今回発覚したということである。

 

 しかし、「「一部の農産物」が何を指すのかなど詳細については、両国政府とも説明を拒んだ」であり、またしても、秘密、秘密、秘密である。日本の生産者・農家を裏切り、切り捨て、交渉相手からはほとんど何も得ることがないままに、ご機嫌をうかがうための大盤振る舞いをして、大事な大事な関税をどぶに捨ててしまう。これが、安倍晋三・市場原理主義アホダラ教自民党政権の「外交交渉力」の正体である。

 

3.TPP報道、官僚が名指し批判(東京 2014.4.23

 

●(代替記事)

 http://www.jiji.com/jc/zc?k=201404/2014042100673

 

(一部抜粋)

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 環太平洋連携協定(TPP)交渉に関する報道をめぐって、TPP政府対策本部の渋谷和久内閣審議官は21日緊急の記者会見を開き、新聞、通信、テレビ各社に報道を見直すよう異例の要請を行った。

 内閣審議官は農産物重要5項目の関税や自動車の貿易問題に関する日米の協議実態が「少なくとも日本の報道と違う」と指摘。こうした報道によって、米国が不信感を抱き協議に支障をきたしているとの認識を示した。

 内閣審議官は報道機関3社を名指しした上で、「積み重ねたガラス細工が報道で壊れた」と批判。「日米が牛肉関税9%以上で折り合った」などとの報道を念頭に、「日米とも何一つ合意していない」と強調した。(2014/04/21-18:05

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  東京新聞「こちら徳報部」の荒井六貴氏曰く「では聞きたい、情報をひた隠しにする政府の責任はどうなのか」

 田中一郎曰く「では聞きたい、情報をひた隠しにする政府の責任を徹底追及しない国会の責任はどうなのか。そして、その政府の責任追及を忘れて、市場原理主義歓迎のようなデマ情報を流し続けるマスコミの責任はどうなのか」

 

 今回「誤報」呼ばわりされたのは、共同通信、読売新聞、TBSの3社だという。たとえば下記のような報道か?

 

●牛肉関税「9%以上」…TPPで日米歩み寄り 経済 読売新聞(YOMIURI ONLINE

 http://www.yomiuri.co.jp/economy/20140419-OYT1T50182.html

 

 

4.食料自給率、目標下げ 農相諮問機関、現行50%は「過大」:日本経済新聞

 http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF22019_S4A420C1EE8000/

 

(一部抜粋)

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農相の諮問機関である食料・農業・農村政策審議会は22日、カロリーベースで50%を目指す現在の食料自給率の目標が「過大な設定」との認識で一致した。これを受けて政府は、2015年3月の決定を目指す新たな計画で目標を引き下げる見通しとなった。

 

 今後はコメや小麦などの品目ごとに、現実に見合った需要量や生産量を算出した上で、詳細な目標値を詰める。食料自給率は12年度まで3年連続で39%と横ばいで、新たな目標は40%台前半にまで下がる可能性もある。

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 1億2千万人を抱える国が、その食料の半分も自給できない現状を知ってか知らずしてか、「食料自給率目標を50%にするのは過大な設定である」とする認識が、そもそも狂ってるんじゃないのか? どうせTPPや日豪EPAを締結したら日本の農林水産業が決定的なダメージを受けるから、その時、そのダメージを財政支援でカバーしろなどと国会で責められないように、食料自給率の目標をいじくって、かわせるようにしておこうという姑息な魂胆なのだろう。自国の農業を叩き続けることが「改革」であると錯誤した大バカ者たちが、あっちでもこっちでも、ロクでもないことをやりたい放題している、そんな世の中だ。安倍晋三・自民党政権の本領発揮というところか。

早々

 

2014年4月24日 (木)

たくさんの被害者救済をそっちのけで、加害企業・チッソを無罪放免する法案を全会一致で可決

前略,田中一郎です。

 

たくさんの水俣病被害者の救済をそっちのけで、加害企業・チッソを無罪放免する法案を、衆議院法務委員会は全会一致で可決しております。水俣病については、ご承知の通り、事件が表面化して以降も、ただの一度も実態調査が行われず、どれだけの人々が被害を受けているのかの把握さえもできておりません。また、認定基準を不必要にあれやこれやと要件付けして認定数を絞り込み、最高裁判決でその基準が否定されても、まだ、その不当な認定基準を撤回しようとはしておりません。

 

そんな中、可決された法案は、会社法で子会社の売却については株主総会での承認など、手続きの厳格化がなされようとしているにもかかわらず、この可決法案で、チッソについてだけは、その改正手続き厳格化の対象外として、簡単に売却できるようにしてしまおうというわけです。チッソは、その子会社に収益部門を集約し、それをチッソグループから切り離すことで、水俣病の患者救済の責務から逃れようと、長い間画策してきました。数年前は、自民党と民主党が手に手を取って、このチッソ救済法を制定しましたが、その救済法上の手続きをさらに簡素化して、子会社のチッソグループからの切り離しがしやすいようにしてやろうというわけです。

 

被害者は救済せずに切り捨てる、加害者企業・チッソは救済してやって、その後、無罪放免というわけです。責任は負わなくていいです、と。まさに国家犯罪に対して、こともあろうに国会がOKを出した、ということを意味します。しかも、全会一致です。唖然とします。

 

●チッソを適用対象外に・修正案可決(BS1[BSニュース])

 http://jcc.jp/news/8268128/

 

(一部抜粋)

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04/24 01:54(BS1[BSニュース])

チッソを適用対象外に・修正案可決

 

会社法改正案では、親会社が子会社の株式を売却する際、特別決議の義務づけが盛り込まれている。きのうの衆院・法務委で、日本維新の会は、水俣病未認定患者救済法で、チッソが子会社の株式売却益を、患者の補償・債務の返済にあてるとされていることから、チッソに特別決議を義務づけると、子会社の株式を売却しにくくなり、法律による補償の枠組みに影響が出かねないとして、チッソを適用対象外とする修正案を提出した。そして会社法改正案・修正案は全会一致で可決された。あすの衆院本会議で可決されて参院へ送られ、今国会で成立の見通し。

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●委員名簿 法務委員会 http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_iinkai.nsf/html/iinkai/iin_j0030.htm

 

 全会一致でチッソ救済(無罪放免)法を可決、このメンバーならさもありなんでしょう。こんな連中を国会議員に選んだ有権者・国民(投票を棄権した人を含む)にも責任があります。

 

●チッソ子会社株売却法案が可決 水俣病救済を懸念 - 毎日新聞

 http://mainichi.jp/select/news/20140423k0000e040217000c.html

 

(一部抜粋)

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毎日新聞 20140423日 1227

 

 日本維新の会は23日、水俣病の原因企業チッソ(本社・東京)の事業を引き継いだ子会社の株売却をしやすくする法案を衆院法務委員会に提出し、全会一致で可決された。今国会で成立する見通し。被害者団体からは、救済が終わらないままチッソが清算されかねないと反発する声が上がった。

 

 法案は、子会社株の売却時に株主総会の決議を義務付ける会社法改正案の新たな規定から、チッソのみ免除する内容。水俣病被害者救済特別措置法(特措法)は、子会社株売却時に環境相の承認が必要と規定している。維新は、会社法改正により新たな制約を受ければ「特措法の趣旨が損なわれる」として、修正案を提出した。

 

 特措法は、チッソに未認定患者の一時金負担を求める一方、液晶生産など事業部門を子会社「JNC」に移管することを認めた。チッソは将来的にJNC株を売却して事業清算し、JNCは水俣病に縛られずに企業活動できることになる。

 

 最大の未認定患者団体「水俣病不知火患者会」(熊本県水俣市)の大石利生会長は「800人以上の認定申請者の審査のめども立っていないなど被害者救済が道半ばであるにもかかわらず、水俣病の幕引きを促進するもので、許されない」と批判した。また、国や熊本県、チッソを相手取って損害賠償請求訴訟を起こしている「水俣病被害者互助会」(同市)の佐藤英樹会長も「被害を引き起こした加害企業をなぜ特別扱いするのか。怒りを感じる」と訴えた。【阿部周一、笠井光俊】

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早々

 

2014年4月23日 (水)

福島原発事故の原因もわからずに、原発を再稼働していいのか

前略,田中一郎です。

Ⅰ 福島第1原発事故の原因をめぐる諸問題

 ご承知の通り、原子力「寄生」委員会は鹿児島県の川内原発(加圧水型)を優先的に審査する原発と決め、その安全審査に全力を投じることで、今年夏の電力需要ピーク時にあわせて川内原発を再稼働させることを狙っております。その背景には、原発の安全審査に時間がかかっていることにしびれを切らした自民党の政治家達が、「審査の見通しを示せ」と、田中俊一委員長以下の原子力「寄生」委員会に圧力をかけていることが大きく影響しています。福島第1原発事故を受けて、「もう二度としない」と決心したはずのこと、すなわち、原発の安全管理が原発推進の政治圧力によってゆがめられ、その場しのぎの「処世術」が持ち出されては、無理な理屈で合理化されて原発が推し進められていく、そんな「アンシャン・レジーム」が再び復活し始めていると言えそうです。

 

● 東京新聞 川内原発を優先審査 規制委 再稼働新基準で方針 社会(TOKYO Web)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014031302000255.html

 

 本当にこんなことをしていていいのでしょうか。福島第1原発事故の原因を解明し、それに対する対策を万全なものとせずに、表面だけを取り繕って、書類や理屈上のつじつまをあわせただけで、本当に原発を再稼働していいのか、検証してみたいと思います。そして、福島第1原発事故の原因が定かでないのに、どうして今後再稼働する原発の安全対策が万全にできるのか、再稼働原発が安全だと言えるのか。小学生でもわかるこの「自明の理」を、原発利権に絡みとられて目先の利害に目がくらんでしまった人たちと、福島第1原発事故を早くも忘れて時の支配権力・原子力ムラ・放射線ムラに引きずられる一部の愚かな人たちの前に明らかにしたいと思います。

 

 今度、仮に原発・核燃料施設を過酷事故が再び襲うとしたら、それは不幸中の幸いでかろうじて最大破局を免れた福島第1原発事故の比ではない、超巨大規模の原子力事故=莫大な量の放射能放出事故になると予想されます。取り返しがつかなくなる前に、どんなことがあっても原発・核燃料施設は廃棄しなければならないのです。

 

 <別添PDFファイル>

●事故原因 なぞのまま(201435日付朝日新聞)

 http://www.asahi.com/articles/DA3S11011564.html

 

1.朝日新聞に掲載された5つの「事故原因のなぞ」

(1)1号機の非常用復水器(IC)を含む配管のどこかが(複数もありうる)地震の揺れで破損したのではないか

 事故時に作業員が目撃した1号機の非常用復水器(IC:イソコン)付近での出水が何だったのか。国会事故調は、地震の揺れが原因でICの配管が破損して水漏れを起こし、原子炉の冷却が十分にできなくなった可能性があると指摘している。

 

 記事にはないが、この疑いを持つ国会事故調委員だった田中三彦氏(元日立バブコックの沸騰水型原子炉設計技師)は、原子炉建屋4階のICを含む配管の破損の可能性があり、その破損した配管から水素が漏れ出して4階に充満し、1号機の水素爆発は4階でまず起きた痕跡があると主張している。水素を漏らすような配管は原子炉建屋4階にたくさんあり、1号機の水素爆発が4階から爆発したとすると、地震の揺れによる配管破損はほぼ間違いないだろうと推測される。東京電力は、配管が存在しない5階が爆発したというが、これでは、4階と5階をつないでいた丸い大きな「穴」=様々な物の運搬用通過口、にかぶせてあった重い金属性の蓋が爆発の際にどこかへ吹き飛んでしまって行方不明になっているというのはおかしな話となる。5階が爆発したら、その大きくて重たい蓋は上からねじ伏せられるような圧力がかかるので、どこかへ吹き飛んでいくはずがない。また、この蓋がどこへ行ったのか行方不明で見つからないというのもおかしな話である。東京電力が何かを隠しているのではないか。

 

 また、田中三彦氏は、この非常用復水器(IC)に関する現場作業員の事故当時の操作がおかしい(開けたり閉めたりを繰り返す)ことに加え、原子炉圧力容器内の圧力の変化記録にもおかしなところがあり、これらは1号機のどこかの配管が破損して、そこから圧力が逃げていたと解釈すれば説明がつきやすいとし、現場作業員のおかしなIC操作も、原子炉圧力容器内の圧力の大きな低下に対して冷却水喪失を心配した現場作業員の必死の抵抗ではなかったかと疑問を投げかけている。

 

 更に1号機については、圧力容器内の気体を原子炉基底部にあるドーナツ型の圧力抑制室(SC:サプレッション・チェンバー)に逃がす「圧力のがし弁」が開いた形跡がなく(開くと大きな音がするらしいが、そんな音は1号機ではしなかった。同じ型の原子炉である2号機、3号機では、大きな音がしていたし、同じ沸騰水型原子炉の東海第二や女川原発もまた、大きな音がしていたという)、従って、圧力容器内圧力は上がる一方のはずなのに、実際には上がっていない。これは圧力容器につながる配管が壊れて穴や亀裂が入り、そこから気体が漏れて圧力が抜けていた可能性がある、ことも同氏は指摘する。

 

 そもそも1号機は、田中三彦氏が国会事故調委員だったときに、東京電力に対して「立ち入り調査に入りたい」と申し入れたが、東京電力が「真っ暗で危ない」とウソをついて田中三彦氏に立ち入り調査を断念させた「経緯」がある。何かを隠したい時に東京電力や原子力ムラ、政府や政治家たちがウソをつくのは常套手段である。

 

(参考)岩波書店月刊誌『科学』(20139月号)

「福島第一原発1号機原子炉建屋4階の激しい損傷は何を意味するかー改めて、地震動によるIC系配管破損の可能性を問う」・・・・田中三彦

 

(2)津波が原発に到達する前に非常用電源装置が動かなくなっていたのではないか

 大きな津波が到達したとされた3月11日午後3時35分は原発の沖合に置かれた波高計での記録である。国会事故調は、敷地に津波が到着したのは午後3時37分以降で、非常用ディーゼル発電が止まって電源を喪失した後だとみている。つまり福島第1原発事故が過酷化する原因となった非常用電源喪失=SBO(ステーション・ブラックアウト)は津波によるものではなく、その到達前にアウトだったということだ。

 

 東京電力は、カメラ内蔵時計が6分ほど遅れていた、などと姑息な言い訳をしている。しかし、その時計を度外視しても(考慮に入れなくても)津波到達前に非常用電源が動かなくなっていたことは十分に説明されており、むしろ東京電力が、この問題の指摘を真摯に受け止めずに、非常用電源喪失の原因は津波以外にはあり得ないとする「政治的判断」を押し通すために、問題提起者(伊東良徳弁護士)を小馬鹿にしたようなおかしな説明でお茶を濁そうとしている様子が見て取れる。

 

(参考)電子版 岩波書店月刊誌『科学』(20143月号)

「再論 福島第一原発1号機の全交流電源喪失は津波によるものではない」(伊東良徳)

 https://www.iwanami.co.jp/kagaku/

 

(3)作業員が代替注水手段を確保せずにHPCI(高圧注水系)を止めたことが炉心溶融を早めてしまったのではないか

 運転員は通常と異なる状況から故障を恐れて、現場の判断で3月13日午前2時42分にHPCIを止めてしまった。しかし、その後HPCIを再び起動しようとしたが動かなかった。政府事故調は、代替注水手段を確保せずに止めたため、7時間近く原子炉への注水が止まり、炉心溶融が進んだと指摘した。つまり、現場作業員の勝手なミス判断が炉心冷却を不可能にし、炉心溶融を早めてしまったというわけである。

 

 が、しかし、この政府事故調の「現場作業員の操作ミスだ」と言わんばかりの報告には疑義がある。3号機は1号機と同様に、事故直後から、どこかの配管が破損していたのではないかと疑われている。事故直後に建屋にいた作業員が「シューシューという音を聞いた」という証言もあるという。もし仮に、3号機のHPCIの配管が、上記で申し上げた非常用復水器(IC)の配管と同様に一部破損しており、最初は小さかった穴か亀裂が少しずつ大きくなってきて、その結果、HPCI系から圧力が逃げているのに気がついた現場作業員が、冷却水喪失を恐れてHPCIをとりあえず止めてしまったと考えてみたらどうだろうか。ずっと開けておいて、放射能含みの水蒸気が漏れ出るとともに圧力が逃げてしまうのをいったん止め、その後、開けたり閉めたりを繰り返すことでコントロールしようとしたのではないか。この辺の事情は、まだ、十分には明らかになっていないように思われる。

 

 また、HPCIを制御する配管が地震の揺れで何らかの破損、またはトラブルを起こした可能性もある。いずれにせよ、3号機についても1号機と同様に、地震の揺れによる原発施設の破損の可能性は消えていない。

 

(4)消火用配管から原子炉に水を注入したが十分ではなかったのではないか

 東京電力は、冷却装置が止まった後、消防車のポンプを原子炉建屋の消火用配管につなぎ、原子炉に水を送り込んだ。しかし、途中で枝分かれした配管から、一部が原子炉に届かずに復水器に流れ込んだため、冷却水を炉心に十分に送ることができなかったという。

 

 しかし、これは当たり前といえば当たり前で、使った配管系が「消火系」だから、そもそも炉心を冷却することを想定していない。原子炉建屋内の火事を消すためのものだから、あちこちで「スプリンクラー」のように機能してくれればいいとして配置されていたはずである。しかも、この「消火系」配管は、1980年から90年にかけて、アメリカで沸騰水型原子炉の安全性が問題になり、その欠陥をカバーすべく「外付け」で取りつけられた装置の一つである(このほかにドライベント装置などもそうだ)。アメリカの場合には、すべての沸騰水型原子炉に、この「消火系」設置が義務付けられたが、日本の場合には、遅れに遅れて1990年代半ば以降、設置を義務化せずに、電力会社の任意の装置として設置されたものである。任意装置だから点検や機能の検証も甘く、そこにあればいい、程度の扱いを受けていた可能性は高い。しかし、福島第1原発は、その危機的状況を、このいい加減に設置されていた「消火系」配管装置に助けられ、今もまだ助けられ続けているということである。

 

 当時の原子力安全委員会や通産省が、電力業界から要請を受けて設置義務化を見送っていたことは明らかで、この頃すでに日本の原発は、安全を軽視するカルチャーが日本全国の原発・核燃料施設の現場の隅々にまで浸透していたと言えるだろう。消火系配管が炉心冷却にまともに機能しないのは「あたり前」である、が、しかし、その後、福島第1原発以外の原発で、この消火系配管を徹底的に見直したという話はまったく聞いたことがない。

 

(5)4号機の爆発の原因は何だったのか

 東京電力は、3号機がベントした際に出た水素ガスが4号機の方へ逆流していって建屋にたまり、それが爆発したとしている。こう説明されても、一般の人にはピンとこないだろう。それもそのはず、なんと、福島第1原発の各号機の(ドライ)ベント管は、1・2号機が出口付近で一本化されて共通になり、3・4号機も同じように出口のところで一本化されて共通配管を通って外気へ出ていくような構造になっていた。このことが説明されないと、何のことかわからない。

 

 そして、上記でご説明したように、このドライベント管もまた、1990年代に任意の安全対策装置として「外付け」で取りつけられたもので、東京電力はその費用をケチるため、各号機に1つずつ取りつけるのではなく、2つの原子炉に共用のベント管を取りつけたということである。昔よく学生の下宿などにみられた「便所共用」の、あの「共用」をイメージすればよい。その「共用べんじょ」ならぬ「共用べんと」を通じて、3号機から出てきた水素ガスが、外へ行かずに4号機の方に行ってしまった。便所でいえば、自分が落とした糞で便つぼにたまっていた液体が跳ね返ってきたようなものだ。4号機では、その3号機からやってきた水素ガスがたまりにたまって爆発してしまったというわけである。

 

 こんなものを許していいのか。あきらかに業務上過失であり、過失どころか、この(ドライ)ベントを1つの原子炉に最低1つ設置することの義務化をしなかった1990年代当時を調べてみれば、悪質な故意による安全対策の手抜き(費用節約)と責任回避(義務化装置でないのなら責任は問われない)であることが明らかになるだろう。そして、最も大事なことは、日本国中の原発・原子炉もまた、みんなこんな調子であるということだ。

 

 更に驚くべきことに、日本原電の敦賀1号機(沸騰水型)には、この(ドライ)ベントが取り付けられていなかったことが、福島第1原発事故後明らかになっている。(法的)義務化装置ではなく任意装置なのだから、ベント装置が設置されていなくても法的に問題はない、と日本原電は居直っているように見える(少なくとも、この経緯について、同社が何らかの釈明や説明をした様子はない)。よくこれまで敦賀原発を、大地震・大津波が襲わなかったものである。襲っていたら、今頃はベントもできずに格納容器の内部圧力を上昇させた原子炉が、あっという間に大爆発を起こし、日本国中が大変なことになっていただろうことは想像に難くないのである。日本原電とはそんな会社だということだ。

 

 ところで、いったい原子力「寄生」委員会は、この4号機の爆発の原因となったと言われているベント気体の逆流に対して、全国の原発に対し、どのような指示をしているのだろうか。新規制基準には、ベントは原発1基ごとに独立させて1つ以上作れとでも、はっきり書かれているのだろうか。不勉強で危機感の乏しいマスコミが報道しないので、現状はよくわからない。

 

 それから、4号機の爆発については、ベント気体の逆流ではなく、4号機使用済み核燃料プールでの爆発説(冷却できなくなって、水・ジルコニウム反応で水素が出てきたとする説)がある。これについては、もう否定しておいていいのだろうか。この問題について決着がついたという話は耳にしない。

 

2.朝日新聞が取り上げなかった原発事故原因の様々な可能性

 上記でも申し上げたように、朝日新聞の記事は(他紙も似たりよったり)原発事故の原因究明・追求に関して全く不十分である。マスコミがそういう不十分な姿勢を取っているから、原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は安心をしてしまい、政府官僚や政治家達も大手を振って原発再稼働へ邁進することができるようになってしまうのである。新聞・TV・雑誌などのマスコミは、福島第1原発事故の前も後も、こと原発や原子力の問題については、その職務を十分に果たしえていない。今からでもいいので、特に原発に批判的な人たちの話をよく聞いて勉強をし、原子力「寄生」委員会・「寄生」庁や御用学者たちをはじめ、原子力ムラ・放射線ムラの人間たちに対し、原発・核燃料施設の安全確保の全くの不十分の問題や、地域住民の防災計画・避難計画の実効性の欠如などについて徹底追及し、その再稼働へ向けた危険極まりない無謀な動きを告発していただきたい。

 

(1)何故、爆発を防げなかったのか

1979年のアメリカ・スリーマイル島原発(加圧水型)の事故では、水素爆発を防ぐことが大問題となっていた(注)。その教訓があるにもかかわらず、何故、福島第1原発事故では、水素爆発を防ぐことができなかったのか。特に、1号機が爆発してのちに、3号機、4号機、2号機と、次々に爆発させてしまっている。これはいったい何だったのか。何故、防げなかったのか。また、日本全国の原発・核燃料施設における水素爆発防止対策は、その後どうなっているのか。

 

(注)昨今入手した資料によれば、アメリカ・スリーマイル島原発事故では、実は水素爆発は、格納容器の中で部分的に発生していたが、その爆発が部分的であったことに加え、格納容器が無事で堅固だったために、かろうじて大事に至らなかったとされている。しかし、格納容器の中で部分的にせよ水素が爆発的に燃焼していたことは、まことにショッキングな話である。

 

(2)空気圧伝導型の制御系

2年くらい前にNHKは、その特集番組「NHKスペシャル」で、地震の揺れによって空気圧で動く制御系の配管が破損したため、たとえばベント装置が動かなくなってしまい、原子炉が危険な状態に陥ったことを放送していた。しかし、この重要な指摘は、その後新聞報道をはじめ、マスコミは取り上げることがないままに今日に至っている。日本全国の原発・核燃料施設の空気圧で動かす制御系配管や装置類は、いったいどの程度の耐震度を持っているのか。

 

(3)2号機はいったいどうなっているのか

315日に、あるいは16日に、いったい2号機で何が起きていたのか。政府がIAEAに報告したレポートでは、福島第1原発が大気中に放出した放射能の80%以上を2号機が放出したことになっているというが、この根拠は何か。いったい2号機に何が起きて、放射能の大量放出につながったのか。

 

(4)3号機の爆発は、使用済み核燃料プールにあった核燃料の即発臨界による「核爆発」だったのではないのか。

 3号機が水素爆発ではなく核爆発であった証拠と言われているものは下記の通り。

a.爆発の煙(3号機は黒い煙がまっすぐに上へ、1号機は白い煙が横へ広がる ⇒ この煙の違いを説明する原子力工学の科学者・技術者が未だに誰もいない)

b.遠く離れた飯館村にプルトニウムが降り、更に間もなくしてアメリカにも微量のプルトニウムが降った。

c.3号機はプルサーマル炉でプルトニウムを大量に含むMOX燃料を使っていた。

d.屋根フレームの鉄骨が飴細工のように熱で曲がってしまっている(水素爆発ではこんなことは起きない)。

e.使用済み核燃料プールの床に被覆管の破片が散らばっている。

f.3号機近辺が福島第1原発敷地内では最も線量が高い(致死量)。

g.東京電力も、政府も、3号機のことについて言及を避け、また、現状がどうなっているかを隠そうとしている様子がある。

h.3号機についてはマスコミ他の外部による取材が一切できない状態が続いている。

 

3.この章の簡単なまとめ

 上記はあくまで、原子炉工学の専門家ではない私が抱いている福島第1原発事故の実態や原因に関する疑問の具体例である。そして事故後3年が経過した今も、これらについて、「合理的な説明」はまともに聞いたことがない。1号機と3号機の爆発の煙の違いくらい、さっさと説明しろよ、と言いたくなるのだが、未だにどの科学者・技術者も口を開かないし、全く説明もしない。それでいて、政府や東京電力の言うがままに「水素爆発である」などとしている人間も少なくない。日本全国どこでも「いい加減」が蔓延しているかのように思われてならない。

 

 少なくとも、福島第1原発事故の原因は明らかにしてもらい、その教訓を原発・核燃料施設に生かしていただかないと、再稼働の話などできるはずもないことは、泉田裕彦新潟県知事の言うとおりである。おかしな理屈や形式論と対策の先送りで原発・核燃料施設再稼働へひた走る原子力「寄生」委員会・「寄生」庁の姿は、まさに、いい加減な日本の「墓掘り人」達が一生懸命に墓穴を掘っている姿に見えてしょうがない。電気の供給など現状で十分にたりている中で、もはや原発・核燃料施設の再稼働を急ぐ理由などどこにもない。再びの過酷事故を引き起こす前に、早く目を覚まして、原発・核燃料施設の安全対策、福島第1原発の後始末、そして使用済み核燃料の安全管理に全力を挙げるべきである。

 

Ⅱ 鹿児島県・川内原発((日本で最も危険な火山地帯の原発を最優先して再稼働するのか!?)

