自民党の「復興」加速化方策=大量被曝させてもいいから住民を早く帰還させろ,そして東京電力は責任不問で完全救済だ、費用は国民に消費税で払わせろ
前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは添付できませんでした)
別添PDFファイルは、今日の朝日新聞朝刊に掲載されました2つの記事です。この2つの記事からは、ゾンビ化し、当事者能力を失っている東京電力に政府がテコ入れをし、引き続き誰の何の責任も問わぬままに延命させるとともに、福島第1原発事故の被害者に対しては、これまで以上の「兵糧攻め」をかけつつ、大量被ばくを承知の上で放射能汚染地域に帰還させていく、そんな、とんでもない、まるでやることが逆さまの、もはや犯罪的とも言える「原子力ムラ代理店」政策が始まろうとしていることがわかります。以下、簡単にご紹介いたします。許しがたい「政策」(犯罪?)です。
<別添PDFファイル:添付できませんでした>
(1)早期帰還に賠償上乗せ:福島原発事故,復興加速へ政府指針(朝日 2013 12 19)
(2)廃炉・汚染水対策に専念,福島第一
東電の役割明確化(朝日 2013 12 19)
1.早期帰還に賠償上乗せ:福島原発事故,復興加速へ政府指針(朝日 2013 12 19)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131219-00000020-asahi-pol
この記事は1面に掲載された記事です。「政府は、東京電力福島第一原発事故からの復興を加速するための指針をまとめた。早期に帰還する住民には賠償を上乗せする一方、避難住民すべての帰還を前提としないことを示した。帰還後は個人の被曝(ひばく)線量を基に、事故による追加被曝は年1ミリシーベルト以下を目指す。除染や中間貯蔵施設にも公費を投じ、東電への資金援助の上限を今の5兆円から9兆円に増やす。」という記事の要約の下に、「福島復興の加速に向けた政府指針」として、具体策が「表」の中に書かれております。下記に抜き出してみます。(右記の○×は私の評価です)
(帰還対策)
●早期帰還者には賠償を追加(日経によれば100万円程度だという)・・・×
●慰謝料は避難指示解除後1年で打ち切り・・・・・・・・・・・・・・×
●個人線量を把握して対策に活用・・・・・・・・・・・・・・・・・・×
●事故による追加被曝は年1mSv以下を目指す・・・・・・・・・・・×
(田中コメント)
避難指示解除1年で慰謝料打ち切りとセットで、早期帰還者へは賠償額増額、というこのやり方は、嫌悪感や激しい怒りを感じさせるほどに被害者住民を馬鹿にしたやり方ではないでしょうか。加えて、帰還者には線量計を個々人に渡して、被曝量を過小評価しながら(内部被曝無視、体の片側被曝無視、その他被曝実態からかい離)、結局は放射線防護=被曝を被害者の自己責任に転換してしまっています。1mSvを目標とする、というのは一種の「官僚用語」で、その実質的意味は、1mSvは「絵に描いた餅」として永久に棚上げにしてしまう、という意味です。こんなもの、許せるわけがありません。
(避難指示解除地区の除染)
●除染目安に個人線量の活用を検討・・・・・・・・・・・・・・・・・×
(田中コメント)
できもしない除染は費用ばかりかかって効果があまり出ないため、除染費用を削減するために、個人線量計で事足れりとすることで、事実上の「除染の打ち切り」を画策。除染するから帰ってこい、と言っていたのは、いつの間にやら消えてなくなり、とにかく帰ってこい、来ない奴には支援もしない、に変化し始めています。
(長期避難者支援)
●新たな住宅確保の費用の賠償を追加・・・・・・・・・・・・・△(限られた被害者だけの施策で全く不十分)
●慰謝料は一括払い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・△(同上)
●避難指示地区の中長期的将来像の検討を始める・・・・・・・・・△(同上)
(田中コメント)
ここで支援されるという「長期避難者」とは、政府が汚染や被曝線量とは無関係に、将来の賠償金切捨てを意識して、政治的に「区切り」を付けた「避難区域」や、その後の区域再編で出てきた「帰還困難区域」「居住制限区域」に住んでいた人達のことです。福島第1原発事故で深刻な被害を受け、放射線管理区域指定基準を上回る地域に住む、本来であれば「避難区域」とされるべきだった人々の数と比較すると、その1割にも満たない人数です。そのわずかな方々だけを、政治的に、意識的に「手厚く対応しています」と「見せる」ためになされる施策がこれです。それでも、この程度のことでは、帰還してもしなくても、被害者の生活や仕事の再建は容易ではありません、まして、ここに示された人達以外の被害者は、ほとんど何の賠償も補償も支援も受けられないままに、切り捨てられようとしているのです。これもまた、許せるものではありません。
(廃炉・汚染水対策)
●国が前面に出て対策を実行・・・・・・・・・・・・・・・・?(何をどうするの?)
