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2013年11月

2013年11月29日 (金)

「虚偽表示 食品表示モニター制度導入へ NHKニュース」への私の感想

前略,田中一郎です。

 

ある方より,下記の情報をいただきました。

それに対して,私が送信した意見メールが下記です。

ご参考までに

 

*虚偽表示 食品表示モニター制度導入へ NHKニュース

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131123/k10013280851000.html

 

(以下,私のメールです)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

問題は,モニターになる方の問題もありますが,むしろ,そのモニターの人から[虚偽情報]を受け取る役所の側です。

 

世間を大騒ぎさせた2007年の北海道ミートホープ事件では,同社社員から内部告発を受けた北海道庁の役人と,農林水産省出先の農政局が「美しく」もなんともない,見苦しい「譲り合いの精神」を発揮し,この事件は「あんたの所管だ」と押し付け合いをしながら,ほったらかしにしていたことが後日判明しています。また,食品衛生法を所管する厚生労働省の出先は,最後まで,素知らぬ顔をしていたのではなかったでしたか。

 

また,私の小さな経験でも,香川県の空港で買ったペットボトルの表示の問題(期限の表示)で,四国の農政局の表示Gメンに電話をしたことがあるのですが,私の電話を受けた役人は「食品衛生法のことなら県の方へどうぞ」などと,さっそくたらい回しをしておりました(この件は結局は私の勘違いでしたが,電話に出た役人は,表示がおかしい,などという問題を自分は絶対に抱えたくない,というスタンスでした)。

 

そもそも,農林水産省の食品表示Gメンは,もともとは旧食糧庁の役人達で,食糧庁が廃止されたことにより,ただでさえ仕事がなかった食糧庁の仕事さえもがなくなってしまい,失業寸前まで行って,結局,食品安全委員会ができる頃に「食品表示」のモニターの仕事が割り当てられました。しかし,「食品表示」のモニターの仕事を任せられたというのに,何の法的な権限も与えられず,まるで一種の「いじめ」のような,早期退職勧告のような働かせ方でした。食品表示モニターの方は,事実上,権限がなくてまともにできなくて,形だけつくったアリバイ仕事・アリバイ組織になり,他方で,旧食糧庁の役人を,事実上いじめて,早く退職に追い込む,という一石二鳥をねらったような,それはひどい,許しがたいような「組織・業務改革」だったのです。これは今も続いていて,今度は,虚偽表示・不当表示が氾濫している外食を,この食品表示Gメンにモニターさせるべく,法改正をしたらどうか,という動きが自民党の中にあるようです。

 

まあ,こんな調子で,賞味期限が切れた消費者庁の下で,どこまでこのモニター制度が有効に動くかは疑問です。形だけつくって,魂なし,モニターになる人は「業界の人」や「ふぬけのような人」を人選し,たまにヒットして上がってくる不当表示・虚偽表示のモニター結果も,まともに受け付けられない,受け付けても「棚上げ」,そして忘却,などということになるのではないか? と推測します。

 

こんなボケたようなモニター制度を,ただでさえ貧弱な消費者庁の下に創るのではなく

 

(1)農林水産省・厚生労働省から,食の安全と表示の管理の執行部隊・実務部隊を切り離し,消費者庁または消費者委員会の下に置く,そこが表示モニターを全力で行う。(「食品産業振興」と「食の安全と表示の適正化」との「利益相反」の分離)

 

(2)日本消費者連盟や主婦連など,食品表示に厳しい消費者団体にモニターを全面委託する。

 

(3)政府がやるモニターと都道府県・政令指定都市がやるモニターの役割分担(あるいは所管と責任の優先順序)を明確にしておく。

 

などが,当面,緊急に対処すべきことでしょう。

私は消費者庁のモニター制度・組織など,全く期待いたしません。

早々

 

「農地中間管理機構」関連二法案を可決した衆議院農林水産委員会の付帯決議=規制改革会議・産業競争力会議の意見は参考でいい

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

別添PDFファイルの20131128日付日本農業新聞,及び下記の『日刊アグリ・リサーチ』記事(20131128日)は,先般の衆議院農林水産委員会における「農地中間管理機構」(農地バンク)関連二法案の可決と,当該委員会での審議の様子,ならびにそれを受けての付帯決議を報ずるものです。

 

 注目すべきは,同委員会の与野党議員の大半が一致して,安倍晋三内閣「アベノミクス」の目玉組織である規制改革会議や産業競争力会議の見解・提言を事実上否定し,当初,農林水産省が考えていた「人・農地プラン」と「農地中間管理機構」(農地バンク)の関連付けを強め,地域での話し合いを重視して,「現場の実態を踏まえ現場で十分機能するものとすることを第一義として制度の運用を行うこと」などとする付帯決議を付け加えたことである。そこでは「産業競争力会議、規制改革会議等の意見については、参考とするにとどめ」とされている。

 

(例外的に,野党の中で「みんなの党」だけが,産業競争力会議や規制改革会議の見解・提言を支持し,付帯決議に反対をしている。「竹中・小泉市場原理主義改革では生ぬるい」とする同党の本領発揮というところなのだろうが,今般の特定秘密保護法案を巡っての安倍晋三・自民党政権との談合・政権へのすり寄りとあわせ,同党の「自民党補完物」としての正体が表面化しているというべきか)

 

 時代遅れの市場原理主義一色になりつつあった日本の政治情勢の中で,かろうじて衆議院農林水産委員会では「良識」が働き,市場原理主義の行きすぎにブレーキがかかったと見ていいのだろうか。しかし,この付帯決議は,あくまで衆議院の一委員会である農林水産委員会での決議であって,本会議決議ではない。その影響力は,小さくはないだろうが,大きくもない。もしかしたら,自民党ゴロツキ政治詐欺集団と,「口先やるやる詐欺」集団・民主党のアリバイ行為の可能性もある。つまり,本音のTPP推進をはじめ市場原理主義の徹底政策は,これからますます本格化させて強引に推し進めるが,それに対する有権者・国民,生産者・農家への「エクスキューズ」として,「私たちは国会でここまで頑張って皆さまのためにやりましたが,時代の流れということでもあり・・・・・」を態度で示したということにすぎないかもしれないのだ。今後の法案の行方を厳しく見て行かなくてはならない。

 

 この「農地中間管理機構」(農地バンク)関連法案については,かねてより私から申し上げているように,元来がゆがんだ日本農業への見方から派生してきている「不要な法案」であり,簡単にいえば,国際市場原理主義の貿易体制に備えて,日本農業の伝統的な良さの根幹であった小規模家族経営による水田稲作をコアとする創意工夫の農業を,新大陸型の大規模モノカルチャー型の低コスト粗放型(石油がぶ飲み)農業に転換させようとするものだということだ。そもそもの考え方の出発点が歪んでいる。

 

 ただ,農地については,いずれにしても生産者・農家の高齢化により,今後,耕作ができなくなってくる速度が益々速まるので,何らかの組織を創って,生産者・農家のリタイアー後の農地の耕作後継者確保対策をしなければならないことには変わりはない。だから,志は歪んでいるが,「農地中間管理機構」(農地バンク)を創設して,そこが地域の農地の耕作放棄地化を防ぐ「砦」となればいいのである。その際に留意すべきは下記のようなことである。

 

(1)産業競争力会議や規制改革会議の見解・提言は,これまで日本農業を支えてきた家族経営の生産者・農家を頭から全面否定し,彼らの高齢化によるリタイアーを契機に,農業経営から,その後継者も含めて彼らを「追い払い」,その代わりに,地域の外から外国資本を含む農業経営資本を導入して(投資FUNDを含む),日本の農村と農業を新大陸の大規模粗放型の低コスト農場にドラスティックに再編してしまおう,というものである。農業を大資本の金儲けのための材料に差し出せ,ということだ。農地も賃貸だけでなく所有を認めることで,宅地転換等による地価上昇で利益をあげられるから,企業にも農地を保有させよとしつこく主張している。金儲けのためなら,何でもOKにして,世界で最も企業が活動しやすい国にするのだそうである。農業歪曲的なこのような見解・提言などは,衆議院農林水産委員会の付帯決議よろしく無視すればよろしい。

 

(2)過去への反省が足りない。まず,「農地中間管理機構」(農地バンク)と同じような組織に農地保有合理化法人があるが,何故,ここがまともに機能していないのか。また,各地域の農業委員会についても,その運営がきわめてよろしくないところがある=一部の幹部達の私利私欲(宅地転用許可)従属型だったり,無節操に宅地転用を認めたり,農業に新規参入を希望する若い世代の人に農地を貸そうとしなかったり,耕作放棄地をほったらかしにしている,などなど,各農地関連の各組織が,その期待された役割や使命を十分に発揮していない現実がある。新しい改革をするのであれば,これまでのことを,いいも悪いもきちんとレビューし,具体的に反省をしてから次に進まないと,また同じことの繰り返しになりかねない。

 

(3)「地域の話し合い」というのは「きれいな言葉」だが,その実態は,地域のボス支配・非民主的な押しつけを,組織を通じてやっている場合もあるので要注意である。今般,安倍晋三自民党政権が打ち出してきた「日本型直接支払(多面的機能支払)」などもそうで,一方で「超バラマキ型農業予算」であるだけでなく,他方では,この補助金の「受け皿」が生産者・農家個人個人ではなく,地域や集落の「組織」がもらいうけ,そこがその使い方を決めるというスキームなので,下手をすると一部のボス支配の道具と化し,それがまた自民党への(半ば半強制的な)支持の押しつけにもつながりかねない面を持っている(土地改良事業なども似たような性格がある)。こうした,前近代的とも言える「ムラ社会」的な組織や意思決定の在り方は,そろそろ卒業して,現代市民社会的な,民主的で,公正で,透明な,地域の在り方や地域農業の今後の展望を打ち立てていくべきだろう。間違っても,旧態依然の「ムラ社会」を政策が間接支援をするようなことがあってはならない。

 

(4)農地の集約は,その最大の眼目を,①耕作放棄地の更なる発生の防止,②既耕作放棄地の解消(ゴミ捨て場などになっているところは最優先),③分散錯圃の解消,④老朽化する農業基盤の再整備,⑤過疎・高齢化対策,の5つに重点を置いて展開されるべきである。経営規模の拡大や,地域外企業の参入などは,二の次でよい。そして,農業政策は,こうした各論ベースの施策を総合しながら,各地域を「産地」として,将来展望できる農業地域として,中核的な担い手をはっきりさせつつ,収益性の高い農業育成を図っていくべきである。

 

 そのためには,①農産物の価格を品質や安全性とともに引き上げて行く(おのずと農業の有機農業化となる),②6次産業化については,生産者・農家がイニシアティブをとる(単なる農商工連携ではない:農が商工の下請に再編されるのでは意味がない),③食品表示をしっかりさせ(特に国産表示),地産地消の大推進政策を展開する(学校給食は100%米飯),④食育推進(+農林水産教育),農産物販売加工支援,国産農産物の需要拡大政策などを組み合わせることで,国産農業の可能性の拡大を積極的に政策支援する(農林水産省の責任を明確化させ,その業績で人事評価せよ),等が考えられる。いずれにせよ,農業そのものを支援する政策を,これまでのようなアリバイ行為・言い訳づくり施策ではない形で,しっかりと展開していくことが肝要なことである(半ば腐っている農林水産省の幹部達は全部入れ替えた方がいいかもしれない)。

 

 <『日刊アグリ・リサーチ』(20131128日)記事より>

●衆院農水委で「農地中間管理機構」二法案を可決「競争力会議等の意見は参考」の付帯決議を採択

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 二七日に行われた衆議院農林水産委員会で「農地中間管理事業の推進に関する法律案」「農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する等の法律案」の両案および修正案が可決された。また、両法の施行にあたっては政府が実現に万全を期すべきであるとして、「アドバイザリーグループである産業競争力会議、規制改革会議等の意見については、参考とするにとどめ、現場の実態を踏まえ現場で十分機能するものとすることを第一義として制度の運用を行うこと」など一五項目を盛り込んだ付帯決議を行った。

 

 付帯決議は「農業の生産性を高め将来にわたって安定的な農業生産を行っていくため担い手への農地集積と農地の集約化を一層加速化し、農業への新規参入を促進していくことが求められており、あわせて農業経営所得の安定向上、農村の活性化とその持続的発展を図ることが重要である」として趣旨説明された。付帯決議の要点は以下の通り。

 

(1)農地中間管理機構が十分に機能し、農地の集積集約化の成果を上げていくためには地域における農業者の徹底した話合いを積み重ねていくことが必要不可欠である。このため、人・農地プランの作成およびその定期的見直しについては、従来以上に強力に推進すること。農地中間管理機構が人・農地プランが策定されている地域に重点を置くとともに、人・農地プランの内容を尊重して事業を行うこととすること。また、人・農地プランと関連する各種予算措置についても適切に確保するとともに、人・農地プランのより円滑な実施を図るための必要な法制上の措置のあり方について遅滞なく検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとすること。

 

(2)農地の集積・集約化を進めるにあたっては、耕作者自らによる農地の所有が果たしてきている重要な役割も十分踏まえ、耕作者の地位の安定を図る観点から、長期にわたり耕作しない不在地主による農地所有を耕作者自らによる農地所有へと誘導するための施策のあり方について検討を加え、その結果に基づいて、必要な措置を講ずること。

 

(3)農地中間管理事業の実施にあたっては、農地法に基づく権利移動、農業経営基盤強化促進法に基づく利用権設定等、既存の仕組みとの連携を密にし、相互に補完する体制を整備することにより、農地の出し手受け手双方が利用しやすく、実行有る仕組みとすること。

 

(4)農地中間管理機構が、成果をあげていくためには農地中間管理機構が自立的に活動できることが重要である。このため、国の効果的効率的な財政支援を行うとともに、地方の負担は必要最小限とすること。

 

(5)農地中間管理機構による農地の貸付先決定ルールについては、借り受け希望者のニーズを踏まえて公平適切に調整するとともに、地域農業との調和およびその健全な発展に資するものとなるようにしていくこと。特に既に、効率的安定的な経営を行っている農業者の経営の発展に支障を与えないように十分に留意すること。

 

(6)中山間地域等の条件不利地域において、農地中間管理事業を実施するにあたっては、農地の受け手が不足する等平坦地との格差を考慮し、中山間地域等直接支払制度と連携するなど創意工夫を凝らした事業展開が可能となるよう措置すること。

 

(7)市町村は農地中間管理機構により農用地利用配分計画案の作成、提出等の協力を求められる等、農地中間管理事業の実施にあたって重要な役割を果たすことに鑑み、いずれの市町村においても、地域の実情に即しつつ、農地の出し手受け手のニーズに応えた事業実施が図られるよう農地中間管理機構と市町村および市町村相互の協力連携体制を整備すること。また、法定化される農地台帳等の整備を進めるとともに、その公開ルールは、他の法定台帳の取扱ルールを参考とすること、個人の権利関係に留意すること。