 

まずはこのサイトをご覧ください。

●「正気かよ、再稼働第1号は日本一危険だ(鹿児島・川内原発)」(日刊ゲンダイ 2014.3.26

 http://hibi-zakkan.net/archives/37188769.html

 

 原発の火山影響規則基準「妥当」…規制委・田中委員長 - 毎日新聞(2014.3.6

 http://archive.today/RJUXu

 

 原発再稼働安全審査優先は川内のみ - 毎日新聞(2014.3.26

 http://mainichi.jp/select/news/20140327k0000m040090000c.html

 

鹿児島県では、ほんの少し前、すなわち数千年から数万年前に、恐ろしいほどの巨大な火山活動があったとされています。しかし、原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は、一方で、地震については12万年前から40万年前くらいまで遡ってその活動状況を調べ、活断層が動く可能性を安全側からみる(実際は見ていないけれど)などと言いつつも、他方では、火山活動については、わずか数万年前の動きについてさえ無視を決め込んでいます。また、考慮すべき火山の範囲についても、非科学的に「エイヤー」と(というよりも鹿児島県・川内原発の都合に合わせて)、原発からわずか半径160km以内にある火山の、ほんのわずかの期間についての活動状況しか考慮しない、などとしているのです。ご都合主義も甚だしきです。しかし、危険きわまる原発・核燃料施設の安全問題に対してご都合主義で臨めば、近い将来、取り返しがつかないことになるのは火を見るより明らかです。実際問題、川内原発の敷地周辺には、過去の火砕流の痕跡と思しき岩石層が、原発敷地のすぐそばにまで多く積みあがっています。そんなところが、どうしてこれからは火砕流や大量の火山灰に襲われることはないと断言できるのでしょうか? (下記の「反原発・かごしまネット」のパンフレットは必読です。ネット検索の上、ダウンロードしてご覧ください)

 

 (パンフレット)「川内原発直近の巨大活断層と幾度も襲った火砕流」(反原発・かごしまネット)

https://www.google.co.jp/url?q=http://www.synapse.ne.jp/peace/sendaigenpatusaikadouhantaipanph.pdf&sa=U&ei=8i5XU6b7MsP18QWaloHYAw&ved=0CCMQFjAB&usg=AFQjCNEXtJSYYW3XpjyBD_qRlWwJcCxeYw

 

 火砕流がよけて行く川内原発!! 九電シミュレーションの怪しさ|原発隣接地帯から: 脱原発を考えるブログ

 http://fkuoka.blog.fc2.com/blog-entry-1103.html

 

 川内原発の規制基準適合審査の中で九州電力は、想定される火山活動を小さく見積もるとともに、他方では、今後は近隣火山の活動状況のモニタリングを継続的に強化し、火山の活動が活発化するなど、何らかの危険な兆しが観察された時には、原発から使用済みを含む核燃料を取出して安全な場所へ移すなどの対策をとる、などとしています。しかし、超危険物の使用済み核燃料を原子炉から取り出して他所へ移すこと自体、容易ではなく、それが短時間の限られた時間内に確実にできる保障はありません。また、使用済み核燃料の運搬用車両の必要量の確保・準備なども、現段階では容易ではありません。川内原発は、危険な火山活動地帯のど真ん中にあって、その火山活動に対する安全対策の見通しがつかないままに、再稼働へ向けて無謀な「駆け足」状態になっていると言えるでしょう。

 

(もちろん、日本国内の多くの火山学者は、各地の原発の中でも鹿児島県の川内原発が火山活動の災禍を受ける可能性が最も高い原発として「危険視」しています。中には、川内原発の再稼働はやめた方がいい、という学者もいらっしゃいます。他にも、西北海道・泊原発や下北半島の原発・核関連施設などが特に危険です)

 

 更に、川内原発は火山活動だけが懸念されるわけではありません。ちょうど原発のある場所の沖合の海底が、日本最大の活断層である中央構造線の西の端のあたり、地殻変動期に入った日本の地層の現状を鑑みれば、いつ巨大な直下型地震や前方沖合からの巨大津波に襲われても不思議ではありません。加えて20142月には、川内原発から東に800mの至近距離の場所に、活断層と見られる3本の断層と破砕帯が発見されました。九州電力は、これまでも周辺の断層や活断層などを細切れして評価をし、「動いても大きな地震にはならない」と、ごまかしを続けてきました。そして今回もまた、この新発見の活断層をきちんと調べようともせず「活断層ではない」などとうそぶいているのです。しかし、原発再稼働のために尻に火をつけられてしまった原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は、下記の通り、こうした出鱈目な九州電力の姿勢を追認するかのごとき態度に出始めています。ゆゆしきことです。

 

 中央構造線

 http://www.nishida-s.com/main/categ3/mtl-nagano/

 

2014327日付毎日新聞記事「規制委審査、再稼働優先 川内のみ)」は、原子力「寄生」委員会が川内原発を「優先審査原発」とし「他原発のモデルケース」として審査全体の加速化を進める方針とした」などと報じています。しかし、絶対に危険の見逃しがあってはならない原発の安全審査にとって、審査の加速化など百害あって一利なしです。原発の審査に優先順位を付ける必要もなければ、モデルケースを設ける必要もありません。電力は今でも十分に足りていますし、もし不足の懸念があるのであれば、最新鋭・高エネルギー効率で天然ガス活用のコンバインド・サイクル型発電所を増設して電力供給を補えば済む話です(福島第1原発事故後、東京電力はそうしました。東京電力でさえできたことが他の電力会社にできないことはありません)。

 

こんなおかしなことをやっている理由は明白で、そもそも原発の(再稼働)「審査」などというものが、ただ単なる再稼働のための「手続上・書類上の儀式」にすぎず、全国の原発は再稼働させることが最初から決まっているということを意味しているのです。そして、この原子力「寄生」委員会のメンバーを選んだ民主党野田政権は、それを重々承知の上で、そういう「儀式」を、もっともらしく厳かにやれる人間を委員に選んだということを意味しています。

 

地域住民に健康被害を及ぼしてしまうような、言いかえれば、環境に放射能を大量放出してしまうような原発・核燃料施設は、その可能性が少しでもある限り、すべて「審査不合格」=「没」にすればいいだけの話です。「没」にするのに、何故時間がかかるのでしょうか。政府は安全な原発だけを稼働させると言っているのですから、原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は、その方針に忠実に従い、素直に「安全な原発」=言い換えれば、過酷事故を絶対に起こさない原発を「選ぶ」ということだけを淡々とやればいいのです。そのような原発が電力会社によって「用意」されてこないのならば、原子力「寄生」委員会は「駄目ですね」と言っておればいいだけの話です。

 

そして、今のような状況下では、大事故を起こさない原発などありません。事故を起こさない「安全な原発」がほしいのなら、福島第1原発事故の原因を徹底して究明し、今ある原子炉の設計を一から見直さなければなりません。「原発やりたきゃ、一から見直せ、一から出直せ」、これは、原発大事故の後ですから、当たり前の当たり前なのです。時間がいくらかかろうが、コストがどれほどになろうが、安全が最優先されなければなりません。

 

そして、そもそも「安全な原発」など存在しないのです。原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は、原発の安全や無事故・過酷事故無しを保障などしておりませんし、従ってまた、有権者・国民や地域住民の命と健康、生活と財産を守るつもりもありません。保障するどころか、守るどころか、「安全神話に立脚せず」などと称して「原発過酷事故は起きる」と居直りを決め、にもかかわらず、「新規制基準」の中身を厳しく引き締めるのではなく、手抜き・いい加減・出鱈目・無責任(あるいは責任回避)・セクショナリズム(独善)・先送りで無内容の「新規制基準」なるものをでっちあげ、その「基準」と比べて実際の原発・核燃料施設が「適合しているかどうか」をチェックすることが「原発再稼働審査だ」などとうそぶいているのです。

 

しかし、こうした机上の空論を会議室で何度繰り返しても、あるいは審査用の書類をいくら山積みしてみても、そんなものは何の肥やしにもなりません。肝心なことは、3年前の福島第1原発事故以降、日本の全国各地の原発・核燃料施設は、実際問題として、小手先でできることをいくつかやってみたこと以外に、ほとんど何にも変わっていません。原発・核燃料施設が二度と過酷事故を起こさないための具体的で抜本的な施設対策・安全対応・設計変更など、ハードもソフトも両方とも、ほとんど何もなされていないということを、しかと見定めておかないと判断を間違います。原発現場は、ハードもソフトも基本的に「昔のまんま」なのです(例えば、原発の耐震度の上限を、○○ガルから●●ガルへ引き上げたなどと報道されますが、それは書類上でそうしただけの場合がほとんどで、実際に原発施設に本格的に手が入れられることはめったにありません。形だけの耐震補強で終わっている場合も多々あり得ます)。

 

福島第1原発事故後、政府や電力会社がやったことは、原発・核燃料施設の現場におもちゃのような電源車や非常用バッテリーや給水車を用意したり、ドミノ倒しゲームに使うような薄っぺらい「ついたて」を「防潮堤」と称して海岸べりにつっ立ててみたり(注)、避難訓練などと言いながら「おままごとゲーム」のようなお祭り行事を繰り返しているに過ぎません。原子炉の欠陥を克服するような設計基準の抜本見直しがなされたこともありません。こんなものでは、とうてい大地震や大津波に耐えることはできないのです。

 

(注)これまでも申し上げてきたように、薄っぺらい「ついたて」を建ててみても津波対策にはなりえないことは、三陸海岸に設置されていた堤防や防潮堤などの東日本大震災時の津波被害を見れば一目瞭然でしょう。津波は海底の砂や泥や岩石や、その他の巨大固形物を高く持ち上げながら、それを投げつけるようにして、何度も何度も繰り返し繰り返し襲ってきます。水だけの波が1度や2度、ちゃぷ~んとやってきて壁を濡らしていくのが津波ではないのです。その破壊力の前では、人工の薄っぺらい壁など、ひとたまりもないでしょう。

 

大事故を起こし、その後の対応のお粗末から汚染水問題を含む大変な事態に陥っている福島第1原発の現場や、放射能汚染と生活破壊に苦しむ幾十万・幾百万の被害者を捨て置いて、政府や原子力ムラや原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は、再び、原子力安全神話ならぬ放射線安全神話に立脚しながら、福島第1原発から遠く離れた鹿児島県・川内原発から、その再稼働を画策しています。何と愚かなことでしょうか。しかし、そもそも、原発など再稼働しなくても電気は充分に足りているのです。

 

馬鹿は死ななきゃ治らない。だから、原子力ムラ・放射線ムラの皆様方には、どうぞご遠慮なく(お一人で、ご自分だけで)くたばっていただきたいものですが、私たち一般の有権者・国民や地域住民が、その馬鹿の巻き添えを食って、馬鹿もろともに「物理的」に滅ぼされることはごめんこうむりたいものです。

 

Ⅲ 福島第1原発の現場の状況 

最後にこの記事で、福島第1原発の現状を確認しておきましょう。

 

 原発事故、爪痕今も(毎日 2014.3.5

http://mainichi.jp/graph/2014/03/05/20140305ddm001040194000c/002.html

 

 

1.大量のがれきが手つかずのまま残っている。

事故後3年もたって、まだ、こんな状態です。このがれき類は放射能に汚染されていますから、これがこんな状態である限り、現場で働く作業員は無用の被ばくを続けてしまいます。福島第1原発の後始末に手を付ける場合には、作業現場の汚染がれきの撤去や除染は、真っ先にしなければならない仕事です。しかし、福島第1原発ではそうはなっていません。現場で働く人々を軽々に扱い、被爆労働について、その危険性の回避をきちんと職場のルールとして定着させていない、この東京電力という会社のどうしようもない人間軽視・現場軽視の体質が、この長期にわたる汚染がれきの散乱放置に出ているように思われます。いわば現場作業員は、東京電力の「管理者達」から人間として見られるのではなく、使い捨ての作業ロボットとして見られています。一度この「管理者達」と現場作業員とを交代させてみてはどうでしょうか。

 

2.規制委が報道関係者の同行を受け入れるのは昨夏の汚染水問題発覚後、初めてだ。

事故現場を事故後いつまでも隠し続け、報道させないなど、許されることではありません。これでは「悪の帝国」などと悪口を言われていた旧ソ連以下です。取材・報道自由の体制が取られることは全てのことの大前提です。隠せば隠すほど、疑心暗鬼は広がり、政府や東京電力やその他の原発・核燃料施設関係者への不信や疑念は増大するばかりです。一方のマスコミも、報道規制する側と「共存」「もたれあい」「腰抜け対応」「ちょうちん役」などをやっていて情けない限りです。マスコミは、こんな報道妨害に対しては、業界として何らかの断固たる措置をとるべきでしょう。国の存亡がかかっている時に、それでもあなた方はジャーナリズムなのかと言いたくなります。

 

3.4号機では使用済み核燃料プールで核燃料の撤去作業が始まった。

 1~3号機の使用済み核燃料はどうなっているのでしょうか。危ないのは4号機だけではなく、1~3号機も5・6号機も似たりよったりです。ともかく1~6号機の使用済み核燃料プールが全て危ないのです(たとえば再度、東日本大震災並みの直下型大地震や大津波が福島第1原発を襲ったらどうなるかを想像してみて下さい)。東京電力の計画では、1~3号機の使用済み核燃料撤去は、はるか先の将来のことにされてしまっています。かような悠長なことを放置するのではなく、柏崎刈羽原発再稼働準備をやめさせて、この使用済み核燃料の後始末に全力を集中させることが必要です。

 

4.3号機原子炉建屋からの放射線量が高い、3号機付近では放射線量が高く、アクセルを踏んで通り過ぎる。

 何故、3号機付近が、このようにとりわけ放射線量が高いのでしょうか。それは3号機の爆発が水素爆発ではなかったからではないのでしょうか。核爆発説があり、これがきちんと検証されていません。3号機については、昨今はCO(一酸化炭素)爆発説も出てきているようです。1号機の爆発と3号機の爆発の違いさえもはっきりさせられないでいて、何が原発再稼働なのでしょうか。

 

5.護岸付近では、海への汚染水漏れを防ぐため遮水壁の建設を計画

 遮水壁は、凍土方式のものだけではだめで、その外側にもう一つ、かつて3年前に馬渕澄夫首相補佐官(民主)が検討していた「鉛直バリア(ベントナイト・スラリーウオール)方式」の遮水壁を建設すべきです。二重の壁にしておいて悪いことはないはずです。そして、さっさと実施していただかないといけません。また、極力早く、水を使わない溶融炉心の冷却方法も開発されるべきです。

 更に、遮水壁に加えて、福島第1原発全体を守る防潮堤も必要です。福島第1原発をまた再び大津波が襲えば大変なことになるでしょう。柏崎刈羽原発に設置した防潮堤を福島第1原発へ移動・移管するなど、現実的な方法で、こちらもまた早期にその実現を図っていただかないといけません。

なお、最近の地元紙「福島民報」の報道によれば、遮水壁建設後の原子炉建屋内の汚染水の管理方法をめぐって、原子力「寄生」委員会と東京電力で見解が食い違い、遮水壁建設の認可が遅れているようです。

 

● 凍土壁6月着工困難か 第一原発 経産省と規制委意見に溝 県内ニュース 福島民報(2014.4.17

 http://www.minpo.jp/news/detail/2014041715165

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<別添資料について>

上記でもご紹介した下記の3つの論文は、福島第1原発事故の原因を解明するにあたり必読の文献と思われます。必ずしも平易な内容ではありませんが、可能な限り原本にあたっていただき、全文をお読みいただくのがよろしいかと思います。なお、下記3つのうち、伊藤良徳氏の論文だけは、電子版『科学』のサイトからダウンロード可能ですので、下記にそのURLをご紹介申し上げます。また、木村俊雄氏の論文については、そのエッセンス部分を一部抜粋の上、下記にご紹介いたします。

 

(参考)岩波書店月刊誌『科学』(20139月号)

「福島第一原発1号機原子炉建屋4階の激しい損傷は何を意味するかー改めて、地震動によるIC系配管破損の可能性を問う」・・・・田中三彦

 

(参考)電子版 岩波書店月刊誌『科学』(20143月号)

「再論 福島第一原発1号機の全交流電源喪失は津波によるものではない」(伊東良徳)

 https://www.iwanami.co.jp/kagaku/

(参考)岩波書店月刊誌『科学』(201311月号)

「地震動による福島第一1号機の配管漏えいを考える──東京電力「福島原子力事故調査報告書」と新規公開データの考察から……木村俊雄

 

(上記より一部抜粋)

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これに対し本稿では,今回新たに東京電力が公開した過渡現象記録装置データをもとに,東京電力がこれまで事故報告書でまったく触れていなかったデータである「炉心流量」に着目し、事後解析を実施した。その結果,以下の描像が浮かび上がってきた。

 

*地震発生1分30秒前後から,この安全機能が喪失している可能性が高まった。

 

*具体的には,原子炉圧力容器に接続されている配管の破損である。

 

*この配管破損により,原子炉冷却材が漏えいし,本来あるべき炉心内の自然循環の流れを止め,さらに炉心内(シュラウド)冷却材の流れを逆方向に変えた。この現象は,非常用復水器からの冷却水による炉心冷却効果をも停止させた。自然循環冷却停止は,事故を重大化させ,なおかつ,事故進展のスピードを加速させた要因といえる。

 

*さらに冷却材の漏えい量は微小であるため,ゆっくりとした水位低下をもたらし,また,原子炉水位計指示も総じて通常水位付近(水位計測値の誤動作による)にあったため、運転員はこの冷却材漏えい事象に気つかず,炉心への注水作業をせず,事故はさらに加速した。

 

*東電報告書では,原子炉水位が燃料頂部に到達するのは,地震発生から約3時間後(1730分過ぎ),さらに炉心損傷による原子炉格納容器からの気相漏えいが発生するのは,その後という見解である。

 

*しかしながら,東電報告書では同時に,津波来襲後の1719分, 現場確認のために原子炉建屋に入ろうとした運転員は既に線量が高く引きかえしたという上記と矛盾した事実が記載されており,配管漏えいによる建屋の汚染は,かなり早い段階で起きていたことを事実として示している。

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(表紙)「saikadou_hyoushi_1.pdf」をダウンロード


(本文)「saikadou_honbunn_1.pdf」をダウンロード


以 上

東京電力向け貸出金の担保保全に走る銀行団、無担保貸出を貸し渋り

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

 別添PDFファイルは、直近の『週刊エコノミスト』(2014.4.29)掲載の記事、並びに関連する日本経済新聞記事(2014.4.22)です。以下、簡単にご紹介しながらコメントいたします。

 

 <別添PDFファイル>

(1)担保付債券で銀行と政府が対立、巨額資金不足で東電存続に黄信号(小野展克 『エコノミスト 2014.4.29』)

(2)東電向け無担保融資、大手4行、実施へ(日経 2014.4.22

 

1.担保付債券で銀行と政府が対立、巨額資金不足で東電存続に黄信号(小野展克 『エコノミスト 2014.4.29』)

http://www.weekly-economist.com/2014/04/29/%E9%9B%BB%E5%8A%9B-%E6%8B%85%E4%BF%9D%E4%BB%98%E3%81%8D%E5%82%B5%E5%88%B8%E3%81%A7%E9%8A%80%E8%A1%8C%E3%81%A8%E6%94%BF%E5%BA%9C%E3%81%8C%E5%AF%BE%E7%AB%8B-2014%E5%B9%B44%E6%9C%8829%E6%97%A5%E5%8F%B7/

 

 まず、メインのレポート(1)の簡単な内容紹介をします。

 

「原発事故の賠償、除染、廃炉に加え、汚染水対策が財務に重くのしかかる東電に、進んで融資する銀行はない。そこで銀行と東電が編み出したのが私募債スキームだった。」

 

「私募債スキームは、東電が発行する私募債を信託の枠組みを使って組成したファンドが引き受け、このファンドに銀行が融資するという仕組みだ。こうした複雑な仕組みが編み出された背景には、銀行の融資に担保を付与する狙いがあった。」

 

(田中一郎:上記の他、「信託」スキームが使われたのは、第一に、担保設定事務の手間暇を簡略化する目的で「信託」(ファンド)に集約して一本の担保設定にしたこと、第二に、各金融機関に対して平等に対応するためと思われる)

 

「私募債スキームは、「社債が償還された範囲」という上限が設定され、既存の社債保有者に不利に働かないような配慮も設けた」

 

「しかし、思わぬ横槍が入った。みんなの党の松田公太参院議員が私募債スキームを槍玉に挙げ、「銀行優遇だ」との批判を展開したのだ。こうした国会での批判が世論の反発に結びつくことを警戒した経産省・資源エネルギー庁は「無担保での融資継続」を銀行側に要請した。」

 

(田中一郎:「横槍」などではない。当然の追求だ。また、経済産業省のこの動きは、彼らがいかに自分たちが出鱈目なこと・社会的正義に反することをしているかを自覚していることを示すもの)

 

「しかし、これには銀行側が猛反発、経産省・資源エネルギー庁と激しく対立した。その結果、113月の原発事故以前の既存融資約1.6兆円については無担保での借り換えを進め、残高を維持することになった。ただ、その一方で銀行は、原発事故後の緊急融資1.9兆円については期限を迎えるごとに順次、東電から返済を受け、残高は維持しない替えだ。」

 

(田中一郎:結構なことだ。このまま政府が何もしなければ、東京電力は経営破たん=法的処理となる。是非そうしていただきたい。しかし、今政府がやっていることは、このゾンビ会社東京電力に税金を無尽蔵に注入して生かし続け、東京電力に代わって政府が、銀行団に対して事実上肩代わり返済のようなことをしているのである。他方で、多くの原発事故被害者は、まともな賠償・補償も支援も受けられずに放置されているのだから、全く許しがたい背信行為である。喜んでいるのは加害者・東京電力と銀行団、それに原子力ムラである。日本の政府は一体誰のために、何のために存在しているのか)

 

 (東京電力の債務の動き)

20113月原発事故前  社債(有担保)=5兆円、銀行貸出(無担保)=1.6兆円

20113月原発事故直後 社債(有担保)=4.7兆円、銀行貸出(無担保)=1.6兆円、緊急融資(無担保)=1.9兆円

20133月末      社債(有担保)=3.6兆円、銀行貸出(無担保)=1.6兆円、緊急融資(無担保)=1兆円、私募債(有担保)=0.9兆円

20143月末      社債(有担保)=3兆円、銀行貸出(無担保)=1.6兆円、緊急融資(無担保)=0.6兆円、私募債(有担保)=1.3兆円

20153月末(見込み) 社債(有担保)=2.6兆円、銀行貸出(無担保)=1.6兆円、緊急融資(無担保)・私募債(有担保)=未定

 

「「原発のリスクを遮断しない限り、東電は安心して融資できる企業にならない」と大手銀行の幹部は嘆く。」

 

(田中一郎:東京電力だけではない。原発を抱える他の地域独占の大手電力会社はみな同じである。政府が東京電力を含むこれらの大手電力会社に無用のテコ入れ(例えば電気料金値上げ承認など)をしなければ、原発に固執する電力会社はやがて倒産していくだろう。それでいいのである。倒産させて法的破綻処理に追い込むのが一番いい。そうすることで、原発からも、過去のしがらみからも、きれいさっぱり足を洗った新電力会社が生まれてくる)

 

「原発事故の賠償、廃炉、除染を東電の経営から切り離し、すべての原発を政府が電力会社などから買い取る原発の国有化を本格的に検討すべきとの声が政府内外で浮上している。」

 

(史上最悪・最低のモラルハザードのシナリオだ。上記に書かれているような、いわゆる「原発国有化」論などは絶対に認められない。原発国有化は、①東京電力を法的破綻処理すること、②全ての原発・核燃料施設を破棄すること=完全即時脱原発をはっきりさせること、③福島第1原発事故の責任追及を徹底して行うこと、の3つが出そろった場合に限り、完全廃炉を目的に原発の政府買い取りが許される)

 

2.東電向け無担保融資、大手4行、実施へ(日経 2014.4.22

 http://www.nikkei.com/article/DGKDASGC2101E_R20C14A4EA1000/

 

 記事を読むと、借り替えした分は貸出期間が長期から6か月の短期に切り替えられており、さしあたり銀行団は「様子見」で短期で資金繰りをつないだ、くらいの意味しかない。下記のように、株式市場がもろ手を挙げて喜ぶようなことではない。

 

●国内・海外・為替マーケットニュース マーケット情報 野村證券 退職金・相続など資産運用のご相談は野村證券へ

 <東証>東電が大幅続伸 大手4行による無担保融資を好感

http://advance.quote.nomura.co.jp/meigara/nomura2/qsearch.exe?F=users/nomura/newshonbun&KEY1=HHG2964

 

3.簡単な総括

 銀行団は自分たちの貸出金が保全されれば、あとはどうでもいい、という態度で臨んでおり、原発事故の被害者のことや、原発及び東京電力の今後の在り方のことを考えた場合、この行為は反社会的である。政府は、銀行団の貸出金が担保付私募債に切り替わってしまわぬうちに(つまり銀行団が身勝手な債権保全をしてしまわぬうちに)、早急に株主責任として、東京電力を法的破綻処理すべきである。

 

 申し上げるまでもないが、被害者が東京電力に対して請求する賠償・補償債権は、銀行団の担保付私募債や、原発事故前からある担保付き一般社債に対して劣後していることを忘れてはならない。被害者の賠償・補償は、加害者の東京電力が支払えない場合は、事故責任者の政府が支払うべきものだが、しかし、銀行団には東京電力の事故の後始末に係る費用負担を共有してもらう必要があるので、無担保貸出を担保付に変えてしまって、その責任から逃げてしまうことを許すわけにはいかないのだ。

早々

 

 

 

2014年4月21日 (月)

『海をよみがえらせる(諫早湾の再生から考える)』(岩波ブックレットより)

前略,田中一郎です。

 

 下記は、岩波書店より昨今新刊として発売された『岩波ブックレット:海をよみがえらせる(諫早湾の再生から考える)』佐藤正典著)のご紹介です。著者の佐藤正典氏は現役の鹿児島大学教授で、専門は底生生物学、環形動物多毛類(ゴカイ類)の分類や生態についての研究をされています。

 

●『海をよみがえらせる(諫早湾の再生から考える)』(岩波ブックレット)

 http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1106365503/

 https://www.iwanami.co.jp/moreinfo/2708900/top.html

 

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 海は広くて大きいので少々海辺を埋めたってたいしたことではないと思っている人はいないでしょうか.泥の干潟についても,誤解している人が多いかもしれません.泥は,とにかく全部「きたない」と思っていないでしょうか.

 実は,海の中で一番埋め立てられやすい平坦な海辺(干潟)は,海の中で特別に豊かな場所なのです.その中でも特に,「きれいな泥」の干潟は,生きものにあふれた美しい世界です.私たちの社会は,その価値をよく知らないまま,あまりにも無頓着にそこをつぶしてしまいました.

 有明海奥部に残っている広大な泥の干潟,そこにすむたくさんの生きものたち,そしてそれに支えられた人々の漁業の営み,それらは,どれも,かつては日本中にあったものです.今はもうどれもが絶滅寸前です.

