« (福島第1原発事故) 被曝の危険性が矮小化され,軽視され,隠蔽され,ゴマかされ,無視され,被害者が切り捨てられようとしています(赤ランプ・非常サイレン)(その1) | トップページ | 自民党の「復興」加速化方策=大量被曝させてもいいから住民を早く帰還させろ,そして東京電力は責任不問で完全救済だ、費用は国民に消費税で払わせろ »

2013年12月18日 (水)

(福島第1原発事故) 被曝の危険性が矮小化され,軽視され,隠蔽され,ゴマかされ,無視され,被害者が切り捨てられようとしています(赤ランプ・非常サイレン)(その2)

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

「(福島第1原発事故)被曝の危険性が矮小化され,軽視され,隠蔽され,ゴマかされ,無視され,被害者が切り捨てられようとしています(赤ランプ・非常サイレン)」の続きメールです。原子力ムラ復活・原発再稼働の動きとともに,放射能と被曝の危険性が矮小化され,無視・軽視され始めています。由々しき事態と思います。今回もこのことに関連した昨今のマスコミ情報等を簡単にご紹介いたします。


 <別添PDFファイル>

(1)被ばく調査を歪めた福島県の姿勢 (日野行介(毎日新聞) 『科学 2013.12』)

(2)福島県の甲状腺検査評価部会 検証前に原発影響否定 (東京 2013.12.16

(3)被ばく検査ためらう 乳幼児保護者 考えるとストレス (東京 20131216日)


1.被ばく調査を歪めた福島県の姿勢 (日野行介(毎日新聞) 『科学 2013.12』)

 昨日お送りした岩波書店月刊誌『科学』に掲載の論文の紹介です。先般,『福島原発事故県民健康管理調査の闇』という,自身の取材に基づいた迫真のルポを岩波新書で発刊した毎日新聞の日野行介記者のレポートです。コンパクトですがよく書けています。彼が言うように,もはや福島県庁に「福島県民健康管理調査」を担う資格はないのです。下記に若干の記述を紹介しておきます。

 

●「調査開始から1年半後の昨年10月に発覚した「秘密会」や,そこで作成していた「事前シナリオ」の存在は,県民の抱いていた疑念を確信に変えた。秘密会で話し合っていたのは,「公開する本会合でどう説明すれば報道を抑制し県民に不安を与えずに済むか」という(カッコつきの)“リスク・コミュニケーション"ばかりだった」

 

●「今回の原発事故で,県民を守るべき福島県の姿勢が問われたのは,県民健康管理調査に限ったことではない。3号機が水素爆発を起こした直後の2011314日,福島県は佐藤雄平知事名で「事故による健康被害の心配はない」と公表するよう東電側に要請し,さすがの東電側もこれを拒否したとされる。東電のテレピ会議映像で要請にどう対応するか検討する東電社員たちの姿が残されており,事故から約1年後に映像が公開されて発覚した」

 

●「もうおわかりだろう。福島県には重大な健康調査を担う資格などないと言わざるを得ないのだ。こうした意見は特別なものではない。原子力規制委員会が昨年11月に設置した健康管理のあり方検討チームの会議で,福島県医師会の木田光一副会長は,政府が責任をもって健康調査を担うよう求める意見書を公表した(本誌4月号参照)。県民健康管理調査に対する根深い地元の不信感があらわになった」

 

●「放射能は福島県境で遮断されるわけではなく,栃木県や茨城県,千葉県にも局所的に線量が高い「ホットスポットjが広がっている。子どもを抱える母親たちは特に被ばくに対応する健康調査の実施を待ち望んできた」

 

*福島原発事故県民健康管理調査の闇 - 日野 行介【著】 - 紀伊國屋書店ウェブストア

http://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784004314424


2.福島県の甲状腺検査評価部会 検証前に原発影響否定(東京 2013.12.16

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013121602000137.html

http://ameblo.jp/souldenight/entry-11731388857.html

http://blog.livedoor.jp/home_make-toaru/archives/7457481.html

 

(記事の一部引用)

