(報告)院内集会・政府交渉 福島第一原発汚染水と原発再稼働問題(2014年3月4日)
前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは一部添付できませんでした)
<別添PDFファイル>
「osensui_seifukousyou.pdf」をダウンロード
(1)政府交渉 福島第一原発汚染水と原発再稼働問題(2014年3月4日)
(2)集団的自衛権容認に対する抗議書(2014年3月:秘密保護法を考える市民の会)
(3)「東電、稚拙すぎる」 事故マニュアル 規制委調査へ(東京 2014年3月4日)
(4)福島第一の汚染水保管 満タン運用横行(東京 2014 2 27)
別添PDFファイルは、昨日、参議院議員会館B109において開催されました「院内集会・政府交渉 福島第一原発汚染水と原発再稼働問題」(2014年3月4日)において、参加者に配布された資料、及び関連の東京新聞記事です。テーマは、(1)福島第一原発の汚染水問題、がメインですが、それに加えて、(2)原発再稼働問題、(3)地域防災計画と住民の安全確保の問題、がテーマとなっております。まさに現下の原発問題最先端事項と言っていいと思います。
以下、私の散漫でボケたようなメモで申しわけありませんが、以下、簡単に別添配布資料に若干のことを追記してご紹介申し上げます。
●【集会&政府交渉】福島第一原発汚染水と原発再稼働問題 3/4 13時~@参議院議員会館
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/3413-1d6e.html
http://fukurou.txt-nifty.com/fukurou/2014/02/post-ea68.html
http://www.foejapan.org/energy/evt/140304.html
●録画 Ustream.tv ユーザー iwakamiyasumi5 140304_汚染水と原発再稼働問題についての政府交渉, Recorded on 2014-03-04. 政治
http://www.ustream.tv/recorded/44496758
●東京新聞 「東電、稚拙すぎる」 事故マニュアル 規制委調査へ 社会(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014022702000147.html
●東京新聞 福島第一の汚染水保管 満タン運用横行 社会(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014030402000135.html
●【汚染水問題】福島原発汚染水対策WGからみえる状況
福島老朽原発を考える会 (フクロウの会)
http://fukurou.txt-nifty.com/fukurou/2014/02/post-14e7.html
<田中一郎メモより>
簡単にいえば、福島第1原発の汚染水対策をきちんと実施せず、対応する体制整備すらいい加減なままに、当事者能力をとうの昔に喪失しているゾンビ企業・東京電力に現場対応・対策を押しつけたまま、また、原発・核燃料施設「過酷事故」時に地域住民の身の安全を守るための「地域防災計画」を実効性あるものにすることなく(再稼働審査と切り離して)、ただひたすら原発・核燃料施設再稼働に突き進む安倍晋三自民党政権・政府・経済産業省・原子力「寄生」委員会・「寄生」庁の姿が浮かび上がった。福島県沖からの太平洋の放射能汚染は深刻化するばかりである。また、原発再稼働の予定とされる地域では、多くの住民に不安の声・懸念の声が上がっている。これはもはや、未必の故意による国家犯罪と言ってもいいような権力的暴力行為そのものである。
1.「美浜の会」が提起した2つの「汚染水放射能濃度」の急上昇・高値推移の原因がわからない
下記URLの「美浜の会」HPにあるレポートをご覧ください。 問題となっているのは下記の2つの汚染水です。
(1)H4タンク近傍のE-1孔地下水
(2)2号機東側NO.1-16観測孔
●「美浜の会」HP 「刻化する福島第一原発の汚染水(2月19日) 」
http://www.jca.apc.org/mihama/
(HP画面にある上から4つ目の項目です)
2.にもかかわらず「汚染水対策検討ワーキンググループ」を昨年(2013年10月)以降、3ヶ月間開催しなかった。