 有明海の諫早湾で今おこっていることは,水俣病問題と同じように,日本の社会が長く引きずっている大きな問題を映し出していると思います.本書では,その諫早湾をめぐる問題に焦点をあてます.それを通して,日本の海辺全体を見つめ直してみましょう.(本書「はじめに」より)

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 すばらしい小冊子でした。是非、ご一読をお勧めします。

 

 ご承知の通り、前世紀最大級の愚か極まる巨大公共事業である諫早湾干拓事業は、全事業が終えて後も今日に至るまで、その巨大環境破壊「異物」としての威容を誇り続け、多くの漁業者を苦しめ、また他方で、干拓地に入植した農業者を悩まし続けています。そして今現在、新聞報道の通り、潮受け堤防の2か所の水門をめぐって、水門を開けという佐賀県の漁業者などと、水門を開くなという長崎県の入植農業者などから、それぞれ裁判が提起されています。「環境復元調査」と言われる、潮受け堤防の水門を常時開いて、その閉め切り前(いわゆるギロチン前)の状態回復により、海の再生効果を確かめるべきか、そうでないかが争われているのです。この「構図」は、いわば、愚か極まる農林水産土建事業を強引に押し進めた国や長崎県というロクでもない行政の責任が問われるのではなく、被害者とも言うべき漁業者と農業者が、その後始末をめぐって相争う悲しむべき事態となっているのです。

 

 このブックレットでは、そうした今日の事態をにらみながらも、まずは諫早湾干拓事業をめぐる情勢が述べられる前に、干潟と海、干潟と汽水域、干潟の泥とさまざまな生物などについて、基本中の基本から説明が始まり、海辺の豊かな生態系の「母なる干潟」のメカニズムが具体的に説明され、しかる後に、日本の全国の海辺が、諫早湾と同様に、次々と「絞め殺されてきた」状況が説明されています。そして、有明海の諫早湾で、この愚かなギロチン公共事業によって何が起きたのか、海のメカニズム・干潟の生きた呼吸とでも言うべき生態系の営みの破壊の仔細を科学的に解き明かし、それに続けて、それでもかすかに生きながらえている海の生命力とでも言うべきものを大切に復元させ、ギロチン堤防で葬り去られた豊かな海を一刻も早く取り戻そうと呼び掛けています。

 

 「海はよみがえる」の章では、諫早湾以外の地域で、実際に干潟の自然再生ができた事例などを紹介しながら、海の命をつなぐ大切さが強調されています(その中の1つが、東日本大震災による東日本の太平洋側海岸域での干潟の再生があります=そしてそれが、再び愚かな巨大防潮堤建設によって破壊されようとしています)。

 

 もちろん、潮受け堤防の2つの水門は、一刻も早く開門されなければなりません。しかし私は、それ以上に、この事業で造ったあのグロテスクな堤防自体も全て撤去し、元あった自然のままの諫早湾・有明海に戻した方がいいのではないかと思っています。もちろん、国や長崎県にだまされて干拓地に入植した農業者には、代替地への無償移転や、移転後の経営が軌道に乗るまでの経営維持補償などを用意し、丁重に移転してもらったのちに、ということになりますが。そして返す刀で、この愚かな事業を強行した農林水産省や長崎県の行政責任を徹底して問うていかなければならないのではないか、と思っています(経済産業省と同様に、この農林水産省という役所も、一度、解体した方がいいかもしれません。

 

 諫早湾の巨大干拓事業という愚か極まる農林水産土建事業を推し進めてしまった日本の政治や行政の「構造」とでも言うべきものは、他のところでも、たとえば巨大ダム建設、たとえば都市の巨大再開発、たとえば高速道路やハコモノ施設の建設・乱造、あるいは原発・原子力への執拗きわまる固執とへばりつき、などと共通するものがあります。戦後の日本は、巨額の費用を掛けて、本来の豊かな自然に恵まれた郷土や恵みの海、河川や湖沼などを破壊し、あたり一面をコンクリートで埋め尽くし、さらにはそこへ放射能をばら撒いて、取り返しのつかない事態を招いています。この「構図」を抜本的に変えない限り、これからの日本は暗い不幸な時代を迎えてしまうことになるでしょう。

 

 悲しい姿をさらす、本来は豊かな海だった諫早湾、これをよみがえらせることができるのかどうかが、日本の大きな分かれ目を象徴的に示していると言ってもいいでしょう。みなさま、ぜひ、この小さな名著『(岩波ブックレット)海をよみがえらせる(諫早湾の再生から考える)』をお買い求めいただき、熟読されてみてください。

早々

 

 

2014年4月19日 (土)

(これまでの脱原発市民運動・社会運動と) 小泉・細川グループとの「脱原発」連携について

 

前略,田中一郎です。

 

 既に、2014415日付東京新聞夕刊、及び416日付東京新聞朝刊で報道された通り、小泉・細川グループはこのほど、脱原発を目指す一般社団法人「自然エネルギー推進会議」を設立し、安倍晋三政権が原発推進方針を明確にする中、学者や文化・芸術など幅広い分野の著名人が参加し、脱原発の国民運動を起こす取組を始めるようである。今年秋の福島県知事選挙をはじめ、来春の統一地方選挙での脱原発候補支援を視野に入れているという。

 

●東京新聞 小泉・細川氏共闘第2章 脱原発国民運動へ政治 (TOKYO Web)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014041502000235.html

 

●東京新聞 原発ゼロ 共闘巻き返し 小泉・細川氏「自然エネ」法人設立へ核心 (TOKYO Web)

http://ameblo.jp/heiwabokenosanbutsu/entry-11824553021.html

http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2014041602000158.html

 

  この動きについては、原発立地自治体の首長、及び地方議会選挙での脱原発統一候補擁立が可能となる第一歩が踏み出されたという点で、まずは前向きに「歓迎」のスタンスでいいのではないか。しかし、脱原発は地方選挙で勝利するだけでは実現できない。原発・原子力に関する国の方針は、申し上げるまでもなく政府が国会の承認を経て決めており、これを脱原発の方針に抜本的に切り替えるためには、脱原発派が国政選挙で勝利し政権交代を実現させなければ、その実現は難しい。これから脱原発実現の「本丸」とも言うべき2016年の国政選挙(おそらく衆参同日選挙)に向けて、脱原発統一候補の擁立に全力を挙げていく必要がある。その際に重要なことは、統一候補擁立に参加する各政治勢力やグループが、お互いがお互いの「異なる点」を際立たせて「言い争い」をするのではなく、お互いの「共通する点」「共鳴できる点」をできる限り多く見つけて、手を取り合うことである。さしあたり我々が争う相手は、原発・核燃料施設を再稼働させ、核燃料サイクルを継続させ、原発を輸出し、ロクでもない「エネルギー基本計画」なるものをでっちあげ、原子力利権に絡みとられている原子力ムラ、及びその代理店政府、つまりは自民党や公明党、民主党などの原子力推進勢力、及びその補完勢力である。本当の「敵」を見失ってはならない。

 

 地震・津波列島であり、また世界でも例のない活火山列島の日本には、原発・核燃料施設を立地することが可能な土地は存在しない。地震・津波・火山噴火に対して絶対に安全な原発・核燃料施設など存在せず、そもそも「安全な原発」などという言葉は、絶対にあり得ない嘘八百の形容矛盾そのものである(例えば「安全な超危険物」「きれいな汚物」という表現と同じ)。そして、その日本列島が、およそ10年ほど前より活発な地殻変動の時代に入り、それ以降、毎年のように大きな地震・津波・火山噴火が伝えられるようになってきている。火山活動は地殻変動の地震と連動していることは言うまでもなく、火山噴火と大地震は、それぞれが相互に近い将来の大地震・火山噴火を予知するものに他ならない(よく例に出されるのが鹿児島・桜島の噴火と関東大震災の連動性)。まさに、日本列島に50基以上存在している原発・核燃料施設が、まるで日本を破滅させる「時限核爆弾」の様相を呈し始めていることに最重点の関心が置かれなければならない。簡単にいえば、このままいくと、ほぼ確実に日本は、大地震・大津波・火山噴火・その他を契機とする原発・核燃料施設の再びの過酷事故によって放射能汚染地獄に陥り、国丸ごと滅び去ってしまうということである。これは何としても止めなければならない。滅亡を防ぐことは、あらゆることに対して最上位にあってしかるべきである。

 

 しかし、2016年の選挙は、国政という日本全体の政治を取り仕切る国会議員の選出選挙であることを鑑みれば、次の諸点についても、しっかりとその問題点と改善のポイントを自覚をしておき、当面は「争い」はしないけれども(意見の相違として、その扱いを保留しておく)、脱原発=原子力エネルギー利用の即時・完全・永久廃棄が確定した段階で、早期にその解決に取り組む必要がある。これらは、原発・原子力問題がなかりせば、日本という国をどうしていくかの最も根本的な現代的問題点ばかりであり、決して「小異を捨てて大同につけ」の「小異」などではない。たとえば、市場原理主義との決別は、理不尽な労働法制や貧弱きわまる社会保障制度の下で、何百万・何千万人もの多くの人々が、働けど働けど貧困状態に追いやられ、苦しめられていることを鑑みれば、とても現状の悪政を放置できるものではないことは明らかである。また、日本国憲法と平和主義の問題は、申し上げるまでもなく、安倍晋三・おぼっちゃま似非右翼政権の軍事大国化=戦争をする国への暴走を止める国是の最重要課題である。あるいは、新しい民主主義とは、有権者・市民の参加と自治、情報公開を基本にした新しい日本の政治の在り方の構築であり、具体的には、直接民主主義的手法の制度化や情報公開制度の抜本拡充、あるいは公職選挙法や選挙制度の改正などを含む日本の政治世界の抜本的な改革を意識したものである。

 

 

(1) 脱被ばく、及び(福島第1原発事故その他の原子力関連)被害者完全救済

(2) 市場原理主義との決別(TPP、貧困、国家戦略特区、労働、規制緩和、民営化等)

(3) 日本国憲法と平和主義の継承発展

(4) 新しい民主主義の確立と有権者・市民の参加・自治(国民主権の拡充)

 

 これらの現代的に焦眉な諸問題は、「脱原発統一候補」擁立の妨げにならない限りで、言いかえれば、深刻な対立関係に至らない限りで、これからの運動や協力関係の中でお互いが意見を交換し、可能な限り共通点・一致点を見出して、それを国政の追加的課題として目標にしていけばいいだろう。脱原発というワン・インシューだけに「しがみつく」のではなく、焦眉の諸問題を可能な限りで建設的に議論する中で、懐が深く幅も広く、寛容でゆとりをもった本当の意味での「保守」であり、また、批判的行動力だけでなく、着実な政策実現能力と真の持続的活力を持った「革新」でもある政治カルチャーや社会運動センスを鍛え上げていけばいいのではないか。問題解決の着手に「段階や順序づけ」をすることは、決してそれぞれの問題に取り組まないことではないし、問題そのものを無視することでもない。どう動いても時間はかかるのだから、冷静に判断をして、重要なものから順次賛同者を幅広く募って取り組み、確実に実現させつつ前に進んでいく、そういう「急がば回れ」式の合従連衡型政治決戦を構築していけばいいのではないか。そして、人間は社会的に学習する、運動や取組の中で変化していく。必ずやこうした不断の努力が、やがては多くの有権者・市民を政治的に活性化させ、覚醒させ、より高次の民主主義社会が実現してくることになるだろうことを信じてやまない。案ずるより産むがやすし、とはこのことではないだろうかと思う。

 

 それから大事なことがもう一つある。小泉・細川グループは、東京都知事選挙で見せたような「どの勢力とも協力・共同は行わない」という態度は、今度はおやめいただきたいと思う。東京都知事選挙での教訓を生かし、原発・核燃料施設の即時廃止・廃棄というホンモノの脱原発方針で一致する、可能な限り多くの勢力の結集を図り、原発立地自治体の首長選挙のみならず、脱原発政治決戦の「天王山」とも言うべき2016年国政選挙での脱原発統一候補擁立と、その全員当選・脱原発議員の国会での圧倒的多数の議席の実現を図ってほしいものである。当面の注目は、今回の小泉・細川グループの新たな動きが、広く有権者・市民や脱原発市民運動・社会運動に開かれているかどうかを見極めることである。私は、小泉・細川グループに、心からそのやり方と体質を改めてくれることを願っている。

 

<下記のような諸点に留意しておく必要がある>

(1)脱原発とは、単純に原発を止めることではない。脱原発とは「脱原発レジーム」であり、原子力ムラ一族の社会的根絶・一掃のことである。原発に絡まりついている社会的関係とでもいうべき「構造」、あるいは「体制」を徹底して解体し、これを担ってきた「利権集団」の原子力ムラを社会的に葬り去らねばならない。そして、これらが元に戻らないようにすることが脱原発である。それは断固たるものであり、徹底したものであり、恒久的なものでなければ意味がない。ただ単純な原発稼働停止や再稼働阻止では、政治情勢によっては一時的なものにとどまり、再び原子力ムラの復活とともに再稼働となってしまう可能性大である。

 

(2)脱原発のニセモノに要注意である。いわゆる「口先やるやる詐欺」をしっかり見抜き、中途半端なものや「方便」で言われているものを排除して、確実な脱原発を実現させなければならない。ニセモノや中途半端ものは、原子力ムラ・原子力推進の補完物として見るというスタンスがきわめて重要である。そして、その典型は、脱原発はするけれども、それは何十年か先にやります、というタイプの、段階的・漸次的シナリオに固執するタイプである。これらは電力やエネルギー供給に関する誤った認識の上に、優柔不断性や中途半端な「足して二で割る」式のくだらない打算、あるいは小ざかしい二股方式のようなものが混入しており、結果的に脱原発を先送りするだけの「似非脱原発」である。脱原発とは即時廃棄でなければ意味がない。地震や津波や火山噴火は、人間の「問題解決先送り都合」を待っていてはくれない。今すぐにでも、大地震・大津波・大噴火が原発・核燃料施設を襲わないとも限らないのである。愚か者の自己都合は自然に対しては通用しないのだ。

 

 そして、小泉・細川グループの最も優れた点は、未来の脱原発を主張しているのではなく、今この時の、即時の原発・核燃料施設の廃棄=即時脱原発を主張している点である。小泉純一郎氏曰く「脱原発は今やらなければできない」。これならば一緒にやれる。

 

(3)いずれの選挙においても、選挙の争点を明確化させることが重要だが、とりわけ2016年の国政選挙や原発・核燃料施設の立地自治体での選挙では、脱原発こそが最重要・最優先の課題であることを有権者・市民に納得してもらうこと、そして、どの候補が脱原発であり、どの候補が原発推進、ないしは中途半端のニセモノ・「似非脱原発」であるのかをはっきりさせることが最重要の課題である。市民運動・社会運動では、脱原発候補者一本化・統一とともに、選挙争点の明確化と原発推進・ニセモノの明確化という「2つの明確化」が欠かせない必須の取組事項である。

 

(4)そして、この国のあり方の最終的な決定権限者=主権者である有権者・市民には、何度も何度も原発・原子力とはどういうものなのかを、繰り返し繰り返し、繰り返し繰り返し、耳タコが何百個もできるまで、繰り返し繰り返し、説明し納得してもらうよう努力しなければならない。そしてそれは、選挙が始まってからではもう遅い。今から活動を開始し、原発・原子力の正体を明らかにし、選挙においては誰に投票をすべきか、誰に投票してはいけないかを、明確に有権者・市民に訴えるべきである。その際に重要な点は次のようなことである。

 

 <脱原発を訴える場合の重要ポイント>

● そもそも原発・原子力は必要ない(電気は足りてるし、代替手段はいくらでもある他)

● 原発は必ず過酷事故を引き起こし、立地地域を含む広範な地域をめちゃめちゃにしてしまう危険極まりない装置である。地震・火山列島の日本に適地はなく、一刻も早くやめないと大変なことになる。安全な原発・核燃料施設など存在しない。

● 原発がなくても地域経済を含む日本経済は大丈夫だし、むしろ、ない方がよりスムーズに発展する(再生可能エネルギーその他)。原発依存経済はロクでもない。

● 原発は経済的に有利で安価であるどころか、割高で高コストの発電設備である。原発の「安価神話」は原子力ムラによってでっちあげられたインチキである。

● 原発は嘘八百やインチキの塊であり、秘密主義とご都合主義に貫かれている。

● 原発だけでなく、使用済み核燃料が危ない(場合によっては原発本体以上に危ない)

● 核燃料サイクルは「サイクル」などしない。極めて危険で効率の悪いワンウェイ型の核施設にすぎない。また、核燃料サイクルは核兵器製造と表裏一体の関係にある。

● 原発・核燃料施設から出てくる核のゴミは処分ができず、事実上、何十万年もの気の遠くなる期間、環境から隔離して厳重管理が必要となる。そんなものを大量の生み出す原発・原子力は、未来世代に対して許されないものだ。また、大深度地下への使用済み核燃料の長期貯留は、地質変動の激しい日本では、かえって危険である。

● 福島第1原発事故の原因も分からず、その教訓も活かされないで、全国の原発・核燃料施設が再稼働されることは許されない。

 

 <方法論的な重要ポイント:現状では全然できていない>

 誰にでもわかるように平易であり、かつコンパクトでなければならない

 脱原発運動の仲間の「外」に向かって、言いかえれば、一般の有権者・市民に向かって訴えなければ意味がない(「うちわ」で言い合いをしていても無意味)

 選挙期間のずっとずっと前から日常不断に繰り返し繰り返し訴え続けることが大事

 

(5)上記でも書いたように、原発・核燃料施設は、原発施設本体だけでなく、使用済み核燃料プールが極めて危険であることに留意しておく必要がある。当面の緊急課題は、全国各地の使用済み核燃料プールが福島第1原発4号機のようにならぬよう、使用済み核燃料を水のプールから「乾式貯蔵」に移し替え、地震・津波・火山噴火の危険性から遠い土地に移管してしまう必要がある。今現在のままでは、大地震・大津波・火山噴火に襲われた場合には、原発・核燃料施設本体以上に悲惨な状態に陥りそうなものが全国に多く放置されたままになっている。

 

 <具体的なことで留意しておくべきこと>

(1)2016年の国政選挙が脱原発統一候補による政治決戦の「天王山」であるが、それまでにも、統一地方選挙をはじめ、原発・核燃料施設立地自治体での首長選挙や議会議員選挙、あるいは場合によっては国会議員の補欠選挙などが実施される(今回の鹿児島衆議院2区のごとく)。これらについても、しっかりと選挙協力を行い、脱原発統一候補を擁立して当選させていくことが重要である。

 

(2)そのためには、全国の原発・核燃料施設立地自治体での、直ちにの政治的な取組体制の構築が重要である。選挙は、選挙公示期間が始まるころには、その結果がどうなるかはほぼ決まってしまっている。選挙期間中にいくら焦ってがんばったところで、その取り組みには物理的時間的な限界があり、時々の大勢をひっくり返すことは難しい。選挙期間が始まるまでに、脱原発の市民運動・社会運動はその体制を整えて、脱原発統一候補擁立へ向けて全力を挙げる必要がある。これまでの市民運動・社会運動の一部に見られたように、「政治のような争い事には巻き込まれたくない」式の政治的中立主義(政治的カマトト主義)では、少なくとも脱原発は実現しないだろう。原発・原子力は、合理性も、経済性も、正当性も、倫理性もないままに、政治の力によってのみ強引に押し進められているのだから、その政治を変えないと、それを止めることは難しいのだ。

 

(3)国政選挙での統一候補擁立の取組は、衆議院なら全小選挙区、参議院なら全地方区での候補者の一本化ないしは統一がポイントであり、原則として、比例区には手を出さない。また、既成政党を無視・軽視せず、本気で脱原発に取組むことを約束する勢力には広く門戸を開いておくべきである。そして、脱原発を大きな国民的運動に仕上げながら、来る2016年の国政選挙に臨むべきである。

 

(4)地方選挙の場合には、それぞれの地方での事情が優先されて、候補者の統一がはかられていくだろう。しかし、国政選挙となると、次の2点の問題があって、必ずしも各地域の事情だけで事が決まるとは限らない。高度で、かつ成熟した政治的妥協が求められる。一般論では論じ尽くせない、候補者統一の利害調整の困難の認識とその克服が強く求められている。ともあれ、2016年の国政選挙へ向けて、全国の選挙区を統一的に調整する(脱原発)「候補者調整会議」(仮称)をできる限り早く設置し。既成政党に声をかけて選挙調整作業が始められる体制づくりを一刻も早くつくるべきである。

 

● 既成政党には全国レベルでのトータルの選挙戦略があり、その立候補調整となると、全国の選挙区への候補者の戦略的配置の問題があるので、各地域の事情だけでは候補者の一本化や統一は難しい場合がある。特に大都市部で、その傾向が強くなるだろう。

 

● 衆議院選挙の場合には、候補者が選挙区と比例区の両方に立候補をし、選挙区落選者が比例区で復活当選するという、おかしな制度がまかり通っている。この制度があるために、中小政党は選挙区での立候補者調整が難しくなる可能性がある。

 

(5)上記で申し上げた(脱原発)「候補者調整会議」(仮称)には、これまで脱原発運動に取り組んできた市民運動・社会運動の代表者・リーダーと、今回、脱原発運動を新たに立ち上げ、様々な選挙にも取り組もうとしている小泉・細川グループからの代表者が、ともに協議の席に着き、既成政党にも声をかけて、一刻も早くホンモノの「脱原発統一候補」を決め、その候補を軸に、それぞれの選挙区で、脱原発の訴えを開始すべきである。時間がたてばたつほど、選挙をにらんでの脱原発の訴えをする時間が乏しくなり、それだけ選挙の争点がボケて、これまで繰り返してきた「有権者・市民が情報を遮断されたままの下での選挙」となって、原発推進や似非脱原発・ニセモノとの決別が難しくなる。

 

(6)脱原発の成功のカギは、原発・原子力の本当のことをどこまで有権者・市民に伝えられるかにかかっている。何故なら、全ての有権者・市民が原発・原子力の本当のことを知れば、原発・原子力には何の利点も合理性も安全性もないことがわかり、かつ倫理的にも未来世代へのツケ送りであることから許されるはずもなく、もはや判断の是非は問うまでもないこととなる。しかし、論理的に正しいことは、そのまま政治的な現実になるとは限らないのがこの世の常である。2016年の国政選挙は、この脱原発のジレンマを解消させる(ひょっとすると最後の)チャンスと覚悟を決め、これまで脱原発運動に取り組んできたグループも、小泉・細川グループも、そして既成政党で脱原発を誓った政治勢力も、脱原発勢力みんなが力を併せて、今度こそ、原発・原子力の永久廃絶と原子力ムラの社会的一掃を実現させましょう。容易ではなさそうに見えますが、合理性と正義は我ら脱原発派にあるのです。悠々堂々と取り組んで行きましょう。

 

  最後に申し上げたいことは、愛と正義は必ず勝つ、ということです。これを信じましょう。あせらずに、愚直に、正直に、まっすぐに、共通点と共感を大切にし、共に闘う者へのやさしさと寛容とを、そして闘う相手=原子力ムラ・原子力推進勢力に対しては断固たる厳しさとを併せ持ち、ニセモノや中途半端を許さず、しっかりとゴールを見据えて、原発・原子力の即時廃棄=真の脱原発実現へ向けて第一歩を踏み出しましょう。

 

早々

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

日本全国のみなさま、これから原子力ムラへ「鬼退治」に出かけます。桃太郎になる人、キジや犬や猿になる人、きび団子を作る人、みんなそれぞれでいいんです。力を合わせて鬼退治です。やりましょう、始めましょう。さあ、桃太郎の歌を歌って出発です。

 

 

 

♪♪ 桃太郎

 

http://www.uta-net.com/movie/101879/

 

 

 

一、桃太郎さん 桃太郎さん
お腰(こし)につけた 黍団子(きびだんご)
一つわたしに くださいな

 

 

 

二、やりましょう やりましょう
これから鬼(おに)の 征伐(せいばつ)に
ついて行くなら あげましょう

 

 

 

三、行き(いき)ましょう 行きましょう
あなたについて どこまでも
家来(けらい)になって 行きましょう

 

四、そりゃ進め そりゃ進め
一度に攻めて(せめて) 攻めやぶり
つぶしてしまえ 鬼が島(おにがしま)

 

五、おもしろい おもしろい
のこらず鬼を 攻め(せめ)ふせて
分捕物(ぶんどりもの)を えんやらや

 

六、万々歳(ばんばんざい) 万々歳
お伴(おとも)の犬や猿雉子(さるきじ)は
勇んで(いさんで)車(くるま)を えんやらや

 

 

 

 

 

 

 

(加工食品の)製造所番号では製造所はわからない(マルハニチロ子会社のアクリフーズ農薬混入事件より)

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

● 加工食品、製造所を原則表示へ 農薬混入事件受け:朝日新聞デジタル

 http://www.asahi.com/articles/DA3S11088582.html?iref=pcviewpage

 

(一部抜粋)

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消費者庁は、加工食品に製造所と製造者名を原則として明記させる方針を固めた。表示の特例として認めてきた製造所の固有記号の使用は要件を厳しくする。昨年末、冷凍食品から農薬マラチオンが検出された事件で、大手スーパーのプライベートブランド(PB)として販売されていた商品に製造元の記載がなかったことから見直しを求める声が上がっていた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

●消費者庁・加工食品に製造所記載する案を示す(BSフジ[BSフジニュース])

 http://jcc.jp/news/8245877/

 

●アクリフーズ農薬混入事件 - Wikipedia

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%95%E3%83%BC%E3%82%BA%E8%BE%B2%E8%96%AC%E6%B7%B7%E5%85%A5%E4%BA%8B%E4%BB%B6

 

 昨年末に起きたマルハニチロ子会社のアクリフーズ(元雪印乳業子会社)における冷凍食品への農薬混入事件は、我が国の加工食品の製造工程や流通過程、あるいは食品会社の危機管理体制・食品危害事件への対応能力に大きな問題があることを浮き上がらせた。いくつかの問題点が指摘されている中の一つに、いわゆる「製造所固有記号」の問題がある。

 

 日本の食品衛生法では、加工食品は原則、その製造者名と製造所の表示が義務付けられている。当たり前のことだ。今回の事件のように、ある加工食品に危険物が含まれていることが分かった場合には、食品流通業者に指示を出してそれを早急に回収させ、危害が消費者に及ばないようにするのだが、その際に、危険商品を特定するためには、誰の造った、何という商品で、それがどこの工場で製造されたものが特定されないと、事はスムーズに進まない。特に、同じ商品の同じ包装品で、製造工場が2つ以上ある場合には、危険な商品が特定できず現場は混乱し、それだけ回収が遅れることになる。また、既に消費者が購入してしまっている場合には、それをその消費者が食べてしまう前に消費者に知らせ、それを消費者から買い取り・回収しなければならないが、商品が特定できなければ、それも容易ではない。

 

 しかし、日本の手抜き食品安全行政は、消費者の食の安全を守るのではなく、加工食品産業の便宜を図ることを第一義にしていることから、ずいぶん前に、この製造所の表示義務を、単なる番号・記号表示=製造所の固有記号に変えてしまい、消費者や食品流通業者がパッと見てもわからない、ただの番号・記号の羅列のような表示にしてしまった。おそらくは包装に表示を入れる際に、番号の方が入れやすい、という、ただそれだけのことだったに違いない。そしてその時、この手抜きを認める口実に使われたのが、商品によっては表示スペースが小さくて表示しきれない場合がある、というものだった。

 

 今回のアクリフーズ事件では、大手スーパーでPBで売られていた商品に製造元の記載がなく、混乱を招いたようである。かねてより消費者団体が、この製造所固有記号の手抜きの危険性を指摘し、行政に対して何度も何度も改善を求めてきたことが無視されていた、それが裏目に出たわけである。しかも、本来なら、表示スペースがない場合に限り「製造所記号表示」をやむなく認めるという形でスタートしたこの制度が、今や例外どころか、過半の加工食品に製造所固有記号が使われるという本末転倒状態に至り、しかもそれを行政が不適切と指導するどころか、その利用状況さえ把握していなかったことが明らかになっている。更には、本来ならば、この製造所固有記号が具体的にどこの製造所(工場)を示すのか、番号と製造所との対照表のようなものが加工食品会社のHPに記載されたり、電話などでの問い合わせに答えたりする体制ができていなければならないはずだが、それもまた手抜きされて、記号から製造所を検索できるのは保健所などに限られていたというのだ。また、当該PB商品を販売した大手スーパーは、製造責任者として、この製造所固有記号と製造所との対照表を把握していたのだろうか? 記事には書かれていないが、怪しい限りだったのではないか(注)。

 

 このメールで申し上げたことは、製造所固有記号という、普段は一般消費者にはなじみのない業界の特殊な、小さな食品表示に関係する「事件」だった。しかし、そこから見えてくるのは、日本の食品行政のあまりのお粗末さ、言いかえれば、消費者の安全や健康を守ることがどこかへ吹っ飛び、それに代わって、流通業者を含む食品産業・食品企業の便宜や利益を優先して動いている、あまりに業界本位の食品行政・消費者行政のひどさと、危うい限りの食の安全管理体制である。一つ一つの今回の関係当事者の動きを見ていくと、およそ食品の安全管理に関しては、オール無責任体制が出来上がり、すべてのことは消費者の自己責任でやれと言わんばかりの状態に陥っていることが分かる。この国は、いつまでたっても変わらないのだろうか(2000年の雪印乳業事件以降、これまで、どれだけの世の中を騒がせる食品危害事件があったか、思い出してみてほしい。まさに日本の加工食品市場は、世界から危険物が集まる「残飯市場」状態にあり、我々一般消費者は、家畜の飼料以下のロクでもない「品物」を食わされているという自覚を持った方が無難である)。

 

 ちなみに私は、極力、加工食品や外食は控えるようにしていて、特に大手スーパーなどに並ぶ加工食品には近づかないようにしている。それらの品物は、その製造過程や流通の実態をある程度知っているが為、汚くて、危険で、無責任で、簡単に買って口にすることがはばかられるからだ。およそ、人間が食べるものとは、私には思えない、という認識である。

 

