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2013年11月 7日 (木)

自民党の新農業政策(続報:耕種農業)(1) 「米だけは」政策から「米さえも」政策へ=主食を捨てるような国が国家安全保障(NSC)など笑止千万 (その1)

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

 <別添PDFファイル>

(1)安倍晋三・自民党政権の農業政策(1)(2013111日付日本農業新聞)

(2)安倍晋三・自民党政権の農業政策(2)(2013116日付日本農業新聞)

(3)安倍晋三・自民党政権の農業政策(3)(2013117日付日本農業新聞)

 

 下記は本日付の『日刊アグリリサーチ』に掲載された米の生産調整廃止に関する記事である。いよいよ対米隷属の市場原理主義政権=安倍晋三・自民党は,これまでの「米だけは」(何とかいたしましょう)政策を捨てて,「米さえも」(守らないのか)政策へ転換しようとしている。その目的は,一言で申し上げれば,TPP批准をよりスムーズに進めるため,交渉の「足手まとい」と意識する日本農業と,その中核をなす稲作農業を切り捨てるためである。米の価格をTPP批准に先駆けて暴落させれば,おのずと米を関税などで守る必要もなくなり,「高い水準」の貿易協定をそれだけ実現しやすくなるためだ(目標は国際価格水準の3,000円/60kg=1俵=現在の価格の1/5程度 ⇒ いきなりそこまで行かなくても,当面はおよそ6~9千円/60kg程度まで引き下げられればOK=従来の加工用米の水準である)。

 

 では,TPP協定などという,何のために締結するのかわからない,日本にとっては何のメリットも利益ももたらしそうにない国際協定を,コメをはじめとする農業部門や,農業以外の様々な部門での多大な犠牲を払ってまで強硬に実現しようとするのはなぜか。それは,ただひたすら米国政府に要請されたからであり,米国政府のご機嫌を損ねないためであり,米国政府の言うがままに隷属しておけばいい,とのセンチメントから来ている。その米国政府の向こうには,ほんの一握りの無国籍大資本とその経営者達が,あのちょろい日本の政治家達をうまく手なずけて,獲れるものは獲ってしまえ,と米国政府に叱咤激励をしている。彼らの「高笑い」が聞こえてくるようだ。

 

 何度も申し上げているが,TPPの狙いは農業ではない。国丸ごと,無国籍大資本の利益のために無条件に提供し,国家の上にその無国籍の大資本を置き,とことんむしり取られ,剥ぎ取られるための国際協定である。どちらかと言えば,貿易協定というよりは投資協定に近い。その協定の下では,情緒的に市場原理主義に頭がイカれた愚かものの国の民から,主食も,国民皆保険も,労働基準法も,環境保全規制も,地域産業振興政策も,地産地消も,食の安全と品質も,何もかも必要がない,とばかりに奪い取られていくことになる。何故なら,そんなものは皆,無国籍大資本にとっては,コストばかりがかかる,自分達の利益追求の邪魔になるものばかりだからだ。事実,規制緩和や民営化(私物化)などの市場原理主義政策によって,財サービスの値段が安くなる以上に,一般の人達の賃金・労働条件は加速度的に転落していき,社会保障制度も空洞化・内容貧困化させられ,更に消費税増税が追い打ちをかけてくる。「国民」など,素っ裸で,その辺に放り投げておけばいい,地を這いながら勝手に生きていくだろう,「彼ら」はそう考えているのだ。いわゆる自己責任の世界である。

 

 一国の政権を担う政治家としての責任を放棄し。自国民の命と健康や自国民の生活を守らず,自国の主食=米・稲作農業を売り渡してでも,ただただ米国に向かってゴマスリを繰り返し,他方で,国内やアジアに向かっては,成長戦略だの,原子力推進だの,戦う農業だの,国家安全保障(NSC)だのと,中身のお粗末きわまりないゴタクを繰り返すのである。安倍晋三・自民党=売国奴政権,これはもう,我々の目の前にはっきりと,その反国民的な正体を現している。(念のために申し上げておけば。今現在,マスごみや市場原理主義学者らも含めて,TPP推進の旗を振る愚か者達は,すべて情緒的な支配権力同調主義で動いている連中であり,およそTPPを含め,事態のあり様をきちんと見定めて,慎重に考慮・判断することのできない自滅型の単細胞人間達である)

 

