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2014年3月27日 (木)

人工放射能の危険性を論じる際に自然放射能を持ちだすな(「そんなのカンケーネー」)

前略,田中一郎です。

 

原子力ムラ・放射線ムラの常套手段であるウソと方便、あるいはネトウヨなどのネット上の「便所の落書き」とでもいうべきロクでもない言論にもよく見られるものとして、チェルノブイリ原発事故や福島第1原発事故で環境中に大量に放出された原発・原子炉由来の人工放射能と、太古の昔から地球上に存在しているK40(カリウム40)などの自然放射能を比較して、あたかも原発事故による放射能汚染が、さしたる懸念を持つほどのものではないかのごとく論じる風潮がみられます。

 

しかし、放射性セシウムやその他の原発・核燃料施設の大事故に伴う環境拡散の人工放射能の危険性を論じる場合、太古の昔からある自然放射能を持ちだして、それと比較して、その危険性が大したことがないかの如く論じることはいただけません。そもそも人工放射能が出た分だけ自然放射能が減るわけではないので、自然放射能がうんぬんかんぬんの話なんぞ、「そんなのカンケーネー」なのです。以前にも申し上げた通りです。

 

K40の危険性など、さしあたり論ずる必要もありません。どうでもいいというよりも、さしあたり、どうしようもありません。ましてや、そのK40の危険性問題に決着がつかなければ、放射性セシウムをはじめとする人工放射能の危険性も推し量ることができないかの如く論じている連中も少なくありませんから、K40の話など、横へ退けておけばいいはずです。

 

問題は、福島第1原発から大量に放出された人工放射能のことで、これについて、その種類、量、生態系への影響、内部被曝の危険性、化学特性、その他、論ずるべきことがきちんと論じられている文献を、日本の科学者が書いているのを、今まで見たことがありません。日本の科学者は一体何をやっとるのか、というのが私の怒りとまじりあった正直な感想です。(本当に数少ない科学者の方々がご奮闘されているにすぎません)。

 

それから

(1)ガンの多発もK40とは無関係です。関係があるのなら、人類は既に滅亡していたでしょう。ガンの多発は、まずもって化学物質の濫用による環境汚染(そこから飲食物が汚染されてきます:典型は食品添加物)、それと(特に化学物質で汚染された)肉食の広範化です。加えて、医療被ばくを含む(人工)放射線被曝の増大ではないでしょうか。これらは統計的にも裏付けられているようです。

 

(2)放射性セシウムの危険性の最大の問題は、その人間や生物体内での挙動がよくわからず、従って、その危険性もよくわからない、という点にあります。しかし、放射線被曝は原理的に危険であり、看過するわけにはいかない、ということです。加えて、生物学的半減期を含めて、その悪影響の個体差が大きく、特に人間の健康管理に関する場合、今の国際放射線防護委員会(ICRP)が言うようなことでは、絶対に「健康犠牲者が出てしまう」ということです。

 

(3)K40と生物の関係では、生物の側の「適応」ということを軽視してはいけないでしょう。K40を放射性セシウムのように長く体内にとどめ置かない、特定の臓器や部位に集中させない、などというのは、生物の側の「適応」と考えておいて間違いはないのではないか、と思われます(適応できなかった生物は滅亡)。しかし、こんなことは、福島第1原発から放出された人工放射能の危険性を論じる場合には、さしあたり、どうでもいいことです。

 

(4)人工放射能は自然放射能とは違い、犯罪性、差別性、支配被支配性、権力(犯罪)問題、似非科学・御用科学者問題、マスごみ問題などなど、社会的な「悪」の上に出てきた問題であり、その「社会性」を強烈に意識せずに、単純な放射能論としてしまうことは、議論の矮小化です。議論の中身の問題ではなく、何をどう論じるかという、議論の方法論の問題です。

 

 K40をうんぬん、かんぬん、するまえに、日本の科学者にはやるべきことは山ほどある、それがこの議論のポイントです。K40についてのくだらないおしゃべりをしているヒマがあったら、目の前の大量にばら撒かれた危険極まりない人工放射能に、真剣に全力で立ち向かえ、ということです。

草々

 

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