 今回、アクリフーズ事件の結果が反省され、この製造所固有記号制度が厳しい方向に改正されるそうである。それ自体は歓迎していいだろう。しかし、記事を読むと、たとえば「固有記号の利用は2つ以上の製造所で同一の商品を製造・販売する事業者に限り(認める)」などという記載もあり、未だ「尻抜け」策を用意したままの「改正」に持ち込もうとしている様子がうかがえる。この記述について言えば、2つ以上の製造所で製造・販売するからこそ、紛らわしくならないように、その表示は記号ではなく、具体的な名前の表示でなければならないのではないのか。

 

 いずれにしろ、この製造所固有記号の表示の問題は、今後どのように去就していくか、しっかりと見定めていく必要がある、そして、私は何よりも申しあげたいのは、日本の食品業者が扱う加工食品は、国産品も輸入品も、ともに危険で無責任体制の中で消費者に提供されていることを十分に認識し、可能な限りで、買って食べないことをお勧めしたい。無邪気にメーカーや流通業者の宣伝を信じて安易に加工食品に手を出すことは、まことに愚かなことであり、それはそのうちに、自分の体に対して重大な健康被害を及ぼす可能性があることを申し上げておく(たとえば食品添加物=昨今では、輸入された遺伝子組換え食品添加物が無原則に氾濫しており、加工食品にゆゆしき事態が生じている可能性がある:少し前にも、販売・消費されてしまってから、回収が指示されたりしている)。

 

 賢明な消費者が、馬鹿な商品を買わない、無責任な商品に手を出さない、という、この当たり前のことが、堕落した手抜き業界である日本の食品産業界に対する最も有効な「クスリ」となることを強調したいと思う。

 

(注)PB商品の製造責任者は大手スーパーであり、PB商品が引き起こす全ての問題は、大手スーパーが引き受けて適切に対処しなければならない。この商品は●●という会社が作ったものですから、そちらに聞いてください、などという対応は許されない。今回の事件を契機に、大手スーパーのPB商品の責任体制がどうなっているのか、特に食品の安全確保の観点から、行政は総点検をすべきではないか。また、大手スーパーなど、食品流通と食品メーカーとの関係で申し上げたいのは、1990年代の中ごろより、市場原理主義が我が国ではびこるようになり、それが無用なまでの食品の国際価格競争をもたらし、生鮮を含む食べ物の低価格競争を過熱させてしまった。食べ物は安ければ安い方がいい、という、この安易で愚かな考え方が日本の多くの消費者に広がって、低価格競争が食品の品質と安全を破壊していく、そんな負のスパイラルが起きてしまっているのである(労働法制改悪による賃金の負のスパイラルと似たようなもの:市場原理主義の必然的結果)。



 

 2000年以降、度重なる食品危害事件は、かような市場原理主義をベースにした食品の低価格競争・低価格志向が、その根底にあることを付記しておきたい。食品産業が産業である限り、そこには多くの人々が働き、それで生計を立てている。消費者にとっての出費は、産業にとっては収入となる。価格は安ければ安いほどいい、ということは、食品産業従事者の収入は低ければ低いほどいい、ということを意味しており、その結果が「食の破壊」となっていくことは、容易に想像のつくことではないか。食べ物は安ければ安いほどいい、というのなら、それはペットフードや家畜に与えられる餌並みでもいい、ということを意味していることを、もう一度全ての消費者は意識化した方がいいのではないか。

早々

 

 

2014年4月17日 (木)

東京電力ほめごろし : またやってるよ、この会社、立派な会社やなあ~、ええ会社やなあ~、ほんまに

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

 別添PDFファイル4つは、昨今、新聞報道された東京電力関連の記事を若干集めたものです。何度批判されても叱られても、おんなじことを何度も何べんも繰り返し、批判する方・叱る方が根負けしてあきらめるまで、やり続ける様子です。東京電力や原子力ムラにとっては、馬耳東風とは得意中の得意技です。それに日本という国は、東京電力をはじめ原子力ムラの出鱈目には、太古の昔からやりたい放題の、やらせっぱなしでした。声高の自己責任原則は有権者・市民だけの話で、原子力ムラとその代理店政府は、出鱈目やっても、いい加減やっても、何度同じ失敗を繰り返しても、責任ということとは無関係の世界にいるのです。もちろん、原子力を規制すべき役回りの原子力「寄生」委員会は、原子力を「規制」するのではなく、原子力に「寄生」していますから、お話になりません。原子力無政府状態が跋扈しております。

 

 東京電力は立派な会社やなあ~。批判したり叱責したりしていると疲れて根負けするので、今度はみんなでほめて、ほめて、ほめて、ほめ殺しましょう。

 東京電力は立派な会社やなあ~、ええ会社やなあ~、ほんまに、社長・会長の顔を見たいわなあ~

 

 <激怒版 別添PDFファイル>

(1)高濃度汚染水を誤移送(東京 2014.4.14 夕刊)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2014041402000049.html


(また同じことをやっております、何べんでもやります、やると言ったらやります。今度はバイパス方式とやらでやって見せるでしょう)

 

(2)汚染水誤操作100トン漏れ、東電、筋違いの調査(東京 2014.4.9

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2014040902000129.html


(失敗が起きたら、失敗したやつを見つけ出して、こっぴどく叱ればいい、何故、失敗してしまったか、だって? それは失敗したやつが悪いからだ、これが東京電力のマネジメントです。立派な会社やなあ~)

 

(3)東電が「助長」送電線工事談合、3社員だけ大甘処分 (東京 2014.4.5

http://ameblo.jp/misininiminisi/entry-11817374362.html http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014040502000169.html


(国からの財政支援と全面的バックアップ=国民の血税で支えてもらっている会社が、自分の「資材調達」をするのに自分主導で業者に談合をさせて高値入札させる。そしてバレてしまったら、直接関係した担当者の3人を軽く形だけ処分する。ずいぶん寛容で立派な会社やなあ~。ところで、これ、どうも東京電力だけやなくて、全国の電力会社でもやっていて、そのツケ回しは電力料金の値上げだそうな。なかなかいい電力供給の仕組みやなあ~)

 

(4)東電VS社員、原発ADR泥沼化(毎日 2014.4.16

 http://mainichi.jp/select/news/20140416k0000m040179000c.html


(自社の社員なら、原発事故でひどい目にあって、放射能から避難しても、損害賠償の対象にはしないそうな。やさしい会社やなあ~、従業員を大事にしとるなあ~、事故原因をつくった責任者の勝俣会長やら清水社長やらは、他の会社に天下って退職金を使いきれん位にもらっとるのに、それに他の当時の責任者・役員らも金もらって海外にトンずらしとるらしいのに、一般社員・従業員にはこれやで、まことに道徳的で、いい会社やなあ~)

 

 4つ目まで書きましたが、ほめごろしは容易ではないことがわかりました。

 この会社、やはり、徹底して批判し、解体いたしましょう。

早々

2014年4月15日 (火)

「脱原発」の民意を踏みにじったエネルギー計画を決めたのは自民党・公明党と安倍政権である=2016年国政選挙で「脱原発一揆」を!!

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

 別添PDFファイルは、2014412日付の東京新聞で、自民党・公明党が談合して合意し、安倍晋三政権が閣議決定した、新エネルギー計画に関する報道記事です。ご承知の通り、安倍晋三政権は、国民の総意とも言える「脱原発」を踏みにじり、原子力ムラを復権させつつ原発推進に舵を切りました。東京新聞の記事は「表向きは原発への依存度を「可能な限り低減する」としているが、実態は原発回帰どころか、新増設への布石を打ち、輸出を推進するなど「膨張」路線に舵を切ったことになる」と書いています。許しがたい話です。

 

 別添PDFファイルの東京新聞記事は捨てずに永久保存しておきましょう。備忘録にもなります。福島第1原発事故後3年の経緯を目の当たりにしてわかったことは、原発・原子力をやめる=廃棄する=「脱原発」を実現するには、もはや政治を変えないといけないということです。昨今、私がメールで繰り返し繰り返し書いておりますように、「脱原発」の市民運動・社会運動は、もはや政治=国政に対して決定的に重大な関心を持たざるを得なくなっています。そして、その国政が民意を問う国政選挙において、「脱原発」をめざす市民・国民は、力を合わせて「脱原発候補」を擁立し、その「脱原発候補」で国会を埋めつくさなければなりません。「政治のような争い事には係わりたくない」では、もはや原発・原子力の廃絶が困難であることが明らかになっています。

 

 しかし、これまでの国政選挙では、幅広い民意であるところの「脱原発」が得票には結び付かず、全国各地で「脱原発候補」の乱立・得票争いと、原発推進の自民・公明推薦の候補に競り負ける事態が起きています。これでは、いくら声高に「脱原発」を訴えても、政治的にその実現を阻まれて、いつまでたっても「脱原発」は実現しないことになります。みなさま、そろそろ意を決して、覚悟を決めて、「脱原発」で力を合わせましょう。私は、来る2016年夏の参議院選挙が衆参同日選になる可能性が高く(同日選にならなくても、衆議院の任期は201612月までです)、そのときが日本にとっての、日本の未来にとっての重大の政治決戦になると考えています。

 

 この2016年政治決戦において「脱原発」の政治勢力が勝利し、文字通り、原発・核燃料施設の即時廃棄=「脱原発」を実現するには、さしあたり次のようなことが重要だと考えております。(ちなみに「脱原発」は、原発・核燃料施設の即時廃棄でなければ意味がありません。地震・津波・火山は我々が原発を廃棄するのを待っていてはくれません。原発は1つでも稼働している限り危険であり、日本を破滅に導く可能性があり、また、停止していても、使用済み核燃料というもう一つの超危険物が存在し続けるのです)

 

1.「脱原発」の市民運動・社会運動が2016年の国政選挙を最大の「ヤマ場」と考えて、ここでの政治決戦で勝利することに全力を挙げること

 

2.そのためには、数多ある政治課題・政治的問題の中でも、「脱原発」=原発・核燃料施設の即時廃棄が、日本をその過酷事故から守り放射能汚染による滅亡を防ぐ最重要課題であるということを、全国に周知徹底する必要がある。言いかえれば、2016年の国政選挙の最大の争点が「脱原発」であることを、広く有権者・国民に対して明確にするということ(例:「安全な原発」などは存在しない=原発は原理的に超危険であり、ひとたび大事故を起こせば取り返しのつかない放射能汚染をもたらす故、失敗の許されない設備だが、そんなものは人間の手には負えない=絶対安全はあり得ない等々)

 

3.「脱原発」の最大争点化に成功したら、その次は、誰がほんとうの「脱原発」候補であり、誰が「原発推進」候補であるかをはっきりさせることである。問題は、「原発推進」ないしは「容認」であるにもかかわらず、あるいは「脱原発」と「原発推進」の合間でふらふらしているにもかかわらず、「自分は脱原発候補だ」と詐称する「口先やるやる詐欺」のニセモノをはっきりさせることが重要である。過去20年間の日本の政治の低迷・混迷も、改革をやるやると選挙のときだけ言って実際はやらない、いわゆるニセモノ候補を有権者・国民がきちんと見分けていないことが大きな原因の一つである。しかし、原子力ムラは強大であり、断固とした「脱原発」でなければ、その実現は難しい。

 

4.「脱原発」候補を当選させていくためには「脱原発」勢力は力を合わせなければいけない。いわゆる「脱原発統一候補」の擁立である。これがうまくいくためには、次の2つの取り組みが非常に重要になる。その1は、広く断固とした「脱原発」を誓う既成政党に声をかけ、早急に「立候補調整」の連絡会を発足させること、この「連絡会」の中心は市民運動・社会運動のリーダーが担い、場合によっては市民運動・社会運動から立候補者も出しながら、全国の選挙区選挙での自民・公明推薦候補に打ち勝てる候補者の絞り込みを行うこと、その2は、市民運動・社会運動が広く有権者・国民に働きかけ、2016年の国政選挙で、すべての「脱原発」勢力の力を結集しなければならない=自分たちだけで選挙をやりますは許さない、という社会情勢をつくりだす、ことである。その2を背景にしてその1を実現していくこと、その地道な取り組みが強く求められている。(参議院でも衆議院でも、比例区には口を出さず、選挙区(特に1人区)での「統一」に全力を挙げる)

 

5.今現在進められている鹿児島の衆議院補欠選挙は、2016年の国政選挙のモデルケースになる可能性があって、まことによろしくない。社民党及び共産党は、「「脱原発」候補一本化にもっと必死の努力をしていただかないと困る(共産党は市民派の「脱原発候補」とは別に独自の候補者を立てて分裂選挙に突入し、社民党はいずれの「脱原発」候補者も支持・推薦をせずに自主投票にしている)。また、もう一人の野党候補は、民主・生活・結い・維新の各党の推薦を得て立候補しているが、川内原発については再稼働を容認するなど、「脱原発」候補ではない。この4つの党は、どうも「脱原発」とは口先だけの、ニセモノ「脱原発」の様相である。ならば、選挙の意義をはっきりさせる意味でも、原発推進・容認候補が2人、脱原発統一候補が1人、という形で、この衆議院補欠選挙に臨むべきである。

 

●衆院鹿児島2区補選告示、6人が届け出 衆議院選挙(衆院選) 政治 読売新聞(YOMIURI ONLINE

 http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/20140415-OYT1T50040.html

 

●「脱原発」市民派候補は頑張っています

【広瀬隆さんより】鹿児島2区補欠選挙が415日告示、427日投票 日々雑感

 http://hibi-zakkan.net/archives/37548652.html

 

6.原発以外の問題についてはどうするのだ、という点に関しては実に悩ましい。私は、脱原発以外に、脱被爆や被害者救済の問題、憲法の問題、市場原理主義との決別の問題、新しい民主主義実現と市民参加の問題の4つが、日本が当面する最重要課題であると考えている。しかし、これらの中でも、日本を原発・核燃料施設の過酷事故で滅ぼさないという、我々及び子供や孫及び子子孫孫の生存という、ものごとの最低ラインを鑑みた場合、脱原発が最優先となるのはやむを得ないのではないか。そして、地方選挙とは違い、国政選挙は、まさに「脱原発」するのかしないのかを、直接ストレートに問うことができる選挙なのである。

 選挙や政治におけるシングルイシュー化という単純化は、本来的にはよろしくないと考えているが、こと自分たちの滅亡にかかわる「脱原発」は、事実上、シングルイシュー化に近い形で選挙の争点にしていっていいのではないかと思う。

 

7.最後に、既存の政党や政治勢力の数合わせだけでなく、投票率を上げながら、圧倒的多数の有権者・国民から「脱原発」候補への信任票をもらっていく必要がある。そのためには、2016年夏の国政選挙へ向けて、日常普段に全国レベルでの取り組み努力が絶対的に重要であると思われる。政治や選挙から逃げてはいけない。むしろ今回こそはその逆に、政治や選挙を我ら「脱原発」勢力のものとしていくべく、様々な創意工夫と徹底した長期にわたる取組が求められていると言える。

 

 そして、最も大事なことは、広く日本の全ての有権者・国民に対して、福島第1原発事故の大惨事にもかかわらず、かつ、その事故収束も事故原因の究明もままならないままに、原発・原子力を推進しようとしている自民党・公明党の候補者に投票をしてはいけないこと(少なくとも2016年の国政選挙では投票しない)、同じく、「脱原発」をちゃんとするのかどうかよくわからないような民主党や維新をはじめ、自民党の補完政党・勢力に対してもまた同じく、投票してはいけないこと、投票する候補者は、市民運動・社会運動が推薦した「脱原発統一候補」である、ということを、くりかえし、くりかえし、くりかえし、くりかえし、訴え続けることである。その訴えの中で、原発・原子力が、嘘八百の塊であり、そんなものはなくても、電気も、地域経済も、エネルギーも、日本の未来も大丈夫であることを、丁寧にきちんと説明していけばよい。これらは時間が少々かかるかもしれない、のだから、早くスタートする必要があるのだ。

 

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(以下、別添PDFファイルの東京新聞記事で、特に注目すべき点を若干取り上げて付記しておきます。ご参考までに)

 

●東京新聞原発推進 エネ計画閣議決定 原子力ムラ復権政治(TOKYO Web)

 http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014041202000113.html

 

(1)つけあがる経済産業省:彼らこそ福島第1原発事故の原因を作った張本人たちではなかったのか

(東京新聞記事)「経産省資源エネルギー庁の担当課長は、再生可能エネルギー導入の数値目標の明記を求められ、「できません」と拒否した。「その態度はなんだ」。要求した自民党の長谷川岳参院議員によると、課長は椅子に反り返り、足を組んだまま受け答えしたという。長谷川氏の激怒で協議は中断した」

 

(2)安倍晋三総理は(本来なら解体されるべき)経済産業省にのめり込んでいる

(東京新聞記事)「昨年7月、今年4月から消費税率を8%に引き上げるか迷っていた首相は、税率を変えた場合に経済が受ける影響を試算することを決めた。指示した先は財務省でなく経産省だ」

 

(3)原発は経済的にみても最悪の発電施設である:原発の「安価」神話を払拭せよ

(東京新聞記事)「読者は覚えていらっしゃるだろうか。201186日、本紙が原発に対し命や安全より経済性を優先させてはならない、と唱えたことを。それを「再び言わねばならない」

 

(田中一郎)⇒ 既に多くの有識者が明らかにしたように、原発に関連した様々なコスト=バックエンド、使用済み核燃料処理、過酷事故処理(及びそれに備えた損害保険料)、稼働率低迷、立地地域対策費、その他など、全ての経費を含めて考えれば、原発のコストは非常に割高で、経済性からみても話にならない。いわんや、核燃料サイクルをや、である。原発・核燃料施設は、ただただ、原発利権の甘い汁を吸いたい原子力ムラの集団が利権のために執着しているだけである。代替手段もたくさんある。もし、東京新聞が原発について言うのなら、安全と経済の比較ではなく、安全や経済と利権の比較 原子力ムラの病理との比較で言うべきだ。

 

(4)原発立地自治体議員の質問「原発事故は100%起こらないと住民に保証できるのか」に答えない政府

 http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014032502000162.html

 

(東京新聞記事)「住民連合は回答を受け「質問に一切答えていない。地方議員には答えず、国会議員が聞いて初めて答える姿勢にも憤りを感じる」(共同代表の阿部悦子愛媛県議)」

 

●東京新聞原発事故絶対ない 保証あるのか 立地議員連合 政府に質問状政治(TOKYO Web)

 http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014032502000162.html

 

(5)貿易赤字は原発停止が原因ではない:デマでもなんでも使って原発の必要性を誇大広報する原子力ムラ代理店政府

(東京新聞記事)「民間シンクタンクは貿易収支の悪化の原因が(エネルギー計画が言うような)原発停止ではなく、企業が海外生産を増やした産業構造の変化の影響だと分析する」

 

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早々

 

 

 

2014年4月14日 (月)

「福島を忘れない! 止めよう柏崎刈羽原発再稼働 東京集会」 報告

前略,田中一郎です。

 

一昨日の4/12(土)、日比谷図書館地下のコンベンションホールにて、「福島を忘れない! 止めよう柏崎刈羽原発再稼働 東京集会」が開催されました。別添PDFファイルはその時の参加者向け資料です。当日は、集会終了後、東京電力本社前経由で銀座・八重洲方面へデモ行進が行われました。

 

申しあげるまでもありませんが、柏崎刈羽原発は2007年の中越沖地震で大きなダメージを受けた破損原発です。しかも設備設計や施工上の欠陥がいくつもあり、原発として危険極まりないものです。また、敷地には活断層がいくつも走り、沖合の海底にも活断層が走っております。大地震や大津波が近い将来襲ってくることはほぼ確実です。更には、昨今では、この原発の南西方向にある妙高山の火山活動も懸念され始めております。

 

加えて、この柏崎刈羽原発は、あの東京電力が運営している原発です。福島第1原発事故の収束もできないまま、柏崎刈羽原発の再稼働に走るなど、もっての他です。そもそも、事故対応を含めて、東京電力には危険な原発を稼働・運営していくだけの当事者能力が欠如しております。

 

あらゆる面からみて、柏崎刈羽原発は廃炉・再稼働なし、以外にはありえません。詳しくは、添付資料をご覧ください。

なんでこんなもん、うごかすねん、これが柏崎刈羽原発についての、すべてを語る言葉です。

 

やめときなはれ。

 

4-12 『福島を忘れない! 止めよう柏崎刈羽原発再稼働!』東京集会(東京、千代田区) 原子力資料情報室(CNIC

 http://www.cnic.jp/5716

 

 <別添PDFファイル>

(1)「福島を忘れない! 止めよう柏崎刈羽原発再稼働 東京集会」プログラム(2014.4.12
「program_tokyosyukai_kasiwazakikariwa.pdf」をダウンロード

(2)柏時刈羽原発をめぐる今日の状況(矢部忠夫柏崎市議 2014.4.12
「yabesan_rejime.pdf」をダウンロード

(3)福島を忘れない、止めよう柏崎刈羽原発(和田光弘弁護士 2014.4.12
「wadasan_rejime.pdf」をダウンロード

(4)柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会 Newsletter NO.8 2014.3.15
「kagakusya_newsletter.pdf」をダウンロード

下記は、その報告サイトです。

 

●写真報告 福島を忘れない!止めよう柏崎刈羽原発再稼働!~集会デモに200

 http://www.labornetjp.org/news/2014/0412shinya

 

(「柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会」のHPは「工事中」です)

早々

 

戦後民主主義の終焉、そして人間が侮辱される社会へ(辺見庸・佐高信 『週刊金曜日 2014.4.11』 より)

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

 今週号の『週刊金曜日』(2014.4.11)に興味深い対談が掲載されています。簡単にご紹介いたします。現代日本の文学や論壇の世界は、もうだいぶ前から「へにゃへにゃ」のがらくたの山ですが、辺見庸氏は、そうした「逆境」の中で一人、核心を貫く勇気と孤高の輝きを放つ稀有の作家です。私もまた、辺見庸氏と同様、今の日本は既に「ファシズム国家」=「原子力翼賛国家」に転落していると認識しておりますが、私とは違うアングルから日本社会の病理をえぐり出す辺見庸氏の議論にはひきつけられるものがあります。

 

 <別添PDFファイル:添付できませんでした>

●戦後民主主義の終焉、そして人間が侮辱される社会へ(辺見庸・佐高信 『週刊金曜日 2014 4 11』)

 

 下記サイトの説明によれば、『週刊金曜日』では、今週から3回にわたってこの対談を連載するそうですので、ぜひご覧になってみてください。ファシズム=翼賛国家とは、ものごとの単純化と判断の極度の歪み(根性の歪みといってもいい:情報の遮断とセット)が表裏一体となっていて、それに「日本の古層」(丸山真男)とでも言うべきものの一角を形成している「頂点同調主義」と横方向への(権力を大なり小なりに笠に着ての)「同調強要圧力」がからみつき、更に縦方向(権力の上下関係方向)の下へ向かっての無限の無責任がつらなっています(いわゆる総アイヒマン化現象)。従ってまた、国家の基礎にある経済秩序や社会規制が崩壊して混乱をきたし、不満・不安・いらだちが表面化してくるものの、その処方箋がみあたらないまま右往左往して、争い事だけがセンセーショナルに展開していくような、まことにいかんともしがたい病的社会のことを形容しております。

 

 現在の日本の様子を見ていると、ファシズム=翼賛体制というものは、一度の失敗では克服できないのかもしれないなとも思います。かつてドイツが2度の世界大戦を引き起こして猛反省を迫られ、曲がりなりにも今現在は、民主主義がかろうじて機能する西欧国家となっています。しかし日本は、アジア太平洋戦争において一度目の失敗を経験しただけであって、二度目は未経験です。しかし、今日の日本の政治・経済・社会は、いわゆる「戦後」の後始末も自分たちできちんとできないまま、再びあの昭和初期の戦争時代の社会状況と非常に似通ってきており、同じような「失敗」を繰り返そうとしているかに見えます。

 

 昭和の失敗は、大義なき侵略戦争であり、軍閥跋扈の軍国主義であり、そして激烈な敗戦でした。しかし、今度の失敗は、戦争ではなくて原子力となりそうです。日本は長い年月をかけて戦禍から立ち直ることは出来ましたが、今度の原子力の災禍からは立ち直ることはできないでしょう。永久の放射能汚染地獄へ沈むことになります。その意味で、日本のファシズム=原子力翼賛に未来はないのです。我々は、覚悟を決めて、この翼賛をひっくり返すか、でなければ、みんなで滅べば怖くない、で一緒に地獄に落ちるかです。

 

●「戦後民主主義の終焉、そして人間が侮辱される社会へ」(辺見庸・佐高信 『週刊金曜日 2014.4.11』)

 https://twitter.com/Kobayasita_Kasi/status/452049205830225920

 

(以下、一部抜粋と私のちょこっとコメント:敬称略)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

辺見庸 「いまは人間が侮辱される時代になっている。人闘が、お互い、無意識に侮辱しあっている。そういう世界ができてしまった。それなのに、侮辱と屈辱の時代になっているのだとい、2自覚が持てていない。」

 

辺見庸 (ツウィッターについて)「ぼくもやっていないんですが、百何十字で書いて、それをばらまく。あれを総理大臣がやっている時代なんです。あれが言語空間の主流になっている。安倍的ファシズムのなかには、そういうものもあると思うんです。ひじょうに平板な構文のなかで、わかりやすい単語をつかって納得し会う関係性。それはファシズムの基本形の、ひとつの特徴です。」

 

(田中一郎)全く同感。だから私もツウィッターはやらない(正確には、やってこなかった)。がしかし、昨今、選挙に勝つためにはやらんといかんのか、と思い始めている。ファシズムに加担するということだ。

 

辺見庸 「そもそも、新しいメディアには悪意があるのかというと、おそらくないんでしょう。ぼくはそこに問題があると思っているんです。ツイツターにせよ、我々も持っている携帯、スマートフォンにせよ、悪意はなくとも、あきらかに資本がある。儲からなければ、やるはずがない。ぼくはこういうものはすべて貧困ビジネスだと思っているんです。いまの資本主義の本質には貧困ビジネスがある。もっともお金のない人びとから1円でも2円でも、どうやって搾りとるのかということをITを企画する者たちは考えている。それがこの世界です。それを左派の連中も転倒して考えてしまっている。これで革命が起きるとか、中東に民主化が起きるとか、冗談じゃない。

 

(田中一郎)全く同感。ITとかネットとか、みなそのたぐいで、そもそものその金儲け無責任主義が気に食わない。がしかし、ITというのは、私の氏名のイニシャルでもある。ほとほといやになってしまう。

 

辺見庸 「ぼくはこういうコンピュータ化というものが、言うところの「文化の深まり」とはまったく違うと見ています。あえていうけど、そういうものも安倍のファシズムと無関係ではない。安倍の力の基層にはネットの閤社会がある。ネット社会の住人たちに、安倍に対する反発は少ない。保守化しているというだけでなく、もっと病性を感じます。」

 

(田中一郎) そうです。ビョーキです。

 

辺見庸 「安倍的ファシズムというのを絵画的にいうと、たとえば小松とか長谷川とか百田とか、ろくな形がない。当惑するしかないアルルカン(道化)が多い。ファシズムに「定式」はないのですが、歴史的なファシズムのなかには、ある種のグロテスクがある。ナチズムがそれを見せてくれました。安倍の靖国や天皇制に対する執着というのには、やはりファシズムの原型としてのオカルテイズムがある。」

 

佐高信 「安倍や百田に名指しで批判されている「朝日新聞」元主筆の若宮啓文という人聞がいます。(中略)安倍や百田に反撃できないかと『週刊金曜日』から若宮さんに打診したのですが、一度はのったものの結局、断ってきたんです。あそこまであしざまに言われていながら、いま反撃しないでいつ反撃するのかと私は思いました。」

 

辺見庸 「ぼくもその業界にいたから相談を受けたりもしますけど、とにかく悶着を起こすなということらしいですよ。(中略)いまぐらい権力の脇が甘い時代は

ない。特ダネなんか取り放題だと思う。籾井などというとんでもない人聞がNHKの受信科をつかってのうのうと生きている。」

 

佐高信 「品悶着起こすなというのは銀行員がよく言うことです。いまのジャーナリストは銀行員と同じ。しかし悶着起こすのがジャーナリストでしょう。」

 

辺見庸 「聞くところによると、先の東京都知事選では25歳以下の、選挙権を持つ人間の4人に1人が田母神に投票したというんです。メディア状況がこれだけ変わっているのに、連中の考えていることの平板さというのはむしろ以前より幼稚化している。安倍ファシズムはそこにとりいり、つけこんでいる。本人も単純だから、ネット社会とうまく解け合う。そこに怖さがある。」

 

辺見庸 「組織ジャーナリズムに期待できるものはゼロだと思う。いまの組織ジャーナリズムは戦後民主主義のぬるま湯のなかで育ってきたものです。闘った経験というものがない」

 

辺見庸 「フリクション(摩擦)を起こさせない。現実の権力に過度のイチャモンはつけない。テレビのキャスターのような連中がいちばん都合がいいんです。ああいうのはいっぱいいる。でも根源的な批判をし、自由に語る人間はスムーズに消去していく装置が、すでにできている。それが極端な段階にまできているんじゃないでしょうか。」

 

佐高信 「その絡みでいうと、私は心ならずも三宅坂の社民党に同伴してきました。でも、やっぱり集団とか組織が優先なんですよ。つまり、一人ひとりが本気で反対する気があるのかどうか。集団では反対するけれども、一人ではあやふやという、その集まりの臭みに耐えながら、社民党とは付き合ってきました。私は、負けたのはそこなんじゃないかと思うわけです。

 竹中労が言ってましたが、人は弱いから群れるんじゃなくて、群れるから弱いのだと。そこがわかっていない。一人ひとりがガチで反対する気があるのかと。集会が終わりました、きょうのスケジュールは終わりました、というような感じだったのではないか。」

 

(田中一郎)佐高信も時にはいいことを言う。全くその通り。そして、今の市民運動・社会運動にも似たようなところがある。

 

辺見庸 「集会でね、日比谷の野音かどこかでね、白いテーブルクロスしたところにみんな偉そうに座ってね、あれすごく嫌いなんですよ。(中略)何十年も原発をほったらかしてきたくせに、今頃偉そうな顔して言うかって思うわけです。(中略)戦後民主主義はお気楽なロールプレイングゲームみたいところがあったと思うんです、それぞれのね。」

 

辺見庸 「そういうものじゃなくて、本気でやる気があったのかと。ここがぼくがいま一言わなければならないし、問われていることだと思うんです。そうであれば、事態はとうの昔に変わっていただろうと。それぞれの生身において、すでに開かれているべきだった戦端を開かずに、ずるずる引き延ばしてきて、いま、こうして辱めを受けているという実感があります。人閑はここまで貶められ、見棄てられ、軽蔑すべき存在でなければならないのか・・・・・ファシズム云々でなく、この原点回帰が思考上欠かせません。」

 

辺見庸 「戦後民主主義とともに言わなければならないのは戦後左翼のありようです。これも佐高さんのおっしゃる通りで、組織優先だった。自己組織を対象化して、それを真に批判しえた人間がいたのか。戦後左翼においても「個」は確立できなかった。戦後左翼のなかで反日共系の新左翼は美化されたわけですが、ぼくからすると醜悪でしたよ。プント(共産主義者同盟)なんてのはいまだに懐かしいみたいに言われるけど、冗談じゃないと思う。」

 

(田中一郎)これも全く同感。「”新”左翼」などと言われているが、どこが「新」なのか? むしろマルクスあほだら教、ないしは教条主義的原理主義激派ぐらいではなかったか。いずれにせよ、頭が化石化していたのでは?