 ゴロツキの政治家達を選び,そのゴロツキに導かれて「どん底へ」転落するのか,かような鳥獣戯画のごとき愚行には終止符を打ち,日本という国を「我らが人間の国」として再建していくのか,今まさに,その「正念場」にあると言ってよい。主食である米の,言い換えれば,先祖伝来の日本農業の真髄である稲作農業の生産を守るのか=米の価格を生産者・農家がやっていける水準に維持して,家族経営型で多品種少量の創意工夫に富んだ高品質農業を発展させていくのか,それとも,安かろう・悪かろう・危なかろうの,馬鹿な国民向けの「エサ」生産としての稲作に切り替えていくのか,それが,この「正念場」の雌雄を決する分水嶺となるに違いない。およそ,一国の主食を捨てるような愚かな国に未来などありはしない。何が「国家安全保障会議」(NSC)か,馬鹿もほどほどにしろである。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 <『日刊アグリリサーチ 2013.11.7』より>

● 五年後を目途に生産数量目標配分やめる 水田フル活用ビジョン作成=中間まとめ

 

 五年後を目途に行政による生産数量目標配分に頼らず需要に応じた生産ができるようにするという米政策見直しの中間取りまとめ案が、六日に開かれた自民党の政調・農林水産戦略調査会・農林部会・農業基本政策検討PTの合同会議に示された。要点は次のとおり。

 

1.米の生産構造の改革を進めつつ、水田活用対策等を充実させることで、生産者や集荷業者・団体が、国が策定する全国ベースの需給見通し等を勘案しながら主体的な経営販売や販売戦略に基づき、主食用米偏重でなく、需要に見合った米生産の実現を図るための環境を整備する。その際、新規需要米や加工用米など総合的な米の需給安定を確保するとともに、現場での円滑な移行に十分配慮する。

 

2.具体的には、以下の取組を進めていく。

(1)水田活用直接支払交付金の充実…①飼料用米等の単価を見直し数量払いを導入、②飼料用米等について多収性品種に取り組む場合の追加配分等、「産地交付金(仮称)」の充実、③県・市町村段階での「水田フル活用ビジョン」の作成等

 

(2)中食・外食等のニーズに応じた生産と安定取引の一層の推進=中食・外食等を始めとした多様なニーズに応じた米の生産・流通を進めるとともに、現在、集荷業者、卸等の流通業者との間で行われている複数年、播種前などの事前契約による安定的な取引の確保の取組の一層の推進。

 

(3)適切な需給情報の提供…生産者の主体的な経営判断や集荷業者・団体の販売戦略が的確に行われるよう、国は、全国ベースの米の生産と需要の見通しの策定に加え、よりきめ細かい需給・価格情報、販売進捗・在庫情報を提供。

 

(4)民間主導の需給安定の取組…生産者自らの取組を基本として販売の見込みが立たなくなった主食用米を、需要が期待できる加工用や飼料用等へ供給するなど、豊作・需要減等に対応するための民間主導による需給安定の取組が可能となるよう環境整備。

 

3.これらの対策を進める中で、その定着状況をみながら、五年後を目途に、行政による生産数量目標の配分に頼らずとも、国が策定する需給見通し等を踏まえつつ生産者や集荷業者・団体が中心となって円滑に需要に応じた生産が行える状況になるよう、行政・生産者団体・現場が一体となって取り組む。

 

・・・・・・・・・(引用終わり)

 

以下,「主食用米の生産調整政策」の放棄について簡単にコメントしておく。

 

1.主食用米の生産者・農家は百万戸を超える。こんなに数が多い生産部門の「生産調整」は,民間主導で出来るわけがない。国が「生産調整政策」を放棄するとは,言い換えれば,市場メカニズムだけで主食用米の需給調整をすればよい,とする市場原理主義そのものであり,その結果は主食用米の価格暴落である。この政策は,国の生産調整政策の負担を軽くすることと,主食用米の価格をドラスティックに下げることの2つの狙いがある。代替策として提案されている,国による「よりきめ細かい需給・価格情報などの提供」などは,クソの役にも立たない「お遊び」のたぐいであって,役人が出してくる公開情報に頼って商売をする馬鹿ものは実業界にはほとんどいない。

 