 秘密会の開催などで、県民の不信が募りに募った福島県の県民健康管理調査。専門家がつくる検討委員会の委員を入れ替え、体制刷新を図ったが、雲行きが怪しくなっている。福島原発事故の健康への影響を客観的に議論するはずだった甲状腺検査評価部会が骨抜きにされているようなのだ。事故の影響はないという「結論ありき」が透ける。不信を拭い去るにはほど遠い現実が横たわっている。 (榊原崇仁)

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 子どもたちの命と健康を踏みにじり,ひたすら原子力ムラ御用稼業に明け暮れた挙句,福島を去っていった長崎大学の「だました(山下)俊一」他4人の委員が更迭され,「福島県民健康管理調査検討委員会」は新たなスタートを切ったはずだった。最も懸念されている子どもの甲状腺ガンについては,当検討委員会の下に,専門家たちによる「甲状腺検査評価部会」も設置して,子どもたちの甲状腺検査の結果を綿密・丁寧に検討をし,将来にわたって健康上の懸念がないのかどうか,厳しくチェックされるはずだった。

 

 ところがだ。この1216日付の東京新聞記事を読むと,そうしたかすかな期待や希望は一気に吹き飛んでしまった。記事によれば,(1)「事故による影響はない」という「結論ありき」が屁理屈で県民に押し付けられている,(2)座長の星北斗氏をはじめ,最初はフェアで果敢な健康調査の見直し発言をしていた人達が次第にトーンダウン,(3)「甲状腺検査評価部会」の初会合には,同部会設置を強く主張した委員は欠席,甲状腺の臨床専門家と思わしき学者は中途退席した,(4)「事故の影響なし」のおしゃべりだけをして,結局何も決まらず,(5)開催頻度を上げてやろうと発言していたにもかかわらず,次回の開催は3か月後の3月,などなど,そもそものやる気を疑わせる「甲状腺検査評価部会」のスタートとなった。

 

 記事の最初の部分には,副部会長の加藤良平山梨大学教授の「いま話に上がっているがんは,原発事故から1,2年で,放射線の影響で出てきたがんではない」という,御用学者に特徴的な根拠レスの発言が紹介されている。チェルノブイリ原発事故では,4年目から甲状腺ガンが多発したと,彼らは馬鹿の一つ覚えのごとく繰り返している。

 

 チェルノブイリ原発事故後の子ども甲状腺ガンの統計を見れば。確かにブレイクアウトしているのは4年目からだが,しかし、その統計でも,1年後くらいからじりじりと子ども甲状腺ガンが増えているのが見て取れる。しかし,それよりも,統計数値がそうなっているからと言って,「放射線被曝による子どもの甲状腺ガンが現れるのは4年目以降だ」と,どうして決めつけられるのか。

 

(1)チェルノブイリ原発事故よりも,福島第1原発事故の方が福島県の子どもたちはたくさん被曝した可能性がある。放射性ヨウ素の濃密なプルームが通過したことに加え,事故後の子どもの放射線防護がずさんなまま放置されているため,放射性セシウムによる甲状腺の内部被曝も懸念される。そして,それは,今も事故直後とあまり変わらない状態で続いているのだ。

 

(2)チェルノブイリ原発事故後の旧ソ連諸国では,事故直後から子どもたちの甲状腺の検査を大規模・綿密に行っていたのかどうか。もし,あまり検査がなされていなかったのなら,それは「4年後にならないと出てこない」のではなく「発見されなかった」だけである。

 

(3)チェルノブイリ原発事故後の旧ソ連での検査機器類の性能はどうだったのか。性能があまり良くなければ,当時の旧ソ連諸国では,発見されるべきガンが発見されなかったのかもしれない。

 

(4)子どものガンは甲状腺に限らず進行が速い。特に,放射線被曝による子ども甲状腺ガンは進行速度が非常に速いというのは,チェルノブイリ原発事故後の旧ソ連諸国の臨床医の常識になっているとも聞く。子ども甲状腺ガンを,3.11事故前の大人の甲状腺ガンとごっちゃにしてはいけない。

 

(5)放射線被曝による子ども甲状腺ガンは「4年たたないと発見されることはない」という「ドグマ」(独断)に科学的実証的な根拠は何もない(あると言うなら見せてみろ)。しかし,山梨大学からやってきたという部会座長代理の大学教授は、子どもたちの甲状腺ガンは福島第1原発の放射能とは関係がない、という根拠レスな話を、さぞ科学的・絶対的であるかのごとくしゃべっているようである。この大学教授もまた、あの「だました(山下)俊一」と同じたぐいの人間なのか(違うというなら、違うところを見せていただきたい)。

