参議院議員山本太郎君提出東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故による被ばく者の健康調査に関する質問に対する答弁書
前略,田中一郎です。
別添PDFファイルは,今月(2013年11月),参議院の山本太郎議員が提出した「質問主意書」と,それに対する政府の答弁文書である。それによると,山本太郎議員が,質問がてら政府に要望している5項目の(福島第1原発事故に伴う)被曝者への健康調査に関する事項を,ことごとくはねつけ,およそ「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」に伴い,東日本に広範に広がった放射能によって被曝をしている福島県及びそれ以外の都道府県の住民に対しては,何らの健康管理・調査・検査の対策も取らない=現在,福島県で実施していること以外は「断固としてやらない」と答弁した。
具体的には,「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」に伴う東日本住民の放射線被曝は大した量ではなく,健康被害が出るような懸念はない(福島県で実施されていることは,住民の懸念や不安を払拭することが目的),健康管理調査の対象を広げるつもりはない,無用の検査や診療を健康保険の対象にする必要はないし,全国的な体制をとる必要もない,被曝者の診療記録の長期保存についても対策を打つつもりはない,福島県内外ともに新たに追加的な検査・調査もする予定はない」,などである。
典型的な原子力ムラ・放射線ムラ代理店政府の答弁である。放射能で汚染された場所に住み続けざるを得ず,場所によっては放射線管理区域指定基準を上回る高線量のホット・スポットに居住を余儀なくされている人々も多い中で,「「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」に伴う被曝量など,大したことはなく心配無用」「検査・調査・診療体制の整備や健康管理対策なども一切不要」と切って捨てている。おそらく,この政府の態度は,近い将来,放射線被曝による健康被害者が現れ始めても「それは福島第1原発事故とは関係がない」と言い続けるための「布石」「前準備」と考えていいものだ。
許し難いも何も,こんな答弁では「話にならない」。政府の幹部達には「交代」していただかなければ,物事は前には進まないだろう。これはまさに,原子力ムラ・放射線ムラとの,事実上の「命と健康」をかけた「戦争」であり,被害者や有権者・国民が勝利しなければ,やがて原発・核燃料施設過酷事故等によって環境放出された放射能により,焼き殺されることになる。選択は2つに一つ,彼らに放射能汚染地獄にずるずると引きずり込まれていくのか,それとも,彼ら原子力ムラ・放射線ムラを社会的に葬り去り,有権者・国民・地域住民の命と健康を最上位価値に置く政府を創っていくのか,の選択である。つまり「最終戦争」だということである。
<別添PDFファイル>
(1)東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故による被ばく者の健康調査に関する質問主意書(山本太郎:2013年11月18日)
「20131118.pdf」をダウンロード
(2)参議院議員山本太郎君提出東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故による被ばく者の健康調査に関する質問に対する答弁書(2013年11月26日)
「20131126.pdf」をダウンロード
●質問主意書 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B3%AA%E5%95%8F%E4%B8%BB%E6%84%8F%E6%9B%B8
●質問主意書:参議院ホームページ
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/185/syuisyo.htm
(山本太郎議員は,上記の他にも「質問主意書」を提出しているので,ご参考にされるといいと思います)
<山本太郎参議院議員の質問主意書(続き):原発・放射能関連>
(1)放射線被曝防護に関する質問主意書,及びそれに対する政府答弁http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/185/meisai/m185021.htm
(2)「東京電力福島第一原子力発電所事故における初期内部被ばく線量の再構築」に関する質問主意書http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/185/meisai/m185031.htm
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(参考1)個人線量計による被曝管理の実態
http://vera5963.blogspot.jp/2013/11/blog-post_2.html
(こんなものは,放射線被曝をもみ消すためのアリバイ工作であることに早く気が付く必要があります)
(参考2)健康がすぐれないのだけれど,原因がよくわからない
(1)http://vera5963.blogspot.jp/2013/11/blog-post_6748.html
(2)http://vera5963.blogspot.jp/2013/11/blog-post_25.html
(恒常的な低線量内部被曝は,人間の体のメカニズムをボロボロにしてしまいます。遺伝子だけが損傷するのではありません。時間がたてばたつほど,そのボロボロ度合いがひどくなり,様々な病気や健康被害が出てくることになるでしょう。上記のブログに書かれている健康状態の人達が,これから東日本に激増してくる可能性があります。しかし,上記で申し上げたように,政府は,一切の健康調査・検査・管理対策を行う意思はありません。「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」による放射線被曝の健康被害・遺伝的障害は,国家事業として「ないことにする」「もみ消す」「被害者をねじ伏せる」ことにより「鎮静化」を図るつもりのようです)
早々
(参考)「いちろうちゃんのブログ」より
(1)放射線被曝の単位「シーベルト」はどのようにインチキなのか? いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-1ba9.html
(2)(放射線被曝の評価単位)「(増補版)シーベルトへの疑問」(2012.12.10) いちろうちゃんのブログ
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-d2f2.html
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