汚染水の放射能濃度があがり、とりわけ放射性ストロンチウムの危険性が際立ってきていることを表面化させないために、対策WGの会合を延ばし延ばしにしてきたのではないか、と疑われている。そして、2014年1月になってようやく開催されたけれども、上記の2つの汚染水放射能濃度の上昇問題は、議題や検討議題にもされていないとのこと(下記サイトの資料などを参照)
●特定原子力施設監視・評価検討会汚染水対策検討ワーキンググループ|会議|原子力規制委員会
http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/tokutei_kanshi_wg/
3.この間、原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は、汚染水問題に全力を挙げずに、原発再稼働審査に熱を挙げていた。
(1)2013年7月(東京電力が放射能の海への流出を認めた時点)以降の原子力「寄生」委員会・「寄生」庁が各テーマの検討に費やした時間
汚染水対策=67時間、原発再稼働審査=451時間 (6.7倍)
(2)しかも、この2つのテーマは、更田豊志原子力「寄生」委員が所管している。「汚染水対策検討ワーキンググループ」の会合の延期は、更田豊志委員が健康を害したことが理由とされているが、この3ヶ月間のほとんどで、更田豊志委員はとても元気に原発再稼働審査についての采配をふるっていた。更田豊志委員の病気が汚染水WGの会合延期の理由だというのは嘘八百である。つまり、汚染水対策など後回しでいいから、早く原発再稼働審査をやってしまおうという隠れた意図=しかも、断固とした信念が、この一連の原子力「寄生」委員会・「寄生」庁の姿勢からうかがえる。
(3)原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は、汚染水漏れが深刻化する福島第1原発の現場の実態把握さえ、きちんとできていない様子がうかがえる。福島第1原発の現場には、原子力規制庁の職員が12名、そのほかにJビレッジに17名の霞が関各省庁の役人(およびその助っ人)が駐在しているというが、この人たちはいったい何をしているのか?
また、原子力「寄生」委員会・「寄生」庁の人間から聞こえてくるのは、安倍晋三政権や自民党の政治家などは「政府が全面に乗り出して汚染水対策をやります」と言っているにもかかわらず、依然として「対策をするのは東京電力で、私たち規制当局は、その東京電力の対策・対応の適正性をチェックします」と、いまだに言い続けている。経済産業省などの他の省庁も、この姿勢と大差なしで、汚染水について政府の無責任状態が続いている。
4.汚染水貯蔵タンクの「瀬戸際政策」を展開する東京電力
上記の東京新聞の記事2つをご覧ください。汚染水対策に手を焼き、造っても造っても足りなくなる汚染水貯蔵タンクを少しでも目いっぱい使おうとして、東京電力は、汚染水タンクの「瀬戸際政策」のようなことをずっとやってきていたようだ。タンクに汚染水が96%たまると「ハイ・アラーム」が鳴り、更に99%までくると「ハイハイ・アラーム」が鳴る仕組みになっている。しかし、東京電力は、タンクの使用度合いを99%にするよう現場に押し付けていたために、このアラームは普段は鳴りっぱなし状態で、アラームがアラームでなくなっていたらしい。それに加え、福島第1原発事故後3年間にわたって散々に批判されてきた東京電力の福島第1原発現場でのずさんきわまる労務管理がたたり、まことにお粗末な経緯を経て、超高濃度の汚染水がタンクの外へ漏れだしてしまった(たとえば、送り先とは違うタンクに汚染水が送水されているのに気がつかない、閉まっているべき3つの弁が全部開いていた等)。
(判明している東電のずさんな対応)(2014.2.27付東京新聞)
<1>弁を1年近く開けっ放し
<2>弁に誤操作防止のカギを付けず
<3>警報が鳴ってもタンクの中身を確認せず
<4>タンクに水漏れ検知の警報装置付けず
<5>本来の移送先の水位に注意払わず
●高濃度汚染水100トン漏れ タンク弁開きっぱなし
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014022002000270.html
5.いまだに「濃度規制」を守れば汚染水の海への放出は問題にしないと言い続ける原子力規制庁