 

(6)甲状腺のガン以外の疾患についてはどうなっているのか。チェルノブイリ原発事故の経験をふまえ,何故,きちんと診察・調査・検査しないのか(「福島県民健康管理調査」では,甲状腺ガン以外の甲状腺疾患を調べようともしないし,調べることを検討しようともしない)

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 私は,この「福島県民健康管理調査検討委員会」で話されることの中で,もう一つ許し難い発言がある。それは「甲状腺ガンは予後がいいガンです」という発言で,何度も何度も,あの福島県立医大の鈴木真一が記者会見等で繰り返す台詞である。何が予後がいいだ。チェルノブイリ原発事故での子ども甲状腺ガンでは,進行が速いだけでなく,ガンの転移も速く,脳や肺にガンが転移して,若くして亡くなる子どもが続出した。

 

 また,仮にそうした不幸に見舞われなくても,若くして甲状腺を切除された子ども達は,一生ホルモン剤などの薬を飲み続けなければならないし,それで子どもたちの成長や日常生活に対して100%OKだとも言えないだろう。喉のところには切除手術の跡が残るし,おそらくは薬を飲んでも体調不調は治らないのではないか。そもそも福島第1原発事故がなければ,その子ども達はそんな目に会う必要もなかったし,また,事故後速やかに避難させられていれば,甲状腺ガンは避けられたかもしれないのだ。

 

 その被害者の子ども達に向かって,「予後がいいから心配するな」を繰り返す鈴木真一福島県立医科大学教授と,それを「オームのものまね」する一部の委員たち。許せないと思う。年寄りの大人が甲状腺ガンをやむなく切除するのとはわけが違うのだ。この連中が,そんなに予後がいいというのなら,「臓器移植」をして,甲状腺を切除された子ども達にお前達の甲状腺を贈呈したらどうなのか。他人事だと思っていい加減なことを言うな。(前回の記者会見では,鈴木真一福島県立医科大学教授は「リンパ腺にガンが転移していても何の心配も要りません,甲状腺ガンとはそういうものです」とまで発言していた。まさに暴言ではないか)

 

<必見URL:「福島県民健康管理調査検討委員会の甲状腺検査評価部会」>

(1)甲状腺受診低下を懸念 検査評価部会が初会合(福島民友ニュース)

 http://www.minyu-net.com/news/news/1128/news9.html

 

(2)福島健康調査・甲状腺検査評価部会(20131127日) OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービー

 http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1686

 

(3)福島健康調査・第1回 甲状腺検査評価部会 - YouTube

 http://www.youtube.com/watch?v=A624PDOA2Ec

 

(4)福島健康調査・第1回 甲状腺検査評価部会(記者会見前半) - YouTube

 http://www.youtube.com/watch?v=uoNIYiWeQQU

 

(5)「福島県民健康管理調査検討委員会」HP

 ● 資料6 「甲状腺検査評価部会」についてy

 http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/251112siryou6.pdf

 

 

3.被ばく検査ためらう 乳幼児保護者 考えるとストレス(東京 20131216日)

 外部被曝・内部被曝が子どもの健康に及ぼす影響について,8割超の人が心配だと思っているのに,自治体などが実施する尿検査や母乳検査を受けることについては,「被ばくについて考えることがストレスとなる」ので,利用についてはためらう,そんな調査が栃木県北部のアンケートで明らかになった,という記事です。

 

 しかし,私は,この記事はそのまま素直に受け入れることはできません。記事の記載自体もどうも変です。アンケートの取り方についても問題があるのかもしれません。「被ばくについて考えることがストレスとなる」などというのは,それに続けて「放射線被曝の影響そのものよりも,わずかばかりの放射能による,影響のたいしてない被ばくを心配することによる精神的なダメージの方が大きい」という,お決まりの原子力ムラ・放射線ムラの御用宣伝につながっているからです。中にはそのような発言をする住民がいたとしても,それは,放射線被曝の危険性についての情報が,その人にきちんと伝わっていないことによる情緒的な発言と見ておいていいのではないでしょうか。

 