 

佐高信 「私は半分は自分が読まなかった言いわけで言うんだけど、マルクスより魯迅を読むべきだったと思う。戦後左翼のいちばんの欠点を自分にひきつけて言うとね。疎外とか何とか、社会的矛盾が内面化されていない。魯迅は、単純化していえば、報復の論理です。刺し違えるんだと。その意思がないまま、現状分析がどうだとかそういう話になる。それは個の外側にあるものなんですよ。」

 

(田中一郎)いや、やっぱり、魯迅よりもマルクスを読むべきです。しかも、徹底してです。

 

辺見庸 「『朝日新聞』は「産経新聞』よりマシだとか、平和憲法を大事にしているとかいうけれど、一方で天皇の特集なんかをやってるらしいじゃないですか。ぼくは読んでないですけど信用していませんよ。ああいう『朝日』的な戦後民主主義がいかにインチキだったか。さっき言った、ひとりで、とことん、やるのか、死ぬ気でやるのか。そこまで追い詰められているはずですよ、いまの情況は。」

 

(田中一郎)朝日新聞=ぜんぜんだめですね。マスごみです。

早々

 

2014年4月13日 (日)

原子力市民委員会 「脱原子力政策大綱」4月12日発表 その他

前略,田中一郎です。

 

以下はメール転送です。

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(各位(拡散希望)

藤原節男(脱原発を実現する原子力公益通報者、原子力ドンキホーテ)

件名:原子力市民委員会 「脱原子力政策大綱」412日発表

 

頭書の件、原子力市民委員会 が「脱原子力政策大綱」を412日に発表しました。連絡します。

 

#原子力市民委員会 の「#脱原子力政策大綱」が412日発表】

http://www.ccnejapan.com/?page_id=3000

http://www.ccnejapan.com/20140412_CCNE.pdf

 

時事通信記事→

http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2014041200177

原発ゼロ「難しくない」=政策大綱発表、エネ計画批判-市民団体:

 

 政府に政策提言を行う市民団体「原子力市民委員会」(座長・舩橋晴俊法政大教授)が412日、脱原発を実現するための政策大綱を発表した。原発ゼロ社会について「実現は難しくない」と強調。政府が目指す原発再稼働についても「認めるべきではない」と訴えている。

 

 東京都内で記者会見した舩橋教授は、政府が原発再稼働を明記したエネルギー基本計画を閣議決定したことに「後ろ向きのものしか政府は出さない。国民からかけ離れている」と述べた。メンバーの吉岡斉九州大大学院教授も「なぜ原発を続けるのか。無責任なレトリックでごまかそうとしており、とんでもないことだ」と批判した。

 

 政策大綱では、福島原発事故で原発の安定供給性や経済性などが否定されたと指摘。今後の日本社会では、エネルギー消費の自然減や省エネが進むとして「脱原発は困難ではない」と結論付けている。(2014/04/12-14:41

 

(追伸)173ページに、原子力公益通報に関する文章があります。以下のとおり。「脱原子力政策大綱」全体も一読、よろしくお願い致します。

 独立行政法人原子力安全基盤機構(JNES)での検査記録改ざん事件:

 

 2009 10 月、JNES の藤原節男検査員は、4件の公益通報を原子力安全委員会及び原子力安全・保安院原子力施設安全情報申告調査委員会に申告した。これら 4 件は、福島原発事故につながる根本原因(是正処置不履行、再発防止策不履行)についての公益通報である。しかし、4 件とも「原子力安全に関係しない」として、申告が不受理となった。また、公益通報を行った直後、 検査業務からはずされ、10 日間の検査報告書提出遅延を「 検査報告書提出命令に違反した」と追及があり、2010 3 月、60 歳定年退職後の再雇用を拒否された。

 

 201138日、藤原は経産省記者クラブ加盟社の記者たちに警告メールを送った。「このまま原子力公益通報(内部告発)が無視されている状態が続けば、明日にでもチェルノブイリ級の大事故が生じる」東日本大震災、そして福島原発事故が発生したのは、その3日後の2011311日だった。314日の福島第一原発3号機の爆発は、使用済み燃料プール中に保管されていた燃料の即発臨界(核爆発)である疑いが指摘されている 86)。4件の公益通報のうち、その一つである[泊原発3号機減速材温度係数測定検査記録改ざん]が、まさしく、原子炉の自己制御性、即発臨界( 核爆発 )に関する検査記録改ざんであった。

 

 藤原は福島原発事故の後に、再審議を申し出たが、原子力施設安全情報申告調査委員会からの2011428日付け回答は、この期に及んでも、申告不受理であった。公益通報の内容を委員会自ら調査検討しないで、JNES側の言い分をそのまま調査結果として採用し、公益通報を「原子力安全に関係しない、不受理」と退けた。この行為は、結局、公益通報者を摘発する行為に等しく、公益通報者保護法の趣旨に違反する。また藤原は、20121020日、旧原子力安全委員会の班目春樹委員長宛に提出し、未回答だった「原子力安全に関する再申告について(回答公開請求書)」を原子力規制委員会田中俊一委員長に質問した。しかし、20121119日付けの原子力規制委員会からの回答は「原子力安全に関係しない、不受理」と

いうものであった。

 

【参考文献】藤原節男(2012)『原子力ドンキホーテ』ぜんにち出版

86) 例えば、アーニー・ガンダーセン(2012)『福島第一原発--真相と展望』集英社新書、Taira,T.and Y.Hatoyama (2011),Nationalize the Fukushima Daiichi atomic plant,Nature,Vol.480,No.7377,pp 313-314 など。

 

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2.エネルギー基本計画閣議決定/脱原子力政策大綱/【緊急拡散】川内原発再稼働問題で集会(4/16@参議院議員会館)

 

オンライン署名にご賛同いただいたみなさま FoE Japanの満田です。

原発ありきの「エネルギー基本計画」が11日、閣議決定されました。残念でなりません。当日は多くの市民が抗議の声をあげました。

 

<エネ計画閣議決定>「原発事故忘れたのか」被害者怒りの声

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140411-00000040-mai-soci

 

【エネルギー基本計画】事故がなかったかのような閣議決定に声続々

 http://e-shift.org/?p=2994

 

そしてその翌日、多くの専門家や市民が1年かけて練り上げ、各地で意見交換会を行ったすえに作成された、「脱原子力政策大綱」が発表されました。脱原発への道のりのみならず、福島原発事故のもたらした被害の全貌についても盛り込まれています。作成プロセスも内容も、政府のいままで作ってきた政策文書を凌駕しているのではないかと思います。

 

以下のページから全文(PDF6MB)がダウンロードできます。ぜひ概要のみでもご覧いただければ幸いです。

 

「原発ゼロ社会への道――市民がつくる脱原子力政策大綱」

 http://www.ccnejapan.com/?page_id=3000

 

これからは一つ一つの原発の再稼働の問題を問うていくステージになると思われます。

まずは鹿児島の川内原発です。火山リスクが大きいのにも関わらず、適合性審査では、きちんと検討されていません。

以下重要な集会です。川内原発の再稼働を止めていくためにも、ぜひご参加下さい。

 

<拡散希望>4月16日(水)17:30~ 参議院議員会館講堂

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【緊急院内集会】川内原発の火山リスクと再稼働審査

講演者:井村隆介さん(鹿児島大准教授:火山学)

http://goo.gl/oeP47K

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 現在、再稼働に向けて審査中の川内原発の周辺には、桜島を含む姶良(あいら)カルデラなど、大規模なカルデラが点在し、数万年に一度発生する破局的噴火では、火砕流が原発にまで達すること明らかになっています。

 

 九州電力は、原発の運用期間中に破局的噴火が発生する可能性は十分に低く、地殻変動や微小地震の変化を捉えることにより、事前の対応が可能だと主張しています。本当にそうでしょうか?火砕流に対しては、原発を止めるだけでなく、核燃料の移動や廃炉が必要で、何十年も前に前兆を捉える必要があります。

 

 原子力規制委員会は、再稼働審査に火山学者を入れず、火山学者の警告を無視しており、破局的噴火の可能性については検討すらしていません。4月中にも審査書案を仕上げようとしています。破局的噴火により火山灰は全国に飛散し、首都圏でも10cm以上積もります。これに死の灰が混ざったらいったいどうなるのでしょうか。

 

 集会では、鹿児島大で長年、九州の火山に向き合ってこられた井村隆介先生に、川内原発の火山リスクについて、火山学者としてはじめて公開の場でお話いただきます。ふるってご参加ください。

 

日 時:4月16日(水)17:30~19:30

場 所:参議院議員会館講堂(17時からロビーにて通行証配布)

    地下鉄永田町駅・国会議事堂前駅

主 催:川内原発の火山リスクを考える集会実行委員会

問合せ:090-8116-7155/阪上

資料代:500円

 

講師プロフィール 井村隆介(いむら・りゅうすけ)

1964年大阪府生まれ。鹿児島大学准教授火山学。東京都立大学大学院修了。通産省地質調査所(現・(独)産業技術総合研究所)を経て96年に鹿児島大学に赴任。国交省TECドクター、鹿児島県土砂災害対策アドバイザー、屋久島世界遺産地域科学委員会委員、霧島ジオパーク推進連絡協議会顧問。著作は『霧島火山の生い立ち』(04年、徳田屋書店)など。

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満田夏花 MITSUTA Kanna

FoE Japan Webサイト:http://www.foejapan.org/

※【新刊案内】ブックレット<「子ども・被災者支援法」と避難の権利> 

20mSv撤回運動/自主的避難と賠償/避難・帰還政策および被災者支援について一冊のブックレットにまとめました。

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3.(毎日新聞)東日本大震災:福島第1原発事故 内部被ばくデータ、外務省がメールで要請 ずさん依頼、福島反発

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毎日新聞 20140413日 西部朝刊

 ◇「IAEA検証」影響矮小化に疑念も

http://mainichi.jp/area/news/20140413ddp041040020000c.html

 

早々

まだまだ原発・原子力の出鱈目は続きます & (福島原発告訴団からのお知らせです)

前略,田中一郎です。

 

まだまだ原発・原子力の出鱈目は続きます。

 

1.東京新聞原発適合審査 「合格=安全」広がる誇張政治(TOKYO Web)

(責任取りたくない人達がいい加減なことを言うてます:田中一郎)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014040802000111.html

 

*原子力「寄生」委員会・「寄生」庁

 規制委は新基準の名称を「安全基準」にしかけたが、基準を満たせば安全というわけではないため、「規制基準」に改めた。

、(田中俊一原子力「寄生」委員長)「絶対安全かと言われるなら否定している」。単に新基準を満たしているということを認定するにすぎない。

 

*原子力ムラ代理店政府及び自民党のゴロツキたち

 三月十四日には記者会見で、茂木敏充経済産業相が「規制委により安全性が確認された段階で、(再稼働に向けて地元に)国も説明する」と発言。二十日には自民党の細田博之幹事長代行が、原発推進派でつくる議員連盟の会合で「できるだけ早く審査を済ませ、安全という認定を出してほしい」とあいさつした。

 

2.地方議員原発質問状 政府は文書回答せず ⇒ 山本議員、質問主意書提出

 http://ameblo.jp/datsugenpatsu1208/entry-11817410495.html

 

 原発再稼働に反対する立地地域の地方議員でつくる「原発立地自治体住民連合」が政府に提出した公開質問状に対し、政府が文書での回答はしない方針を決めていたことが分かった。これを受けて、山本太郎参院議員(無所属)が質問状と同じ内容の質問主意書を政府に提出した。回答期限は11日。

 住民連合には、13道県の県議や市町村議ら約150人が参加。「原発事故は100%起こらないと保証するのか。保証できないまま再稼働するのか」などを尋ねる質問状を、3月24日に政府に提出した。

 

 3月末になっても回答がないため、住民連合の活動に協力してきた山本氏に報告。山本氏が資源エネルギー庁に問い合わせたところ、文書による回答はしないとの説明があったため、閣議決定による回答が義務付けられる質問主意書を4月3日付で提出した。

 質問主意書の質問は全7項目。使用済み核燃料や再処理で発生する高レベル放射性廃棄物の最終処分場が決まっていないのに、再稼働を認める理由などを尋ねている。(4月8日東京新聞より)

 

●東京新聞原発事故絶対ない 保証あるのか 立地議員連合 政府に質問状政治(TOKYO Web)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014032502000162.html

 

3.信濃毎日新聞[信毎web] 原発避難計画 後付けは許されない

 http://www.shinmai.co.jp/news/20140408/KT140407ETI090006000.php

(要するに、原発周辺の住民のことなど、どうでもええ、ということですわ)

 

(一部抜粋)

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 原発再稼働などおぼつかない実態が、また一つ浮かび上がった。

 原発の半径30キロ圏に入る21道府県のうち11県で、住民の避難にかかる時間を試算した「避難時間予測」がまとまっていないか、公表できていないことが明らかになった。

 原発の周辺自治体の大半が、この避難時間予測を含む「住民避難計画」を策定できていない状況にある。早ければ今夏にも再稼働する原発が出てくる見通しとなっているが、事故発生時の対応をあいまいにしたまま、見切り発車することは許されない。

 

 <たんぽぽ舎MGから関連記事を抜粋>

┏┓

┗■1.原発再稼働に関する再度の質問主意書(案)

 |  日本政府・安倍内閣へ再び7つの質問(案)412

 |       主催: 原発立地自治体住民連合

 └──── 広瀬隆発信

 

● 四月十一日付けの日本政府の回答(以下、「今回の回答」という。)を受け取ったが、日本政府は質問主意書の意味をまったく理解していない。それとも原子力発電について、日本政府には理解する能力がないと疑わざるを得ない回答であった。前回四月三日に提出した質問主意書は、ただちに資源エネルギー庁に回され、資源エネルギー庁職員が質問者の議員に説明するとの回答があったことは、驚くべきことである。われわれがそれを拒否したのは、質問している当事者が、日本政府だからである。閣僚の全員が、四月三日提出および本日提出の質問主意書を精読することを、まず初めに求める。

 

 われわれ原発立地自治体の住民は、原発の再稼働に「賛同する」、あるいは「反対する」、あるいは「判断を保留する」、といういずれの意見を持った住民であっても、「百パーセント原発無事故の保証」を求めている。誰一人、原発の大事故を望んでいない。すなわち、質問主意書は、原発立地自治体の「全」住民から発せられた質問である。

 

 地元の住民で現在は再稼働に「賛同している」人たちが、再稼働に反対する理由として挙げ得るのが何かを考えると、「原発が大事故を起こして、現在・明日の生活が不能になる」ということである。したがって、この質問主意書の目的は、原発の再稼働に「賛同している」人たちに対して、日本政府の言葉による「百パーセント原発無事故の保証」を求めているのである。

 

● 今回の回答は、「安全性の向上につとめる」、「……に取り組む」と述べているが、「頑張ります!」というのは、高校野球の宣誓式で使う言葉である。われわれが質問主意書で求めているのは、そのような頑張りではない。日本政府が、原発立地自治体の全住民から発せられ、これほど明確に書かれた基本的・具体的な質問に答えられないことは、深刻である。今回の回答のように稚拙な文言で、質問主意書の各質問から逃れたつもりであるなら、「日本政府は原発の危険性について何も知らない。国政を預かる政治家として失格である」と、世界に公言したことになる。

 

 現在の技術で、百パーセント原発無事故の保証ができるか否かを、再三尋ねているのである。保証できないなら、「保証できない」と答えればよい。保証するなら、「保証する」と答えなければならない。その回答が、今回の回答文にまったく書かれていない。また、保証するなら、その最高責任者が大事故時の責任をどのように具体的にとるかを答えなければならない。それが、政治家たるもの第一のつとめである。

 

 安倍晋三首相は、「原子力発電所の事故の責任者は事業者(電力会社)である」と国会で述べているが、ならば、今回の回答で「国が前面に立って再稼働を進める」としている以上、大事故を起こした場合、その責任が日本政府にないと言うことは、まったく無責任な政治家であると非難されても致し方あるまい。日本政府は無責任の集団なのか。大事故時の住民の避難の可否についても、「日本政府は関知しない。それは自治体が決めることだ」としている。地震の活動期の真っ只中にある日本において、原発の再稼働によって大事故の起こる可能性がきわめて高いことを知りながら、国民の生命と生活を守るべき「政治家」として、原発再稼働を進めることは、あまりにも恥ずかしい職務放棄であると思わないか。○以下、再度、同じ質問をおこなうので、質問文が求めている通り、正しく答えよ。

 

 東京電力福島第一原子力発電所事故(以下「福島第一原発事故」という。)の被災地である福島県大熊町では、現在も住宅街の中心で、毎時三百マイクロシーベルトを超える空間線量が測定されている。この数値は、三年同地に居住すれば、致死量の七シーベルトを超えることになるほどの値である。右の点を踏まえ、以下質問する。

 

一 今回の回答で、原子力規制委員会で適合性が確認された原子力発電所は再稼働を進めるとしているが、三月二十六日の会見で、原子力規制委員会の田中俊一委員長が、「適合審査に合格しても、安全を否定する」と明言しているのである。改めて尋ねる。日本政府は、原発事故は百パーセント発生しないということを原発立地自治体の住民に保証するのか、それとも、原子力規制庁および原子力規制委員会委員長のように保証できないまま原子力発電所を再稼働するつもりなのか。保証の可否を「YES」か「NO」かで答えよ。

 

二 今回の回答では、直下型地震発生時に耐えることのできるマグニチュードの値を“現時点では”答えられないとしているが、いつ、この数字を答えるのか。とりわけ再稼働トップと報道されている鹿児島県の川内原発について、いつ、この数字を答えるのか。その日程を答えよ。

 

三 二○一三年に施行された新規制基準に対する適合性の審査を行っているのは、原子力規制委員会の傘下に入ったJNES(独立行政法人原子力安全基盤機構)のメンバーであり、JNESもまた福島第一原発事故を起こした当事者(責任者)である。JNESは福島第一原発事故が発生する前に、この原子炉のメルトダウン事故の解析を公開し、その解析で水素爆発を予測していなかった。したがって原子力規制委員会は、今回の回答に書かれているような、「専門的な知見に基づき中立公正な立場で厳格に」適合性を審査する能力を持たない。このような審査結果について、原発立地自治体住民は、第三者によるクロスチェックがないままの再稼働を絶対に認めることができないので、改めて尋ねる。今回の回答には、われわれが求めた必要不可欠なクロスチェックをする組織を設立することが、まったく書かれていないが、クロスチェックする組織をいつまでに設立するのか。

 

四 ほんの六年前の二○○八年六月十四日に岩手・宮城内陸地震(マグニチュード七・二)が発生し、震源断層の真上において、揺れの最大加速度四千二十二ガルという驚異的な数値が観測された。この数値は地表最大加速度の世界記録としてギネスに認定された。ところが、この震源断層は当該地震発生前には全く知られていなかった。つまり、活断層がない場所で、世界一の揺れを記録した。

 

今回の回答では、事業者が耐震安全性の向上に「努める」べきであるとしているが、加速度四千二十二ガルに耐えられる原子力発電所を実現することは、高校野球のように「頑張って」可能になることではない。わが国の原子力発電所で、最も高い基準地震動(耐震性)は柏崎刈羽原発の二千三百ガルである。この数字も、第一次安倍晋三内閣時代の二〇〇七年に柏崎刈羽原発が中越沖地震に襲われた結果、わずか四百ガルから、科学・技術的な根拠もなく二千三百ガルに引き上げた数字でしかない。加速度四千二十二ガルに耐えられる原子力発電所を実現することが、人類にとってまったく不可能であるは、子供でも分る。改めて尋ねる。加速度四千二十二ガルと二千三百ガルの、いずれが大きな数字であるかを答えよ。

 

 さらに現在、九州電力株式会社の川内原子力発電所(以下「川内原発」という。)が再稼働候補のトップに挙げられている。火山学者が一様に、川内原発は最も危ないと警告しているにもかかわらず、原子力規制委員会は、たった一回の会合で「周辺の火山が噴火しても、原子力発電所に影響はない」とする九州電力のいい加減な報告を了承してしまった。いかなる科学的根拠をもって、川内原発について火山灰と火砕流の危険性がないと判断しているのかを質問したのに対して、今回の回答では、川内原発の火山対策については、“現時点では”答えられないとしているが、改めて尋ねる。では、いつまでに回答するのか。その日程を答えよ。

 

五 原子力発電所を再稼働することは、高レベル放射性廃棄物を含有する使用済み核燃料を新たに原子炉内に生産することを意味する。しかし、この最終処分場が四十七都道府県のどこに設置されるのか決定していない。二○一四年現在、既に原子力発電所を有する全国十三の道県の原子力発電所及び六ヶ所再処理工場の敷地内には、大量の使用済み核燃料が貯蔵されており、事故を起こした東京電力福島第一原子力発電所四号機と同じように、今もって大地震や大津波の脅威にさらされている。今回の回答では、最終処分場の確保に向けて“取り組む”としているが、過去に長期間取り組んで実現しなかったことであるから、地元住民は、再稼働前に確保することを求めているのである。改めて尋ねる。いつまでに最終処分場を確保するのか、その年限を明確に答えよ。

 

六 日本政府は、「原子力発電所は重要なベースロード電源である」と位置付けることを閣議決定したが、昨年からの日本全国原発ゼロ状態で、何らエネルギー問題を起こしていない。日本政府は、火力発電の燃料費増加によって国富が海外に流出しているとしているが、電力を一ワットも生んでいない原子力発電所の維持・管理費と新規制基準の安全対策費の方がはるかに高額の出費となっている。さらに福島第一原発事故の汚染水処理・除染・廃炉・賠償に必要な金額は、政府シナリオでさえ十一兆円を超えるとされ、民間の試算では、日本の税収をはるかに超える五十四兆円に達し、それらが全て税金又は電気料金という国民負担によって賄われるとされている。今回の回答では、質問もしていない原子力発電所の必要性について縷々述べて、見当違いの文面となっている。答えをはぐらかしてはならない。質問主意書で尋ねたことは、原子力発電所を稼働することによる国民の莫大な金銭的な負担額である。改めて尋ねる。火力発電と原子力発電を比較して、国民にとっていずれが高額な負担となっているのか。

 

七 福島第一原発事故は、地震の揺れによる配管などの破損による可能性が東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(以下「国会事故調」という。)の報告書で鋭く指摘されているにもかかわらず、津波による全電源喪失だけであると決めてかかり、多くの技術者から、再稼働の結論を導く前に、福島第一原発における事故原因の究明がなされなければならないと強い批判を受けている。今回の回答では、原子力規制委員会が事故原因の調査を実施しているとしているが、三月六日に衆議院第一議員会館でおこなわれた原子力規制庁ヒヤリングで、国会事故調委員であった田中三彦氏が原子力規制庁に対して質問し、原子力規制庁が見当違いの調査しかしていないのはなぜかとの厳しい質問に、原子力規制庁はうろたえて何も答えられなかった。まともな調査・解析を何もしていないことが明白となった。改めて尋ねる。福島第一原発事故の真因が明らかにされなくとも、日本政府は原発の再稼働を進めるつもりなのか。

右質問する。

 

4.たんぽぽ舎MGより

(1)地下水バイパス計画に反対する(その2) (その14/5発信)

    放射能を海に捨てるな 再稼働よりも汚染水問題の解決を

 └────  山崎久隆(たんぽぽ舎)

  

● 可能な地下水バイパスの条件とは

  敷地内の地下水を海にそのまま投棄することが認められるためには、地下水に放射性物質が含まれていないことを保証しなければならない。

 事故以前に行われていた「サブドレンからの放流」は、原発建屋周辺から汲み上げた地下水をそのまま海洋放流していたが、この時は原発からの放射能漏れはなかった。日量850トンの地下水は汚染されていなかったから放流できた。

 今回の計画では放射性物質が建屋から流出していることを前提として、その上流側の井戸から取水する限りは、放射性物質はほとんど含まれないとしていた。この前提が覆ってしまった。

 

 下流側で汲み上げていた放射性物質で汚染された水を、ALPSなどの放射能除去システムを通すことで「浄化」できるとしてきたが、これらのシステムがまともに稼働していない。稼働できない理由はいろいろあるだろうが、ほとんど公表されていない。サリーやキュリオンといった輸入システムの故障は、仕様書も完備しておらず原因究明も復旧も困難だ。

 ALPSは国も資金を供給して拡張されているはずだが、試運転のまま現在もトラブル続きで、その原因もはっきりしていない。もちろん再発防止もおぼつかない。結局、高濃度汚染水のままタンクで貯水しなければならなくなった。

 

 もともと、そんな汚染水を溜める予定ではなかったタンクに、リットルあたり2.4億ベクレルを超える汚染水が入ることで、少しでも漏えいが起きたら、直ちに高濃度汚染水の環境流出につながる状況になった。