交渉の中での原子力規制庁の人間の発言。これまで、すでに「濃度規制」値を大きく上回る大量の汚染水が海へ流出してしまっているにもかかわらず、未だ、原子力規制庁としては「濃度規制」が守られていれば、海への放射能汚染水の垂れ流しは問題にしない、流すか流さないかは事業者等の判断(政治が決めてくれ)、との姿勢を続けている。会場参加者からは、なぜ「濃度規制」を「総量規制」に変えないのか、との厳しい指摘が相次いだ。
私(田中一郎)は憤りのあまり「いまだこの期に及んでも「濃度規制」などと言うのなら、その規制値を上回って海へ垂れ流した分の汚染水を全部回収させろ!!」と叫びました(でも、意気地がなくて声が小さかったかもしれません)。全く話になりません。海の放射能汚染を何と心得ているのかということです。
(「濃度規制」を超えた汚染水が海へ流出したら「出てしまったものはしょうがない」と言い、これからは「濃度規制」でやります、などというのでは、何もしていないのと同じである。海は広いな大きいな、だから、薄めて捨てれば更に薄くなって問題なし、というのはあまりに軽率である。海洋生物は放射能を体内濃縮させ、かつ食物連鎖でそれを何倍にもしていく傾向がある。海水中の放射能は濃度が薄いからいい、ということにはならない。そもそも「濃度規制」の汚染防止規制としての実効性が問われている。)
福島第1原発から垂れ流される放射性ストロンチウムをはじめ、各種放射性物質による海の汚染は、アジア各国はもちろん、広くアラスカやアメリカ西海岸などを含め、国際的に大きな懸念材料となり始めている。この原子力規制庁の姿勢は国際的にみても許されるものではない。
6.フクロウの会:坂上さんより、1月に入って、福島第1原発沖合=港の外側の海で、海水のベータ核種濃度が上昇し始めている旨の簡単な説明がありました。恐ろしい話であり、放置すれば取り返しがつかないことになってしまう。東日本の太平洋沿岸を「死の海」にさせてたまるか、と思うばかりである。
私(田中一郎)からは、院内集会の最後に次のように発言した。
福島第1原発の北側と南側に汚染水が海へ直接流れ出る排水口がある。その周辺の放射能汚染の測定をもっと綿密にさせる必要があるのではないか。具体的には、海水の放射性セシウム濃度だけを測るのではなく、たとえば排水溝付近の海底の泥や砂、あるいは排水口周辺に貝類などの定着性の生き物を撒いておいて、その生き物に蓄積される放射性物質を計測するなどの方法だ(もちろん、放射性セシウムだけでなく、放射性ストロンチウムやα核種なども調査する)。
7.トリチウム・タスクフォース(経済産業省)
おそらく役に立たないどころか、ロクなことを提言しないであろう「トリチウム・タスクフォース」なるものが、経済産業省に設置されて検討が進んでいるとのことだった。サイトは下記の通り。いずれ「トリチウム汚染水は海へ放出せざるを得ない」などと言い出すタイミングを見計らうことと、それをごり押しするための「屁理屈」「お墨付き」製作に邁進しているのだろう。要警戒である。
●トリチウム水タスクフォース(第1回)
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/20131225_01.html
●福島第一原子力発電所における汚染水対策(METI-経済産業省)
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/osensuitaisaku.html
8.ALPSは、トリチウム以外に4核種で検出限界値未満にならない、という状態なのだそうである。ALPSの性能には疑義がある。
なぜ、マスごみ達は、このことを報道しないのか? このことのみならず、東京新聞や毎日新聞の一部記事を除いて、全国紙各紙は福島第1原発の非常に危うい、汚い、どうしようもない現状を、ほとんど報道していない。福島第1原発事故は全く終わっていないというのに、この危機感欠如の報道ぶりは一体何なのか。まるで戦前の大日本帝国大本営が、連戦連日、日本軍が大敗北を続けているにもかかわらず、虚偽の戦果を誇大発表するだけで、戦線の厳しい状況を国民に伝えなかった=当時のマスごみは、その大本営発表を無批判に垂れ流すままだった、という当時の社会現象が、この平成の時代に、福島第1原発事故と原発・原子力・被ばくを巡って、再び再現していると言っていいのではないか。
9.フランジ型タンクを溶接型タンクへ転嫁する計画が悠長きわまりない
⇒ 水を使わない「炉心対策」を真剣に検討すべき
福島第1原発の敷地内タンクから汚染水漏れが頻発するのは、ご承知の通り、東京電力が対策費をけちって、安上がりの「ボルト締めフランジ型タンク」を造って、そこに猛烈な汚染水を入れたため起きた二次災害である。最初から、危険な汚染水を入れるタンクなのだから、水漏れなどが絶対にないように、溶接型のタンクにしておけばよかっただけの話である。