2.農業と農産物は,価格と需要の関係がセンシティブで,ちょっとしたことで価格が大きく動く。しかし,農業はその産業としての特性から(自然に支配され人間が完全コントロールできない,食料・農業は人間の生存に必要不可欠であり一日たりとも欠かせない,生産性向上は日進月歩であってドラスティックにはいかない,伝統産業であり多くの人々が携わり関係する,逆に破壊したら取り戻せない,農地条件に大きく制約される,長期の保存がきかないか品質劣化で価値が大きく下がる,農業は農産物生産以外にも多くの役割や機能を持ち,人間社会の基礎を形成している等),需要と供給のコントロールは生産者・農家の単独では容易ではない(事実上,不可能)。市場メカニズムにゆだねて放置すれば,価格は乱高下し,農業経営は振り回されて立ち行かなくなる。およそ,いかなる産業においても需給の調整というものはなされるものであり,こと農業については,その需給調整の政策的サポートというのは必須のものである。しかし今般,安倍晋三・自民党政権は,こともあろうに最も重要な農産品である主食のコメの需給調整=生産調整を放棄するというのである。

 

3.土地条件,賃金水準,為替相場,農業資材価格水準などが決定的に違う諸外国の低価格農業と,わが国のような,家族経営の小農型高付加価値農業とが,裸で価格競争させられたのでは,たまったものではない。10年もすれば日本農業は壊滅し,一億人の日本国民は,海外生産される「家畜のエサ」に依存する悲惨な食料海外依存国家に転落してしまうだろう。事実,一部先行して,外食産業や加工食品などでは,(安全規制により)外国で売れないような危険な産品が大挙して日本へ輸入され,低価格で,それとは知らぬ人達に,今大流行の「偽装表示」で売られている。まさに家畜やペットの「エサ」以下の食べものを,安い・安価だ,という,ただそれだけで食べる時代が,もう目前に迫ってきているのだ。

 

4.農産物については,その需給調整が,農業政策の根幹であることを忘れている。日本でも,主食用米以外でも,例えば牛乳,たとえばキャベツや白菜などの野菜,たとえばミカンなどの果実,あるいは鶏卵,タバコ等々が,需給調整の対象となっており,特に牛乳やミカンなどは米よりも厳しい生産調整が行われている。

 

5.更に申し上げれば,米については需要サイドにおいても下記のような政策手段があり,それぞれが主食用米の需給調整と生産者・農家の経営の安定を目的として行使されなければならないのだが,これらは既にだいぶ前から,市場原理主義にイカれた頭で打ち出されてくる政策により,座礁させられてしまっているのである(本来は,これらの政策もまた,適正なものに戻さなければならない)。

 

●主食用米の需要拡大政策(学校給食の米飯化がその代表格,その他,具体策は山のようにあるが,国や農林水産省には「やる気」がない)=自国の主食を捨てて,コメを食べなくなっている消費者・国民にも問題がある(この辺は,いわゆる「食育」の問題)。それぞれの国で,主食が何であるかは,その国が長期的にどのようになっていくのかということと大きく関係している,コメを捨てた日本・・・???,私には想像がしにくい暗い未来である。

 

●主食用米の備蓄(需給情勢いかんにかかわらず100万トンだけの「回転備蓄」という建前だが=備蓄量として全然足りないことに加え,米価を上げる方向での備蓄はしないが,下げる方向での政府米の放出は適宜実施される(=生産者・農家よりも,米の流通・加工業界を優先する政策+「米価を下げてしまえ」政策)(本来は,コメの備蓄は需給調整のサブ手段として,積極的に活用されなければならない)。

 

●MA米(輸入米の放出)(ウルグアイラウンド受入れの際,政府はMA米が米の国内需給に影響を及ぼさないようにするとの「約束」をしたにもかかわらず,MA米を,主食用(SBS方式=10万トン)や加工原料用に市場放出している。日本で過剰生産になっている主食用米を,何故,輸入するのか。MA米はすべて海外向け援助米として使え)

 

●米の表示制度が出鱈目(国産の美味で高品質の米に対する消費者のニーズは高いにもかかわらず,米の表示制度が出鱈目で,海外産のMA米や政府備蓄の古古米,あるいはくず米,ひどい時には事故米(有害物質汚染米)などの価格の安い低品質米を正米に混ぜて,いわゆる「格上げ混米」をして「複数原料米」などとして販売されている。そもそも米の検査制度が出鱈目で,生産者・農家から流通業者が米を買い叩くためにしか機能していない(1等米・2等米などという表示を小売り段階で見たことがありますか?)。かようなことは10年以上も前から多くの人が改善を求めているにもかかわらず,政府・自民党・農林水産省は事態を改善しようとしない=国産米をきちんと消費者に売りたいのに,きちんと売れない状態=虚偽表示や非表示のために消費者が適切な選択ができない状態が長期化している)