(東電支援)
●公的支援の上限を5兆円から9兆円に増額・・・・・・・・・×
(田中コメント)
被害者を救済するのではなく加害者の東京電力を救済する、このたびの自民党・安倍晋三政権の加速化指針の正体が透けて見えています。廃炉や汚染水対策に、無節操に、責任不問で(経営者、株主、金融機関、原子炉産業)、ズルズルと、まるでバブル崩壊後の粉飾メガバンクへの大蔵省政策のごとく、税金を逐次投入しては無駄にしていく、そんな馬鹿丸出しの、背信的施策がスタートしようとしています。8兆円だ、いや9兆円だ、いや・・・・、まるでバナナのたたき売りのごとくです。そして、かつての不良債権対策がそうであったように、この投入された税金は何の役にも立たないでしょう。
何をどうするか、誰の責任を問い、どのように再発防止をするか、費用分担はどうあるべきか、肝心なことは不問のまま、「加害者救済・被害者切り捨て」という、逆立ちした反国民的・反被害者的な自民党の「原子力ムラ代理店」政策が始められようとしているのです。許せません。
2.廃炉・汚染水対策に専念,福島第一
東電の役割明確化(朝日 2013 12 19)
http://www.asahi.com/articles/DA2S10887467.html
(東京電力福島第一原発事故の対応をめぐる政府の新たな支援策が固まった。東電が負担することになっていた除染など事故処理の費用に上限を設け、足りない分は国が肩代わりする。福島第一5、6号機の廃炉を18日決めた東電は、政府の資金支援を受けて、復興の取り組みを加速させる体制づくりを急ぐ)
上記URLにある「政府が新たにまとめた東電支援の枠組み」の図をご覧いただくと、この政府がやろうとしている「東電支援」の出鱈目さ加減がよくわかります。典型的なモラルハザードです。おそらく、これで身軽となった東京電力は、柏崎刈羽原発の再稼働へ向けて全力を挙げてくることになるでしょう。中越沖地震で「傷もの」の危険な原発となってしまった柏崎刈羽を、目先の経営維持のために動かそうというわけです。もし、それが実現してしまうと、再びの悲劇はカウントダウン状態となります。
この自民党・安倍晋三政権は、一体何をトチ狂っているのでしょうか。もう政権の座から追い払わなければいけません。それが明日の日本を守ることになるのです。
(参考)無責任と逐次投入の果てに
――事故処理体制と東京電力のあり方について―― - 金子勝ブログ
http://blog.livedoor.jp/kaneko_masaru/archives/1762091.html
(参考)「いちろうちゃんのブログ」から
●東京電力を法的破綻処理(会社更生法)せよ
いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-591b.html
●原発事故の賠償を何故きちんとしないのか(その1)
(原子力損害賠償紛争審査会の新たな方針でも賠償金額が全然足りない) いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-cb8c.html
●原発事故の賠償を何故きちんとしないのか(その2)(原発事故の損害賠償を踏み倒す東京電力の態度は許されない)
いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-3355.html
早々
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