現在、そのフランジ型のタンクを溶接型に切り替えているところだが、1つのタンク(直径12m、高さ11m、容量1,000トン)に汚染水がたったの2日半で満タンになってしまうというすさまじい汚染水の量に、なかなか追いついていかないのが現状。原子力規制庁によれば、来年度=2015年度いっぱいをかけて、タンクの切り替えの大半を終える計画だという。まったく悠長な話である。
また、このままだと貯蔵汚染水が青天井にどこまでも増えていくので、もういい加減に、水を使わない「炉心対策」を真剣に検討すべきである(空冷方式、鉛の粉末の大量投与)。元GEエンジニアの佐藤暁(さとし)氏は、空冷方式を冬期(寒い季節に)に試してみたらどうかと提案している。いずれにせよ、世界の英知を結集して「オール・ワールド」で対応すべきである。東京電力をゾンビ状態で生かしておいて、その東京電力だけに対策を押しつけている今の安倍晋三・自民党政権のやり方は、最悪の選択肢である。
10.福島第1原発で起きている汚染水問題の教訓が、原発再稼働審査や規制基準に全くと言っていいほど活かされていない。
別添PDFファイル「政府交渉」レジメのP4に、次のような原子力「寄生」委員会・「寄生」庁宛ての質問がある。
「4(1)福島第原発では、現に高濃度の汚染水が漏えいし海洋汚染が問題になっているが、とれと同様の事態が起こるのを防ぐために、新規制基準ではどのような条項が具体的に設けられているか。実際にどのような対策が事業者から出され、どのような審査がなされているか。」
これに対する原子力規制庁の回答は「(1)担当ではないから詳しくは知らない、(2)シルトフェンスで放射能が海へ拡散しないように対策をとると、各電力会社は審査申請しているようだ、(2)審査中なので詳細説明は控える」というものだった。
全くふざけた話である。何がシルトフェンスだ。そんなもので放射能の拡散が防げるはずもない。汚染水対策の規制基準がどうなっているのか、ということすら、まともに答えようとしないのだから、この原子力規制庁の態度は許しがたいものがある。そして、やはりここでも、原子力規制庁の態度は「電力会社が一義的にはやるでしょう。我々原子力規制庁は、それをチェックするだけでいい」という態度である。そもそも福島第1原発現場での汚染水の実態把握さえしていない可能性が高い。全くお話にならない。
伝え聞くところによれば、シルトフェンス以外にも、海側に土のうを積んで汚染水の海への流出に備えることもやるのだそうである。大したものだ。これもまるで、戦前の大日本帝国が、空襲にやってくる爆撃機B29を竹やりで突き落とそうとしたことに似ている気がする。まもなく、また、同じようなことが起きそうだ。
11.地域防災計画(住民避難計画)が全く不十分で実効性を持っていないにもかかわらず、原発再稼働審査はそれと切り離されて実施され、地域住民の身の安全が確保されないままに原発・核燃料施設が再稼働されようとしている、ゆゆしき事態である。
(1)原発・核燃料施設立地の各地域では、形だけの防災計画を作ったが、その内容は全く非現実的な空疎なものばかり。関西の脱原発グループが、その防災計画の実効性を確認するため、策定した自治体はもちろん、避難所とされたところ、スクリーニング(*)場所とされた施設、避難用のバスの手配の可能性(バス会社)、要介護者の施設などなどを、実際に訪問してヒヤリングしたり、収容規模を確認したり、写真を撮るなどの実査を行い、こんな防災計画は「全くの絵に描いた餅」であることを確認している。 (*)体の外部の衣服などに付着した放射能(ガンマ核種)を調べる検査のこと
(2)信じがたいことだが、各自治体が策定している地域防災計画は、地震や津波、あるいは自然災害がない状態で、原発だけが事故を起こす、しかも、春秋の季節のいい時期の昼間に起きることを前提にして策定されているという。こんなものは、最初から役に立たないことは明らかである。
(3)原発・核燃料施設の過酷事故が起きれば、最短時間で約20分後に炉心溶融が始まるとされている。原子力「寄生」委員会・「寄生」庁の策定した防災指針では、原発・核燃料施設に過酷事故が起きれば、周辺5km圏内の住民のうち要援護者(病人、老人など)はただちに避難を開始するとある。しかし、わずか20分で、この方々をすべて避難させることはとうていできない。これを原子力規制庁はどう考えているのか?