 

●米の輸出(欧米各国は自国産の穀物に輸出補助金をつけて海外に売りさばいている。いわば欧米各国の過剰生産農業の尻が海外で需給調整され,その手段として輸出補助金が使われている。GATTウルグアイラウンドをはじめ,世界の貿易交渉で大問題となっていることの一つが,この輸出補助金の廃止だが,一向になくなる様子はなく,昨今は「輸出補助金」を,国内生産者・農家向けの「直接支払」という(生産を刺激しない形での国内補助金)に切り替える動きが強まっている。言わば,形を変えた「輸出補助金」である)

 

6.自国農業を市場のなすがままに委ねて切り捨てる馬鹿な政府は存在しない(その例外として,韓国,台湾,日本の3国の農業政策の馬鹿さ加減が際立っている)。欧米では,生産者・農家の所得の50%以上は,政府からの補助金であり,その割合が高い国では7080%が政府補助金というところもある。通常の国は,自国農業を徹底して守っている。ましてや,主食の米を,価格が暴落するに任せる,などという愚策をする政府など存在しない。愚かさの象徴的協定である米韓FTAを締結した韓国でさえ,主食の米は自由貿易の例外とされた。

 

7.やや専門的になるが,今般自民党が打ち出した米政策の改悪には,主食用米の生産調整の廃止の他に,民主党の実施した農業者戸別所得補償制度の廃止がある。これも決定的によろしくない。

 

 農業者戸別所得補償制度は,①固定払い(15,000円/1反(10a)),②米価変動補填交付金(米生産コスト割れ分の80%を補填),からなるが,自民党は,これを,前者は,他の作物(果樹・野菜までも)も含めて「農地の多面的機能交付金」として,広く薄く生産者・農家にばら撒く政策に切り替え,後者は,制度廃止とし,民主党農政の前に自民党農政が実施していた,いわゆる「品目横断的経営安定対策」の「ナラシ」に再転換する。「ナラシ」とは,過去数年間の平均米価と今の米価を比較して,その差額を国と生産者が共同出損して積み立てて基金から補填するというものだ(出損割合は国:生産者=3:1)。

 

 まず,民主党の農業者戸別所得補償制度を「バラマキ」だと批判していた自民党が,それ以上の「バラマキ」を「多面的機能」を口実にやるというのが前者である。そのココロは,WTOルールに沿って,農産物の増産に結びつかない=生産を刺激しない「緑の政策」として「多面的機能交付金」にしたということなのだが,食料自給率が低迷している日本にとっては,かような農業政策は,やるべきこととは真逆の政策である。本来は自給率低迷の農産物=具体的には米以外の穀物や家畜飼料,あるいは果実や豆類などを,生産を刺激して増産しなければならないのに,何してるのや! という政策なのである。

 

 それともう一つの「ナラシ」,こちらの方が米の生産には決定的に影響が大きい。そもそも民主党の農業者戸別所得補償制度は,日本の稲作のほとんどがコスト割れとなるほどに米価が下落し,もう米づくりは限界だ,と言われるようになった中で,それじゃ政策的に米づくりのコストだけでもカバーする「岩盤部分」の確保をはかりましょう,ということでつくった制度が,この米価変動補填交付金なのである(「岩盤」とは,いかなることがあっても国が保障する米の生産コスト部分のことで,それにより生産者・農家にコスト懸念を払しょくしてもらって,経営の安定と将来の展望を持ってもらおうという主旨だった)。

 

 しかし,それを「ナラシ」に変えてしまったのでは,米価が限りなく低下し続ければ,補填の基準となる過去数年間の米価も徐々に徐々に下落し続けるので,いつしか補填基準が米生産のコストを割れて,政策補助が米のコストを保障できなくなってしまうのだ。「ナラシ」は,米価の大きな下落とその固定化に対しては,生産者・農家を守ることができない,ニセモノの政策なのである。言い換えれば,「ナラシ」に戻すということは,米価下落から生産者・農家を守らない=下落がゆっくりと進むようにするだけだ(それが「ナラシ」の効果),ということを意味している。生産調整廃止により,米価が戻ることはない「片道切符」になるにもかかわらず,「ナラシ」に切り替えるという,この自民党の米政策転換は,稲作農家に対する背任行為そのものである。

 

 海外諸国が,生産者・農家と自国農業の保護に力を入れ,生産者・農家の所得補償を徹底して行うようになっているというのに,食料自給率低迷の日本という国の,馬鹿丸出しの売国奴政治家達は,稲作農業=ひいては自国農業を切捨てるという。自民党が打ち出している米政策の改悪は,まさにそういうことを意味しているのだ。