 

(8)農地中間管理事業による農地の利用集積に際しては、農地の出し手と受け手の掘り起こし等マッチングが不可欠であることに鑑み、地域の農地農業事情に精通しこうした地道な活動に取り組むことのできる人材の確保育成に十分な支援を行うこと。

 

(9)地域農業における集落営農の役割の重要性に鑑み、集落営農が農地の受け手として積極的に経営展開を図ることができるよう、法人化をはじめその活性化に向けた支援措置を講じること。

 

10)都道府県に一を限って指定された農地中間管理機構は必要がある時は他の農地中間管理機構と情報の共有化等の連携を図ること。

 

11)農地中間管理機構が借り受けた農地については、所有者の変更や権利制限にかかる事由が発生した場合等において農地中間管理機構は適切な措置を講ずること。

 

12)農協およびその出資法人についても、農地流動化に関する実績能力があるところは、農地中間管理機構が委託することにより、機構の事業ルールに即して積極的に活用すること。

 

13)農地中間管理機構は農地の生産性を上げていく観点から、大区画化等の利用条件の改善を適切に進めること。また農地中間管理機構を介して集積集約化された土地は農業生産のための公共財としての性格を強めるので、土地改良法等に基づく事業費の負担のあり方についても早急に検討すること。

 

14)農林水産大臣は、農地中間管理事業の実施状況について全国的な見地から評価を行うに当たっては、農地および農業経営を巡る多様な状況をきめ細かく分析することにより、地域の実情に応じた農地の集積集約化の取組が助長されるよう留意されること。あわせて農地利用集積円滑化事業について、農地中間管理事業等の適切な役割分担、相互補完が図られるようその実施状況について評価・検証を行い、優良な取組事例の紹介と全国展開に努めること。

 

≪コレコレ 注目です!!! ↓≫

15)アドバイザリーグループである産業競争力会議、規制改革会議等の意見については、参考とするにとどめ、現場の実態を踏まえ現場で十分機能するものとすることを第一義として制度の運用を行うこと。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

早々

 

(参考)「いちろうちゃんのブログ」から

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●自民党の新農業政策(続報:耕種農業)(1) 「米だけは」政策から「米さえも」政策へ=主食を捨てるような国が国家安全保障(NSC)など笑止千万 (その1) いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-2712.html

 

●自民党の新農業政策(続報:耕種農業)(2) (付け加えます)「米だけは」政策から「米さえも」政策へ=主食を捨てるような国が国家安全保障(NSC)など笑止千万 (その2) いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-9d37.html

 

●自民党の新農業政策(続報:耕種農業)(3)=米や畑作物の価格暴落への備えがない・まだまだ反省と検討が不足している いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/3-bed1.html

 

●コメの「減反政策」はとうの昔に廃止されている,今あるのは「主食用米の転作政策」 ( 「主食用米の「生産調整」政策の変遷」に見る日本の農業政策) いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-9769.html

 

2013年11月28日 (木)

(備忘録)第13回「福島県民健康管理調査検討委員会」と子ども甲状腺検査結果

前略,田中一郎です。


第13回「「福島県民健康管理調査検討委員会」に関するコメントです。別添PDFファイルをご覧下さい。

●第13回福島県民健康管理調査 子ども甲状腺検査結果(2013年11月29日)

「1320131129.pdf」をダウンロード


<コンテンツ>

(1)今回(第13回)の子ども甲状腺検査の結果は,悪性ガンの患者数がさらに増え,前回の43人から58人となった。福島第1原発事故が放出した放射能の影響への懸念は増すばかりである。

 

(2)今回においても,対象となる子ども達の6割程度が一次検査を終了したに過ぎず,そのうち要精密検査とされた子ども達の二次検査も6割程度しか終わっていない。これまでの悪性ガン発見のデータから今後の悪性ガン発見数を推測すると「158人」となった。

 

(3)「福島県民健康管理調査検討委員会」は,未だ,福島県の子ども達に発見されている悪性の甲状腺ガンの多発を認めようとしないばかりか,それが福島第1原発事故に伴う放射線被曝の影響とは考えられないとする,かたくなで,いびつな見解をとり続けている。

 

(4)子ども甲状腺検査自体がずさん,検査体制が脆弱(検査医療機関や検査医師が少ない),結果の本人への還元がきちんとなされていない(情報公開手続という面倒を強いている),血液検査や尿検査・心電図などの被曝に対する総合的な検査がなされない,検査結果の保存期間が未定,セカンド・オピニオンが取りにくい等々,これまで多くの問題点が指摘されているにもかかわらず,ほとんどが放置されている。

 

(5)福島県以外の放射能汚染地域の子ども達や,全汚染地域の18歳以上の住民に対しては,(たくさんの要望が出されているにもかかわらず)放射線被曝に対する健康管理や調査・検査の対策が全くなされない。

 

(参考1)福島県検査で甲状腺がん58人~最年少は8 OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービー
 
 http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1674

(参考2ー1)福島県ホームページ - 組織別 - 県民健康管理調査検討委員会 
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=24809

(参考2-2)資料2 県民健康管理調査「甲状腺検査」の実施状況について 
http://blogs.yahoo.co.jp/moritakeue/10499651.html?from=relatedCat

(参考3)福島原発事故と小児甲状腺ガン(20131124日付東京新聞

http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/251112siryou2.pdf

(参考4)13回「福島県民健康管理調査検討委員会」記者会見=はぐらかしと居直りの記者会見 いちろうちゃんのブログ
 

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/13-9740.html


以 上

 

2013年11月27日 (水)

参議院議員山本太郎君提出東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故による被ばく者の健康調査に関する質問に対する答弁書

前略,田中一郎です。

 

 別添PDFファイルは,今月(201311月),参議院の山本太郎議員が提出した「質問主意書」と,それに対する政府の答弁文書である。それによると,山本太郎議員が,質問がてら政府に要望している5項目の(福島第1原発事故に伴う)被曝者への健康調査に関する事項を,ことごとくはねつけ,およそ「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」に伴い,東日本に広範に広がった放射能によって被曝をしている福島県及びそれ以外の都道府県の住民に対しては,何らの健康管理・調査・検査の対策も取らない=現在,福島県で実施していること以外は「断固としてやらない」と答弁した。

 

 具体的には,「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」に伴う東日本住民の放射線被曝は大した量ではなく,健康被害が出るような懸念はない(福島県で実施されていることは,住民の懸念や不安を払拭することが目的),健康管理調査の対象を広げるつもりはない,無用の検査や診療を健康保険の対象にする必要はないし,全国的な体制をとる必要もない,被曝者の診療記録の長期保存についても対策を打つつもりはない,福島県内外ともに新たに追加的な検査・調査もする予定はない」,などである。

 典型的な原子力ムラ・放射線ムラ代理店政府の答弁である。放射能で汚染された場所に住み続けざるを得ず,場所によっては放射線管理区域指定基準を上回る高線量のホット・スポットに居住を余儀なくされている人々も多い中で,「「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」に伴う被曝量など,大したことはなく心配無用」「検査・調査・診療体制の整備や健康管理対策なども一切不要」と切って捨てている。おそらく,この政府の態度は,近い将来,放射線被曝による健康被害者が現れ始めても「それは福島第1原発事故とは関係がない」と言い続けるための「布石」「前準備」と考えていいものだ。

 

 許し難いも何も,こんな答弁では「話にならない」。政府の幹部達には「交代」していただかなければ,物事は前には進まないだろう。これはまさに,原子力ムラ・放射線ムラとの,事実上の「命と健康」をかけた「戦争」であり,被害者や有権者・国民が勝利しなければ,やがて原発・核燃料施設過酷事故等によって環境放出された放射能により,焼き殺されることになる。選択は2つに一つ,彼らに放射能汚染地獄にずるずると引きずり込まれていくのか,それとも,彼ら原子力ムラ・放射線ムラを社会的に葬り去り,有権者・国民・地域住民の命と健康を最上位価値に置く政府を創っていくのか,の選択である。つまり「最終戦争」だということである。

 

 <別添PDFファイル>

(1)東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故による被ばく者の健康調査に関する質問主意書(山本太郎:20131118日)
「20131118.pdf」をダウンロード

(2)参議院議員山本太郎君提出東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故による被ばく者の健康調査に関する質問に対する答弁書(20131126日)
「20131126.pdf」をダウンロード

●質問主意書 - Wikipedia

 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B3%AA%E5%95%8F%E4%B8%BB%E6%84%8F%E6%9B%B8

●質問主意書:参議院ホームページ

 http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/185/syuisyo.htm

(山本太郎議員は,上記の他にも「質問主意書」を提出しているので,ご参考にされるといいと思います)

 <山本太郎参議院議員の質問主意書(続き):原発・放射能関連>

(1)放射線被曝防護に関する質問主意書,及びそれに対する政府答弁http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/185/meisai/m185021.htm

 

(2)「東京電力福島第一原子力発電所事故における初期内部被ばく線量の再構築」に関する質問主意書http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/185/meisai/m185031.htm

 

 

 

 

 

 

 

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(参考1)個人線量計による被曝管理の実態

 http://vera5963.blogspot.jp/2013/11/blog-post_2.html

(こんなものは,放射線被曝をもみ消すためのアリバイ工作であることに早く気が付く必要があります)

 

(参考2)健康がすぐれないのだけれど,原因がよくわからない

(1)http://vera5963.blogspot.jp/2013/11/blog-post_6748.html

(2)http://vera5963.blogspot.jp/2013/11/blog-post_25.html

 

(恒常的な低線量内部被曝は,人間の体のメカニズムをボロボロにしてしまいます。遺伝子だけが損傷するのではありません。時間がたてばたつほど,そのボロボロ度合いがひどくなり,様々な病気や健康被害が出てくることになるでしょう。上記のブログに書かれている健康状態の人達が,これから東日本に激増してくる可能性があります。しかし,上記で申し上げたように,政府は,一切の健康調査・検査・管理対策を行う意思はありません。「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」による放射線被曝の健康被害・遺伝的障害は,国家事業として「ないことにする」「もみ消す」「被害者をねじ伏せる」ことにより「鎮静化」を図るつもりのようです)

早々

 

(参考)「いちろうちゃんのブログ」より

(1)放射線被曝の単位「シーベルト」はどのようにインチキなのか?  いちろうちゃんのブログ

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-1ba9.html

 

(2)(放射線被曝の評価単位)「(増補版)シーベルトへの疑問」(2012.12.10) いちろうちゃんのブログ 

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-d2f2.html

 

 

 

 

放射線被曝の単位「シーベルト」はどのようにインチキなのか?

放射線被曝の評価単位「シーベルト」(Sv)はどのようにインチキなのかは,既に以前にもご説明したことのあるテーマですが,改めて簡単にコメントをしたいと思います。(詳しくは,以下の別添PDFファイル2つをご覧ください)

 

 <別添PDFファイル>

(1)(放射線被曝の評価単位)「(増補版)シーベルト」への疑問(2012.12.10

 http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-d2f2.html

 

(2)ICRP国内メンバーによる内部被曝論はいかなるものか(小論文「放射性物質による内部被曝について」を批判する)(2013415日)

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-2747.html

 

 (放射線被曝の評価単位)「シーベルト」は次の4つのステージでごまかしやインチキがあると思われます。「シーベルト」という被曝評価単位は,決してマスコミたちが報道しているような「(経験)科学的根拠」にもとづく堂々たる確立された概念や数値ではありません。むしろ,原子力を推進するためにでっちあげられた放射線被曝の過小評価のための小道具=「放射線安全神話」創設のためのジャーゴン(たわごと)と考えていいのではないかと思われます。

 

 <「シーベルト」(Sv)が放射線被曝をごまかす4つのステージ>

 別添PDFファイルの「(増補版)シーベルトへの疑問」を引用しながら簡単にご説明いたします。

 

(1)線量(グレイ)=人体が放射線のエネルギー(カロリー)をどれだけ吸収したか

・ベクレル  

 放射能(放射性物質が放射線を出す現象または性質)の量を表す単位。具体的には,1秒間に1個の原子核崩壊を起こす放射性物質の放射能を1ベクレルといい,記号はベクレル(Bq)で表す(旧単位は「キュリー」(Ci):1キュリー=3.7×1010乗ベクレル)。物理的な絶対量の単位なので基本的に誤魔化しはない。放射能汚染や放射線被曝を考察し評価する場合には,さしあたりこのベクレルに依拠するのがよい。(「ベクレル」という名称は,ノーベル物理学賞を受賞したフランスの物理学者アンリ・ベクレルに因むもの)

 

・グレイ(吸収線量)

 放射線の物質に与える影響を推定するために,放射線が物質中を通過する際に当該物質中で失ったエネルギーの量=当該物質が吸収したエネルギーの量を「グレイ」(Gy)で表す。物質1kgが1ジュール(0.239カロリー)のエネルギーを吸収する時の線量を1グレイという(1グレイ=1ジュール/kg)。(「グレイ」という名称は,ルイス・ハロルド・グレイという物理学者に因むもの)

 

 「グレイ」という単位に着目ください。「グレイ」は「シーベルト」の基礎=土台のようなものと考えていいでしょう。

 問題は,その「グレイ」が,放射線がもつエネルギー(よく一般に使われている「カロリー」等という単位であらわします)をどれだけ人体が「吸収」するか,という「エネルギー吸収量」で定義されているところに無理があります。

 

 吸収線量「グレイ」の定義でわかるように,「シーベルト」では放射線内部被曝が「1kg当たりの吸収エネルギー」に単純化されている。かつ被曝が体全体で平均化・希薄化されてしまっている。その内容は体全身に一様均一に(一過性で)放射線を浴びる外部被曝の場合に当てはまる定義であり,これでは飲食や呼吸に伴い体内に入り特定部位に留まった放射線源からの恒常的な低線量内部被曝の実態とは,かけ離れたものとなってしまう。

 

 恒常的な低線量内部被曝の実態とは,被曝は「体全体に一様均一に受ける」のではなく,①「局部的」に,②「集中的」に受けるのであり,また「一過性」ではなく③「継続的」であることだ。こうした恒常的な低線量内部被曝の決定的な特徴を,この「シーベルト」の定義は無視してしまっている(内部被曝の特徴が定義に反映されず,過小評価となってしまっている)。

 

 「100Svという被曝の場合,人間は100%中枢神経死で即死する。しかしエネルギー値から評価すると,100J/kg(γ線の場合)であり,0.024度体温を上昇させるだけである。だがこの体温上昇で人間は死なないが,同じエネルギー量でも放射線では100%死亡する。何かおかしい?」(「J」とはジュールのことで熱量の単位:筆者注)