(4)つまり、原発・核燃料施設の過酷事故時においては、住民の身の安全を確保する実効性のある地域防災計画=避難計画は全く手付かずの状態で、計画の策定当事者である自治体自身が、住民の身の安全を責任を持って守れるような地域防災計画は作れないと表明している始末である。常識で考えてみても、台風や大雪、大地震大津波などが重なれば、道路は寸断され、がけ崩れは起き、住宅などの下敷きになる人も出て、道路は大渋滞、バスや運搬車の台数は足りず、ガソリンも切れ、あちこちで火事が起き、その火消しに忙殺され、離島や半島は孤立して取り残され、食料や水の確保もままならず、大災害と原発過酷事故の「ダブル」衝撃で、地域は放射能汚染地獄の中で破壊されつくされるに違いない。逃げ遅れた人、要援護者のように逃げられない人がたくさん出て、そういう人々が猛烈な放射能を頭から浴びせられることになる。自治体職員だって、その中で被災する一般の人たちとなんら事情を変わらない。つまり、地域防災計画など、役に立つわけがないのだ。
(5)にもかかわらず、原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は、次のような態度を続けている。
a.原発・核燃料施設の規制基準にパスするということは、その原発・核燃料施設に過酷事故が絶対に起きないということではない、つまり「安全だ」という意味ではない。過酷事故は起きるときは起きるということ。その起きるであろう過酷事故を前提に物事を考えないと、原発安全神話に陥る。
b.田中俊一原子力「寄生」委員長以下の原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は、少し前、原子力「寄生」委員会が発足したころは「地域防災計画がないと再稼働は困難」などと発言していた頃もあったが、昨今では、「地域防災計画は再稼働の条件ではない」「地域防災計画は各自治体が作るもの」(原子力「寄生」委員会・「寄生」庁はそれを支援するだけ)というような地域防災や住民の避難・安全の確保については、消極的ないしは関係自治体への責任の押し付けと、自らは無責任な「逃げ」の姿勢が目立つようになってきた。
(2012年10月24日日本経済新聞
電子版ニュース)
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「原子力規制委員会の田中俊一委員長は24日の記者会見で、原子力発電所の周辺自治体がつくる地域防災計画について「再稼働の条件ではないが、(つくってもらわないと)再稼働はなかなか困難になる」との見解を明らかにした。規制委は避難区域をこれまでの8~10キロ圏から30キロ圏に広げる方針だが、自治体の防災計画づくりが遅れれば原発の再稼働にも影響が出るおそれがある。
規制委は24日、東京電力福島第1原発のような事故が全国の16原発で起きた場合の放射性物質の拡散を予測した地図を公表した。東電柏崎刈羽、関西電力大飯など4原発で、国が避難の目安とする30キロ圏を超えて放射性物質が広がると分析した。原発周辺の自治体の防災計画づくりにも影響が及ぶ可能性があるが、田中氏は「予測はあくまで計算。(避難区域は)30キロ圏で十分だ」と強調。今回の予測は山や谷などの地形を考慮していない点に触れ「シミュレーションが独り歩きしても困る。やたらと不安に思わないでほしい」と述べ、関係自治体に冷静な対応を呼びかけた。
規制委が避難の目安を30キロ圏に定めても、最終的に地域の避難区域を決めるのは自治体にゆだねられる。特に今回の予測で30キロ圏より放射性物質が拡散する懸念があると指摘された地域では、避難区域をさらに広げようとする動きが出る可能性がある。避難場所の確保や避難民の誘導など、近隣自治体の間で調整が難航しかねない。田中氏は「協議の場を設けたい」と語り、規制委が自治体間の調整役を担う考えを表明した。規制委は年内にも原子力災害対策指針をまとめる。自治体は指針をもとに、来年3月までに防災計画をつくる方針。一律30キロ圏になれば135自治体、のべ480万人が対象になる。
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c.現下すすめられている原発・核燃料施設の再稼働審査では、過酷事故(配管のギロチン破断など)発生後20分で炉心溶融が起きることを前提に再稼働の是非を判断しようとしている。しかし、そんなに早く炉心溶融が起きれば、要援護者を含め、住民は逃げることができない。そんな状態なのに、住民の身の安全確保の問題は無視されて、原発・核燃料施設の再稼働審査がどんどん進んでいく事態となっている。
