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2014年2月14日 (金)

原発で大事故が起きても避難などできません

 

前略,田中一郎です。

 

 

 下記は関西の脱原発市民団体のHPに掲載された原発事故時の避難計画に関する簡単なレポートです。ご覧になれば即座にお分かりの通り,原発が大事故を起こした場合には,周辺住民は避難などできるはずもないことがよく分かりますし,また,国や電力会社が周辺住民の(避難を含む)身の安全のことなど歯牙にもかけていないことも分かります。

 

 

 原発過酷事故時の避難計画など,何のリアリティもない,バカバカしい作文・塗り絵にすぎません。それはまるで,アジア太平洋戦争下の大日本帝国が,米軍の本土攻撃に対して備えた「本土決戦作戦」といい勝負の,全くの「お笑い草」のよもやま話の類です。原発大事故時には,かような避難計画を持ち出すよりも,イワシの頭に向かって数珠をすり合わせる方が,よほど見識があると言える代物です。

 

 

●美浜の会HP

 

「電力会社の重大事故シナリオでは、避難できない 2月5日政府回答で明らかに(2月10日)」

 

 http://www.jca.apc.org/mihama/

 

 

 (原子力ムラ・放射線ムラの人間達にとっては)要するに,原発周辺の地域住民など,つかみ金で買収しておけばそれでよろしいのであって,あとは自民党の原子力ムラ代理店業務員に尽力してもらい,原発の再稼働を強引に推し進めて行けばいい,原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は,そのための「安全確認審査」の儀式=再稼働のためのすそ払いをやるところであり,適当なタイミングを見計らって「十分な審査を行ったので,安全性は格段に高まった」と,のたまわってくれればいい,ということを暗黙に示しているのです。

 

 

 もちろん,原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は,各原発立地地域の原子力防災計画=過酷事故時の避難計画について責任を持たず,地元自治体に丸投げをしています。その地元自治体は,絵に描いた餅のような計画をつくり,その中に「公共土建事業」や「ハコモノ建設」など,かねてよりの利権事業を織り込むことで,原発タカリ対応を展開し,電力会社や政府の意図どおりに地域住民の命と健康を棚上げにして,つかみ金で喜ぶという,これまで繰り返してきた醜悪なる「地方原子力政治」を繰り返します。いざとなったら,国が助けてくれる,まだ,かようなことを固く信じているのかもしれません。

 

 

 そして,原発・核燃料施設の過酷事故は必ず起きます。しかも今度は,福島第1原発のように「不幸中の幸い」ではすまない,日本という国を滅ぼす規模の巨大事故になるであろうこと必至です。原発・核燃料施設を止めるのは「今しかない」のです。地域住民は,原発が再稼働したら最後,そのまま地獄への片道切符となることを覚悟した方がいいでしょう。そして,遠く離れているから大丈夫だなどと思っている大都市住民もまた,同じ運命にあります。およそこの狭い島国日本に,原発・核燃料施設の過酷事故から安全な地域など存在しないのです。

 

 

 いよいよ原子力ムラ・放射線ムラとの原発再稼働を巡る「最終戦争」の一つの山場が訪れようとしています。山の上から模様眺めをしながら評論家稼業をしている一部の市民活動家や政党人たちには,この危機的状況を打ち破っていくことはできないであろうことを強調しておきたいと思います。動いて変えよ,フクシマの怒りと悲しみを忘れるな,福島第1原発事故による犠牲者に報いる道はそれしかないと思います。

 

 

●浜岡事故時の避難先 確保難航(中日新聞プラス) - goo ニュース

 

 http://news.goo.ne.jp/article/chuplus/region/chuplus-CK2014021402000189.html

 

(浜岡原発も若狭湾と同じく、周辺住民には逃げるところがありません。そもそも同原発は南を海に、東西を2つの大河川にはさまれて立地しており、大地震・大津波の場合には、おそらくは2つの大河川を渡る橋梁が落下して、周辺住民は「袋の中に閉じ込められる状態」で身動きが取れなくなると言われています。避難計画など、絵にかいた餅にさえもなりえません。その他の原発でも、皆、同じようなものです)

 

 

<追:福井県・水晶浜からの風向き調査プロジェクト報告(2012 3 3実施)>

 

 上記に関連して,別添PDFファイルを参考資料としてお送りします。

 

 

 若狭湾の美浜原発・高速増殖炉「もんじゅ」付近から,大量の風船を飛ばし,それがどこに着地するかを実験的に見たものです。結果はご覧のとおりで,もし美浜原発や敦賀原発,あるいは高速増殖炉「もんじゅ」などの若狭湾原発銀座の核施設が大事故となった場合,あっという間に岐阜県の中心部は放射能で壊滅し,更にその被害は,愛知県や名古屋市にも及ぶこと必定であることが分かります。

 

 

 この実験は風船だからいいようなものの,実際の放射性物質だった場合には,中京地区が壊滅したであろうことは火を見るより明らかだと思われます。名古屋市と伊勢湾は,ちょうど「盆地」のような地形をしており,若狭湾から噴き出てきた放射性物質は,この地域で集中滞留しやすい傾向にあることがこの実験で分かります。

 

 

 もちろん,若狭湾沿岸では,1つの原発・核燃料施設でも過酷事故を起こして周辺環境を放射能で汚してしまえば,人間が近づけなくなって,手も当てられない状態となってしまいます。全部で14基の原発・核燃料施設を1つの湾の沿岸に集中してつくるなど狂気の仕業としか思えません。

 

「FUUSENNJIKKENN.pdf」をダウンロード

早々

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