 2月に発生した100トンあまりの汚染水漏えいは、その半分以上がストロンチウム90で、総量では24兆ベクレルに達する。半分以上は回収できず、地面にしみこんでいったとみられる。そのフランジタンクが建つ場所は、汲み上げ井戸の上流側である。漏えいが発生すれば汚染水は地下に入り、バイパス井戸から汲み出され、海に捨てられることになる。それだけでも地下水バイパス計画は破たん状態にある。

 

● 地下水バイパスの効果

 東電の解析では、1号機から4号機の下に流れている地下水は日量800トン、そのうち建屋に侵入しているのが400トンで、残りが海に流れているという。上流側で、ここから日量1000トンの規模を汲み上げれば、地下水量が減るので建屋に流れる量が100トン減って300トンになるという。そんなに単純な話なのかと、普通に考えても疑問になる。

 

 まず、汲み上げる場所は建屋の遙か上、30m盤上の井戸である。この場所からは原子炉建屋の地盤まで20mの落差がある。井戸は30mの地盤の地下から水を汲み上げるが、地下水の多くは汲み上げ位置よりももっと高い位置から原子炉建屋のある地盤に流入するから、効果は期待できない。東電の言うような四分の三に減らせる見込みもない。

 

 さらに、大きな問題が別途生じる。東電の見込みに反して地下水位が下がらなければ、現状と変わらないが、もし東電の言うような大きな変動があると、その影響は未知のものとなる。2011年に市民団体「東電と共に脱原発を進める会」が東電と議論をしていて見解がすれ違ったのは、地下遮水壁を作った場合の問題点についてだった。

 

 東電は当時は「地下遮水壁を作り地下水位が建屋周辺で下がることになれば建屋内部の汚染水が地中に流出する可能性がある」としていた。もちろん、通り一遍の危険性議論ではなく、十分な安全対策を取りながら進めれば良いと、図示しながら反論をしていた。その問題はどのように解決されたのだろうか。公表されている文書を見ても見当たらない。建屋周囲の地下水位が下がれば、貫通部位から汚染水が流出する危険性は無くなっていないはずだ。

 

 汚染水対策としては大した効果もない割に、周囲の地下水がどのように動くかを十分に調べもしないで強行される地下水バイパスには、未知の危険性が潜んでいると考えるべきである。

 

 

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(福島原発告訴団からのお知らせです)

告訴・告発人・支援者のみなさまへ

 

日頃のご支援・ご協力に感謝申し上げます。

福島原発告訴団が第一次「汚染水告発」を行って、早7ヶ月が経ちます。

タンクからの高濃度汚染水の漏えいを始まりとして、放射能濃度の過小評価、

度重なるALPSの不具合、安全が明確とは言えない地下水バイパスの決定と、

汚染水問題はますます深刻化しています。

作業員の被曝や海の汚染が本当に心配です。

オリンピック関連事業によって、セメントや鉄筋などの資材不足や、

人件費の高騰により作業員の確保がますます難しくなることで、

汚染水対策が困難になって行くのではないかと懸念されます。

汚染水対策の初動がもっと的確に行われていたら…と思わずにはいられません。

汚染水の現状を学び、県警へ「強制捜査」を再度要請する行動を行います。

 

4.28ふくしま集会 深刻化する汚染水問題!■

~集会・デモ・県警要請行動~

 4月28日(月)

13:30~15:30 福島市市民会館 第2ホール

講演:「汚染水漏洩の実態」阪上 武 さん (福島老朽原発を考える会(フクロウの会))

報告:河合弘之弁護士・保田行雄弁護士・海渡雄一弁護士

15:45~ 新浜公園から福島県庁へデモ行進

新浜公園地図

https://www.google.co.jp/maps/place/新浜公園/@37.7581505,140.4686316,17z/

16:30~ 福島県警本部(福島県庁内)に上申書提出

 

詳細は告訴団ブログをご覧ください。

http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/2014/04/blog-post.html

 

*会場周辺屋外の空間放射線量(目安)0.13μSv/h0.4μSv/h

 (局所的に線量の高い場所が存在します。ご注意ください)

*放射線の防護については各自ご判断ください。

*子どもさんや若い方のデモへの参加はご遠慮ください。

 

 

■告訴団 今後の予定■

・6月4日(水)東京集会・行動

 日比谷コンベンション大ホール 13:30~(予定)

 講演、東京検察審査会へ上申書提出など

 

・6月下旬 第3回総会 郡山市 (予定)

 

*詳細が決まり次第あらためてご案内致します。

 

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福島原発告訴団 本部事務局

963-4316

福島県田村市船引町芦沢字小倉140-1武藤方

電話  080-5739-7279

メール 1fkokuso@gmail.com

ブログ http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/

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(参考)「いちろうちゃんのブログ」より

●食べものの放射能汚染:子どもたちまで「出し」にして放射能汚染物を商売に使う日本の食品産業の「罰あたり」 いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-ebc4.html

 

●原発で大事故が起きても避難などできません いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-a15c.html

 

●昨日(3/12)の報道ステーションを見て : (1)「7q11染色体」を何故調べないのか(児玉龍彦氏インタビューより)、(2)私の感想 いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/post-f9c8.html

 

 

2014年4月11日 (金)

福島第1原発事故の原因の究明もしないで原発再稼働に突き進んでいいのか(4):(第2回)「原発再稼働を考える超党派の議員と市民の勉強会」報告

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)

 

 昨日夜、参議院議員会館にて「(第2回)原発再稼働を考える超党派の議員と市民の勉強会」が開催され、元原子力安全委員会事務局技術参与の滝谷絋一氏が、加圧水型(PWR)原子炉の再稼働審査に係る諸問題の解説をされました。また、それに続いて、フクロウの会の阪上武さんが、福島第1原発汚染水問題に関連して、現在進められている原発再稼働審査上の「手抜き」とも言うべき不備を指摘しています。

 

●【院内集会】4・10川内原発再稼働問題で議員と市民の勉強会 福島老朽原発を考える会 (フクロウの会) 

 http://fukurou.txt-nifty.com/fukurou/2014/04/4-ee5b.html

 

 別添PDFファイルは、その際に参加者に配布された資料です。滝谷絋一氏の説明は、201441日付の私のメール「福島第1原発事故の原因の究明もしないで原発再稼働に突き進んでいいのか(3)」でご案内した岩波書店月刊誌『科学』(20143月号)に掲載された井野博満東京大学名誉教授と滝谷絋一氏の共著レポートに即したものでした。その『科学』掲載論文も再度、別添しておきます。

 

 <別添PDFファイル:一部添付できませんでした>

(1)新規制基準に関する適合性審査の問題点:PWR(滝谷絋一 2014.4.10
「takitani_rejime.pdf」をダウンロード

(2)重大事故の拡大防止と汚染水(阪上武 2014.4.10
「sakagami_osensui.pdf」をダウンロード

(3)不確実さに満ちた過酷事故対策(井野博満・滝谷絋一:『科学 2014 3』)

 

 当日は、社民党の福島みずほ議員、吉田忠智社民党党首、菅直人元首相、平野達男議員、山本太郎議員らが参集し、それぞれ発言をしていました。そのうち、菅直人元首相と平野達男議員の発言については、若干のメモを別添PDFファイルの滝谷絋一氏のレジメの最後にしております。

 

 1時間半程度の勉強会でしたが、非常に有意義で、かつ川内原発、玄海原発、伊方原発、泊原発など、原発再稼働審査の先頭を走る、いずれも加圧水型の原子炉が、福島第1原発のような沸騰水型原子炉とは違う特性と危険性を持ち、とても過酷事故を回避できるような安全設計・安全設備にはなっていないことが確認されました。既に、ずいぶん前から田中俊一委員長以下の原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は、自分たちが行っている再稼働審査は、原発・核燃料施設の安全性を担保・確認するものではなく、あくまでも20137月に自分たちが決めた新「規制基準」なるものに適合しているか否かをチェックしているにすぎないとし、仮に自分たちの審査をパスしても、原発・核燃料施設は今後も過酷事故を起こしうると公言しています。つまり、原発・核燃料施設再稼働はもちろんのこと、原発の安全性に関しても、自分たちにその担保責任もチェック責任もないのだと、それは政府や立地自治体の判断と責任で決めてくれと、開き直っていると言っていいでしょう。

 

 しかし、この加圧水型原子炉の危険性は、まだまだ原発立地自治体の住民には伝わっておりません。たとえば鹿児島・川内原発について、多くの地域住民の方々は「日本一、世界一安全な原発だから、真っ先に再稼働されるのでしょう」という受け止め方をしている人が多いと言います。これではいけません。あらゆる手を尽くして、この(三菱重工設計・製造の)加圧水型原子炉の危険性を立地自治体の方々や日本全国の有権者・国民に伝えていきましょう。

 

 三菱重工設計・製造の加圧水型原子炉については、関西電力・美浜原発が1991年に蒸気発生器細管破断事故を起こして大量の放射能を海に垂れ流した他、2004年には定期点検の手抜きが原因と思われる冷却水配管の減肉破断事故を起こし、5名の作業員がなくなりました(他に重軽症者数名)。また最近では、下記サイトにあるように、アメリカ・カリフォルニア州・サンオノフレ原発(加圧水型原発)が、蒸気発生器や冷却水配管等の欠陥が理由で廃炉とされてしまい、これを設計・製造した三菱重工がサンオノフレ原発を運営する電力会社から巨額の損害賠償訴訟を提訴されるという事件も起きています。また、今から40年ほど前には、スリーマイル島の加圧水型原発が炉心溶融事故を起こして一大事となり、その後アメリカでの原発建設が止まってしまったという過去も思い出す必要があります。

 

 これらの事故は、加圧水型原子炉の構造的な欠陥・弱点を示すものと言っていいでしょう。加圧水型原子炉は、冷却系が二次に分かれていて設備が複雑であることに加え、一次系から二次系へ熱を伝える蒸気発生器の配管が細くてもろく(細く=もろくしないと熱伝導の効率が極端に落ちる)、大きな地震や経年劣化に弱いと言われています。こうしたことは、ずいぶん前から指摘されてきたことですが、これまで原子力安全神話に胡坐をかいて、この加圧水型原子炉の欠陥に対して、ほとんど何の対策・対応もなされてきてはおりません。むしろ原子炉が老朽化することで、その危険性は益々高まっていると言っていいでしょう。

 

 また、福島第1原発事故の教訓として、水素爆発防止の問題がありますが、驚くべきことに、加圧水型原子炉は沸騰水型に比べて格納容器が大きいので、水素爆発についてはほとんど心配はいらない、かのごとき言論が跋扈しており、沸騰水型原子炉のように格納容器に水素爆発防止のための窒素ガスを入れるというような基本的なことさえも、コストと手間暇を忌諱して手抜きしている有様です。そして、原発再稼働審査では、この手抜きが「モデル解析」だとか「シミュレーション」などの(実証性を持たない)「机上の空論」で合理化されています。しかし、事はまさにその逆で、格納容器が大きいということは、水素ガスの充満の規模もそれだけ大きくなり、従ってまた、それが爆発する際には、沸騰水型原子炉に比べて何倍もの威力で巨大爆発するということを意味しています。原発の危険性は、加圧水型の方が沸騰水型よりも、より危険で事故が巨大化する可能性が高いのです。

 

 更に、昨今話題となり始めているコア・コンクリート反応による一酸化炭素の大量発生の問題(一酸化炭素は爆発性の気体であるとともに、人体に有害な毒ガスであるという危険性もあります=一酸化炭素が出てしまうと、作業員が危険にさらされる)、福島第1原発3号機の使用済み核燃料プールにおける核爆発の可能性の問題も未解決です。要するに、福島第1原発事故の原因究明がおざなりである、ということです。それでどうやって原発・核燃料施設の安全性を担保するのでしょうか。福島第1原発の過酷事故を経験し、未だ持って被害者が救済されずに棄民されているような状態で、嘘八百といい加減と無責任を積み重ねて原発・核燃料施設を再稼働することなど、許されるはずもないのです。

 

●【原発】「アメリカ」三菱重工に4000億円の賠償求める

 http://blog.livedoor.jp/aokichanyon444/archives/54640603.html

 

●関電美浜発電所3号機二次系配管破損事故について (02-07-02-23) - ATOMICA -

 http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=02-07-02-23

 

 <参考1:田中一郎から滝谷絋一氏への質問>

1.資料の4枚目・左下「TMI-2事故では水素爆発で圧力パルスが発生」(NO.15)の図について

 タービントリップの10時間後に格納容器圧力が一瞬だけ急上昇しているが、これは何か?

 

(滝谷絋一氏回答)⇒ 事故を起こしたスリーマイル島原発の格納容器内で局所的な水素爆発があったものと思われる。しかし、事故当時の同原発では、炉心溶融は50%程度であり、また圧力容器や格納容器は健全に保たれていたために大事には至らなかった(不幸中の幸い)。

 

(田中一郎 感想)⇒ スリーマイル島の原発事故では、水素爆発回避が最も重大かつ焦眉の問題として、事故対応にあたった科学者・技術者や規制当局を悩ませていたと聞いている。しかし実際には、格納容器の中で局所的・部分的な水素爆発があったというのは驚きである。つまり、同じことが、近い将来日本で事故を起こすであろう加圧水型原子炉で起きるということを意味している。

 

<注> タービントリップ

 通常運転時には、発電機を回転させる蒸気タービンに蒸気が供給されていますが、原子炉を停止する場合や何らかの異常があった場合などには、蒸気を供給する配管に設けられている弁を閉鎖して発電を停止する。特に、異常時には弁が急閉鎖してプラントに大きな過渡が生じるため、運転時にはこの状態を模擬して問題なく原子炉が停止できることを確認する。((独)日本原子力研究開発機構)

 

2.資料の一番最後「重大事故対策の有効性評価の検証結果」(NO.21)の最後に「規制委員会は、大規模実証試験の公開実施を求めるべき」と書かれているが、ここで言う「大規模実証試験」とは、たとえばどのうようなことか?

 

(滝谷絋一氏回答)⇒ TMI-2原子炉で起きたような水素ガスの局所的爆発の実験や、炉心溶融時のコア・コンクリート反応を実際の規模の1/4~1/3くらいでやってみるなどの実証実験のこと

 

●炉心溶融時のコア・コンクリート反応(要するに溶けた灼熱の核燃料と原子炉格納容器のコンクリートでできた床や壁とが熱化学反応を引き起こすこと)

<畑のたより 虹屋's blog 柏崎刈羽67号機でメルトスルーしたら 東電vs泉田知事⑫>

 http://pub.ne.jp/hatakenotayori/?entry_id=5027527

 

3.昨今、コア・コンクリート反応で大量発生する一酸化炭素の危険性を指摘し、かつ福島第1原発3号機の爆発が1号機の水素爆発と異なる点を、この一酸化炭素の爆発で説明するレポートがあると聞いている。これについてどう思われるか?

 

(滝谷絋一氏回答)⇒ 岩波書店月刊誌『科学』の2014年3月号に論文が出ているので読んでみてください(読んでいます、読んだのでお聞きしているのです:田中一郎)。また3号機の爆発の正体については、福島第1原発事故の原因究明ができていないからこそ、それが何だったのかがはっきりしていないと言えます。

 

 <参考2:当日出席していた菅直人元首相の発言で、特記すべきことがありました。下記に略記しておきます>

 

1.(事故)原子炉の中の様子をうかがい知るためには必須の「水位計」が、温度が上がると狂ってしまうことが福島第1原発事故の教訓としてあります。これがその後どう改善されたのか、未確認のままです(これは水位計に限らず、圧力計その他の、いわゆる原子炉内計測機器類がすべて「耐震、耐圧、耐熱」などの頑強さを持っているかどうかの問題で、かねてより市民団体が大問題だと指摘してきている問題です:水位計に限らない)。

 

2.(NHKでも放送されましたが)事故直後の数日間、原子炉に大量に注水をしていた、その冷却水が、原子炉炉心へ向かわずに、複雑な経路を通って復水器(炉心から離れたところにある)の方へ流れ出てしまっていた。もしあの時注水した冷却水が炉心に全部届いていたら、2号機や3号機の原子炉の破壊はもう少し時間稼ぎができたかもしれない(ということは、電源確保等により大破損には至らなかった可能性が高くなる)。この非常時の冷却水の注入経路の問題はどうなっているのか、未確認のままではないか。

 

 <参考3:当日出席していた平野達男議員からの発言>

 福島第1原発事故で避難された方々に何が起きたか、何が起きているか、について、きちんと調査し総括したものが存在しない。政府は福島第1原発事故に関する避難者・被害者の問題の総括ができていない。(全くその通りだが、平野達男氏自身が福島の復興担当大臣だったわけで、何故、その職にある間に自分自身でしなかったのかという大問題があります)

早々

 

 

 

 

2014年4月10日 (木)

日豪EPAとTPP=国際経済交渉の体裁をとった愚か極まる外国政府・大資本ご機嫌取り政策=その犠牲者は日本農業と日本国民

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

 <別添PDFファイル>

(1)日豪EPA妥結見込み(日経 2014 4 7

(2)日豪EPA妥結見込み・日本農業新聞社説(2014 4 7

(3)日豪EPA妥結(201448日付日経・朝日)

(4)日豪EPA妥結(201448日付日本農業新聞)

(5)日豪EPA妥結(201449日付日本農業新聞)

(6)日豪EPA妥結(2014410日付日本農業新聞)

(7)米産牛肉、関税大幅下げ、TPP政府検討、1ケタ台後半(日経 2014 4 10

 

 別添PDFファイルは、ここ数日の日経(一部朝日新聞)、及び日本農業新聞に掲載された日豪EPA交渉妥結に関する記事です。日豪EPAは、2007年に第一次安倍晋三政権が多くの反対を押し切り、強引に始めた貿易交渉で、日本にとってはほとんど何も得るものがないにもかかわらず、豪州からの主要輸出品である畜産・酪農・農作物によって、北海道や南九州を中心に日本農業が壊滅的な打撃を受ける、そういう「不要・無用の貿易協定・経済連携協定」です。当時の国会は、この愚か極まる経済連携協定交渉で、政府がくだらぬ妥協をしないようにと、わざわざ「重要農産品などの交渉からの除外」の国会決議までして安倍晋三政権をけん制しておりましたが、何と、その「日本にとってマイナスだけが目立つ」EPA協定が、第二次安倍晋三政権によって「妥結」(その中身は日本の一方的な譲歩)されてしまいました。

 

 自国の農業を、何も得るものがないままにオーストラリアのために崩壊させるような引き金を引いておいて「ぎりぎりまで、交渉でよく頑張った」などと自画自賛をしている日本政府、並びに自民党の無能なゴロツキ政治家達には、あきれてものも言えません。交渉というのなら、今回、日本が何を得たのか、具体的に示してみろ、説明してみろ、ということです。政府・自民党は、あたかも巧みな駆け引きで、ギブ&テイクで困難な交渉をまとめたかのごとく演出しておりますが、実質的には日本がこの新たなEPAで得るものはほぼ皆無であり、失うものは畜産・酪農を中心にした日本農業全体と日本の「食」です。そして、こうしたことにならぬようにと歯止めをかけていた国会の決議は、今回もまた、政府・自民党によって完ぺきに無視されてしまいました。この日豪EPA交渉をまとめた、などと称している連中は、すべて日本農業の墓掘り人であり、オーストラリアへのごますり名人であり、従ってまた、亡国の官吏達・政治家達です。許すわけにはいきません。

 

●農林水産省-日豪EPA(経済連携協定)交渉の大筋合意について

 http://www.maff.go.jp/j/press/kokusai/renkei/140407.html

 

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 以下、長文にならぬよう、この日豪EPAについてのコメントを箇条書きにしておきます。参考になさってください。なお、私がこの数年間の経緯を見ていて強く申し上げたいのは次のようなことです。

 

(1)日本人は市場原理主義アホダラ教からまだ脱却できていないこと、それは「マスごみ」の貿易交渉をめぐる報道によく現れていること(愚か極まる報道を続けている:たとえば、この日豪EPAで日本がどのような経済的なメリットをどの程度得ることができるのか、それは金額ベースでいかほどか、それについてオーストラリアの対応はどうか、などを報じた記事が皆無であること、報道のほぼすべてが、日本の失うものが何かを詳細に報じ、しかもそれが日本の改革のためであるかのごとき、ふざけた、まことにバカバカしい、まさにトチ狂った三文記事を書き続けてきたのが日本の「マスごみ」である。文字通りの「ゴミ」である。

 

(2)日豪EPA妥結は、これから降りかかってくる日本没落の最初の引き金であり、その引き金の担い手が自民党の無能なゴロツキ政治家達(あるいは民主党の「口先やるやる詐欺」の政治家達)であることを端的に示している。日豪EPAの次に来る「日本が失うだけの国際交渉」がTPP交渉であり、TPP交渉では日本の「宗主国」であるアメリカに対して更に大幅な譲歩・妥協を余儀なくされ、それによって日本は、農業のみならず国内のさまざまな経済活動(特に地方経済)や経済制度を(従ってまた、圧倒的多数の有権者・国民の日常生活を)ボロボロにされてしまうであろうということである。

 

(3)そして愚かにも、こうした国際市場原理主義の旗を最も力強く振っていた自民党と安倍晋三政権を、こともあろうに日本農業と組合員・農家を守るべき立場にある農協系統が、国政選挙その他において、組織を挙げて応援・支援していたことである。今回の日豪EPAの結果、日本の畜産・酪農は近々壊滅的な打撃を受けることになるが(おそらくこれで日本の畜産・酪農の将来へ向けた可能性は一部の例外を除いてほぼなくなった)、これまでの経緯を見る限りでは、農協系統がそれに積極的に手を貸していたと言えなくもないのである。そしてそれは、農協系統が、日本農業や生産者・農家・組合員を守ることよりも、長く政権にあり続ける自民党にすり寄り、自分たちの組織の存続や事業温存を最優先した結果に他ならないのではないか。既に20年以上も昔の1993年のGATTウルグアイラウンド交渉妥結(細川護煕政権)の頃より、自民党やその補完勢力の様子がおかしくなり、市場原理主義アホダラ教に転落していく強い兆候があったにもかかわらず、そのオルタナティブな政策集団・政治集団を育てぬまま、愚かにも自民党にへばりついて、そこから農業予算その他の利権・利益・おこぼれを引きづり出す「タカリ」型の農政運動を旧態依然で変わることなく続けてきたのではないのか。農協系統やその他の多くの農業団体が日豪EPAやTPPの交渉に対して示す、その中途半端で危機感の乏しい姿勢は、こうした日本農業破壊の自民党との共存による自己組織温存最優先方針の賜物ではないのか。

 

(例:4/8朝のNHKニュースで、日豪EPA妥結に関連してインタビューに応じていた北海道のある生産者団体代表のコメントの腰抜けぶりには呆れてしまった。北海道の畜産・酪農の崩壊の危機が迫っているのに、この人間はそれを他人事とでも思っているのだろうか。怒りや憤りを感じないのだろうか)

 

(4)これ以上の日本の没落と崩壊を食い止めるには、こうした愚かな行為を繰り返すロクでもない政治家どもを国会から消去する以外に方法はない。つまり、無能なゴロツキ達の集まりである自民党と、「口先やるやる詐欺」集団の民主党、及び、この2大政党に引きずられる自民党補完勢力に、今後のあらゆる選挙で投票をしないこと、逆に、その対立する候補者に投票をするということが最重要である。自民党、民主党、及びその補完勢力への投票行動、または投票の棄権は、日本をTPPに代表される国際市場原理主義の「草刈り場」にしてしまうか、あるいは原発・核燃料施設再稼働に伴う再びの過酷事故により日本を滅亡に導くかのいずれかの選択となるだろう。そうさせぬためには、政府・政権や国会に巣食う無能で愚かな人間たちを、そうではない人たちに入れ替えること、これが我々有権者・国民に課せられた最大の生き残りのための対策であり、また、子どもや孫、あるいはそれ以降の子子孫孫世代への我々世代の義務であり使命ではないか。

 

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 <日豪EPAに関するコメント:田中一郎>

1.上記で申し上げたように、日豪EPAで日本側が得る経済的なメリットはほとんど何もない。他方で失うものは、北海道や南九州を中心にした畜産・酪農と日本農業全体である。この日豪EPA交渉は、無能で愚かな自民党の政治家どもが、国際経済交渉を演出しながら、単純に日本農業を犠牲にして、オーストラリア政府のご機嫌取りを行った、単純明快な「亡国行為」そのものである。日本の経済的利害=損得勘定さえもまともにできない自民党の馬鹿もの政治家たちが、もちろん国際交渉という駆け引きを実践していく能力もないままに、何らかの「妥結」と、海外政府の「喜ぶ顔」を手に入れたくて、自国農業をその代償に差し出したというのがその真の姿である。

 

2.日本と豪州の貿易構造は、別添PDFファイルの201448日付朝日新聞記事にあるとおりである。簡単にいえば、工業製品を輸出して、鉱物資源(全輸入の約3/4)や農産物(全輸入の約1/8)を輸入している。日本の対豪州の輸出総額は約1兆7千億円、豪州からの輸入総額は約5兆円で、大幅な輸入超過である。日本がEPA締結によって期待する輸出の伸びは、豪州の人口や経済規模から鑑みた市場の狭さ・小ささからみて、大した期待はできそうもない(人口=21百万人、GDP=1兆5千億ドル=150兆円、日本のおよそ1/4~1/5の規模)。日豪EPAにより、日本の工業製品その他の貿易品目について、豪州の関税の引き下げが行われるであろうけれども、その関税率は今や大した税率ではない。関税率の引き下げ・あるいは関税撤廃があっても、日本から豪州への輸出がドラスティックに増えるということは、ほぼありえない。

 

(豪州から鉱物資源などを安定的に調達できるようになる、などと書いている「マスごみ」記事も散見されるが、バカバカしいにもほどがある。およそ輸出する側が、自分たちの事情よりも輸入する側の事情を優先するはずもないことは自明なことで、「鉱物資源や農産物等の安定輸入の確保」などということは、外交儀礼の一種程度の意味しかないことは誰でも知っていることだ。日豪EPAの効用がないのなら、ない、と書けばいいだけのことであり、くだらぬゴタクで紙面を汚すのはやめることである)

 

3.たとえば自動車についていえば、豪州国内にはかつてトヨタが進出していたが、その国内市場の狭さと経済的メリットの小ささゆえか、近頃、撤退を決めてしまったようである。豪州では年間1百万台くらいの自動車が売れ、そのうちの1/3程度が日本車のシェアだそうである。つまり30万台強を日本の複数の自動車メーカーで奪い合うという構図だ。しかも豪州は、日本以外にたとえばタイなどとFTA・EPAを締結していて、タイからの自動車輸出はすでに関税がゼロになっている。従って、日本の自動車メーカー(たとえば三菱自動車など)は、タイで生産した自動車を豪州へ輸出することで関税を免れることができる。おそらくトヨタも、わざわざ豪州国内に生産拠点を持つよりも、豪州とFTA・EPAを結ぶ他の国の工場で生産したものを豪州へ輸出した方がコストダウンにつながり合理的なのだろう。もちろん、無理して日本から輸出する必要もない。

 

 また、豪州国内には、トヨタの撤退により、自動車産業が事実上存在しなくなったらしい。自国に自動車産業・企業がないのだから、自動車の関税を引き下げたところで、豪州にとってはどうということはない。つまり、自動車関税は豪州にとっては、農産物の海外売り込みの手段にこそ使うけれども、それがどういう水準にあるかは、言ってみればどうでもいいことであり、豪州政府にとって、その引き下げは痛くも痒くもない(豪州の消費者・国民に対しては影響が若干ある)。つまり、豪州政府にとっては、妥協でも何でもなくて、どうでもいいようなことである。それを愚かにも日本の「マスごみ」は、交渉の成果であるかのごとくデマ報道しているのだから、呆れてしまうのだ(まさに「馬鹿マスごみ」)。

 

●オーストラリアの自動車産業が消滅する。最後の砦「TOYOTA」が撤退決定 (エコノミックニュース) - Yahoo!ニュース

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140218-00000021-economic-bus_all

 