 

 そして,ついでに申し上げておけば,日本農業がかろうじて持ちこたえているのは,稲作農業があってのことである。この稲作農業をつぶせば,その担い手だった稲作生産者・農家が耕作している様々な(副)産物=麦・大豆・露地野菜・一部の果樹・その他特産物・加工品などが,同時に消えていくことになる。日本農業と多彩な農村文化・稲作文化は,文字通り消滅するだろう。いったい誰が,1俵(60kg)=3,000円やそこらの値段の米を作るというのだろうか。主食用米の生産調整廃止による今以上の低米価は,稲作生産者・農家に「米づくりをやめて,田んぼを捨てて出て行け」と言うに等しい暴挙である。そして,彼ら売国奴=安倍晋三・自民党政権の狙いは,その捨てられた田んぼを,外国資本を含む大資本が拾い集めて,低賃金劣悪労働者として生産者・農家を(あるいは外国から連れてきた労働者を)「雇用」し,エサのような,低品質で危ない,米だけを作る「新農業」(大規模大量生産型の単一品種農業)に切り替えていくことなのだ。稲作農業崩壊とともに,日本の農村も崩壊し,日本という国が崩れて行くだろう。

 

8.今般の安倍晋三自民党政権が打ち出した米政策の改悪の中で,唯一点だけ評価できるものがあるとすれば,それは,主食用米の転作奨励金を厚くする,厚くするだけでなく「産地資金」という形で,各地域地域で何にどのように補助金をつけて転作奨励するかを自由に決められる余地を広げる(分権自治型の主食用米転作政策),という点である。新聞報道では,主食用米の飼料用米への転作と,多収穫品種の導入に,補助金を多く出すと伝えられている。飼料用米は将来性がある種目で,大いに転作奨励していただきたいものだ。

 

 しかし,私がそれでも,この政府・自民党・農林水産省が打ち出してきた転作奨励政策見直しが気に入らないのは,たとえば,飼料用米へはテコ入れするが,足りなくて困っている加工用原料米(その典型が日本酒の原料米が足りない)には転作奨励金を増やそうとはしない。そのココロは,国産の加工用原料米が増えると,政府が保有するMA米(輸入米)が売れなくなるからだ。あるいは,大麦・小麦や大豆,あるいは一般飼料作物や菜種などの転作奨励金も,ドラスティックに引き上げようとはしない。そのココロは,それらの作物はアメリカが日本へ輸出しているものであり,それを日本の国内生産で代替すれば,アメリカが怒り出すからである。農林水産省よ,お前達はいったいどっちを向いて農業政策をやっておるのか。もういい加減にしろ!!

 

9.最後に再度繰り返しておく。耕作放棄地が40万haを超え,後継者さえ見つからずに高齢化していくという日本農業衰退の原因は,下記の「4つの優先農業政策」という,自民党政権がここ数十年にわたって押し進めてきた農業政策によるものであって,生産者・農家にその原因があるのではない。彼らは,この「4つの優先」農業政策で,日本の農業と生産者・農家をないがしろにし,「食いもの」にしながら,他方で,「米だけは」(何とかしましょう)政策を付け加え,米に偏重した政策を展開する傍ら,「水田を守らずに票田を守る」ための農林水産土建公共事業をばらまいてきたのである。いわば,国土荒廃と農業衰退は,自民党農政という100%外部要因による「人災」である。

 

 <4つの優先農業政策>

①アメリカ優先、②WTO/FTA・EPA優先、③財政再建優先(安上がり農政)、④利権優先(不要不急の役人・及び政治家及び非農業事業者のための似非事業優先)

早々

 

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コメント

略啓
  田中一郎様。本当にTPP問題は世界を相手に丸腰で戦を行うドンキホーテのような者です。環太平洋だけ何て、言ってますが他のヨーロッパの国々に対しても弱体した身で如何して、立ち向かうのか?国内では偽装食材が問題に成っていますがあたりまへの事だと思います。輸入した食材の表示された物は中々見当たらないのに国内産の食材ばかりが有る事自体可笑しい。国内生産より輸入品が何倍も多いのに。此れがTPPが決まればその数倍の物が出回る事になり「表示を間違えました」では無く「看板を変えました」にしなければ行けなくなるでしょう。(「全て輸入品を使ってます」と)

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