 

(2)「等価線量」(一般に臓器や体の部位ごとに評価します)

 国際放射線防護委員会(ICRP)勧告によれば,放射線の違い(α線,β線,γ線,X線,中性子線,陽子線等)により人体への障害効果が異なっているため,その障害効果を,γ線を「1」とする相対的な指数で表した「放射線荷重係数」を使って修正する。上記の吸収線量(グレイ)にこの「放射線荷重係数」を掛けたものを「等価線量」(シーベルト)という。「放射線荷重係数」の数値は,α線が「20」,β線が「1」,中性子線が「5~20」などとなっている。(「シーベルト」という名称は、放射線防護研究者のロルフ・マキシミリアン・シーベルトに因むもの)

 

 問題は「人体への障害効果が異なっている」という部分の定量化とも言える「放射線荷重係数」の大きさです(γ線が「1」に対して,α線が「20」,β線が「1」など)。本来ならば,ここに放射線被曝による様々な健康障害の度合いがカウントされ,その「経験科学的実証結果」に基づいて,この「放射線荷重係数」が決められなければなりません。もちろんここでの「人体への障害効果」には,ガン・白血病だけでなく,放射線被曝による様々な健康障害や病気(*),あるいは遺伝的障害も含まれ,それが大数法則的な大きな経験数値によって裏付けられてはじめて「実証数値によって裏付けられた(経験)科学的数値=係数」と言えるのです。

 

 しかし,この「放射線荷重係数」は,そもそも広島・長崎の被曝者データに主として依拠し,かつ,ガン・白血病の死亡被害だけしかカウントしていないのです(正確にはガン・白血病で生き残った人の「被害」も若干カウントしているものと推定)。しかも,その依拠された広島・長崎の被曝者データは,戦後のアメリカの核兵器戦略の下で内部被曝がほとんど無視,あるいは矮小化されるなど,ガン・白血病のリスクだけをとってみても,明らかに「過小評価」されています。

 

 そもそも,この「放射線荷重係数」ですが,放射線被曝の人体への影響度合いが外部被曝と内部被曝とで違っているのですから,私は外部被曝の場合と内部被曝の場合とで違う数字であってもおかしくないのではないか,と思います。いずれにせよ,これらのことは「理屈」だけでなく,実際の人体は放射線被曝によってどのように被害を受けていたのか・受けるのかという「実証結果」の大量のデータに依拠していなければ,決して(経験)科学的だなどとは言えないのです。

 

(そしてもし,(人体実験はできないわけですから)大数法則的な大量のデータが入手困難であるのなら,それに見合って「安全係数」と言われる「バッファ」を掛けておくということも必要です:飲食に係る有害化学物質や重金属の危険性評価の場合などでは,動物実験結果を1/100(100倍評価)にして「安全係数」としています)

 

 日本では「科学信仰」があまりに度が過ぎていて,「科学」=「絶対的真理」=「真理の演繹的展開」=水戸黄門様の印籠,であるかのごとく認識されている様子がうかがえますが,そもそも「科学」とは「経験科学」であり「仮説と実証・検証」の半永久的ループなのであって,「実証」なきところに「科学」などは存在しないのです。原子力ムラの御用学者・インチキ学者達に私が申し上げたいのは,私のような者から,かく言われたくないのであれば,あなた方のその「理論」とやらを「実証」してみたらいかがですか,ということです。しかし,インチキですから,できはしないのです。

 

(*)放射線被曝による様々な健康障害や病気の「例」

 放射線被曝は,放射線がもつ猛烈なエネルギー(あくまで人間の細胞レベルの分子の結合エネルギーと比べての話です)で,人間の細胞を構成しているタンパク質やDNAなどの様々な分子結合(あるいは分子そのもの)を滅茶苦茶にしてしまうだけでなく,人間の細胞が全体として持っている生命秩序・生理体系までをもボロボロに破壊するのです(例:エピジェネティクス秩序の破壊)。当然ながら,こうした放射線被曝を受けた体は,その「健康被害」(痛み・だるさ・つらさ・かゆみ・もじょもじょ感・その他の感覚)が人間の五感で感じ取られて表面化するかしないかの違いはありますが,何らかの形でおかしくなっている,と考えたほうがいいでしょう。その結果,放射線被曝から時間がたつにつれて,下記の例に挙げたような,ガン・白血病以外の様々な病気や健康障害がだんだんと現れてくることになるのです。(しかし,下記はあくまで「例」であって,That"s all ではありません)

 

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 極度の慢性疲労・倦怠感(いわゆる「ぶらぶら病」),各種臓器不全,消化器系疾患,免疫力低下・ホルモン異常,病弱化・虚弱体質,循環器系疾患・心臓病と突然死,神経系疾患,呼吸器疾患・ぜんそく,皮膚炎,アレルギー,糖尿病,白内障,脳障害・知能低下,膀胱炎,生殖異常・遺伝病・奇形児,短寿命化(早期老化)他 (チェルノブイリ原発事故後の汚染地域では,何らかの健康障害のある子どもたちの割合が75%にも上るなど,若年齢を中心に様々な健康障害が広がっている)

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(3)「実効線量」(臓器ごとの等価線量を体全体に散らして薄めている)

 下記の通り,「実効線量」や「組織荷重係数」は,決して自然科学的・(経験)科学的な数値ではありません。あくまでも「ためにする方法」で定義された「社会的」な数値です。こんなことをすれば,ガン・白血病以外の健康障害はオミットされてしまいますし,そもそも,そのガン・白血病のリスクでさえもが体全体に散らされて=体全体で平均化されてしまい,小さな小さな数値になってしまいます。科学的な体裁を施しながら,やっていることは,放射線被曝の深刻な危険性や害悪の過小評価=矮小化そのものです。

 

 国際放射線防護委員会(ICRP)勧告によれば,放射線への感受性=影響度合いは,人間の各臓器によっても異なるため「組織荷重係数」(注2)を使って修正する。上記の臓器別「等価線量」(シーベルト)に,この「組織荷重係数」を掛けた数値を,全ての臓器・組織について足し合わせたものを(内部被曝に係る)「実効線量」(シーベルト)という。各組織ごとの「組織荷重係数」は合計すると「1」となるように決められている。全身への外部被曝の場合,体全体の「実効線量」は「等価線量」と同じ値になる。

 

 一般に人間の被曝量とは,外部被曝も内部被曝もこの「実効線量」のことを言い,単位は「シーベルト」で表示される。内部被曝に係る実効線量と外部被曝に係る実効線量を合計すれば総被曝線量(シーベルト)となる。そもそも「シーベルト」概念や「実効線量」の概念は,外部被曝量と内部被曝量を合計する目的でつくられた様子がうかがえ,その際,内部被曝が過小評価されたと考えられる。

 

 なお,実務的には「ベクレル」を「実効線量」(シーベルト)に換算する「実効線量換算係数(預託実効線量計数)」が,国際放射線防護委員会(ICRP)や欧州放射線リスク委員会(ECRR)によって開発されており,それを使うことで体内に入った放射性物質の量(ベクレル)から,その被曝量(シーベルト)を簡便法で推定している。

 

(以下,田島さんの著作を要約して引用)

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 「組織荷重係数」は,確率的影響(がん・白血病)による放射線「損害」全体に対する個々の臓器・組織の寄与度(全体で「1」)を表している。そして,その(放射線)「損害」評価には,がん・白血病による死亡損害(死者数×寿命損失)に加え,死亡しなかった人の「重篤度加算」と「QOL加算」(Quality of life )という評価量が足し合わされ,全体として,その(放射線)「損害」が社会的・経済的に評価されている。

 

 従って,「実効線量」の「実効」とは、「がんの罹患率」とか「がんの死亡数」とか「細胞あるいはDNAのダメージの指標」というような生物学的影響を表すものではなく、損害保険で取り扱うような「損害」の数量化である。こうすれば、費用と較べるための天秤にかけることができる。「実効線量」やその「集団線量」でがんの死者数を推計してはいけないというのは、低線量被曝での「不確からしさ」という理由もあるが、むしろこうした経済的な「損害」量であるからである。

 

(田島直樹氏(NPO個人「安禅不必須山水」)「ICRPというコンセプト」: 2012.5.20 42回市民科学講座「ICRPは黄門さまの印籠か?」を筆者要約)⇒ NPO法人「市民科学研究室」HP を参照)

 http://blogs.shiminkagaku.org/shiminkagaku/2012/05/5201icrp.html

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(4)「シーベルト」と健康障害の関係(「線量限度管理」や「実効線量換算係数」や「LNT仮説」など) :きわめつけは,これらインチキの集合体です。

 

a.「線量限度管理」というのは,放射線障害防止法や原子炉等規制法などによって定められている1mSv/年とか,放射線管理区域指定基準(1.3mSv/3か月)とか,様々な放射線被曝の限度管理の基準のことです(自然放射能に加えて追加的に被曝する人工放射能による被曝量)。福島第1原発事故後は,この危なっかしい「線量限度管理」の法律さえも守らずに,国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告を超法規的に,言い換えれば,原子力ムラ支配の政府が勝手に=無法に,年率で20mSvだの,50mSvだの,100mSvだのと,バナナのたたき売りよろしく(経験科学的)根拠なきご都合主義の「線引き」=「限度管理基準」を決めて,強引にそれを日本社会に押し付けています。

 

 しかし,1mSv/年の放射線被曝でさえ,危険な被曝線量であることを強調しておきます。少なくとも,福島第1原発事故の前には,1mSvなどという高線量汚染地帯は日本には存在していませんでした。この線量限度管理は,歴史的にみても,科学的にではなく「政治的」に決められて,国際放射線防護委員会(ICRP)が勧告を行ってきたもので,常に,核兵器開発や原子力推進(原発など)の妨げにならないような「手当」=つまりは「大きな数値による限度の設定」=「人間の放射線被曝による被害の無視・軽視・矮小化・歪曲・切り捨て」とセットになっておりました。 

 

b.「実効線量換算係数」とは,いわゆる「ベクレル・シーベルト換算係数」のことです。科学的根拠レスです。私は,ベクレルをシーベルトに換算して,その数値が小さいから心配はいらない,などと報道しているマスコミ記事を見るたびに「ああ,また騙されているな」と,その原子力ムラ・放射線ムラへの無批判的な姿勢に首をかしげております。「シーベルト」という放射線被曝の単位は,意識的に数値が小さく出るように細工がしてある,と思っておいた方がいいと思います(但し,ガン・白血病に着目する限りでは,「シーベルト」にも一定の評価力はあります)。

 

c.「LNT仮説」とは,「リニア―・ノット・シュレッシュホウルド」(少し関西弁なまりですが)のことで,直訳しますと,被曝線量(シーベルト)と健康被害は,リニア―(直線で右肩上がりの比例関係)であり,しきい値がない(ノット・シュレッシュホウルド:threshold=玄関の敷居),ということです。

 

しきい値がない,ということは,一部のマスコミか,原子力ムラ・放射線ムラ御用人間達を除いて,ほぼ世界的に受け入れられている放射線被曝の危険性に関する認識です。それは上記で申し上げた放射線被曝の「分子レベル」での認識とも整合的で,容易に理解できることです。

 

 しかし,「リニア―」の方はそうではありません。高線量域はともかく,恒常的な低線量内部被曝の場合に,はたして「リニア―」かどうかは怪しいところがあります。多くの科学者や論者が「上に凸」=つまり低線量域での内部被曝は,たとえば放射線被曝の「化学的有害性」や遺伝的障害の可能性などから,LNT仮説が説く以上に人体には有害で危険であると主張しています。いずれが正しいのかは。これも理屈ではなく「実証」によって示されるべきですが,これを真正面から動物実験等で論証しようとする文献を,私はまだ見たことがないのです。

 

 以上のようなことから,私は放射線被曝の評価単位である「シーベルト」については次のように申し上げています。

・「シーベルト」は内部被曝の実態をあらわしていない

・「シーベルト」は放射線被曝による様々な健康被害を無視している

・「シーベルト」は放射線被曝の危険性を過小評価している

・「シーベルト」は原子力ムラがでっち上げたインチキの可能性あり

・「シーベルト」の値が小さいからといって安心などできない

草々

 

2013年11月26日 (火)

(報告)福島原発告訴団 11・22検察審査会第2次申立&報告集会

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

 別添PDFファイルは,先般,1122日(金)に,日比谷図書館コンベンションホールにて開催されました,福島原発告訴団主催の「11・22検察審査会第2次申立&報告集会」の際の資料の一部です。当日は,福島県からバスで来られた原告団の方々をはじめ,一般の市民も含めて約200名の参加者があり,原告団弁護士の情勢説明にとどまらず,御巣鷹山日航機墜落事故遺族からのメッセージ,あるいはJR西日本福知山線事故遺族代表の方など,検察審査会を通じての強制裁判の「先輩」も招いての充実した市民集会となりました。以下,簡単に資料等のご紹介をいたします。

 

*福島原発告訴団 11・22検察審査会第2次申立&報告集会開催!

 http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/2013/11/blog-post_7.html

 

 <別添PDFファイル>

(1)(2013.11.22)検察審査会第2次申し立て記者会見&報告集会(次第)

(2)検察審査会申立の対象者を東京電力の原子力担当役員6名に限定した理由(河合弘之他弁護士 2013.10.22

(3)これでも東京電力の罪は問えないのか (海渡雄一 『科学 2013.11』)

(4)検察審査会と日航事故(日航機事故被災者家族の会 2013.11.22

(5)JR西日本福知山線列車脱線事故 強制起訴裁判に関して(事故遺族:藤崎光子2013.11.22

 

 <当日の録画>

*「福島原発告訴団 1122検察審査会第2次申立&報告集会」の検索結果 - Yahoo!検索(動画)

http://video.search.yahoo.co.jp/search?rkf=2&ei=UTF-8&p=%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E5%8E%9F%E7%99%BA%E5%91%8A%E8%A8%B4%E5%9B%A3+11%E3%83%BB22%E6%A4%9C%E5%AF%9F%E5%AF%A9%E6%9F%BB%E4%BC%9A%E7%AC%AC2%E6%AC%A1%E7%94%B3%E7%AB%8B%26%E5%A0%B1%E5%91%8A%E9%9B%86%E4%BC%9A

(どの講演者のお話も聞き逃せないですが,とりわけ河合弘之弁護士の講演にご注目ください。小泉純一郎元総理の脱原発発言に関する話も出てきます)

 

1.福島原発告訴団の告訴・告発と,それを巡る動きで,特にテイクノートしておくべきことは下記の通り。

 

