(福島第1原発事故) 被曝の危険性が矮小化され,軽視され,隠蔽され,ゴマかされ,無視され,被害者が切り捨てられようとしています(赤ランプ・非常サイレン)(その1)
前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは添付できませんでした)
<別添PDFファイル>
●福島原発事故後の原点をふりかえる(今中,津田,山田 『科学 2013
12』)
http://www.iwanami.co.jp/kagaku/KaMo201312.html
福島第1原発事故による放射能汚染と,それによる放射線被曝=特に恒常的な低線量被曝の危険性が矮小化され,軽視され,隠蔽され,ごまかされ,無視され,被害者が切り捨てられようとしています。看過できません。赤ランプ・非常サイレンが鳴り始めています。
定評のある岩波の月刊誌『科学』の2013年12月号が「甲状腺がんをどう考えるか」を特集し、その中の記事で、今中哲二氏、津田敏秀氏、山田真氏の3人が対談をしています。貴重な記事ですが、中でも津田敏秀岡山大学教授(疫学)の発言が光っています。下記に若干の発言内容をご紹介します。みなさまには、是非とも今月号の岩波月刊誌『科学』をお買い求めになるか、図書館等でご覧いただくことをお勧め申し上げます。
ちなみに、「福島県民健康管理調査検討委員会」も、その下に設けられた甲状腺検査評価部会も、現下、福島県の子どもたちに多くの悪性甲状腺ガンが発見されているにもかかわらず、福島第1原発事故に伴う放射線被曝がその原因である可能性を、未だに頑として認めようとはしておりません。それどころか、この子どもの甲状腺ガンの多くの発生そのものも、「スクリーニング検査の結果である」「検査機器の性能が向上したことで、従来発見されなかったものが(病気の早い段階で)見つかっているにすぎない」などとうそぶき、多発自体さえをも認めようとはしないのです。何をかいわんやです。
日本の放射能汚染対策と被ばく防護は、政府も自治体も、医療界も学会も、チェルノブイリ原発事故の際の旧ソ連諸国よりも劣悪・卑劣な様相を呈し始めました。それは福島第1原発事故後約2年9カ月を経て、再び原子力ムラ一族がのさばり始めていることと平仄が合わさっています。また、他方では、少なからぬ国民や地域住民が、放射能や放射線被曝の危険性から目をそらし、意図的に御用学者の嘘八百に自ら進んで騙されようとしている気配すら感じられます。まさに大きな原子力翼賛の社会状況が生まれつつあります。
この情勢下で、放射能と放射線被曝の危険性、とりわけ恒常的な低線量内部被曝の危険性に築いている心ある市民のみなさまは、勇気を持って、この逆境を打ち破るべく、力を合わせ、徹底して御用学者や出鱈目な行政・政治を告発してまいりましょう。無用の放射線被曝は絶対にしない、させない、放射能・放射線は1mSvであろうとも危険である、このことをしっかりと多くの国民・地域住民に何度も何度も訴えてまいりましょう。
<津田教授の発言より>
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●「甲状腺がんが多発しているかどうかを定量的に評価するために,この間『科学』誌上に記事を発表してきました(20日年5月号. 10月号など)。素直に見れば,その数字は多発であることを示しています。ただ,この数字を見て,今後どのようなことを考えどういう対応をするのかは、さらに重要です」
●「今回の甲状腺がんについていろいろなコメントが世の中にありますが,実際に定量的な評価がなされずに感覚で比較されています。このようなやり方は,今日的な健康影響評価のやり方としては非常に遅れています。つまり,厳密に数字で比較する,ということがされていないのです」
●「ところがいまだに,政府や新聞社や世間は,現実の対応を考えるのではなく,因果関係の有無だけを議論するにとどまっています。因果関係や多発の有無ばかりに議論が集中し,数字が示すものを受けて次に何をするのかの議論がまったく欠如しているのです。そのために病気のアウトブレイクが進行するような状況では,判断が遅れてしまい,人的被害や経済的損失が無用に拡大するという歴史が繰り返されてきました」
●「多くの皆さんが間違えておられるのは,因果関係を認める/認めないということ自体が大事ではない,ということです。因果関係は,二項対立ではなく,定量的な数字の中からその傾向が見えてくるものとして捉えるべきなのです」
●「数字で見えてくる概念の世界が因果関係です。これは直接には観察できません。原因と目されるものと,結果と目されるものとの,それぞれは観察できますが,因果関係を直接には観察できません。因果関係は,白か黒かではなく常にグレーで,濃さの程度である定量的数字で表される概念世界です。しかし,それを定量的な数字で表すことができるのですから,それをデータが集まるたびに分析して読み取り,対策を計画し実行していかなければいけません。数字が示す傾向を受けて,これから何をすべきかを議論しなければなりません」(⇒「福島県民健康管理調査検討委員会」は全くやろうとはしません:田中一郎)
●「ちなみに今回福島県では,子どもの甲状腺がんばかりが話題にされていますが,チェルノブイリでのデータを見ると,人数的には,青年以上の年齢の高い人の甲状腺がんが圧倒的に多いのです。10倍ぐらいの規模になります」(⇒同じく「福島県民健康管理調査検討委員会」は、19歳以上の年齢層に対して何らの対策も打とうとはいたしておりません:田中一郎)
●「福島県は,まるで,調査をしてその事実を直視したくないからあまり積極的に調査しないかのようです。住民を安心させることを他のすべてよりも優先させています。これは問題です」
●「事態が進行しつつあるいま,今後の対策を論じることなしに,甲状腺がんの多発や因果関係の話に集中し続けるのは時間の無駄だと思います。むしろ,
「100 mSv以下ではがんが発生しない」というのは完全に間違った主張であり,それが前提となって甲状腺がんの議論が影響されていることをどうするかという問題のほうにも注目するべきだと思います」
●「放医研(放射線医学総合研究所)は「被ばく早見図Jの間違いをこっそりと修正しました(本誌11月号参照)。2012年4月に差し替えていたのですが,それを新聞社が指摘したところ,放医研は今年7月に釈明をホームページ(HP)に公開しました。しかし危険側に間違っていたのに,
HPで述べただけで、記者会見などを聞いて積極的に広めようとしていません。危機管理がものすごくゆるんでおり,それが大きく現れた事件だと思います。これでは行政機関や研究所が何のためにあるのかわかりません」
●「データも見ずに“伝言ゲーム"になっていて,なあなあの弥縫的対応をしています。第二次世界大戦の軍部官僚の間違いと同じです。間違っているのはわかっているのに,言い出さない状況は,水俣病問題の対応でも伺じです。今日まで根本的議論をせずに弥縫的に対応してきてしまいました」
●「情報を正確に伝える勇気がないだけだと思います。なんとなく現状維持で,結果的に公開されないわけです。しかし,それが明らかになれば,「隠したJとなってしまう。手遅れで「隠していたjと責められるから,それを隠すためにウソをつくことになり,ウソがどんどん膨らむ。先々がどうなるかを考えていないのではないでしょうか。放射線の健康影響の問題は. 25年. 50年,続きます。予測しながら,次の準備のためにリソースを割きながら,長いスパンで考えないといけないと思います」
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早々
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