d.要援護者はもはや避難させられないので、今いる施設の中に閉じこもっておいてもらう他ない、などという判断をしそうな気配もあるという、5km圏内の場合には、その後、原発・核燃料施設が爆発などしてしまったらどうするのか? 見捨てるということか。
(6)50km圏内のPPA(放射性ヨウ素防護地域)で、放射性ヨウ素のプルーム通過に備えて、住民はヨウ素剤の服用をすることになるが、このヨウ素剤服用に関することを含め、PPAに関する指針がいまだ存在しない。兵庫県のシュミレーションによると、早ければ過酷事故後2時間で、神戸市にまでプルームがやってくるということなので、この2時間の間にどうやって安定ヨウ素剤を地域住民一人一人に配布し、それを服用させるのか。(とてもできない) それを含め、いったいいつになったら、政府あるいは「原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は、このPPA指針を策定・公表するのか。
原子力規制庁の回答は「当分の間、いろいろな理由から指針は出せない」とのことだった。であれば、原発再稼働の審査も(それが出るまで)やめればよい。しかし、原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は、「不断の努力で地域防災計画をよりよきものにしていくべきである」などと、他人事のようにしゃちこばっていた。原発の過酷事故に対して備える地域防災計画は住民の命と健康がかかっている。会社や団体などの業務改善委員会ではないぞ。
私(田中一郎)からは、福島第1原発事故で見られたように、放射能のプルームは、何も放射性ヨウ素に限られるわけでもなく、かつ30km圏内にとどまるというものでもない。過酷事故を起こした原発・核燃料施設から、ありとあらゆる放射性物質がPPAのエリアにも飛んでくると考えるのが常識で、それに備えての指針でなければ実効性がない。PPAの問題を放射性ヨウ素と安定ヨウ素剤服用の問題に矮小化させてはいけない、
と申し上げた。
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(最後に)
(1)東京電力は、本来であれば、事故を起こした福島第1原発の後始末と二次災害の防止、並びに被害者への賠償・補償や汚染された地域の除染活動に全力を挙げていなければならないところである。しかしながら、この会社は、非常識にも事故後の3年間、山ほどの批判を馬耳東風に、、この真逆のことに邁進をし、福島第1原発事故の教訓を活かすことも、事故を引き起こしたことの反省もしない会社(及びその経営層・幹部職員)であることが明らかとなった。
その象徴的な例が、新潟・柏崎刈羽原発の海側に建てられた防潮堤である。事実上倒産して、国民の税金を使いながら生き延びている会社が、3千億円もの大金をつぎ込み、多くの国民・地域住民が反対・懸念する柏崎刈羽原発の再稼働のために防潮堤を建設する、そして他方では、いつ何時津波に襲われ、二次災害の憂き目にあうかもしれない福島第1原発の方は、今もなお海側に若干の土のうが置かれている程度で、危険な状態のまま放置されているのである。
そして、被害者への賠償・補償は遅々として進まず、除染の効果も限りがある中で、多くの地域住民が恒常的な低線量被曝(外部被爆・内部被曝)に晒され、不安な毎日を過ごしているのである。これほどおかしく、かつ国民を馬鹿にした話はないではないか。
(2)他方で、原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は、少し前に「再稼働審査を先行させる優先原発を絞り込み、まもなく公表する方針」を固めている。基準地震動と基準津波が決まり、その他に大きな設備上の問題がないとする原発を政治的に優先して審査する形をとり、可能な限り早く再稼働させるという方針のようだ。こちらも福島第1原発事故の原因究明も、その教訓も活かすことなく、自分達の「規制当局」としての責任を放棄して、原子力ムラ・放射線ムラの代理店としての再稼働承認の儀式に日々多忙の様子である。
我々有権者・国民一人ひとりに問われているのは、こうしたことを許しておいていいのか、ということである。
●川内・大飯原発、優先審査へ前進 最新ニュース 九州発 YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20140305-OYS1T00281.htm
早々
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