(1)告訴団の告訴・告発を受けた検察は,この件については最初から全くやる気がなく,東京電力その他の関係団体に対して強制捜査(証拠押収)に踏み切ることもなく,最後の最後まで起訴しないための屁理屈探しに終始していた。無実の人を証拠をでっちあげてまで起訴する検察が,明らかに有罪と思わしき原子力ムラ・放射線ムラ一族を,はなから起訴しようとしない,この「職権乱用」は,法治国家では許されることではない。

 

(2)原告団は,菅直人元総理他の政治家は告訴・告発していない。菅直人らを告訴・告発したのは,ある右翼グループだとのこと。しかし,朝日新聞をはじめ,きちんと取材・報道をしないマスコミは,原告団の告訴・告発も,こうした右翼による行為も,十把一絡げでいっしょくたに報道してしまった。というよりも,むしろ原告団の告訴・告発の主旨を捻じ曲げるかの如く,菅直人元首相の告訴・告発に焦点を当てた政治的センセーショナルな報道を繰り返した。

 

(3)告訴団は福島地検にこの件を告訴・告発したにもかかわらず,検察側は,不起訴処分を決めて発表する数時間前に,所管を福島県の検察から東京の検察へ移管している。これは,検察審査会を福島で開催させないための姑息な「起訴妨害行為」に他ならない。

 

(4)告訴団弁護団は,法律に詳しくない一般の市民が委員になる検察審査会の事情を考慮し,検察審査会への申立てにおいては,告訴・告発する対象者を東京電力の原子力担当役員6名に限定し,その罪状も「業務上過失致死傷罪」「公害罪処罰法違反」「過失激発物破裂罪」の3つを「業務上過失致死傷罪」1つに絞りこんで,極力シンプルに,かつ分かりやすく検察審査会委員に説明する体制をとった。

 

(5)告訴団が東京電力福島第一原発・放射能汚染水海洋放出事件を告訴・告発

 「去る9月3日、福島原発告訴団は、団長の武藤類子と副団長の石丸小四郎、佐藤和良の3名が、東京電力福島第一原発・放射能汚染水海洋放出事件に関して、東京電力の新旧経営幹部32名、及び法人としての東京電力株式会社を、「公害罪」の被疑事実で福島県警察に刑事告発しました。

 

 この事件は、東京電力が、汚染水対策の必要性を十分に認識しながらそれを怠ったため、そして検察庁が前の告訴・告発を受けながら、厳正な捜査を行わなず、東京電力に罪の自覚を持たせることなく慢心を与えたために発生したと考えられます。今回の告発は、福島原発事故の対応に奔走し、共に放射能被害を受け、県民の痛みを最も近くで理解している福島県警の手に委ねる事としました。

 

 次から次へと明らかになる事実に心が折れそうな日々ですが、くじけることなく、新たな行動を起こしたいと思います。汚染水放出事件の告発人となり、事故の責任を問い続けましょう!」

 

*福島原発告訴団 汚染水告発

 http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/p/blog-page_5.html

 

2.何故,福島第1原発事故の刑事責任が問われないのか

 事故を起こした東京電力はもちろん,それを管理監督すべき立場にあった原子力安全保安院,経済産業省,原子力安全委員会,あるいは事故原発を製造した原子力産業や,定期点検等を請け負っていた企業群,そして,その周辺にたむろして甘い汁を吸っては,原子力御用言論をたゆまず発信し続けていた御用学者・御用人間達,こうした連中が,多くの有権者・市民・有識者の長きにわたる注告に対して馬耳東風のまま,いい加減でずさんな原発の管理を続けた挙句に,あれだけの大事故を引き起こしているにもかかわらず,その責任が誰に対しても全く問われないというのは明らかにおかしい。

 

 また,事故後においても,原発の危険な状態を隠蔽し,ずさんな対応を続けて放射能汚染水の垂れ流し状態を招き,更には危険極まりない放射能の拡散状況までもを隠蔽して地域住民を深刻な被曝に曝し,更に,それによる放射線被曝の危険性についての情報も,嘘八百や根拠のない出鱈目で塗り固めてきた関係者らの責任は重いのである。しかし,これについても,検察は法的責任を不問に付すという。

 

 日本は,こんな状態で,ほんとうに法治国家と言えるのだろうか。原発や原子力のことであれば,どんな出鱈目も,どんなずさんな管理も,どんな嘘八百も許されるというのだろうか。今回,福島原発告訴団の告訴・告発を不起訴処分で応えた検察に社会正義のかけらもない。そこにあるのは,支配権力に対する自己保身と事なかれ主義であり,不正義=悪への親和性であり,自らのなさけない取扱処分を合理化せんとする屁理屈だけである。しかし,社会正義のない検察など,存在する意味があるのだろうか。そもそも検察は,自分自身が支配権力のはしくれであることを忘却しているのではないか。

 

 皆さま,引き続き福島原発告訴団へのご支援をよろしくお願い申し上げます。みんなの力で,大きな有権者・市民の声で,多くの被害者の怒りで,福島第1原発事故の刑事責任を追及していきましょう。ものごとには「けじめ」が必要です。とりわけ原発・原子力については「けじめ」が不可欠です。それはそのまま,被害を受けられた方々の生活や家業の再建の礎となっていくのです。

 

(参考)福島原発告訴団 9・13緊急抗議報告(不起訴処分は不当極まりない)

http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/2013/09/blog-post_9087.html

 

3.これでも東京電力の罪は問えないのか (海渡雄一 『科学 2013.11』)

 この海渡雄一弁護士の力作論文は,検察の不正義や不当性が完膚なきまでに論じられ批判されており,ほぼ100%パーフェクトに,論理的に検察側をねじ伏せております。理論武装のためにも,是非ご一読ください。以下に,私が強く印象を受けた個所を若干だけご紹介しておきます。

 

(1)P1235

「こんなことも知らないのかと検察官に質問したところ,次のような回答があった。1万年から10万年に一度のリスクに対応すべきだと言うことは理解している。ここのロジックは,1万年から10万年に一度だから対策しなくてもいいとはいっていない。『直ちに』と書いてある。いますぐに対策をとらなくてもいいでしょうという意味だ。直ちに対策せずに土木学会に検討させるという措置が過失とまでは言えないということだ。それでは何年以内にやる必要があったのかといえば,今すぐやらなきゃいけないという意味でなく,3年後ではだめで今やらないといけないという具体的な数字を出して言えるものではない。」

 

「この回答には,本当に驚いた。1万年に一度は過酷事故が起きるリスクを放置して,土木学会に検討を依頼して原発の運転を継続した被告訴人らの行為が,万が一にも原発事故を発生させてはならない電力会社の役員として,あるべき判断基準を逸脱していないというのである。1万年に一度といえば稀な現象と感ずるかもしれないが,原発の寿命は4060年であり,国内に50基を超える原発が存在していることからすれば,1万炉年に一度の災害を是認してしまえば,寿命中仁重大事故が起きる確率は日本全体で4分の1となる。」

 

「地震学者の石橋克彦氏がよく言われることだが,地震防災では,いつか起きることは,明日起きるかもしれないと考えて対策をとらなければならない」のである。(中略)検察のこの論理の誤りだけは明確にしておかなければ,この不起訴処分の論理が次の原発重大事故を準備することとなってしまう。」

 

(2)P1238 欄外注17

「元東電技術者の木村俊雄氏は,199110月初日に福島第一原発で事故が発生したときのことを報告している。海水が漏洩し,ディーゼル発電機が膝上まで浸水し使用不可となったという。木村氏は上司に「このくらいの海水漏洩で非常用デイーゼル発電機が水没して使えなくなるとすると,万が一,津波が来た時には非常用デイーゼル発電機が全台使えなくなる。そうなると原子炉を冷やせなくなる。津波による過酷事故の解桁が本当は必要では」と進言した。しかし上司は「その通りだ。君の言う通りだ。しかし安全審査をやってる人聞の中では,これは実はタブーなんだ」といわれたという。この上司は東京電力の幹部となっているという。建屋に地下水や海水が浸入する危険は早くから指摘されていたことがわかる(201111月初日放送のTBS『報道特集』「元東電社員の告白」)

 

(3)P1238 2008年には,当時東京電力の役員であった被告訴人らは,福島第一原発に15mを超える津波が襲う危険を予見することが可能だった」

2008年2月には,東京電力は,「1896年の明治三陸沖地震と同様の地震は,三陸沖北部から房総沖の海溝寄りの領域内のどこでも発生する可能性がある」とした長期評価の取扱いについて,有識者に意見を求めた。「有識者」(氏名不詳)は,「福島県沖海溝沿いで大地震が発生することは否定できないので,波原として考慮すべきである」との意見を提出した。」

 

2008年5月下旬から,東京電力は,長期評価にもとづき,津波評価技術で設定されている波源モデルを流用して,明治三陸地震(1896)並みのM8.3の地震が福島県沖で起きたとの想定で,襲来する津波の高さの試算を行った。この想定は伊方最高裁判決の求めていた安全性のレベルからみれば,当然想定しなければならないものであった。その結果,冷却水用の取水口付近O..8.4mから10.2m,浸水高は,福島第一原発の南側の1号機から4号機でO..15.7m,北側の5号機から6号機でO..13.7m,との計算結果が得られた。」

 

「延宝房総沖地震(1677(延宝5))が福島県沖で起きた場合の津波の高さも試算された。その結果,福島第一原発の南側の1号機から4号機でO..13.6mとの計算結果が得られた。この問題をめぐり,東電の勝俣恒久会長(当時)は,2012年5月14日,国会が設置した福島第一原発事故調査委員会で,保安院がまとめた文書が社内の伝達ミスで経営陣に伝わっていなかったと証言した。「(文書が上層部に)届いていれば,対応が図れたかもしれない」と述べている。」

早々

 

2013年11月25日 (月)

第13回「福島県民健康管理調査検討委員会」記者会見=はぐらかしと居直りの記者会見

前略,田中一郎です。

 

 下記は,「アワプラ」さんが録画して下さった「第13回福島県民健康管理調査検討委員会」終了後の記者会見の模様です(VTR)。今回,子ども甲状腺ガン検査において,悪性ガンとほぼ推定される子どもの数が58人(+1名は「疑いあり」でしたが手術後(甲状腺切除後)に良性と判明)となり,原発事故による放射線被曝の影響の深刻度が一層大きくなっていることが明らかとなりました。しかし,この検討委員会は,今回の記者会見においても,依然として原発事故や放射線被曝の健康への影響を認めようとしない「極度にかたくなで,いびつな説明」に終始していました。

 

 以下,私が問題だと思う検討委員会側の説明内容や説明態度を簡単に列記しておきます。この「福島県民健康管理調査検討委員会」は,メンバーがチェンジして後も(前前回第11回以降),福島県民に対して,その説明責任を果たそうとはしておりません。甲状腺ガン検査について言えば,検査の仕方そのもののずさんさや体制の脆弱性(福島県立医大),検査の頻度,検査結果の本人への還元の仕方(情報公開制度の利用),検査対象者の拡大(18歳以上),甲状腺ガンのみならず血液検査,心電図検査,尿検査などの同時実施=「ワンストップ検査」化,検査結果の保存ルールや検査・治療の費用負担の問題(セカンド・オピニオンを含む)などなど,これまで多くの県民や有識者から提起されている要望をきちんと受けとめて,県民・被害者の立場に立って「検討」「改善」をしようという姿勢はほとんど感じられませんでした。

 

 また,福島県以外の放射能汚染地域で被曝された被害者の方々や,被曝を今でもさせられ続けている被害者の方々に対しては,政府はまったく何の健康管理対策も実施しようとはしておりません。せめて子どもたちの甲状腺検査だけでも実施してほしいという願いさえもが踏みにじられています。放射能の汚染の度合いは,福島県境で区分されているわけではなく,東日本一帯に広域に広がっており,場所によっては福島県以上に汚染度のひどいところもあるのが実態です。しかし,この2年8か月の間,被害者の方々や有識者らが何を政府に要請しても,全く動こうとはしないのです。それはまるで,「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」による放射能汚染をなかったことにし,それがために,放射線被曝で健康障害が出た人達を,早い段階から徹底して「もみ消し」しようという,原子力ムラ・放射線ムラ代理店政府の断固たる意図が透けて見えています。

 

 この国では,「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」以降,許し難い様々なことが,原子力や放射線被曝の関係する世界で繰り返されています。我々有権者・国民には,こうしたことを許さず,この事態を一刻も早く解消して,原発事故と放射能・被曝の被害者の方々を救済してさしあげる「使命」というか,同時代に生きるものとしての,同じ国に生きるものとしての「責任」があるのではないでしょうか。みんなで大きな声をあげましょう。

 

*(VTR)福島県検査で甲状腺がん58人~最年少は8 OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービー

 http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1674

(記者会見は,一番下の録画画面です)

 

*福島県ホームページ - 組織別 - 県民健康管理調査検討委員会

 http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=24809

 

 

<記者会見での質問をはぐらかすな!!,真摯にきちんと答えろ!!>

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 VTRを見ていただければ分かりますが,この「福島県民健康管理調査検討委員会」の委員達の記者会見での説明は,簡単にいえば「はぐらかし」であり,「時間かせぎ」(形だけの質疑応答)にすぎないお粗末な内容です。前前回以降,検討委員会のメンバーが交代しているにもかかわらず,根本的な検討委員会の性質は変わっていない様子がうかがえます。唯一点「小児甲状腺ガンも,健康障害も,現段階も将来も,絶対に福島第1原発事故や放射線被曝とは関係がない」ということだけは強調したい,というのが,この検討委員会のモットーのようです。

 

 下記に列記したような,問題の核心を突く重要な質問が記者やジャーナリスト,あるいは記者会見参加市民から出されているにもかかわらず,大事なところは,ボヤーと答えたり,まともに答えなかったりで,肝心なことが無回答のまま時間だけが過ぎて行く記者会見になっています。他方,くだらないことについては,上に「クソ」をつけてもいいくらいに「ご丁寧」です。

 

 また,(1)この記者会見の司会をしている(福島県庁の役人と思わしき)人間が,時間がない,質問を○○に限定せよ,などと,質問する記者・市民に牽制をかけたり,充分な答えが出ていないのに,次の質問の方どうぞ,などと,質疑応答を途中で遮る間接的な破壊行為を繰り返していること,(2)質問する記者の中に,同検討委員会や福島県庁の「ちょうちん持ち」のようなのがいて,質問の体裁をとりながら,検討委員会への応援演説をしている馬鹿ものもいること。前回も申し上げたかもしれませんが,記者会見に来ている記者達の質問が生ぬるく(上記のように中には鋭い質問もある),記者会見全体が緊張感に欠けており,こんな記者たちなら,さぞかし検討委員会の委員達は楽だろうな,と思う場面が散見されます,(3)事務局と思わしき福島県庁,及び福島県立医大の役人達の態度が悪いこと,