4.それからもう一つ、非農業関係で重要なことは、日豪EPA交渉で日本政府は、豪州政府に対してISDS条項を認めるように強要していた様子がうかがえることである。もちろん豪州政府は拒否を貫きとおし、ISDS条項は実現しなかった。豪州政府はTPP交渉においてもISDS条項拒否を貫いているが、日本政府は、このISDS条項に対して国内の多くの有権者・国民や有識者より大きな懸念が表明されているにもかかわらず、アメリカとともにTPP交渉において、他国にその承認をごり押ししている様子である。日本政府はいったいどっちを向いて貿易交渉・国際経済交渉をしているのかということだ。

 

●(ISDS条項)投資家対国家の紛争解決 - Wikipedia

 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8A%95%E8%B3%87%E5%AE%B6%E5%AF%BE%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E3%81%AE%E7%B4%9B%E4%BA%89%E8%A7%A3%E6%B1%BA

 

5.他方、犠牲にされる農業=特に畜産・酪農の方はどうか。具体的には、下記の農林水産省HPの簡単な取りまとめをご覧いただければと思う(わかりやすい)。今回は、米や麦、砂糖、脱脂粉乳やバターなどの中核的乳製品は関税交渉の対象外だった。しかし、牛肉(冷凍牛肉=加工原料用で国産の乳廃牛と競合、冷蔵牛肉=生肉用で国産の乳用種牛肉や交雑種牛肉(和牛と乳用種の交雑)と競合)やチーズ、それに飼料用小麦やワインは交渉の材料にされてしまい、輸入拡大の方向で関税引き下げや輸入枠の拡大が行われることとなった。重要農産品は交渉の対象から除外するとした国会決議に明らかに反している。

 

●農林水産省-日豪EPA(経済連携協定)交渉の大筋合意について

 http://www.maff.go.jp/j/press/kokusai/renkei/140407.html

 

6.牛肉については、冷凍牛肉と冷蔵牛肉の2タイプの牛肉について、一定の低関税率の輸入枠を決めた上で、その枠内で関税を、10年以上の時間をかけてではあるが、約半分にしてしまうという内容だ(現行関税率38.5%の約1/2へ)。輸入枠の方も、時間をかけて、徐々に徐々に拡大されていく。政府・農林水産省は、この関税率引下げ・低関税枠拡大の影響について、(1)低関税化した部分は近年の輸入実績程度の量の「輸入枠」で抑え込んである、(2)豪州産牛肉と競合するのは米国産牛肉だ、(3)少なくとも和牛肉への影響は限定的だ、(4)乳用種や交雑種への影響はわずか、などと、日豪EPA妥結結果の「火消し」に躍起となっている。しかし、関税率は確実に下げられており、かつ輸入枠があるとは言っても、その枠の外側は今までと同じ関税率(38.5%)にすぎないので、おそらくは、牛肉価格が今以上に下落をはじめ、かつ、豪州からの輸入牛肉が国産の牛肉と入れ替わっていくといった事態が起きてくるだろう。

 

7.とりわけ、まともに競合してしまう乳用種牛肉の価格下落はおそらく大幅なものとなり、それは一方で、乳用種や交雑種の肥育牛農家に深刻な打撃を与えるとともに、それ以上に、酪農農家の経営を廃業へ向けて揺さぶるに違いない。何故なら、いわゆる「ぬれ子」と言われる乳用種のオスの子牛の市場が乳用種肥育経営の没落とともに急速に細り、価格が暴落すること、そして、「ぬれ子」の収入は酪農経営にとっては欠かせない副次的収入であるからだ。

 

8.加えて、今回関税率引き下げの対象となったブルーチーズや、無税輸入枠が拡大されるプロセス加工原料用チーズもまた、酪農経営への打撃となる。チーズはバターや脱脂粉乳などの乳製品とは違い、すでに輸入が自由化され、国内においてもチーズ原料用の乳価は、バターや脱脂粉乳の原料用生乳価格よりも極端に低い状態である(前者が70円/kg程度、後者は48円/kg程度)。チーズは乳製品の中でも、今後、需要がさらに伸びていくと言われているが、しかし、国内の酪農家はチーズ原料に生乳を出荷していても赤字になるばかりである。そのチーズの値段を更に引き下げる方向で、関税や無関税輸入枠の見直しがなされるというのだから、穏やかではないのである。

 

 日豪EPAが存在しない現状においても、日本の畜産・酪農は厳しい経営を余儀なくされ、年々、生産者・農家が廃業に追い込まれていく。コストダウンに次ぐコストダウンは、無理な飼育を余儀なくさせる工業型畜産・酪農を生産者・農家に押し付ける形となり、家畜に病気が蔓延したり、それを防ぐための抗生物質や薬品が多投されたり、あるいは成長ホルモン剤(含む:遺伝子組換え)や飼料添加物などによる不自然な化学物質刺激による「生産性向上」が図られたりしている。そうしたことの積み重ねが、種の多様性を奪い、生命産業として不安定性をより増してしまうとともに、食品としては危険な畜産・酪農製品を消費者・国民に供給してしまうという本末転倒の状態を生み出してしまっているのである。それに対して政府が取った政策が、今回の日豪EPAである。それによって日本が経済的に得るものはほとんど何もない。日本の酪農は、酪農(楽農)ではなく「苦悩」「苦農」に変えられつつある。

 

9.飼料用小麦の自由化も許されない話である。飼料の国産化と遺伝子組換え輸入飼料からの脱却は日本の耕種農業の大きな課題であり、中でも飼料用米やWCS用稲(注)の生産拡大は、政府自らが補助金を用意してまで奨励をしている水田転作の目玉政策である。にもかかわらず、その飼料国産化の大きな方針に反する形で、豪州産の低品質小麦を飼料用として輸入自由化するとはいかなる背信行為か。許されるものではない。そもそも、かようなロクでもない日豪EPAで日本国内の畜産・酪農の生産者・農家を徹底して痛めつけるようなことをしていて、いったい誰が奨励生産された飼料用のコメを消費するのか。国内の畜産・酪農を崩壊させてしまって、どうやって、その飼料用米を活用するのか。国内の家畜がいなくなったら、今度は日本の消費者・国民に飼料用米を食わせるのか。

 

(注)ホールクロップサイレージ(WCS)用稲

 http://yamagata.lin.gr.jp/houru.htm

 

10.日本農業新聞などの報道では、早くもこの日豪EPAを受け入れた上で、政府・農林水産省には生産者・農家への経営支援的政策を期待するような書き方がなされている。本来はかような日豪EPAは、国会決議に反していることもあり、発効させることなく直ちに破棄=国会で承認否決すべきものである。しかし、その議論は少し横に置いて、この政府・農林水産省による日豪EPAの生産者・農家へのダメージ緩和策として、どのようなことが検討されているかを伝える記事に注目してみよう。そこには次のように書かれている。

 

 「このため政府・与党は、国産畜産物の価格や需要への影響を精査・検証した上で、対策を講じる。具体的には、雌雄判別精液で優良な後継雌牛を産ませたり、乳用種に和牛を交配した交雑種(F1),受精卵移植(ET)による和牛の肥育を促したりする仕組みなどを調整。影響に応じて、拡充を検討する」

 「肉用牛肥育経営安定特別対策事業(新マルキン)の制度変更も論点に上がっているが、畜産政策の大幅な見直しになることなどから、政府は現段階では慎重な構えだ」

 

 「新マルキン」制度とは、政府と生産者・農家が3:1の割合で資金を拠出し、それを原資に粗収益と生産費の差額の8割を補てんする肉用牛肥育生産者・農家向けの経営安定対策である。8割補てんで、原資の1/4が生産者・農家負担なので、実質的に政府が補てんしてくれる割合は80%×3/4=60%、つまり6割しか、価格の下落分を助けてくれないということである。かような貧弱な経営安定対策でさえ、今般の日豪EPAに対して拡充しようとする姿勢を、政府・自民党・農林水産省は示そうとはしていない。彼らは「構造改革」や「生産性の向上」などという市場原理主義アホダラ教の呪文を、この期に及んでもつぶやき続けている。

 

 そもそも、この「新マルキン」制度の予算規模は8百億円程度であり、その他の畜産・酪農政策すべてを含めても、予算総額は2千億円程度にすぎない。これではとても、国際市場原理主義から日本の畜産・酪農経営を守ることはできないだろう。日豪EPAじは、これからさらに続いていく日本の畜産・酪農つぶし、日本農業破壊政策の第一声にすぎないものである。

 

11.農林水産省・農林水産大臣は、次のようなコメントを発表した。許しがたい話である。生産者・農家や消費者・国民を馬鹿にするのもほどほどにせよということだ(上記の農林水産省HP参照)。

 

「平成十九年四月の交渉開始からちょうど七年、十六回に及ぶ交渉会合を重ねながら、政府一体となって全力を挙げて交渉を続けた努力が本日結実したものであり」

「現在進めている農林水産業の構造改革の努力に悪影響を与えないよう十分留意して」

「国内農林水産業の存立及び健全な発展を図りながら、食料の安定供給にも資する合意に達することができたと考えております。」

「肉用牛経営をはじめとする農畜産業について、構造改革や生産性の向上による競争力の強化を推進してまいります。」

 

12.201449日付日本農業新聞によれば、2007年以来、多くの反対を押し切って日豪EPAを推し進めてきた安倍晋三首相には、実は1957年に自分の母方祖父の岸信介(当時首相)が締結した日豪通商協定の「因縁」があったという。さもありなんである。この安倍晋三という政治家は、(岸信介)じいさまコンプレックスの塊のような人間で、対米関係をはじめ、国家安全保障関係や特定秘密保護法など、首相就任後に打ち出されてくるロクでもない政策は、そのことごとくが岸信介の影が見え隠れしているようなものが多いのだ。自民党が、かつての穏健保守=バランスのとれた保守政治家集団から、単なるゴロツキの集まりへと変質していったことと、この「じいさまコンプレックス男」を総理総裁に持ち上げたこととは無縁ではないだろう。

 

12.最後にTPPとの関連について一言。既に多くの有識者が発言しているように、この日豪EPAは、ただでさえ牛肉や飼料で豪州と競合しているアメリカを大いに刺激し、アメリカに頭が上がらない日本にとってはTPP交渉において、大きな桎梏となってしまうだろう。おそらくは対アメリカ向けに、対豪州以上の譲歩を余儀なくされ、今すぐではなくとも、やがて日本農業を窒息死させていくに違いない。そしてそれは、日本という国が文字通り、独立国家としての地位を失い、食料をアメリカに依存しながら、アメリカの属国として生きていく国に生まれ変わり、かつ、その属国日本の有権者・国民の生活が、主として米国の多国籍大資本によって蹂躙されていくことになるに違いない。そしてTPPのもたらす害悪は、農業よりも農業以外の分野に対して激甚である。

 

 阿呆丸出しの自民党ゴロツキ政治家の「国際経済交渉」の「まねごと遊び」による日本畜産・酪農、日本農業破壊行為は、やがてTPP妥結を経て、日本の没落を決定的なものにしていくのである。

早々

 

2014年4月 8日 (火)

原発のトルコ向け輸出と日本原電 (民主党は何をトチ狂っているのか)

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

 別添PDFファイル及び下記URLは、今般、衆議院で可決された対トルコ原子力協定とトルコ向け原発輸出に関する毎日新聞記事です(2014.4.6)。この問題は、ずいぶん前からFOEジャパンをはじめ、複数の市民団体が追いかけてきており、毎日新聞の記事内容は、その市民団体が伝えていた内容とほぼ同じです。しかし、この問題が全国紙1面トップ(東京版)に掲載されたことは大きな意義があると思われます。(毎日新聞さん、えらいぞ!! その調子だ!!)

 

 トルコ向けの日本からの原発輸出をめぐって、日本原電に対する不透明でおかしな現地調査発注が政府(経済産業省資源エネルギー庁)によってなされているようです(事業の名目は「低炭素発電産業国際展開調査事業(補助金:19億9900万円)」ですが、こんなものが「低炭素発電産業」のためと称して行われていること自体、許しがたいことです)。

 

 記事を読みますと、実はこの日本原電への不透明でおかしな発注は、トルコ向け原発輸出だけでなく、ベトナム向けの原発輸出に絡んでも行われていた様子です。利益相反行為とも言うべき原発事業者による輸出先地質調査を平然と日本原電に発注する日本政府(経済産業省資源エネルギー庁)、それは他方では、3つの原発(敦賀1,2、東海第2)の再稼働のめどが立たないまま事実上倒産している日本原電への経済的な救済テコ入れともなっています。一般の有権者・国民からみれば、かようなことは断じて許されるはずもありません。

 

 先般、厚生労働省の事業で、同省の担当セクションがOBの天下り先である特定の外郭団体に事業が受注されるよう、入札条件を作為していたことが朝日新聞のスクープで発覚し、落札取り消し・再発防止の対策が取られました。しかし、この経済産業省所管の日本原電による不透明極まりないおかしな海外事業の発注については、表面化してのちも、同省も日本原電も居直りを続けるばかりで、改めようとする気配はありません。常に私が申し上げてきたように、原子力ムラ一族は、いかなる批判に対しても改善要求に対しても「馬耳東風」であり、耳に入らない体質で、つまり、彼らは「馬」と同じであるということです。「(駄)馬」に原発を任せているのは、世界広しといえども日本くらいのものです。これを改めるには、有権者・国民の覚悟と力で、経済産業省を解体し、他方で、日本原電を法的破たん処理(注)にかけること以外にありません。そしてそれは、やる気になれば、簡単にできることなのです(少し前に霞が関権力の中枢だった大蔵省は解体されました)。

 

(注)日本原電は法的破綻処理を経て「廃炉専門カンパニー」として再スタートさせよ

 金子勝慶應義塾大学教授も提言するように、実質破たん状態の日本原電は、いったん法的破綻処理をすることで株主や大口債権者に応分の経営責任をとらせ、しかる後に、「廃炉専門カンパニー」として再スタートさせるのが望ましいと思われます。その際には、東京電力の廃炉カンパニーも吸収して一本化し(東京電力本体は法的破綻処理)、日本のみならず世界中から科学技術の粋が集まってくるような仕掛けが必要です。日本国内では、まず、福島第1原発の事故後処理に総力戦で取り組む他、福島第2原発や日本原電の3原発、更には、日本全国の老朽化原発や柏崎刈羽原発、浜岡原発、高速増殖炉「もんじゅ」、再処理工場などが、真っ先に廃炉候補として挙がってきます。更に、緊急に対応しなければならないのは、同じく全国の原発敷地に危険なままに放置されている使用済み核燃料プールで、これを大地震や大津波が来ても大丈夫なように、場所を変え、位置を変え、水冷から空冷に変えるなど、緊急の対策を打たねばなりません。もちろん、他の全ての原発・核燃料施設も廃炉に追い込む必要があることは申し上げるまでもありません。

 原発・核燃料施設の廃炉ビジネス(含む放射能汚染廃棄物管理)は、少し冷静に考えた場合、これからの成長産業で、日本国内のみならず、広く欧米や途上国を中心にニーズが高まってきます。日本原電や日本の原子力ムラが生き残るには、改心(改信)をして、廃炉ビジネスや核のごみ処理に邁進する他に道はないのではないかと思われます)

 

 衆議院では、この原発のトルコ向け輸出と、そのための対トルコ原子力協定について審議がなされ、自民・公明に加えて、なんとあの民主党が賛成して可決されております。本来であれば民主党は、今回の毎日新聞がスクープしたような原発輸出に関係する不透明でおかしな話を積極的に国会で取り上げるとともに、広く有権者・国民に向けて、そのおかしさを伝えていかなければならない役回りです。しかし、実際にやったことはそれと真逆のこと、つまり、トルコ向け原発輸出のおかしさと危険性を棚上げにしたまま、「原子力の平和・安全利用は賛成だ」「消極的賛成だ」などと、陳腐な言い訳を繰り返しながら、自分たちも原子力利権・原発輸出利権のおすそ分けにあずかるべく、賛成している始末です。

 

 みなさま、民主党のこのどうしようもない態度・政治姿勢をよく覚えておきましょう。まさに(脱原発)「口先やるやる詐欺」集団そのものであり、その実態は「脱原発」の党ではなく、「原発輸出推進」の党そのものです。かような政党や政治集団に何かを期待しても、何にも出てこないどころか、常に有権者・国民の利益に反し、期待を裏切り、ロクでもないことが繰り返されるだけです(民主党は、2009年の政権交代以降、一貫してロクでもないことを繰り返しておりました)。この党には、あらゆる選挙において、投票をしてはなりません。

 

 民主党の中にいると言われる脱原発リベラルの国会議員は(ほんとうにいるのかどうか、怪しいところがありますが)、覚悟を決めて、民主党を変えるか、それとも民主党とは決別して別の道を歩むか、きちんとした政治的姿勢を示す必要があります。特定秘密保護法をめぐる動きで明らかとなったみんなの党の議員達のように、渡辺喜美の金魚のフンのごとく、民主党のフンになっていては、リベラルもへったくれもありません(みんなの党では、昨日、渡辺喜美が代表を辞任し、みんなフンの党となってしまったようです)。

 

 今日の日本は、ほんとうに脱原発をめざす政治家を結集し、2016年の国政選挙(おそらくは衆参同日選挙)で「脱原発統一候補」を有権者・国民・市民の手で擁立し、安倍晋三・自民党に率いられる勢力、あるいはそれに引きずられる補完勢力に政治的に勝利する必要があります。そうしませんと、日本の脱原発はいよいよ政治的に困難となり、原発・核燃料施設再稼働と、その後に必ずや襲うであろう再びの過酷事故により、滅亡の危機にさらされることになります。民主党のリベラル政治家諸君にも覚悟が必要ですが、それ以上に我々一般の有権者・国民・市民もまた、(脱原発候補を擁立し当選させるという)覚悟が求められています。

 

●原発事業化調査入札資格あったのは日本原電のみ…落札 - 毎日新聞

http://mainichi.jp/select/news/20140406k0000m040106000c.html

http://blogs.yahoo.co.jp/fukushima_nuclear_disaster_news/34154515.html

早々

 

2014年4月 3日 (木)

バイパス方式だろうが、何だろうが、放射能汚染水を海へ捨てることは許されない

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

 <別添PDFファイル>

(1)福島第1原発地下水バイパス、県漁連、計画受け入れ(福島民報 2014.3.26

(2)野崎哲JF福島漁連会長に聞く(水産経済 2014.3.27

(3)浄化できない「トリチウム水」、最終処分法、検討大詰め(日経産業 2014.3.26

(4)セシウム検査の対象食品3割減(東京 2014.3.21 他)

 

 別添PDFファイル、及び下記URLは、このほど福島県の2漁協、ならびに県漁連が、いわゆる「バイパス方式」による放射能汚染水の海への放出を容認・受け入れたというニュースに関連した記事を集めたものです。放射能汚染水を海へ捨てることなど、「バイパス方式」だろうが何だろうが、許されないことだと考えています。以下、簡単にコメントと議論の紹介をいたします。

 

 まずは、下記サイトをご覧ください。

 

 <美浜の会HPより>

●深刻な福島原発汚染水の実態(3月29日)

http://www.jca.apc.org/mihama/fukushima/osensui_jittai20140329.pdf

(東電・政府の無策と無責任を漁業者に押しつける「地下水バイパス計画」実施に反対しよう。昨年10月に4千倍(40Bq/L)にも跳ね上がった汚染水、いまだ原因を解明しようともしない政府)

 

(以下、一部抜粋)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 汚染水問題の全ての責任は東電と政府にある。現状の「地下水バイパス計画」は、自らの無策と無責任のつけを漁業者に押しつけるものである。

 

 福島県漁業協同組合連合会は3月25 日に開いた組合長会で、地下水をくみ上げて海に流す「地下水バイパス計画」の容認を決めた。その組合長会には東京電力と経済産業省からも出席していた。そのとき次の3条件、①地下水の放射性物質濃度などの目標を順守する、②安全性を第三者が監視し広報する、③風評被害で魚価が低迷した場合の損害賠償を堅持する、が付いたという。

 

 問題の本質は海と海産物の放射能汚染にあり、そのことを憂慮したからこそこれまで漁協は海洋への放出を拒んできたのではなかったのだろうか。今回は苦渋の決定だと報じられているが、その決定の前に最近の深刻な汚染水の現状、管理が実にずさんな実態が把握されていただろうか。

 

 このような実態が的確に把握されていれば、今回の決定はなされなかったに違いない。汚染水の深刻な状況について、漁業者が責任を感じる必要は何もないのであり、海の汚染を拒むのは漁業者として当然のことである。

 

 以下で、汚染水の深刻な実態を確認し、3月4日の規制庁・経産省との交渉及び追加質問への文書回答を通じて浮かび上がった政府の無策・無責任体制を紹介して、現状の「地下水バイパス計画」を容認していいのかどうか、広く問題を提起したい。

 

(中略)

 

 この事故の後、東電はNo.5タンクの近くに監視用のE-1井戸を掘り、昨年9月8日から全ベータとトリチウム濃度の測定を続けてきた(東電ホームページで毎日更新)。次頁の図から明らかなように、E-1は地下水バイパス計画に関わる12 個の観測用井戸の近くの上流側にある。それゆえもし、E-1が高い放射能濃度を検知すれば、その汚染された地下水は基本的に建屋側の観測用井戸の方向に向かって流れていると考えるべきである。その場合、その汚染水はどこから来ているのか、どこに流れているかを直ちに追跡調査する必要がある。

 

(中略)

 

 10 17 日、まったく突然に約4千倍の40 Bq/L にまで跳ね上がっている。これだけの高濃度の汚染水が17日にE-1に到達したことを示している。この高濃度汚染水は1カ月余りの間、次々とE-1に到達し、その流出源が尽きたのか、E-1濃度は徐々に低下していることが見てとれる。昨年8月19 日に漏えい事故を起こしたタンクは直後に水抜きされているので、ここから漏れるはずはない。この挙動が示しているのは、明らかに別のおそらくフランジ型タンクから漏れたこ

と、その漏えいが1カ月余り続き、やがてそのタンクは空に近い状態になって流出が低下したこと、このことを示しているのではないだろうか。

 

(中略)

 このような明らかなタンクの漏えいが起こっているのに、その実態、原因、影響の範囲等の調査は何もしていない。E-1がキャッチした汚染水は下流の地下水観測用井戸の方面に流れていったはずである。ところがその井戸では、昨年9月以降全ベータ濃度はND(非検出)のままである。その観測用井戸は地下水の汚染を把握できず、汚染水はより深い地下水に乗って海に流出したのかも知れない。ただし、№12 の地下水観測用井戸のトリチウム濃度は昨年12 月以降明らかに上昇している。

 

 なお、東電の「地下水流動解析モデル」とはどのようなものか明らかではないが、おそらく地下水の流れの分布を示すモデルだと思われる。しかし、汚染水の追跡調査もせずにこのようなモデルをつくったところで、それは絵に描いたモチのようなものである。それどころか、そのモデルが絶対化されて実態調査をさぼる口実にされ、さらにはそれが判断基準とされて実態のもつ危険性が封じ込められる恐れが生じる。

 

 このような汚染と管理の実態を見れば、東電や政府のいうことを真に受けて「地下水バイパス計画」を容認していいのだろうかとの強い疑問が湧かないだろうか。

 

 「地下水バイパス計画」に対し、漁業組合が付けた条件の第一は濃度規制を守ることである。しかし、問題の核心は放射能の濃度ではなく総量にあると捉えるべきである。福島事故によってすでに大量の放射能が周辺に放出されており、その上毎日400 トンの冷却水に放射能が溶け出て汚染水がつくりだされている。その汚染水がタンクから漏えいして地下水に混ざって海に流れ出すことさえ防止できていない。その上、現状の「地下水バイパス計画」では、井戸のいくつかが汚染を引き起こしたタンク周辺にあることから、薄められた大量の放射能が公然と海に放出されることになる。生物濃縮によって濃縮された放射能をとり込んだ海産物が食卓に上り、赤ん坊までがそれを食べて放射能被害を受ける。海は海外にまでつながっているのに、このような行為が国際的に許されていいのだろうか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 私(田中一郎)は、この問題については、「美浜の会」が言うように「汚染水の深刻な状況について、漁業者が責任を感じる必要は何もないのであり、海の汚染を拒むのは漁業者として当然のことである」であると思う。が、しかしだ。今回の「「バイパス方式」による汚染水の海への放出受け入れ表明」に関しては、福島県の2つの漁協、及び県漁連の(幹部たちの)態度について、大きな疑念を感じている。

 

 以下、次の3点を端的に書いておく。こんなことを繰り返していたら、福島県をはじめ東日本の太平洋海域での漁業がいよいよ危険でできなくなる可能性が高まることに加え、放射能汚染に対する軽率きわまる態度・対応の結果、海産物からの内部被曝を多くの消費者・国民にもたらして健康被害者を出し、福島県のみならず東日本全体の漁業が二度と立ち上がれないくらいのダメージを受けてしまうことになりかねない。それでは、原発事故の被害者が、今度は健康被害の加害者側に立つことになり、悲劇的な事態をより一層悲惨なものにしてしまいかねない。愚かなことはやめよ、放射能を甘く見るな、と、厳重に漁協系統幹部達に申しあげておく。

 

1.漁協系統が政府並びに東京電力に対して提出した要望事項の骨子は、福島民報の報道によれば下記のようなことである。私の素朴な疑問は、受入れの是非云々の前に、なぜ、これらの要望事項に対する政府並びに東京電力の回答を待って態度を決しないのか、いや、更に申し上げれば、政府並びに東京電力が満足のいく回答を出してきたとして、それが確実に担保される確証を得てから、態度を決めるという手順を踏まないのか、ということだ。

 

 報道を見る限りでは、漁協系統の幹部達は、苦しい判断だとか苦渋の決断だとか、口先だけの浮ついたような「うめき」を発してはいるものの、肝心の「海を放射能から守る、漁場を放射能から守る、海産物を放射能から守る」という(食品供給者としての)漁業者の根本のところで、断固たる態度を示していないではないか。何故、政府や東京電力からの回答を見定めないのか。おかしいではないか。(たとえば要望事項の「安全性を第三者が監視し」の「第三者」とは誰なのか等)

 

 私は、ひょっとして、過去の様々なことから想像して、この漁協系統の一部の幹部連中が、裏で原子力ムラ代理店政府の要人(官僚)か、あるいは自民党のゴロツキ有力政治家と「なれあい談合」または「裏取引」をし、多くの漁業者・漁協組合員にはそれを秘密にしたまま、早々に「バイパス方式による汚染水の海洋放出」容認の「出来レース」をしていたのではないか、と疑いたくなっている。

 

 上記の美浜の会のレポートにもあるように、福島第1原発の現場はすさまじい放射能汚染状態に陥っており、地下水上流にある「バイパス放流用の井戸」でさえ、その更に上流で猛烈な放射性物質が検出され、しかもそれが、放射性ストロンチウムなどの放射性セシウムよりもはるかに危険な放射性核種で汚染されている状態にある。それを少しでも認識していれば、かような時期尚早で軽率極まりない「受け入れ表明」など、できるはずもないのではないか。

 

 漁業者が海を守らなくなったら、私は、日本の漁業はおしまいだと思っている。今からでも遅くないから、漁協幹部達は再度、総会を開いて、福島第1原発の事故現場のすさまじい汚染状況を漁業者・組合員に説明の上、適切な対応を再検討したらどうか。そして、下記の要望事項の実現の徹底した確約をとるべきではないのか。

 

<福島県漁協系統の政府並びに東京電力への要望事項骨子:福島民報より>

(1)地下水バイパス水の排出運用目標を明確にし、厳重に順守

(2)定例モニタリングの運用方法を明確にし、厳重に順守

(3)安全性を第三者が監視し県民にマスコミを通じて広報していくこと

(4)地下水バイパス水排出後の風評被害などによる漁業者に対する損害賠償の堅持

(5)国は今後起とり得る風評被害などあらゆる問題に対し、漁業者・水産業者の立場で解決に当たる

 

