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2013年11月12日 (火)

関東産ニホンウナギが出荷制限=もう「絶滅危惧種」のニホンウナギを食べるのはやめましょう

前略,田中一郎です。

 

下記の通り,本日付で,厚生労働省のHPに関東産のニホンウナギの出荷制限が出されております。

 

*原子力災害対策特別措置法第20条第2項の規定に基づく食品の出荷制限の設定について |報道発表資料|厚生労働省

 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000029169.html

 

本日、原子力災害対策本部は、昨日までの検査結果等から、福島県、茨城県及び千葉県に対し、以下について出荷制限を指示しました。

(1)福島県 会津 ( あいづ ) 美里町 ( みさとまち ) で産出される野生キノコ

(2) 茨城県内の利根川のうち 境 ( さかい ) 大橋 ( おおはし ) の下流(支流を含む。)において採捕されたウナギ

(3) 千葉県内の利根川のうち 境 ( さかい ) 大橋 ( おおはし ) の下流(支流を含む。ただし、 印旛 ( いんば ) 排水機場及び 印旛 ( いんば )

水門の上流、両総用水第一揚水機場の下流、 八筋 ( やすじ ) ( かわ ) 、 与田 ( よだ ) ( うら ) 並びに 与田 ( よだ ) 浦川 ( うらがわ ) を除く。) において採捕されたウナギ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 広く東日本の河川では,「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」によりばら撒かれた放射性物質が,日々,川の流れに乗って山々から海へ少しずつ,あるいは大量に土砂とともに流れ降りてきております。阿武隈川はもちろん,東京湾に注ぎこむ江戸川や,日本海にそそぐ阿賀野川なども例外ではありません。いわゆる汽水域と呼ばれる河口付近には,山から下り降りてきた様々な放射性物質が滞留・蓄積している可能性があり要注意です。危ないのは放射性セシウムだけではありません。

 

 昨今,規制値を超えるような高濃度の放射性セシウム汚染の野生キノコが発見された山梨県(そのセシウム汚染の西の端は北杜市です)の河川・湖沼と,その下流域の静岡県を西端とし,東は同じく野生キノコの出荷制限が出た青森県まで,太平洋側も日本海側も,淡水域に加えて,河口域・汽水域の河川や海については,放射能汚染を警戒する必要があります。食べ物で言えば,淡水域で獲れる魚介類は既に高い濃度で放射性セシウムが検出されており,更に(検査されてはおりませんが)放射性ストロンチウムなどの汚染も要警戒です。また,魚だけでなく,沢ガニや藻類などを含め,その他の淡水生物の食品化もやめておいた方がいいでしょう。養殖物の淡水魚についても,その「餌」が怪しい場合がありますから安心はできません。1年くらい前には,山梨県の養殖のコイからも放射性セシウムが検出されておりました。

 

 また,汽水域の海域の魚介類は更に潜在的に危険です。魚で言えば,ハゼやボラ,それに今回出荷制限となったウナギなどです。もちろん,アサリ・シジミ・ハマグリなどの貝類は,海底の砂や泥を体内に入れては吐き出し,しながらエサを摂取し,海の掃除屋などとも言われるくらいですから,その危なさはピカイチです。ウニやナマコ,サザエやアワビ,浅瀬に生息するエビ・カニ類や小型の底魚なども要警戒でしょう。東日本では,子どもを連れて潮干狩りや海水浴などに行くのはやめた方が無難です。場合によっては,子どもたちが意図せずして猛烈に被曝してしまう可能性があるからです。特に海底の泥や砂がよろしくありません。

 

 こうした懸念に応えるべく,本来であれば政府や自治体などの行政が,河川・湖沼や,河口域・汽水域の環境放射能汚染を徹底して調べ,その生態系への影響も長期にわたって綿密にモニターすべきところですが,「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」後2年9カ月たった今でも,そのような「本来なすべき汚染対応・対策」は,ただの一つとしてなされておらないのが現状です。我々が日々口にする飲食品ですら,ろくすっぽ検査されずに,安全安心キャンペーンのために巨額の予算が使われているというありさまです。(あるいは20ミリシーベルトまでは心配するな,などの嘘八百)