 

 の3点は,特記しておきたいと思います。福島県庁の役人達(含む福島県立医大の教員・職員)は,これまでも多くの背信行為を県民に対して行ってきましたが,この「福島県民健康管理調査検討委員会」の推移を見守る限りでは,それに対する反省は微塵も感じないどころか,益々,原子力ムラ・放射線ムラの「代理店行為」をエスカレートさせていきそうな気配です。福島県民は,早く目を覚まして,この県庁を何とかしないと,ますますひどいことになるでしょう。

 

(今回も,第8回検討委員会以降,第9回,第10回,第11回,第12回の過去の5つの委員会の提出資料にたくさんの間違いが発見され,それらが修正されました。しかし,それに対して,検討委員会委員達にも,事務局の福島県立医大の教員・職員にも,福島県庁にも,深く反省している様子はうかがえませんでした。関係する組織や人間達は,根本のところから腐っている可能性があります)

 

<はぐらかされた質問群>

 どのように「はぐらかされているか」は,VTRをご覧ください。

 

(1)甲状腺ガン検査結果の本人への還元について,未だに情報公開制度を使って,面倒な手続きを経ないと検査結果が入手できない事態の(抜本的)改善はできないのか,

 

(2)検査結果や所見などの記載書類の保存期間はどれくらいなのか,どこにどのように定めているのか

 

(3)小児甲状腺ガンは進行速度が速いという見方があるが,どう考えるか(言い換えれば,鈴木真一福島県立医科大学教授が言う「小児甲状腺ガンは進行が遅い」という根拠はいずこにあるのか)

 

(鈴木は他方では,日本には,小児甲状腺ガンの過去の詳細なデータはない,と何度も明言している。データがないのなら,進行の速度など分かるはずもない。ご都合主義の二枚舌=二正面作戦ではないのか)

 

(4)子ども甲状腺ガンの検査の結果,58名もの悪性ガンが出ているのに,これをスクリーニングの結果だというのは無理があるのではないか。疫学専門家でも,明らかに小児甲状腺ガンの多発であるという人もいる。

 

(東京新聞記事によれば,スクリーニングの結果,将来甲状腺ガンと分かる予定の人が早く見つかったと解釈すると,甲状腺ガンの「有病期間(病気である間の期間)」は人間の寿命を超えてしまう,と報じられている:発病率×有病期間=有病率)

 

(5)多くのことについて,はっきりしたことは申し上げられない,現段階では分からない,などと言いつつ,小児甲状腺ガン発症についてだけは「福島第1原発事故や放射線被曝の影響ではない」と断言しているのはおかしいではないか。

 

(星北斗検討委座長の言い回しは「現段階では,放射線被曝影響であると言えるだけの証拠が発見できない」というもので,鈴木真一福島県立医科大学教授らの言い方とは少しニュアンスが違う。しかし,それなら,予防原則で,何らかの対策なり対処なりが真剣に考えられてしかるべきである。何故なら,チェルノブイリ原発事故直後の旧ソ連でも,国際原子力機関(IAEA)ら国際原子力マフィアが,今回の「福島県民健康管理調査検討委員会」と同じようなことを声高に主張し,結局,子ども甲状腺ガンの多発を認めたのは1996年=1986年チェルノブイリ原発事故の10年後だったことを顧みれば,同じ過ちを繰り返さない「前広な」対策というものがあるはずである。とにかく,人の命と健康に関わることなのだから,「はっきりするまで」悠長には待っていられないのだ)

 

(6)血液検査や尿検査など,子ども甲状腺ガン検査に加えて,追加的な詳細検査を行う対象(いわゆる「健康診査」の対象)を広げるようにしたらどうかという主旨らしき質問(質問の仕方が悪いので,何をどういう意図で聞きたいのかがはっきりしない)(「健康診査」については,下記の福島県HPにある該当箇所を参照)

 

*福島県ホームページ - 組織別 - 県民健康管理課トップ

 http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet;jsessionid=D2AFCA528CF1BE16F2AA73182C1C5277?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=24287

 

(7)発見されている小児甲状腺ガンが,福島第1原発事故や放射線被曝とは無関係だと,検討委員会は繰り返しているけれど,それでは逆に「関係がある場合」とはどのような時なのか,具体的にその基準を示せ。定義せよ。

 

(8)原子力「寄生」委員会が今般持ち出してきた「年間被曝限度数量=20ミリシーベルト」や個人線量計による放射線被曝管理をどう見ているのか

 

(9)発見された58例の小児甲状腺ガンで,リンパ節への転移があったものはどれくらいあるのか

(⇒ 鈴木真一福島県立医科大学教授は「リンパ節転移があったとしても何の影響もない。それが甲状腺ガンというものだ」と言い放った。私のようなシロウトでも,これは「暴言」であることが推測できる)

 

10)検討委員会は,チェルノブイリ原発事故の経験や教訓をどう生かそうとしているのか

 

 <最後に>

 記者会見の中で,「「県民健康管理調査」を受検できる場所をもっと増やし,身近なかかりつけの医院でも検査が受けられるように,今後,体制を整えて行きたい。(対応が)遅いというご批判はあろうかと思いますが」とする星北斗検討委員会座長の発言を受けた福島県庁の役人と思しき事務局男は,次のように大声で「居直った」。

 

「(そんなことは)当面はできない!!」

 

 私は,福島県庁の役人の,こんな発言は絶対に許せない。(座長が言うように)まず,事故後2年8か月もたっても,まともな放射線被曝と健康状態の検査体制や診断体制が未だに整っていないことを,福島県庁は,まず県民に土下座をして謝罪してから物事を始めたらどうか。そもそもがSPEEDIの情報を政府と一体となって県民に対して隠蔽し,安定ヨウ素剤の服用をも妨害し,あるいは指示せず,子どもたちの初期被曝の調査や尿検査の実施についても,多くの人達から急げと言われていながらも,邪魔をしたり先送りしたりしてきた福島県庁が,ここにきて,何を言っているのか,ということではないか。福島県庁の役人達よ,もういい加減にしろ。 

早々

 

(参考)「いちろうちゃんのブログ」より

*放射線被ばくの単位「シーベルト」はどのようにインチキなのか? いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-55ba.html

 

 

 

茨城県高萩市で子どもの甲状腺検査=「精密検査が必要」(B判定)の子どもが受検者855人中に8人

前略,田中一郎です。

 

 このほど茨城県高萩市は,希望者に対して子どもの甲状腺検査を実施し,その結果をHPに公表いたしました。対象者3,827人のうち1,421人が申し込み,うち855人が受検しました。結果は下記URLにある通りです。

 

 異常なし(A1) 663人

 経過観察(A2) 184人

 要精密(B)     8人(約1%)

  計       855人

 

*甲状腺超音波検査の実施状況について 2013117日掲載)

 http://www.city.takahagi.ibaraki.jp/news.php?code=1302

 

 子どもの甲状腺ガンは,何度も繰り返して恐縮ですが,100万人に1~2人と言われている病気です。わずか850人程度の人数の子ども達を調べただけで,B判定が1%の8人も出るというのは明らかに異常で,由々しき事態と言えるでしょう。全員が甲状腺ガンでないことを祈るばかりです(検査したのは「甲状腺ガン」だけです。「甲状腺異常」や「甲状腺障害」は検査されておりませんが,ガン以上に懸念されます)。

 

 政府は,子ども甲状腺ガンの検査を福島県に限定して実施しておりますが,放射能雲=とりわけ放射性ヨウ素のプルームは,福島第1原発事故後,福島県のみならず東日本全域に広がっているのであり,福島県以外の子どもたちにも大きな懸念があります。子ども甲状腺ガンを福島県に限定する科学的根拠など,全くありません。また,年齢も「事故当時18歳以下の子ども」に限定することも根拠なしです。放射能汚染地域の,全ての年齢の住民に対して,直ちに甲状腺ガン検査を実施し,併せて「甲状腺異常」検査も並行して実施すべきです。

 

 下記のような「要望」が,多くの放射能汚染地域にある自治体や市民団体などから出されておりますが,原子力ムラ・放射線ムラ代理店の日本政府や,その下請自治体は,いつもの通り「馬耳東風」で,これらの要望に応える様子は全くありません。要するに,日本政府やその下請自治体は,子ども達を含む放射能汚染地域の人達の命と健康を守ろうという意思が,今のところ全くない,ということを意味しています。許し難いことであると思われます。

 

*(事例です)放射能汚染から子どもを守ろう@守谷 守谷市に提出「子どもの甲状腺検査を求める要望書」全文

 http://forchildrenmoriya.blog104.fc2.com/blog-entry-116.html

 

 <参考サイト>

(1)福島原発事故による健康被害 (1/2)Gesundheitsfolgen von FUKUSHIMA

一小児科医の報告 - YouTube

 http://www.youtube.com/watch?v=FjTpsUN9nLM&feature=youtu.be

 

(2)福島原発事故による健康被害(2/2)Gesundheitsfolgen von FUKUSHIMA 一小児科医の報告 - YouTube

 http://www.youtube.com/watch?v=HOd_fGmTfFs&feature=youtu.be

 

(3)20131121 UPLAN 【第1部】ウクライナのタチアナ女史が語る「低線量汚染地域・健康被害の真実」事故後27年のチェルノブイリから考える - YouTube

 http://www.youtube.com/watch?v=2HgH1pbXiZI

 

(4)20131121 UPLAN 【第2部シンポ・記者会見】 日本の放射能被害を防ぐ-事故後27年のチェルノブイリから考える タチアナ・アンドロシェンコ 小若順一 松井英介 山本太郎 - YouTube

 http://www.youtube.com/watch?v=MOJJM6Ij8n4

早々

 

 

 

2013年11月24日 (日)

見過ごせない直近の東京新聞記事:福島第1原発5・6号機の使用済み核燃料,東京電力の一方的賠償打ち切りと茂木敏充経済産業相 +若干のご連絡

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

別添PDFファイルは,11/21付の東京新聞朝刊2面に掲載された記事です。2つの重要な報道が掲載されています。

 

(1)20131121日付東京新聞(その1)

 福島5・6号機廃炉へ:建屋にまだ燃料3,246体,取出し計画は未定

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013112102000129.html

 

 東京電力福島第一原発5、6号機の廃炉に向けた検討が最終段階に入った。両機は重大事故を免れたものの、原子炉建屋内に計三千二百四十六体もの核燃料が残されている。これらが全て取り出されれば危険性が減り、建屋の活用にもつながるが、具体的な取り出し計画は未定だ。 (中略)

 

 だが、事故当時に定期検査中だった5、6号機は、原子炉内に核燃料が入ったまま。6号機は先月、使用済み核燃料プールに移し始めたが、5号機の計画は未定。プールに移したとしても核燃料は当面、建屋内に残る。

 

 プールは地上三十メートルを超える高さにある。事故で3、4号機のプールが冷却機能を失った際は注水が難航。自衛隊ヘリや高圧放水車を総動員して危機を逃れたが、建屋上部に大量の核燃料があり続ける危険は大きい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 どうも,東京電力も原子力「寄生」委員会も,日本の原発施設の使用済み核燃料プールの危険性を,まだ十分認識していない様子です。記事にもあるように,使用済み核燃料プールは,地上30メートルの高さにある「空中プール」で,ひとたび大地震が起きれば=それも直下型で来た場合には,そのプールが大きく破損し,冷却水が抜けて,福島第1原発の4号機以上の大惨事になる可能性が高いことが,既に福島第1原発事故の経験でわかったはずなのに,それに対して,適切・機敏な対応をとろうとはしていないようです。

 

 上記の福島第1原発5・6号機で申し上げれば,何故,5・6号機の原子炉内にある核燃料を使用済み核燃料プールに移すのでしょうか。そのままにしておいた方が,空中プールに入れておくよりは「よりまし」「より危険性が低い」ように思えますが,どうなのでしょう? また,5・6号機の使用済み核燃料の撤去作業は,1・2号機のそれが終了する2018年度以降のことになるような様子もうかがわれ,何とも気の長い話になっています。

 

 記事を見てもう一つ驚いたことは,5号機も6号機も,その核燃料の数が4号機よりも多く,4号機の1,533体に対して,それぞれ1,542体,1,704体あると報じられております。益々ゆゆしき事態です。

 

 原子力「寄生」委員会は,何故,こうした福島第1原発事故後の管理状況の安全性確保に,もっと尽力しようとしないのでしょうか。柏崎刈羽原発の再稼働審査など,している時なのか,と言いたくなります。能力がないのか,危機感が乏しいのか,その両方か,ともかく,「世界一安全」と言われる原発の「世界一と思われる危険性」が,福島第1原発をはじめ,日本全国の停止している原発の使用済み核燃料プールにあるように思われます。(私は福島第1原発・福島第2原発とならんで,浜岡原発と女川原発と青森県六ケ所村再処理工場の使用済み核燃料プールが非常に気になります)

 

 それから,使用済み核燃料を移動させる先の「共用プール」の方も心配です。こちらは,地震に加えて津波被害の可能性も残ります。いったい,この関係者達の安全感覚の乏しさは何なのでしょう?

 

 加えて,同日付日本経済新聞社では,先般導入された「官製粉飾会計処理基準」である「廃炉費用の長期間平準化償却」制度のおかけで,東京電力が5・6号機の廃炉処理をしやすくなったと報じました,その心は,1WHも電気を生みださない不良資産=廃炉原発の償却費用を,我々の電気料金にビルトインして負担を自分以外に転嫁できた,ということです。ここでも,原子力ムラ・コンプレックスの出鱈目がまかり通っています。

 

(2)20131121日付東京新聞(その2)

 東電の賠償打ち切り通知,「不適切」経産相批判

 

「東京電力福島第1原発事故の風評被害に対する損害賠償を,東京電力が電話や文書による通知で一方的に打ち切っている問題で,茂木敏充経済産業相は21日の衆院決算行政監視委員会で,「親身,親切な賠償という観点から不適切と言わざるを得ない」と批判した。(中略)

 

「茂木敏充経済産業相は「今後このようなことがないよう適切な支払を指導していく」と述べた。

 

 また,東京新聞の報道に東京電力が自社のHPで「賠償を一方的に打ち切る対応はしていない」と反論していることについて,茂木敏充経済産業相は,実際に事前の協議なしに打ち切った事例があったと述べ,「誤解を受ける広報は是正する必要がある」と述べた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

(参考1-1)東京新聞東電賠償 打ち切り通知は40業者 野菜農家や食品加工など茨城(TOKYO Web)

 http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/20131025/CK2013102502000181.html

 

(参考1-2)東京電力風評被害の賠償打ち切り突然通知…事業主ら困惑- 毎日jp(毎日新聞)

 http://mainichi.jp/select/news/20131013k0000m040074000c.html


  

 東京電力の賠償をめぐる出鱈目と人権侵害・財産権侵害が,益々エスカレートしています。国会での野党質問は,東京電力の事実上の株主であり経営責任者でもある政府に対して,そのことの是非を正したのですが,この茂木敏充経済産業相という「平成の無責任男」は,評論家としての答弁をしたに留まり,かような事態になっていること,多くの原発事故被害者がそのために苦しみ・悲しみの中にいることについて,何の対策も対処も,東京電力の責任追及についても言及していないようです,「東京電力ちゃん,だめよ~,そんなことしちゃ,ちゃんとするんですよー,いいですか」だそうである。

 

 茂木敏充経済産業相よ,そんなことを聞いてんじゃないのよ,お前の責任,お前のなすべきこと,お前のすべきことを,何故,いつまでもしないでほったらかしにしているのか,と聞いてんのよ,あんたは「評論家」ではなく,東京電力の所管省庁のトップなのよ。政治や監督責任の何たるかを理解できないのなら,さっさと辞任したら如何か?