2.試験操業を含む東日本の太平洋海域での漁業について

 福島県(及び茨城県、千葉県、宮城県南部(特に阿武隈川河口周辺より南)の漁協系統は、いわゆる試験操業も含めて、何故、漁業を続けているのか。特に、福島県の漁協系統の試験操業については、わずかばかりのサンプルの放射性セシウムを検査しているだけで、とても漁獲された魚介類の安全性が担保できているとは思えない。福島第1原発から、地下水となって流出している放射能は(5つの海への流出ルート:岸壁から浸み出し、原発敷地の南北の排水口から直接港湾外に流出、地下伏流水となって海底から湧水、阿武隈川など河川を通じて山林から流れ下る、大気中の放射能が降下)、溶融核燃料を冷却した水であり、猛烈な汚染状況にある。もちろん、放射能の種類も放射性セシウムに限られたものではなく、様々なα核種(例:プルトニウム)、ベータ核種(例:放射性ストロンチウムやトリチウム)、ガンマ核種(例:放射性銀、コバルト60)で汚れきっている。そんな汚染水で洗われてしまった福島第1原発周辺海域の海産物を、わずかな放射性セシウムだけを調べて食品として流通させるなど、断じて許されることではない。

 

 福島県を含む漁協系統は、愚かな漁業操業を止めて、被害を受けた漁業者・組合員の完全救済へ向けて、何故、賠償・補償と漁業経営の再建支援に全力で取り組まないのか。漁業経営を再建しようと思えば、原発周辺海域で操業するのではなく、日本全国各地の違う海域で、一時的にでも移転・移住を受け入れてもらって、そこで原発によって奪われた漁船や漁具の無償提供を加害者・東京電力や事故責任者・国から提供を受けて、漁業再開をしていくべきではないのか。汚染海域での操業は、漁業者自身の被ばくの問題もある。事態は全く甘くない。甘くないからこそ、覚悟を決めた漁業の再建の仕方があるのではないのか。

 

 消費者・国民は、放射能で汚染された魚介類、あるいは放射能汚染からの安全性が担保されていない福島県沖周辺海域で獲れる魚介類を買ってはいけないし、食べてはいけない。「食べて応援・買って支援」など、加害者・東京電力や事故責任者・国の責任を棚上げにして、被害者と国民にその解決を押しつける「詐欺的行為」以外の何物でもない。また、そのような安っぽいヒューマニズムで、この厳しく、かつ危険な状況を解決できるはずもない。およそ安全でないものは、絶対に多く売れることはないし、食品事業として中長期的に成り立つものでもない。福島第1原発事故の被害者の方々をほんとうに救済したいと思う消費者・国民は、絶対に汚染物を手にしてはいけないのだ。

 

(加えて、水産物流通は食品表示偽装のデパートのようなところで、産地偽装など日常茶飯に行われていることを付記しておきたい。くれぐれも要注意である)

 

3.トリチウムを含む放射能汚染水の海洋放出について、承諾・受け入れの権限を持つのは福島県の漁協系統だけではない。

 海はつながっている。福島県沖合で仕切られているわけではない。北は宮城県や岩手県沖合と「海続き」でつながり、南は茨城県・千葉県・神奈川県などの海域とつながっている。福島県の漁協系統が、愚かにも汚染水の海洋放出を受け入れると表明したからと言って、それで漁業者の承諾を得たことにはならない。福島県のみならず、東日本の太平洋で漁業を営む漁業者は、沖合漁業まで入れて数多存在している。少なくとも、その関係漁業者の全ての方々に対して、放出の了解が取られていなければならないはずだ。

 

 そして、事は漁業者だけの問題ではない。海は漁業のためだけにあるのではない。たとえば海水浴や観光事業など、いわゆる「海業」と言われている多くの営みが、この東日本の太平洋沿岸では豊かに展開されてきた。それが放射能汚染水の放出で一瞬にして破壊されてしまう、そんなことが許されるはずもない。「海業」を営んでこられた方々の承諾はどうなっているのか。

 

 更には、私たち一般の消費者・国民も、海を放射能で汚されてしまったのでは、安心して魚介類を食することはできず、安心して海水浴にも潮干狩りにも行けず、安心して海の観光を楽しむこともままならない。冗談ではないのだ。トリチウムをはじめ、危険極まりない放射能に汚染された水を海洋に放出することなど絶対に認めるわけにはいかない。我々一般の消費者・国民もまた、重大・重要利害関係人である。福島第1原発事故の加害者・東京電力や事故責任者・国に勝手なことをさせるわけにはいかない。


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 次に、ご紹介した新聞報道を若干、コメントしておきます。

 

(1)福島第1原発地下水バイパス、県漁連、計画受け入れ(福島民報 2014.3.26

http://blog.goo.ne.jp/tanutanu9887/e/f5048353c124a9c67be05bd121cf554c

 

 多くの新聞の中で、最も詳細に報道していたのが福島民報だった。全国紙各紙は、まことに信じがたいことだが、福島県漁協系統が政府並びに東京電力に提出した要望事項の詳細を報道しなかった。何故、最も肝心なことを報道しないのか。まるで新聞の体をなしていない。ゴミだ、ますゴミだ。

 

(2)野崎哲JF福島県漁連会長に聞く(水産経済 2014.3.27

 (この記事はネット上では見つけられませんでした:下記は少し古いインタビュー記事です)

 

(その1)http://www.suikei.co.jp/%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E6%BC%81%E6%A5%AD%E5%86%8D%E9%96%8B%E3%81%B8%E3%81%AE%E9%81%93%E2%91%A0%EF%BC%8F%E9%87%8E%E5%B4%8E%E5%93%B2%E3%83%BB%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E6%BC%81%E9%80%A3%E4%BC%9A%E9%95%B7%E3%82%A4/

 

(その2)http://lucian.uchicago.edu/blogs/atomicage/2013/10/24/contaminated-water-nozaki-tetsu-chairperson-of-fukushima-pref-fisherys-association/

 

 放射能汚染の中にある魚介類を漁獲して売ることがどういうことなのか、食品供給事業者の発言とはとても思えないような欺瞞的な言葉が並んでいる。かようなことをしていては、益々、福島県の漁業被害者の方々は苦しくなるばかりである。そもそも、この福島県漁連会長は、既に相当早い段階からトリチウム汚染水の海洋放出を容認するかのごとき発言を繰り返してきた人間で全く信用できない。

 

(3)浄化できない「トリチウム水」、最終処分法、検討大詰め(日経産業 2014.3.26

 (この記事はネット上では見つけられませんでした)

 

(以下、一部抜粋)

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 具体的な方法として作業部会はこれまでに、(1)コンクリートなどで固めた上で地中に埋設、(2)液体のまま地下注入、(3)海洋放流、(4)焼いて大気中に蒸発、(5)水素ガスにして大気放出、などの選択肢を挙げた。

 

 他方、当面は処分を先送りする選択肢として、トリチウム水をそのまま長期間貯蔵する方法と、トリチウム水を前処理して高濃度トリチウム水として減量し、貯蔵する方法を示した。具体的にはコンクリートの地下貯水槽や、タンカー式の貯蔵施設などを候補として挙げた。

 

 26日に開かれる作業部会では海外でのトリチウム処理について協議する。作業部会は近く、こうした事例も参考に様々な選択肢を提示する。

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 記事を読む限りでは、トリチウムに手を焼いて、ろくでもない環境汚染容認の処方箋が出てきそうな雰囲気である。また、そもそも、福島第1原発の溶融炉心の冷却を水で行うことをやめて、水を使わない冷却方法を検討しなければならないはずだが、それに真剣に取り組んでいる気配は今のところない。信じがたい話である。原子力ムラ・放射線ムラの阿呆どもに原発・核燃料施設を任せるからこうなるのだ、ということの典型事例のようになってきた。日本という国が放射能でボロボロにされていく、そして、それは絶対に取り返しがつかないのだ。

 

(4)セシウム検査の対象食品3割減(東京 2014.3.21 他)

 http://ameblo.jp/shizuokaheartnet1/entry-11798974850.html

 http://www.47news.jp/CN/201403/CN2014032001001971.html

 

●食品中の放射性物質に関する「検査計画、出荷制限等の品目・区域の設定・解除の考え方」の改正について |報道発表資料|厚生労働省

 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000041107.html

 

 貧弱な飲食品の放射能汚染の検査体制を拡充するどころか、更に手抜きをして、ほとんど何もしないでおこう、という改正がなされている。放射能汚染や放射線被曝隠ぺい・もみ消し政策の一環である。放射性セシウムについてこんな調子だから、魚介類で最も懸念される放射性ストロンチウムなどの放射性セシウム以外の放射能汚染検査については、依然として「見向きもされていない」。

 

 要するに、東日本産の魚介類は食べるな、ということである。



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 最後に、「地下水バイパス方式」による放射能汚染水の海洋放出に反対する動きのご紹介です。

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【賛同団体急募】【転送歓迎】【拡散希望】

 

みなさま

お世話になります。

脱原発福島ネットワーク

佐藤和良です。

 

44日の東電交渉で福島復興本社に、下記の

『深刻な放射能汚染水の漏えい及び海洋放出に抗議し、

無責任な「地下水バイパス計画」の実施を強行しないよう求める要請書』を提出します。

 

4月3日午後9時まで、賛同団体を募集中です。

公表可で、ご賛同頂けるようでしたら、下記にメールをお願い致します。

E-mail   kazu_obr@f3.dion.ne.jp

 

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2014年4月4

東京電力株式会社 代表執行役社長 廣瀬 直己 様

 

深刻な放射能汚染水の漏えい及び海洋放出に抗議し、無責任な「地下水バイパス計画」の実施を強行しないよう求める要請書

 

 福島第一原子力発電所事故は、3年を経て収束の見通しもたたず、大量の放射性物質を環境中に放出し続けています。放射能汚染水の漏えい、海洋放出も深刻 な事態です。私たちのかけがえのない大気、水、大地、海洋が汚染され続け、生態系並びに人体への影響が懸念されています。

 

 昨年819日、汚染水貯蔵タンクH4エリアNo.5から、ストロンチウムなどのベータ線を出す放射性物質を最大8千万Bq /L、放射性セシウムを146Bq /L含む高濃度放射能汚染水推計300トンが漏洩し周辺の土壌や地下水を汚染しました。原因は、フランジ型タンク底部のネジ部のパッキンが水圧で破損した ことによるもので、310基あるフランジ型タンクに共通する危険性です。事実、H4エリアNo.5タンクは、819日事故後に水抜きしているにもかかわらず、近くの監視用井戸E-1の全ベータ濃度測定値が、1017日に突然40Bq /Lに跳ね上がったところから、他のタンクの漏えいが懸念されています。

 

 また、本年2月19日には、H6エリアC1タンクからの漏えい事故があり、漏えい量は約100 トンと評価され、全ベータで24千万Bq /Lの高濃度汚染水が周辺の土壌や地下水を汚染しています。

 

 翻って、地下水をくみ上げて海に流す「地下水バイパス計画」の12個の観測井戸は、漏えいまたはその危険性があるフランジ型汚染水貯蔵タンクの近傍下流 側にあるところから、漏えいした汚染水の流下が指摘されています。しかし、他のフランジ型タンクの漏えい検査は全く行われておらず、漏えいの実態、原因、 影響の範囲等の調査も実施していないありさまです。

 

 これまでの汚染の実態とこのような無責任極まりない管理の現状では、「地下水バイパス計画」が、果たして実効性ある計画なのか、極めて疑問であります。現状で計画の実施を強行すれば、むしろ汚染を拡大することにならないか、懸念されています。

 

 昨年12月、IAEA調査団は、「基準値を下回るものは、海への放出も含めて検討」「一定の管理下での放水」などとしましたが、濃度の規制をいくらいっ ても総量が規制されない以上、毎日100トンも放射能汚染水を海洋に放出すれば、海洋汚染は進むばかりで生体濃縮による海産物の汚染拡大から人体への影響 を未然に防止できるのか、甚だ疑問です。また、汚染水対策全体からすれば、「地下水バイパス計画」は緊急対策であり、地下水放出による汚染水の抑制効果 は、120120トン程度です。原子炉建屋周辺の遮水壁の設置など、抜本対策の早期実施が必要です。さらに、たとえ「地下水バイパス計画」により建屋 内への地下水流入が最大100トン減っても、溶融炉心からの放射能放出量に変化はなく逆に流出汚染水の放射能濃度!

 ��高くなることは必至です。問題の核心 は、溶融炉心を水冷していることにあり、空冷化に踏み切らない限り、何も解決しないのです。

 

 このような中、福島県漁業協同組合連合会は、325日の組合長会議で「地下水バイパス計画」の容認を決め、「放射性物質濃度などの目標の遵守」などの 要望書を提出し、「廃炉の一助になるよう責任ある対応をした」として「苦渋の決断」をしました。これは、東京電力と国が汚染水に対する自らの無能無策を 「地下水バイパス」という形で漁業者に押し付けるもので誠に無責任極まりないものです。放射能汚染水の漏えい、海洋放出問題は、漁業者の生活権ばかりでな く、消費者・生活者としての全国民の健康権・生存権の問題であり、こと海洋として海外ともつながっており国際問題でもあります。

 

 いま、事業者は再稼動に奔走している場合ではなく、これ以上の海の汚染を防ぐために最大限の努力をする義務があります。わたしどもは、深刻な放射能汚染 水の漏えい及び海洋放出に抗議し、無責任な「地下水バイパス計画」の実施に反対する立場から、下記の通り強く要請を行い、誠意ある回答を求めるものです。

 

<記>

1、 深刻な放射能汚染水の漏えい及び海洋放出の停止に全力を挙げ、無責任な「地下水バイパス計画」の実施を強行しないこと。

2、 全てのフランジ型タンクの漏えい検査を実施し、漏えいの実態、原因、影響の範囲等を明らかにすること。

3、 原子炉建屋周辺の凍土壁によらぬ遮水壁の設置、汚染水のコンクリート固化、溶融炉心の空冷化計画の策定などを実現すること。

 

(呼びかけ)

風下の会福島   脱原発の日実行委員会福島  脱原発福島ネットワーク  脱原発緑ネット

ハイロアクション福島   福島原発30キロ圏ひとの会   福島老朽原発を考える会

双葉地方原発反対同盟   ふくしまWAWAWA−環・話・和ーの会   

 

連絡先:いわき市鹿島町久保於振1-2 TEL:0246-58-5570

 

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早々

 

2014年4月 1日 (火)

福島第1原発事故の原因の究明もしないで原発再稼働に突き進んでいいのか(3)

前略,田中一郎です。

 

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

 

 

 <別添PDFファイル>

 

●不確実さに満ちた過酷事故対策(井野博満・滝谷絋一:『科学 2014 3』)

 

 

 

(私から見た重要ポイント4つ)

 

(1)大経口配管破断や蒸気発生器破損などにより大きな冷却水喪失事故(LOCA)が加圧水型(PWR)原子炉で起き、かつ全電源停電が重なった場合には、炉心を冷却させる方法がなくなって炉心溶融が直ちに始まり(ECCSは停電だと動かない、一時的に動くものはある?)、あっという間に数千度にもなった超高温の溶融燃料が原子炉圧力容器から流れ出てくる可能性がある。その場合、電力会社の言う対策によれば、(なすすべがないからという理由で)意識的に放置して炉心が溶けるにまかせ、他方では、圧力容器内ではなく格納容器内で大量の水シャワーをすることによって格納容器下部に水を溜めておいて、そこに落ちてくる溶融炉心を着地させるような「対策」を建てているらしい。しかしこれは、明らかに「審査基準」違反であり、また、危険極まりない無責任な「不作為対策」=「炉心溶融防止対策」の手抜き・あるいは放棄ではないのか。こんなものにOKが出せるのか?

 

 

 

(2)上記において、溶融炉心が冷水に触れた時には、水蒸気爆発の危険性があるが、それがどこまで考慮されているのか。絶対に水蒸気爆発は起きないと言えるのか? (チェルノブイリ原発事故の際には、この水蒸気爆発の防止が大問題になっていた)

 

 

 

(3)水素爆発の可能性が払拭できていない。溶融炉心が流れ出てくると、いわゆる水・ジルコニウム反応だけでなく、溶融炉心とコンクリートとの反応(コア・コンクリート反応)によって水素が発生し、より水素爆発の可能性が高まることが分かっている。加圧水型(PWR)原子炉は格納容器が大きいから水素爆発の心配いらない、というのは非科学的で、事実、1979年のスリーマイル島原発の炉心溶融事故の際には、水素爆発の危険性が最も懸念されていた。モデルによる解析でも、水素爆発発生までの数値に余裕がなく、コア・コンクリート反応や、格納容器内での水素濃度の偏りの可能性を考えた場合、水素爆発はリアリティを持っている。そして、沸騰水型とは違い、加圧水型(PWR)は格納容器が大きいだけに、その爆発の威力も逆に格段に大きいと見ておいた方がいいのではないか。つまり超危険だということだ。

 

 

 

(4)実は、コア・コンクリート反応では、水素ガスだけではなく、一酸化炭素という、有毒で爆発性のガスも発生してくる。この一酸化炭素対策がはっきりしない。水素ではなく、一酸化炭素で、格納容器が吹き飛ぶかもしれない。

 

 

 

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 別添PDFファイルは、先月号(20143月)の岩波書店月刊誌『科学』に掲載された井野博満東京大学名誉教授、及び元原子力安全委員会事務局技術参与で工学博士の滝谷絋一氏のレポートです。そこには、次のようなイントロ説明に続けて、重要な(加圧水型:PWR)原子炉の安全性に深くかかわる懸念事項が説明されている。

 

 

 

「原子力規制委員会が実施中の原発の新規制基準適合性審査に関して, PWRの過酷事故対策の有効性評価に焦点をあてて審査資料と審査状況を検証した結果,現状のままでは炉心溶融と格納容器破損を防ぐことができない重要な疑問点,問題点が多々あることが判明した。厳正な審査を求めてその問題点を論じる」

 

 

 

 以下、その内容をごく簡単にご紹介申し上げたい。私は、20129月の原子力「寄生」委員会発足以降、福島第1原発事故の教訓を忘れて原発再稼働へひた走る田中俊一以下の同委員会(及び原子力「寄生」庁)の挙動をまことにけしからぬ行為と考え、同時に、かような形だけの「審査」なるものをでっちあげて原発・核燃料施設を再稼働させることは、再びの過酷事故を結果として招いてしまう、日本という国にとっての全く愚かな自殺行為であると考えている。

 

 

 

 福島第1原発事故後の事故原因の検証が全く不十分のままに放置され、少し前より原子力「寄生」委員会が設置した事故検証のための委員会も、再発防止の観点から客観的に徹底した原因究明を行うのではなく、ただただ原発再稼働のためには「目の上のタンコブ」と認識され始めている国会事故調報告書つぶしのためのデータ集めにのみ動くという愚行を繰り返す「アホ馬鹿ちゃんりん委員会」に堕してしまっているし、他方では、再稼働の先頭を走りそうな気配の加圧水型原子炉が、福島第1原発のような沸騰水型とは違う独自の構造上の弱点があるにもかかわらず、それに対してきちんとした対応をしようとしない、事故の深刻化を防ぐ手当てをしようとしない、いい加減なことで「再稼働審査」なるものを丸めてしまおうとしている様子がうかがえる。

 

 

 

 それはあたかも、電力会社や原子力ムラの住民たち、あるいは原子力ムラ代理店政府の「我慢の限界」に挑戦し、その範囲を見定めつつ、原発推進・再稼働勢力の許容範囲内で、原発・核燃料施設施設の小手先改良を積み重ね、原子炉設計にかかわる根本的な対策は棚上げにしたまま、審査パスのタイミングを見計らっているかのごとくである。原発安全神話に立脚しないから、原発の過酷事故は起きることを前提に考える、などともっともらしきことを放言する原子力「寄生」委員会だが、その本音・その実態・その正体は、一方での、過酷事故防止のための徹底研究と対策の放棄であり、もう一方では、必ず起きるであろう過酷事故時における自分たちの責任回避のための布石に他ならないのである。

 

 

 

 福島第1原発事故後の日本の原発・核燃料施設は、悲しくも不幸にも愚かしくも、こうした人品骨柄極めて唾棄すべきサイテーの人間たちによって再び牛耳られ、その安全性が屁理屈と空疎な建前、あるいは「想定」なるもので守られながら再稼働されようとしているわけである。こんなものが断固として認められないのは、あらためて申しあげるまでもなく「自明の理」である。

 

 

 

 <「不確実さに満ちた過酷事故対策:新規制基準適合性審査はこれでよいか」(井野博満・滝谷絋一:『科学 2014.3』)より>

 

 以下、重要個所を抜粋引用しながら、必要に応じて簡単にコメントする。

 

 

 

1.「新規制基準は,設計の不備を根本から反省することなく,既存の原発に付け焼刃的な過酷事故対策を施すことでよしとしており,まことに危うい基準であると言わざるをえない」「規制委員会は,新規制基準について,「その基準を守ってさえいれば安全だというものではない」という認識を表明している。(中略)仮にあるプラントが「規制基準に適合する」という結論が出されるとして,それは急ごしらえの不備な規制基準に適合するというだけのことであり,原発の安全性を保証するものではない」「各事業者の過酷事故対策なるものが,不確実性に満ちたはなはだ信頼性に欠けるものであることがわかってきたからである。過酷事故対策が付け焼刃のお座なりなものでしかないことを如実に示したと言える」

 

 

 

(田中一郎 ⇒)冗談ではない。これでは「規制」になっていない。再稼働など論外である。

 

 

 

2.「設計基準ではこのような事態(大地震等による大口径配管破断と冷却水喪失+停電)は想定しなくてよいことになっている。設計基準は.「2つ以上の機器が同時に故障することはないjという「単一故障の仮定」のもとに組み立てられているからである。これが設計基準の最大の問題である。地震、津波のような外部事象において、このような仮定は成り立たないことが福島原発事故によって明らかになったにもかかわらず,その見直しはなされなかった」

 

 

 

(田中一郎 ⇒)その理由は簡単で、対応しようとすると巨額のコストがかかるからであり、また、対応しない妥当な理由も見あたらない。従って、考えないことにしたということにすぎない。しかし「大地震等による大口径配管破断と冷却水喪失+停電」は、十分に起こりうる事態であると言わざるを得ない。

 

 

 

3.「大LOCA(配管破断等の大規模な冷却水喪失事故)が起こり,かつ,ECCSが働かないとすると,実に,わずか約22分で原子炉炉心が溶融するという事態に至る」

 

 

 

(田中一郎 ⇒)この炉心溶融まで20分という時間は、いわゆる原子力地域防災計画や地域避難計画でも十分に考慮されていなければならない。

 

 

 

4.(管理官補佐曰く)「炉心溶融を判断した後,容器が破損するまでに,このフローですと原子炉容器に対して何も対策っていうか,作業しないように見えるんですけれども。」⇒(九州電力曰く)「まずは原子炉容器の下に水をためるということが最も重要というふうに考えて,こういう手順を考えております」「全交流電源喪失という条件のもとでは,この状態で炉心損傷を防止するためにとれる手段というのは,現状,ないというふうに考えております」

 

 

 

(田中一郎 ⇒)この九州電力の返答は驚くべき内容である。「大地震等による大口径配管破断と冷却水喪失+停電」という事態では、炉心が壊れるのを防ぐことは「お手上げだ」というのである。

 

 

 

5.上記4.について、筆者から3つの疑問

 

(1)「(審査基準には)「容融炉心の原子炉格納容器下部への落下を遅延又は防止するため,原子炉圧力容器へ注水する手順等を整備すること」と書かれている。原子炉容器へは注水を行わない(行えない)というのでは,この審査基準に反しているのではなかろうか」

 

 

 

(2)「運転員が大LOCA(配管破断等の大規模な冷却水喪失事故)という判断を適切にできるか,さらにその際. 「原子炉容器は諦める」という決断が躊躇なくできるのか,いかにもきわどいシナリオである」

 

 

 

(3)「格納容器スプレイのための移動式発電機と常設電動注入ポンプを30分以内に確実に起動・つなぎ込みができるかという問題がある。地震にともなうような事態であれば,敷地の地割れ・陥没や関連機器の損傷が生じているおそれがある」

 

 

 

6.コア・コンクリート反応を防げるか

 

「コア・コンクリート反応(CCI:コリウム・コンクリート反応ともいう)というのは. 2600度C ないし2800度Cという超高温の溶融炉心が格納容器内に落下して,下部キャビテイ(原子炉圧力容器の直下にある部屋)の構成材料であるコンクリートを溶かし破損させる現象である」「溶融炉心は崩壊熱を出し続けるので,溶けたまま格納容器を突き抜けて地下水脈に達するおそれがある」「また,コンクリートを分解して生じる一酸化炭素や水素などの可燃性ガスが爆発するおそれがある問題も指摘されている」

 

 

 

「図3は,水張りによる格納容器破損防止策を示したものである。溶融炉心が落下する時点では水張りが始まっており,コア・コンクリート反応は起こさないという解析である。しかし仮に水張りが遅れ落下のタイミングに間に合わなければ,福島第一1号機と同じようにコア・コンクリート反応を起こすだろう。きわめて危うい対策である」

 

 

 

(田中一郎 ⇒)福島第1原発の1号機の爆発は「白い煙が横へ広がる」だったのに対して、3号機の爆発は黒い煙が垂直に伸びる、というものだった。この違いは、コリウム・コンクリート反応で出る一酸化炭素と水素の混合気体の爆発で説明がつくという議論もあるらしい。いずれにせよ、コリウム・コンクリート反応で出てくる一酸化炭素は、水素と並んで爆発性の気体で、かつ現場作業員らを中毒させる有毒ガスである。

 

 

 

7.水蒸気爆発は防げるのか

 

「加えて,水を張った状態で数十トンに及ぶ超高温の溶融燃料を受け止めるというシナリオ自体,水蒸気爆発のおそれはないのかという疑問がある」「後述するように,事業者が使ったMAAPという解析プログラムは,急激な変化を模擬できず圧力スパイク(圧力の鋭い山形の上昇)を再現できないことが国会事故調の報告書などで指摘されている。更田委員は. MAAPの信頼性に疑問を呈しているのであるから,規制委員会は別の解析プログラムを用いて妥当性を調べるという「クロスチェック解析」を実施すべきである」

 

 

 

「水蒸気爆発の危険を回避し、かつ、コア・コンクリート反応を防ぐには, 水張りでなく,コア・キャッチャーを設置すべきである。コア・キャッチャーとは,超高温に耐えることのできるセラミック(アルミナやジルコニアなど)などを素材として,格納容器下部に落下した溶融燃料(コア)の受け皿を用意する設備である」

 

 

 

「日本でコア・キャッチャーの設置が問題にならなかったのは、過酷事故対策を軽視して規制対象から外してきたからに他ならない」「技術的に可能な対策はすべて実施することを規制委員会は基本方針とすべきであり、それができない原発は廃炉にするしかない」

 

 

 

8.水素爆発を防げるか

 

(1)PWR(加圧水型原子炉)での水素燃焼評価

 

「この質疑応答からわかるように,水素濃度の評価には大きな不確かさが伴っている。それを考慮すると. 「水素濃度が13%に達していないから爆轟(ばくごう)は生じないjとする事業者の結論には大きな疑問があり,厳正な審査が求められる」

 

 

 

(2)水素濃度の空間分布が爆轟の可能性を示す

 

「格納容器内に水素が流出した場合,格納容器全体の平均的な濃度だけでなく局所の濃度にも注目しなければならない」

 

GOTHICでは格納容器内を数十の区画に分割し,各区画をサブノード分割して解析している。まず問題なのは,このサブノード分割図が公開された資料では「商業機密に属する」として白抜きにされていることである。このような不透明性が審査資料全般の公開版に横行していることは本誌1月号で指摘されているとおりである」

 

 

 

「この図には水素濃度約15%のピーク値が出ている。爆轟防止基準の13%を超えている。これにもかかわらず,九州電力は「下部区画における水素濃度の挙動は上部区画と比較すると,全解析時間を通しほぼ同様の挙動を示しているため,格納容器内の水素濃度は全体平均水素濃度として評価した」と記述して,爆轟の問題はないとしている」

 

 

 

「この説明はまったく理解できない。局所的な爆轟が問題になるから,空間濃度分布を解析しているのであり,その中に13%を超える水素濃度箇所があれば,局所的爆轟が生じうるとするのが科学的判断であろう」