 

 加えて,ニホンウナギには,次のようなことがあります。

(1)戦後の日本では,河川という河川が数多くのダムで息の根を止められ,沿岸海域の海という海が工業廃水や生活雑排水の垂れ流しで汚染され,海岸という海岸がコンクリートで固められ,あるいは埋め立てられ,ニホンウナギの生息地を奪ってしまいました。

 

(2)更に,飽食ニッポンの欲求にこたえるべく,ニホンウナギは日本国内だけでなく,中国や台湾などでも,その稚魚のシラスウナギが乱獲され(その大半は日本へ輸出され),とうとう絶滅危惧種にまでなってしまいました。シラスウナギは,ウナギの養殖池に入れる稚魚ですが,数が激減して価格が暴騰しています。中国や台湾なども同じような情勢です。(ヨーロッパでもウナギは乱獲され,数年前に絶滅危惧種に指定された上で,日本に先駆けて捕獲禁止となっております)

 

(3)それでも,ウナギ食いたい・ウナギ売りたい人種は我慢ができず,昨今は,遠くフィリピンやインドネシア,更にはオーストラリアやアメリカ・アフリカ両大陸にまで,ニホンウナギとは別種のウナギを買い出しに出かけていて,特にインドネシアからは大量にウナギが入ってくるようになっています。

 

(4)ウナギの流通過程は産地偽装・品種偽装の典型的業種で,水産物流通のろくでもない体質を象徴的に現わしております。中国産のマラカイトグリーン(農薬の一種)入りのウナギが,「安全安心の日本国産ウナギ」として売られていることなどは日常茶飯で,ウナギの食品表示は,日本の三大信用できないものの一つと言ってもいいくらいです(あとの2つは,安倍晋三・自民党,もう一つは,口先やるやる詐欺の民主党)。

 

(5)しかし,こうした食品偽装の氾濫に対しては,政府関係省庁=消費者庁,厚生労働省,農林水産省は,その根絶のための努力をいつまでたってもやろうとはしておりません。ここ数日,マスごみをにぎわしている,ホテル・百貨店(デパチカ)・レストランのメニュー偽装・製品表示偽装なども,消費者をだまくらかして金もうけをしようとする(儲けた方が勝ちだとする)食品産業の業者達の日常茶飯が表面化しただけにすぎないのです。もちろん,政府関係省庁は,こんなことは重々承知の上のことです。取り締まろうとか,厳しくモニターしようなどという「意思の力」は,さらさらありません。従って,今後も食品表示偽装は繰り返されるでしょう。

 

(食品表示偽装を根絶するためには,本当の意味での政権交代と,腐った行政幹部・御用学者達を政府から一掃し,厳しい罰則付きの規制(特に偽装による利益の没収に加えて巨額の罰金の賦課)を導入する他ありません)

 

(6)そして,上記で申し上げたフィリピンやインドネシア,オーストラリアやアメリカ・アフリカ両大陸産の,ニホンウナギとは異種の輸入ウナギが,「国産ニホンウナギ」として販売され,料理されている可能性があります(全部ではないにしろ)。

 

 みなさま,絶滅危惧種になってしまい,住むところさえもうほとんどないニホンウナギ,このままいくと,我々の前から姿を消してしまうかもしれません。更には,放射性物質や有害物質に汚染され,食品表示までが偽装されて販売されているニホンウナギ,しかも値段は暴騰しています。こんなニホンウナギは,もう買うのも,食べるのも,やめることにいたしませんか?

 

●朝日新聞デジタル:ニホンウナギ、「絶滅危惧種」に 環境省レッドリスト - テック&サイエンス

 http://www.asahi.com/tech_science/update/0201/TKY201302010087.html

 

●江戸川のウナギから放射性物質 出荷見合わせ要請

 http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000006785.html

 

●加熱するアジアでのウナギ “争奪戦“ - NHK 特集まるごと

 http://www.nhk.or.jp/ohayou/marugoto/2013/08/0801.html

早々

 

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