 

 <追>別添PDFファイル

「上関原発を建てさせない山口県民大集会」

http://atta-an.up.seesaa.net/image/E8B39BE5908CE88085E58B9FE99B86E591BCE381B3E3818BE38191E69687EFBC88E68CAFE8BEBCE58FA3E5BAA7E4BFAEE6ADA329.pdf#search='%E4%B8%8A%E9%96%A2%E5%8E%9F%E7%99%BA%E3%82%92%E5%BB%BA%E3%81%A6%E3%81%95%E3%81%9B%E3%81%AA%E3%81%84%E5%B1%B1%E5%8F%A3%E7%9C%8C%E6%B0%91%E5%A4%A7%E9%9B%86
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 201438日(土) 

 維新公園ちょるる広場(山口市)

 

(祝島のみなさまは,長い間,宝の海=瀬戸内海を原発の魔の手から守ってきてくださいました。今度は私たちが祝島の方々を守る番です。みなさま,山口県へ結集いたしましょう)

早々

 

2013年11月23日 (土)

コメの「減反政策」はとうの昔に廃止されている,今あるのは「主食用米の転作政策」 ( 「主食用米の「生産調整」政策の変遷」に見る日本の農業政策)

前略,田中一郎です。

 

<別添PDFファイル>

*(主食用米の)生産調整政策の変遷 (20131122日付農業協同組合新聞)
「20131122.pdf」をダウンロード

 

 別添PDFファイルは,このほど農業協同組合新聞(20131120日付)に掲載されました(主食用米の)「生産調整政策の変遷」という記事です。1971年(昭和46年)以降の日本政府=自民党・農林水産省の米政策の変遷がコンパクトに,よくまとめられています。

 

 これをご覧になればお分かりのように,いわゆる「コメ減反」といわれる「コメを作らせないことに主眼を置いた政策」は,早くも1978年(昭和53年)の「水田利用再編対策]以降,主食用米の「転作政策」へと転換されています。生産過剰となっている主食用米の水田での作付をやめて,自給率が極度に落ち込んでしまった他の穀物類(小麦,大麦,大豆,飼料作物等)への転作をはかるという政策で,単純に「コメを作らせない」政策で田んぼを荒らすのではなく,転作によって田んぼの潜在的生産力(農地の力+農業者の力)を維持したまま,食料自給率向上や地域農業の多面的な発展を志向しようというものでした。この考え方が採用された背景には,故鈴木善幸元総理ら,自民党の農業政策グループの動きがあったと言われています。

 

 しかし,この政策はうまくいきませんでした。それはなぜか? その理由は,考え方がまずかったのではなく,考え方に反して,政府・自民党。農林水産省が,ロクでもないことをしてきたからなのです。以下,簡単・具体的に申し上げます。

 

(1)日本政府自身が日本の農業をないがしろにし,食い物にする政策を,自民党のゴロツキ政治家達とともに長く続け,農業政策を利権の巣に変えてしまいました。

 

(2)具体的には,まず,コメ以外の穀物類の関税を撤廃して貿易自由化を行い,国際的な価格競争に裸のままでさらしてしまったため穀物価格が暴落,日本においては,どのようなやり方をしても,米以外の穀物を作付・栽培することは採算に合わない状態となってしまったのです。いわば,賃金や農機具・農業資材を含む価格体系が全く異なる日本という国の財・サービスのうち,農産物だけを国際価格水準という日本から見ればはるかに低価格の水準に合わせてしまったため,穀物作付農業が経済的に不可能になってしまった,ということです。

 

 決して,日本農業の自然条件が外国に比べて恵まれていないとか,日本の生産者・農家の努力や能力が足りないからではありません。(むしろ,日本は四季の変化がはっきりしており,多雨で農業用水に恵まれ,豊かな森林を引き継いでいるなど,農業の最適地とでも言える自然条件がありますし,生産者・農家の農業技術の水準は名人技とも言えるくらいに高レベルです。その結果,日本では世界的に見ても指折りのすばらしい農産物が毎年生産・供給されています)

 

 どうしても無理に採算を国際価格水準に合わせろ,ということであれば,賃金や農機具・農業資材などの価格も国際価格水準に合わせねばならず,また,農地もアメリカやオーストラリアのような新大陸と同じような広さにしなければなりませんから,簡単にいえば,日本人は自給100円程度以下(日給1,000円以下)の低賃金・社会保険なしで働き,関東平野に住んでいる人々は暴力的にその居住地から追い出して(アメリカや豪州が先住民にしたように),100箇所くらいの大農場に集約・統合し,そこに石油がぶ飲み型の大型農業機械などを入れて農業生産をしなければならなくなります。

 

(これをやっていこう,というのが,今検討されている「強い農業」などと言われているものです。その結果,安かろう,悪かろう,危なかろう,の3拍子そろった「家畜のエサ」並みの農産物が大量生産され,家畜のように酷使される日本人や外国から連れてこられた農業労働者が,みじめな日々を送ることとなっていきます。自分の賃金は据え置かれたまま,食べ物だけが安くなる,そんなムシのいい話など無いのです。農業を理不尽にバッシングすることは,結局は,天に唾するごとく,すべて自分達に返ってきます。公務員をバッシングしているうちに,多くの日本人が非正規労働者になってしまって,にっちもさっちもいかなくなった,ごとくです。だまされてはいけません)

 

(3)上記で申し上げたように,転作する作物の収益性や採算性が主食用米に比較してよろしくないにもかかわらず,政府・自民党・農林水産省は,転作作物に対して十分な「転作奨励金」(補助金)を用意しませんでした。主食用の稲作に比較して,その他の穀物生産は収益性が悪く,かつ,転作にはさまざまな困難や苦労が伴いますから,多くの生産者・農家は主食用米の転作を極度に嫌がりました。当たり前と言えば当たり前でしょう。誰がわざわざ,苦労して収入が低いコメ以外の穀物に作付を変えようとするでしょうか。主食用米の生産過剰に生産者・農家の責任はほとんどありません。農業政策がおかしいのです。

 

 そして,許し難いことに,多くの財政資金=農業予算は,農業そのものを支援するために使われるのではなく,農業を口実にした農業公共土建事業(ダム,水路河川工事,農道,ハコモノなどを含む)や役人・役所の外郭団体のためだけの非公共事業など,その多くが無駄に使われ,それにたかる政治家・官僚・事業者らによって農業が食い物にされたのです。いわゆる農業予算の利権化です。そして,愚かにも,政府・自民党・農林水産省は,それを政治的に維持するため,いわゆる「米だけは(何とかしましょう)」政策を展開し,生産過剰である主食用米の価格を維持ないしは引き上げるという,経済政策としては全くトンチンカンなことを続けていました。こうすれば,益々,主食用米と転作作物との収益性に格差が開き,益々,主食用米の転作は困難となっていくのですが,その馬鹿みたいな政策を,いつまでもやめようとはしなかったのです。「水田を守らず票田を守る政策」と言われる所以です。

 

(4)加えて,この主食用米の生産調整を,現場の意向や事情を無視・軽視して,上から「割り当て」で押し付けるような「統制経済方式」(旧食管法)を強行したり,従わない生産者・農家に対しては,国賊よばわりのバッシングやペナルティ政策を長く続けておりました。悲しいかな,中央集権体制に飼いならされてきた多くの自治体もまた,この愚かな農業政策の「下僕」として動き,政府・自治体が力を合わせて地域地域の特徴ある農業の展開を封じ込めるようなことがなされていたのです。旧食管法が天下の悪法であるかのごとく言われるのは,こういう点にあります。しかし,その食管法でさえ,悪一色ではありません。悪一色は,むしろ現在の「何でもあり」となってしまった「新食糧法」の方だと言えるでしょう。

 

(5)もう一つ,大事なこととして,日本人の伝統的な主食穀物である米の需要が,年々減少し,多くの日本人が米を食べなくなってきている=代わって,麦(パン,麺)を食べるようになったという点です。これも日本の農業政策・食料政策の最大の汚点です。簡単にいえば,日本は戦後,アメリカに政治的・外交的・軍事的に隷属するだけでなく,食べものを通して「隷属」させられ,アメリカの植民地ならぬ「食民地」にされてしまったということです。

 

 詳細は論じませんが,その典型が学校給食政策です。未だに全国の小・中学校の学校給食で,米飯給食の回数頻度が週3回程度,つまり2回は米以外のものが使われているという「惨状」です。学校給食を食育と考え,主食のコメの大切さ,重要さ,豊かさ,すばらしさを学校教育で体験的に教えて行くことになっているはずが,未だに実現しておりません。地域によっては「学校給食会」というところが,既得権益の「利権」ネットを形成しているところもある様子で,困ったものです。そもそも学校給食政策のための予算自体が貧弱で,いわゆる自校方式という給食供給の体制がつぶされて,センター方式への移行が学校現場に押し付けられております。およそ,自国の主食をないがしろにするような民族・国民の国が繁栄するはずもないでしょう。日本という国は,いつまでこの馬鹿みたいな食料政策・学校給食政策を続けるつもりなのでしょうか? ともあれ,適切な政策をきちんと展開していれば,今のように,年々主食のコメの消費が減少していくなどということは起こりません。これもまた,愚かな農業政策・食料政策の結果だと考えていいのです。

 

(6)上記のような,歪みきった愚かな農業政策・食料政策の根底には,私が常々申し上げている政府・自民党・農林水産省の「悪の3結合」による「4つの優先農政」(①アメリカ優先、②WTO/FTA・EPA優先、③財政再建優先(安上がり農政)、④利権優先(不要不急の農業土建事業や役所外郭団体の非公共事業:事例としては,少し前に話題になった農村風景3Dスライド施設等)があり,上記で申し上げたように,農業をないがしろにし,悪しざまに扱い,食い物にしてきたということです。日本農業が後継者も確保できぬほどに衰退し,耕作放棄地が何10万haも広がる今日の惨状は,ただただひとえに貿易政策を含む農業政策の出鱈目から来る人災であることを強調しておきます。

 

 生産者・農家に責任があるとすれば,充分な政治・政策情報が与えられない中で,悲しいかな,いつまでもいつまでも自民党ゴロツキ政治家達に投票をし続けてしまった,ということでしょう。そこには,日本の歴史的な,支配権力同調主義や権威従属主義,あるいは翼賛的同調押し付け風土のようなものがあるのかもしれません。生産者・農家は,自分達があの連中から,いかに虚仮(コケ)にされ続けていたかをもっと早く気が付くべきだったのだと思います。

 

(7)上記から,今後,日本農業の窮状を救い,日本農業の再建・再生・復興を期するために採用されるべき農業政策の概要は,おおよそ気がつかれたのではないかと思いますが,下記にそれを箇条書きにしておきます(米政策とその周辺)。

 

●主食用米の収益性以上となるように,転作奨励金の引上げをはじめ,転作を強化するための農業政策を徹底する。減反政策などは今は存在しない。主食用米の転作政策を続けるだけでなく,抜本的に改造しシェイプアップなければいけません。

 

●エサ米,加工用米を大量生産できるよう,転作奨励金の適正化(大幅アップ)と,ユーザーの確保政策を充実させる(耕畜連携やコメ加工品の国産表示の厳格化,米加工事業支援など)。

 

●コメの需給調整政策の徹底(生産者・農家の経営安定に加え,無用の財政支出を防ぐためにも,この政策が極めて重要:たとえばコメの備蓄制度の適正化=現在の回転備蓄をやめて,需給調整備蓄へ転換)

 

●他方,主食用米への金銭的テコ入れはやめる。但し,最低限の生産コスト保障政策は続ける(米価変動交付金の継続と,米の固定価格交付金(1万5千円)の廃止等)

 

●主食用米の転作政策は政府が主導して継続する。転作誘導は,生産者・農家に対する様々な政策メリットとセットで遂行されるべきである(たとえば経営安定対策と転作協力はセットにするなど)。転作で何を作付するかは現場の生産者・農家の「産地づくり協議」に原則として委ね,政府・農林水産省は,その全国調整のための仕組みを創設し,需給がバランスするまで強力な取組を行う(「補助金プレミアム」付きの主食用米作付枠の交換制度など)。

 

●従って,上記の転作奨励金も,地域の自在に委ねられる「産地資金」のウェイトを引き上げる。

 

●格上混米や米の偽装表示を徹底して撲滅するため,米の表示制度や,それにリンクされている米の検査制度の抜本改正を行う。米流通制度も抜本的に改正し,流通業者を許可制にして,米の流通から魑魅魍魎の悪質業者を叩きだす。

 

●生産性向上のためには,現在の分散錯圃状態を徐々に解消すべく,農業基盤(再)整備や農地(再)改良事業と平仄を合わせて,農地の集約を図っていく。地域農業の担い手を地域の中から確保していけるよう,地域全体が将来の地域の農業展望をもてるようにする。

 

●高齢化が益々進み,このままでは耕作放棄地が一気に増大してしまう。一刻も早く,農地耕作の後継者確保と,老朽化する農業基盤・農業施設の刷新を同時並行で取り組み,その中で,分散錯圃の解消や主食用米の転作を定着させていく。日本農業は21世紀へ向けての基幹産業となり得る将来性に満ちた産業であり,それを早く具体化できるかどうかが,日本社会や経済の豊かさ実現のキーポイントの一つとなる。

 

●農業後継者の確保は,今や政策的に強力に展開しなければならないレベルに達している。現存する生産者・農家の子弟の家業(農業)相続だけに頼ることはもはやできない。農業への新規参入を希望する若者を中心に,参入者の便宜を図るとともに,参入後の農業研修や農業技術の伝播,ノウハウの伝授,経営安定対策など,さまざまな目に見える形での農業後継者=地域農業の担い手確保に政策対処すべきである。また,元来閉鎖的と言われる農村部での農地の賃貸借について,新規参入者に耕作農地が賃貸されるよう,何らかの新組織の役割が求められているといえる。