 日本は,3.11福島第1原発事故以降,国も大半の自治体も,放射能と放射線被曝の危険性について真剣に考えることなく,極めていい加減で出鱈目な対応を続けています。しかも,その危険性を真剣に感じ考えている人を,権力や多数の情緒の力でねじ伏せるようなことまでしながら,放射能と被ばくは大丈夫・心配ない、の大合唱をしているのです。原子力翼賛社会さながらの社会状況が出来上がっています。

 

 栃木県とて,この状態は似たようなものではないのでしょうか。アンケートを取るのなら,もっとこうした社会状況を考慮に入れて,緻密な検討の上になされるべきではないかと思います。まるで原子力翼賛社会の片棒を担ぐようなアンケートを行い,そうだ,そうだ,放射能や被ばくより,考えるストレスの方が重いとみんな言ってるぞ,などと騒ぎたてて,何の意味があるのでしょうか。

 

 およそ,内部被曝・外部被曝を不安に思う親が,ストレスを理由に,自分の子どもに検査を受けさせない,などということは,本来はあり得ない話であり,また,そうしたことが,もし起きているとすれば,それはその社会が「異常」に見舞われている大きな証拠であると見た方がよいでしょう。何故なら,原子力翼賛社会の行きつく先は「滅亡」だからです。

 

「放射能,みんなで浴びれば,怖くない」ではありません。「放射能,みんなで浴びれば,滅亡だ」です。

早々


(参考)「いちろうちゃんのブログ」から

●(備忘録)第13回「福島県民健康管理調査検討委員会」と子ども甲状腺検査結果

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/13-bc98.html

 

●第13回「福島県民健康管理調査検討委員会」記者会見=はぐらかしと居直りの記者会見 いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/13-9740.html

 

●(福島第1原発事故) 被曝の危険性が矮小化され,軽視され,隠蔽され,ゴマかされ,無視され,被害者が切り捨てられようとしています(赤ランプ・非常サイレン)(その1) いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-6fbe.html


 <追>

●原子力災害対策特別措置法第20条第2項の規定に基づく食品の出荷制限の設定について |報道発表資料|厚生労働省

 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000032758.html

(本日、原子力災害対策本部は、昨日までの検査結果から、福島県に対し、福島県南相馬市旧 太田村 ( おおたむら ) で産出された大豆 について 出荷制限を指示しました )

 

 例によって,厚生労働省のHPには,この大豆に何ベクレルの放射性セシウムが検出されたかは書いていない。しかし,福島第1原発事故後,福島県を中心に,関東・東北産の大豆からは無視できない量の放射性セシウムが検出され続けている。国産大豆が怖くて食べられない。

 

 南相馬市の農産物からは,上記大豆以外にも,多くの産物に無視できない量の放射性セシウムが検出されている。厚生労働省が定める飲食の放射性セシウム残留規制値(こんなものは安全を担保しない)より低いからいいのだ,という安直・軽率な態度を取らず,生産者・農家の農作業被曝のことも念頭に置いて,当分の間,南相馬市での農業は行わないことが賢明な選択であると考える。加害者・東京電力や事故責任者・国は,当然ながら,そうしたことによる全ての損害を賠償・補償しなければならないことは言うまでもない。

 

(参考)食品中の放射性物質の検査結果について(第790報) |報道発表資料|厚生労働省

 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000032758.html

(直近のものです)

 

« (福島第1原発事故) 被曝の危険性が矮小化され,軽視され,隠蔽され,ゴマかされ,無視され,被害者が切り捨てられようとしています(赤ランプ・非常サイレン)(その1) | トップページ | 自民党の「復興」加速化方策=大量被曝させてもいいから住民を早く帰還させろ,そして東京電力は責任不問で完全救済だ、費用は国民に消費税で払わせろ »

放射線被爆」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« (福島第1原発事故) 被曝の危険性が矮小化され,軽視され,隠蔽され,ゴマかされ,無視され,被害者が切り捨てられようとしています(赤ランプ・非常サイレン)(その1) | トップページ | 自民党の「復興」加速化方策=大量被曝させてもいいから住民を早く帰還させろ,そして東京電力は責任不問で完全救済だ、費用は国民に消費税で払わせろ »

最近の記事

無料ブログはココログ