 

●農業に新規参集した若い生産者・農家を大事に育てる必要あり。まず重要なのは農地の確保と経営安定対策=農業で食べていけるようにすること,それと同時並行で,農業技術,農業資材,農機具等の手当てとその使い方,農産物栽培のノウハウ伝授などが重要,そして更に,生産した農産物の適切・有利な販売へのサポート。

 

●米の需要拡大政策を本気・本腰で徹底して実施する(学校給食他)。

 

●MA米の国内市場持ち込みをやめる(加工用やエサ用も含めて,全て海外援助へ)⇒ MA米拒否へ向け国際貿易制度の抜本改正努力

●TPP,WTO/FTA・EPAなど,国際市場原理主義は論外で,直ちに交渉等から農林水産業を除外,できなければ,交渉から撤退

 

●市場原理主義に傾倒するマスごみ記者・記事に対してきちんと反論する。

●実践的,体験的食育=農林水産業教育の拡充

 

(時間をかけて検討・議論すれば,まだまだ政策として打ち出すべきことは多くありますが,時間の関係でこれくらいにしておきます)

早々

 

2013年11月21日 (木)

偽モノキャンペーン「食べて応援・買って支援」と,消費者を馬鹿にする「風評被害」論

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

(1)水産庁-職員食堂を活用した三省庁連携による福島県の水産物のPRについて
  http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/kakou/131120.html


(2)農林水産省-がんばれ福島in築地市場青果部

 http://www.maff.go.jp/j/shokusan/eat/tabete/120918.html


(3)別添PDFファイル

 「福島原発沖の密漁魚が「産地偽装」で出荷されている(青沼陽一郎 『女性自身 2013 10 22』)」


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 上記(1)は,本日付(11/21)で水産庁HPで見つけたものです((2)は少し古い事例の一つ)。農林水産省も,水産庁も,林野庁も,3.11「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」以降,再三にわたってかようなバカバカしいパフォーマンスを繰り返し,飲食品の放射能汚染が大したものではないことの消費者・国民に対する「説得」に務めています。

 しかし,放射能汚染地域から産出される食料品が安全である,心配がない,ことを最も説得的に示すためには,徹底して,その食品群の残留放射能検査を繰り返し,そしてそれを何一つ隠しだてすることなく徹底して公開することではないでしょうか。汚染の実態を隠そうとしたり,小さく見せようとしたりせず,ありのままを徹底して公開し,汚染していれば対策を打ち,これ以上の汚染を防いだり,汚染物が出回らないように規制や取り締まりをかけたり,汚染による被害者(生産者,事業者,消費者)に損害賠償をしたりして,汚染そのものと,その悪影響の抑え込みを図らねばなりませんし,汚染していなければ,まことに結構なことで,今後も汚染しないよう,今も大量の放射能を環境に放出し続けている福島第1原発に対する監視を強めればいいのです。

 

 しかし,農林水産省も水産庁も林野庁も,実際にやっていることはその真逆で,たとえば,飲食品の残留放射能検査体制をいつまでたっても整備しないため,脆弱な検査体制の下で,流通している飲食品のほとんどは未検査のままであること(別添PDFファイルの女性週刊誌記事にあるように,水産物の検査は,茨城県の場合,1週間に1回程度らしい),それも検査されているのは放射性セシウムだけの話で,その他の放射性核種,たとえば危険極まりない放射性ストロンチウムなどは全く検査されていないこと,少ない検査頻度であるにもかかわらず,その検査が,牛肉,コメ,特定の魚介類,キノコなどに偏っていて,それ以外の食品群については,ほとんど調べられていないこと,検査結果についても情報の開示状況が悪く,どうしてその品目にそのような汚染が出たのかさえも,一般の消費者・国民には理由や原因が全くわかないこと,従って,今後の対策や対処のしようがないこと,などなど,検査運営の不備も目立っているのです。

 

 水産物の場合には,「産地表示偽装・隠蔽」「漁獲水域表示偽装・隠蔽」「未検査品の検査済み表示偽装・隠蔽」など,流通過程で悪意が入り込む可能性のある「スキ間」がたくさんあり,とても安心して買って食べるわけにはまいりませんが,これも全くの放置状態で,規制も取り締まりもほとんどなされておりません。日本の水産物は,韓国がいみじくも適入禁止にしたように「放射能汚染の危険性だらけ」と言っても過言ではないのです(どれがどれだけ汚染されているか,全く分からないので,いわば消費者・国民は,水産物を買って食べるのが「ロシアン・ルーレット」のような状態におかれています)。

 

 それでいて,農林水産省も水産庁も林野庁も,事あるごとに「風評被害」という言葉を乱発し,福島県をはじめ東日本の放射能汚染地域の産品を避けている消費者・国民に対して,お前らのような愚かな消費者がいるから,生産者は苦労が絶えないのだと言わんばかりの,まるで消費者・国民を「バカ呼ばわり」するがごときの「風評被害克服キャンペーン」を展開しております。ロクすっぽ検査もされていないものを避けて通ることは,賢明な消費者・国民として当然のことですが,これが放射能汚染を小さく見せたい彼らにとっては気にくわないようなのです。そして,愚かにも,この「風評被害克服キャンペーン」に,農協や漁協などの生産者団体に加え,生協や一部の消費者団体までもが一緒になり,「食べて応援・買って支援」などの,バカバカしい,かつ危険な「大(翼賛)運動]を繰り広げているのですから,あきれてしまいます。

 

 かつて,アジア太平洋戦争前には,戦争に反対したり,協力しない態度をとる人に対して「非国民」のレッテルを張り,多くの人間がその人を取り囲んでバッシングをするというようなことが日常的に行われていました。いわゆる「翼賛型軍国主義」社会ですが,それと似たような雰囲気が「風評被害」という言葉で,食べものの放射能汚染に懸念を示す人達に対して投げかけられています。例えば,子どもの食べものを心配する保護者達を押しのけて,福島県やその他の汚染地域で,強引に地場産の農畜産物や水産物などが学校給食の食材に使われ,3.11以前以上に,ことさらに地産地消の大宣伝が行われているのも異常という他ありません。たいていの場合,その地場産食材の放射能検査体制は貧弱な場合が多いのです。「放射能,みんなで食べれば怖くない」では,話になりません。こうした食べものを通しての「被曝の押し付け合い」社会というのは,もはや一種の「原子力翼賛社会」という他ありません。そもそも,ろくすっぽ検査も調査もしていない食料品を,安全だ,安心だと,虚偽のPRやキャンペーンで繰り返す=これは食品表示の世界で言うところの「優良誤認」の典型のようなものではありませんか(検査をしていないのに,しているかのように,「大した汚染ではない」と強調する)。

 

 放射能で汚染しているかもしれないようなものを,「食べて応援・買って支援」などしていても,福島県や汚染地域の農林水産業は救済されることはありません。何故なら,こんなキャンペーンに対しては,多くの人々が本音ベースで懐疑的に見ているだけでなく,「食べて応援・買って支援」によって,汚染地域の産業活動がやめられなくなり,被災地の汚染が被害者の被曝に結びついていくことになる他,買って食べた方も内部被曝をする可能性が高まります。また,本来は,加害者・東京電力や事故責任者・国がきちんと被害者の生産者や食品業者に対して賠償・補償をしなければならないものが,この「(翼賛)運動」によってうやむやにされ,売り上げの不振と相まって,益々生産者・事業者を苦境に追い込んでいくからです。そもそも政府が,このキャンペーンを大々的に展開している最大のねらいは,(1)賠償・補償を極小化する(安全・安心なら賠償・補償はいらない=売れないのは生産者・事業者の自己責任で東京電力の責任ではない),(2)「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」の放射能汚染は大したことはなく,もう事故は終わったという虚構をでっちあげるため(そうすれば原子力の(再)推進がいよいよ日程に上ってくる),の2つであると思われます。

 

 原発事故をなかったことにしたい人達・放射能汚染と被曝を小さく見せたい人達に踊らされて,愚かな「食べて応援・買って支援」キャンペーンなどに乗せられてはならないのです。愚かなマスごみの記事などは,聞き流せばいいだけです。偽モノキャンペーン「食べて応援・買って支援」と,消費者を馬鹿にした「風評被害」論は,放射能汚染地域の悲劇をより深刻にし,誰が加害者で誰が被害者なのかもわからなくする,原子力ムラ・放射線ムラの連中にとっては,笑いが止まらないくらいに愉快で快適な,そして,我々消費者・国民やまじめで努力家の生産者・食品事業者にとっては,まことに迷惑で困った「(翼賛)運動」に他なりません。本来あるべきキャンペーンは,たとえば「食べるのやめよう汚染物,買うのもやめよう汚染物」「そんなことでは被害者は救済されません,加害者・東京電力や事故責任者・国は,早く万全の賠償・補償をして,被害者を救済して下さい」「被害者の生産者・農家には,新しい汚染されていない農地と農場と農業資材を提供して下さい」です。

 

 だいぶ前の話ですが,イギリスでBSE牛が発見され大騒ぎになったことがあります。その時に,時の英国農林大臣は,自分の孫娘をTVに登場させ,その孫娘と一緒に,BSEに汚染されているかもしれない英国産の牛肉を食べて見せて,そして「BSEは人間には感染いたしません。皆さま,私もかわいい孫たちに英国産の牛肉を食べさせていますから安心して下さい」と,言いました。しかし,まもなく,英国でBSEの人間への感染が確認され,何人かの方が犠牲となってしまいました。

 

 水産庁が今回やった職員食堂での「三省庁連携による福島県の水産物のPR」は,この英国農林大臣がやったことと大差ないと思われます。

早々

 

2013年11月20日 (水)

内部被曝とエピジェネティクスについて (講談社ブルーバックス 『エピゲノムと生命』 を読んで感じたこと)

前略,田中一郎です。

なお,別添PDFファイルは著作権上の問題がありますので,第三者転送・転載はご容赦ください。くれぐれも第三者転送・転載をなさいませんようお願い申し上げます。

 

 <参考書>

*『エピゲノムと生命 DNAだけでない「遺伝」のしくみ』(ブルーバックス:太田邦史/著)

 http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032966264&Action_id=121&Sza_id=C0

 

 別添PDFファイルは,今般発刊された講談社ブルーバックスの『エピゲノムと生命』(太田邦史著)の一節です。「ノンコーディングRNA」と,その「エピジェネティクス」的機能について解説された部分の一部を抜き出してあります。

 

 ついこの間まで「ジャンクDNA領域」(「何の役にも立っていないゴミのようなDNAの一部分」くらいの意味)と言われていたDNA領域が「ノンコードDNA領域」と呼ばれるようになりましたが,「ノンコーディングRNA」とは,そこから転写によって産生するRNAのことで,たんぱく質に翻訳されることはなく,一般に遺伝子機能を持たないDNAの塩基対部分から生み出されてくるRNAのことを意味してしています。

 

 実は,この「ノンコーディングRNA」は,「ジャンク」どころか,複雑な遺伝子制御に関わっていて,生物の複雑な生命プログラム実行を可能にしている,というのが,この本の説明です。つまり,「ジャンク」と思われていたDNAの領域から大量の機能未知のRNAが合成され,それが遺伝子の発現を制御し,認識されることもなく消去されている可能性が高いと,この本の著者は言います。多くの研究者はこのような状況にかなり興奮し,2005年には理化学研究所のある研究者が,この状況を「RNA新大陸の発見」と称したそうです。(下記のこの図書からの引用を参照)

 

 更に,「ノンコーディングRNA」は,遺伝子機能発現や抑制をにらんでの創薬研究に使われたり,更に研究が進んで,遺伝子制御以外の様々な生命機能にも関わることも分かってきて,今や分子生物学・細胞生理学の最先端を切り開く重要なキーワードとなっています。

 

 <若干の引用をしておきます:私が赤線を引っ張った部分です>

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

P74「エピジエネテイクスは「同じDNAを持つ細胞をいろいろな種類の細胞に分化させるのに用いられる」ということを述べました。エピジエネティクスのしくみを使うと、DNAの情報に加えて、それをどう使うかという情報が書き込め、しかもそれを記憶することが可能になります」

 

P74「非コードDNA領域から生み出されるRNAの積極的な関与を想定します。このようなタンパク質に翻訳されないRNAのことを、「非コードRNA」とか「ノンコーディングRNA(ncRNA)」と呼んでいます。」

 

P74「非コードRNAは、現在非常に活発に研究が行われている領域です」

 

P76「つまり、「ジャンク」のように思われていた領域から大量の機能未知のRNAが合成され、遺伝子の発現を制御し、認識されることもなく消去されている可能性が高いのです。このような状況に研究者が興奮しないわけがありません。lncRNAの発見に関わった理化学研究所の林崎良英博士は、2005年にこの状況を「RNA新大陸の発見」と称することで、研究ステージの新たな展開を印象付けました。」

 

P77「非コードRNAの詳細は他書に譲ることにして、非コードRNAの遺伝子発現制御における役割だけ説明します。miRNAは二十数塩基対の短いRNAで、ある種の標的遺伝子の発現を特異的に抑制します。miRNAは我々の体でも多数発現しており、器官形成や発生、疾患発症などと密接な関係があることがわかってきています。

 

P78「なお、RNAiの登場により、狙った遺伝子を好きなように変えることが困難な高等生物でも、任意の遺伝子の機能を抑制することができるようになりました。これによって、従来は解析が難しかった、高等生物の遺伝子機能が解析できるようになり、さらにRNAiを利用して、がん遺伝子を不活性化するなど、さまざまな創築研究が行われています。」

 

P78「二本鎖のRNAが細胞に入ると、その配列を持つRNAの分解や翻訳抑制が起こるというのは、よく考えると不思議な話です。」

 

P78「RNAiは、遺伝子発現制御以外のさまざまな生命機能に関わることも知られています。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(以上,引用終わり)

 

 ところで,申し上げたいことはここからです。

 いわゆる放射線の内部被曝,放射能の体内取り込みによる健康被害が論じられる時は,どういうわけか,放射線防護学にせよ,放射線生物学にせよ,DNA=遺伝子の損傷と破壊のみに着目した,非常に狭い範囲内での時代遅れの議論が展開されるにとどまっております。(原子力ムラ・放射線ムラの似非学者どもには,せめて講談社のブルーバックスや岩波新書くらいは読んどけよ,と申し上げたいですね)

 

 これは,ワトソン・クリックによる遺伝子=DNAの構造仮説と,いわゆるセントラルドグマ(DNA=RNA=たんぱく質への翻訳)がノーベル賞を受賞した,1950年代から60年代にかけての頃の古い議論です。体内にある放射性物質から発せられる放射線が,大きなエネルギーでDNAや遺伝子にぶち当たり,それを破壊するために,遺伝子の病気が発生する,破壊されても修復機能があるために,病気の発生はある程度抑えられる,こういう議論です。遺伝子の破壊や損傷が問題ですから,それによる健康障害や病気と言えば「ガン・白血病」ということになるわけです。

 

 しかし,人間の体を含む生物の細胞は,かような「機械論的な構造」をしているのではありません。確かにDNAも遺伝子も,細胞内の「器官」の一つではありますが,それは細胞を一義的に支配する「殿様」でも何でもなくて,言い換えれば,遺伝子 ⇒ 細胞内生理,の一方方向の命令制御ではなく,遺伝子そのものが細胞内の生理的秩序によって逆に制御されている,同じ遺伝子があったとしても,それが発現されたりされなかったり,発現が妨げられたり促進されたりと,細胞内では様々な環境変化に対して,双方向・複数方向に自在に変化・適応・反応して,生き物としての生命発現が制御されているのです。(また,ミトコンドリアという「器官」には,細胞核とは異なるもう一つのDNAもあり,生物の体のエネルギー制御を司っております)

 

 上記でご紹介した図書に書かれている「ノンコーディングRNA」のエピジェネティクス的な機能は,そうした複雑な遺伝子制御や生命秩序維持のミクロ世界における生化学的な説明の一つに他なりません。ついこの間まで,その重要な機能を知らなかった「無知の塊」である人類が名付けた「クズDNA」「ゴミDNA」=「ジャンクDNA」が,実は「ジャンク」どころか,遺伝子発現制御の根幹に携わる「ノンコーディングRNA」産生のキーとなるDNA領域だったわけで,研究が進めば進むほど,生命というものの複雑さと,生命体内の各部位や器官や細胞間の複雑多岐にわたる連関性や機能相互補完性が見えてきます。ミクロの世界の果てしない未知の世界が,まだまだ我々人類の眼前に広大な大陸として広がっている,そういう印象を強く受けるのです。

 

 ところが,放射能や放射線被曝の健康障害への影響を論じる際の,あの原子力ムラや放射線ムラの似非学者達の議論の「単純さ」たるや,あまりにも馬鹿げています。それはまるで「時間が止まった世界」のごとく「思考停止」状態が続いていて,シロウト騙しの「遺伝子破壊・修復」論を繰り返し,セントラルドグマ以降の約50年間の生物学の進歩・発展には,とんと頭が回らないようなお粗末さです。放射線被曝=遺伝子破壊・損傷=ガン・白血病の発症,それでことが終わるのなら,これほど楽なことはないのですが,絶対にそういうことではありません。

 

 ここからは皆さまと,想像する世界になります,上記で申し上げました「ノンコーディングRNA」がもつ遺伝子制御や生命活動機能制御の部分に,猛烈な放射線が内部被曝によって,何度も何度も,局所的に集中的に繰り返しあてられたとしたら,どうなるでしょうか。生物の体を構成するあらゆる分子にとって,放射線の持つ巨大なエネルギーの破壊力は天文学的な度合いです。少しでも当たれば,生物の細胞のミクロの世界はたちまち破壊されることは避けられません。あたかも人間の顔面に,猛烈な勢いで飛んでくる硬式野球のボールか砲弾投げの砲弾がぶち当たった時のような,大変な事態になるのは自明です(放射線のエネルギーは,細胞をつなぐエネルギーの数万~数百万倍の大きさです)。ちょっとばかり痛い,どころの話ではないのです。

 

 申し上げるまでもなく,細胞内の放射線被曝した場所は,生命制御も遺伝子制御もメチャクチャになることは容易に想像ができるでしょう。仮に,遺伝子そのもの=DNAそのものは破壊されていなくても,その遺伝子を制御するDNA周辺の,様々な生命の道具類が放射線の巨大エネルギーに蹴散らされてしまうことも,何なく理解できると思います。放射線被曝とは,そういうことなのです。放射線被曝とは,遺伝子の破壊のみならず,生物の生命秩序全体の破壊=細胞内の全生理メカニズムの崩壊をもたらす,巨大な破壊作用です。

 

 それでも生命は強い。自助修復作用というものがある,回復力もある。確かに,それはその通りですが,内部被曝は,それをも葬り去るかのごとく,何度も何度も,局所的に集中的に放射線照射を繰り返し,被曝による破壊活動を続けて行くのです。少し前に「一度だけなら許してあげる」という歌がありましたが,内部被曝は外部被曝や医療被曝のような(ガンマ線やX線による)「一過性」(一度だけ)のものではありえず,至近距離からの,アルファ線,ベータ線,ガンマ線の,繰り返しの「総攻撃」「猛攻撃」を受けてしまうということに,十分すぎるくらいの注意を払う必要があるのです。生物や人間は,内部被曝と共存しながらは,健康に生きることはできません。放射線被曝,とりわけ,恒常的な低線量内部被曝は,絶対に避けなければならない生命にとっての最大の「脅威」であると言っていでしょう。

 

(バカバカしい,自然放射能のカリウム40と放射性セシウムなどの人工放射能との比較の話は,もういたしません。カリウム40は,昔からある放射性物質で,たいして危険ではありませんが,人工放射能は人体を含む生物体内での挙動が詳細にはよく分かっておらず,カリウム40のように分子レベルにまで小さくなって全身に散らばるというようなこともなく,さまざまな放射性物質と団子状態になりながら,生物の体内を蝕んでいく危険性もある「未知の危険」物質です。原理的に危険極まりない(人工の)放射性物質が,生物や人間の体内でどう挙動するのかがよくわからないのですから,その量がたとえ微量とはいえ安全なわけがありません)

 

 こう考えれば,放射線被曝=恒常的な低線量内部被曝が,人間にガンや白血病だけでなく,ぶらぶら病をはじめとする(原因が必ずしもはっきりしない)様々な病気や健康障害をもたらし,かつ,それらが遺伝的にも伝播して,子々孫々にまで病弱で不健康な子どもが引き継がれ,また,苦しみや悲しみも引き継がれていくということは,容易に理解できるのではないでしょうか。必ずしも,見た目が「奇形」でなくても,被曝した人の子孫は,何らかの意味で(生理学的な)奇形である可能性があると言えましょう。遺伝子が遺伝されるのは当然としても,上記で申し上げたエピジェネティクス的な機能もまた,その一部は遺伝されていくのです。放射線被曝被害は,一世代では絶対に収束しないと考えておいていいでしょう。

 

(「ゲノム不安定性」(隔世遺伝的突然変異多発)や「バイスタンダー効果」と呼ばれているものが既に発見され,問題とされていますが,原子力ムラの人間達は「見て見ぬふり」をしております)

 

*ミニサテライト突然変異、バイスタンダー効果 西式甲田療法による介護 - 楽天ブログ

http://plaza.rakuten.co.jp/hukohitomi/diary/201203220006/

 

 そして,内部被曝に関しては,もう2つのことを「しか」とお伝えしておかなければなりません。一つは,内部被曝は政治的に原子力ムラ・放射線ムラの御用学者達によって矮小化され,過小評価され,無視され,政治的に抹殺されてきたこと,もう一つは,内部被曝の危険性の経験科学的・実証的な研究が,原子力ムラ・放射線ムラの御用人間達によって徹底してつぶされ,妨害され,排除され(予算や人員配置や研究設備や組織等),その結果として,内部被曝に関する政治的な情報管理と,一元的な危険度解釈の押し付けが行われてきた,ということです。「シーベルト」などいう,インチキ丸出しの被曝評価単位の概念がそうですし,今日に至っても,福島第1原発事故被害者の放射線被曝をさしたる懸念がないかの如くに報告する国際原子力マフィアの各種報告書などがその一例と言えるでしょう。

 

 みなさま,もう放射線被曝について,原子力ムラ・放射線ムラの住人達による根拠レスの嘘八百説明に惑わされるのは終わりにしましょう。彼らはもはや科学者でも何でもなくて,(似非)科学という「政治」を振り回すインチキおじさん達に他ならないのです。内部被曝を上記で申し上げましたように,エピジェネティクスをも含む細胞レベルで原理的に考え,その破壊力の大きさを心得ておけば,彼らのインチキを受入れる余地はなくなってしまうでしょう。放射線被曝被害の度合いについては,上記で申し上げたように,研究が邪魔をされて進んでおりませんから,科学的実証はこれからの話になります。しかし,そんなものをのんびりと待っている必要もありませんし,原子力ムラ・放射線ムラ支配の続く現代科学の世界で,そうした放射線被曝や内部被曝の危険性の定量的な研究や把握が,適切な形で,客観的な手続きを経て,そう簡単に出てくるとも思えません。

 

 従って,今ある多くの経験的な放射線被曝被害の報告と,上記の被曝の原理的理解を結び付け,それと相矛盾する原子力ムラ・放射線ムラ報告や勧告には「ノー」を突き付けて,彼らに対して[徹底した説明責任]を求めて行けばよいのです。その説明責任が果たされない限り,少なくとも恒常的な低線量内部被曝環境からは,一刻も早く脱出をする,という「経験則」を身につけておくべきでしょう。間違っても,愚かなマスごみの宣伝しているような,お粗末極まりない「放射線被曝安全論・安心論」に心を許したり,もたれかかったりしてはいけないのです。ましてや,原子力ムラ・放射線ムラの御用学者に,すがりついてはいけません。

 

 繰り返しになるかもしれませんが,自分の身は自分の身で守らなければなりません。原子力ムラ・放射線ムラは,皆さま一人一人の命と健康のことなど,歯牙にもかけてはおりませんし,愚かなマスごみは,この2つのムラの宣伝を「拡声器」で拡大して伝えているだけの話です。彼らに情緒的に騙されるということは,それはそのまま「緩慢な死」を,子々孫々の時代にまでわたって受入れるということを意味します。つまり,放射能によって殺されるということです。原子力ムラ・放射線ムラは,それによって原子力が推進でき,原発・核燃料施設や核兵器が引続き温存できれば,それで目的が達せられたことになり,何の憂いも残ることはありません。皆さまのことなど,彼らは「どうでもいい」と考えているのです。

 

 原子力と放射能・被曝の世界では,信じることは殺される,なのです。

 

*(参考)「いちろうちゃんのブログ」から

放射線被ばくの単位「シーベルト」はどのようにインチキなのか? いちろうちゃんのブログ

http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-55ba.html

早々

 

2013年11月19日 (火)

1/4の核燃料棒が破損しながら運転を続けていた福島第1原発1号機=どこまでずさんに,出鱈目に,そして「隠せ!」なのか

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

 別添PDFファイル3つは,昨今の原発・核燃料施設関連で,「おや?,なんだコレ!」と思ったものを若干拾ったものです。特に,(1)「(福島第1)1号機燃料 震災前破損 70体,全体の1/4(河北 2013.11.16)」には驚きました。今までずっと隠し続けてきたのですが,いよいよ,その危険な核燃料棒をプールから取り出さなければいけないということになって隠し続けられなくなり,しぶしぶ「実は・・・・・」と「泥を吐いた」ということなのでしょう。東京電力という,このどうしようもない会社は,「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」後も,その体質がちっとも変わってはいません。

 

 また,残りの3つも,東京電力並びに原子力「寄生」委員会・「寄生」庁という原子力ムラの寄生虫達の無責任さと,いい加減さと,出鱈目八百を象徴的に現しているような内容です。♪♪「でたらめつづくよ,どこまでも,野を越え山越え谷越えて・・・・」の原子力ムラ汽車ぽっぽの後に待っているのは「地獄の釜の蓋」=つまりは再びの超巨大スケールでの原発・核燃料施設過酷事故です。既に,大日本原子力帝国の最後の鐘が鳴り始めています。

 

 <別添PDFファイル>

(1)(福島第1)1号機燃料 震災前破損 70体,全体の1/4(河北 2013.11.16

(2)(福島第1)地下貯水槽 終了時期見えず(朝日 2013.11.7

(3)規制庁方針:六ヶ所使用済み燃料プール新規制基準,審査中も受入れ容認(河北 2013.11.7他)

(4)美浜の会HP http://www.jca.apc.org/mihama/

 

 <参考サイト>

(1)使用済み核燃料、取り出し作業の懸念点は?【福島第一原発・4号機】

http://www.huffingtonpost.jp/2013/11/17/fukushima-nuclear-plant-unit-4-spent-fuel_n_4292444.html

 

(2)【福島第1原発】4号機 燃料取り出し開始 廃炉「第2期」に (1-3ペー) - SankeiBiz(サンケイビズ)

 http://www.sankeibiz.jp/express/news/131119/exh1311190901000-n1.htm

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(1)(福島第1)1号機燃料 震災前破損 70体,全体の1/4(河北 2013.11.16

 http://www.kahoku.co.jp/news/2013/11/20131116t63022.htm

 http://blog.livedoor.jp/home_make-toaru/archives/7413469.html

 

(一部抜粋)

「福島第1原発1号機の使用済み燃料プール内にある燃料棒70体が東日本大震災前から損傷していたことが15日、分かった。プール内に保管されている使用済み燃料292体の4分の1に相当する。損傷した燃料棒を取り出す技術は確立しておらず、2017年にも始まる1号機の燃料取り出し計画や廃炉作業への影響が懸念される。

 東京電力は、15日まで事実関係を公表してこなかった。同社は「国への報告は随時してきた」と説明している。東電によると70体の燃料棒は、小さな穴が空いて放射性物質が漏れ出すなどトラブルが相次いだため、原子炉から取り出してプール内に別に保管していたという。」

 

(田中一郎コメント)

 驚いた,というよりは,あきれた。また,やってんだ,このアホタレ会社。核燃料に穴があいて放射性物質が冷却水に漏れ出しているのが分かっているのに,使用済み核燃料プールの移したら,後は知らぬ存ぜぬで今までやってきたということだ。そこから取り出すための技術は確立していないから,とりあえず”ほっとけ”ということで今日に至り,面倒なことは後回しで,そのうち忘れてしまったということか。今頃になって,地震でやられて危険になっている使用済み核燃料プールから核燃料棒を早く安全な所へ移せ,という段になって,ああ,そういえば,穴あき核燃料があったんです,なんて言い始める,何という無責任というか,危機感の乏しさというか,安全管理意識の低さというか,もう表現する形容詞もないくらいだ。

 

 核燃料に穴があいているのなら,原子炉内は放射能だらけになり,当然,それを冷やす一次冷却水系の配管や復水器類も放射能だらけになる。使用済み核燃料プールに移したところで,そのプールもその水も放射能だらけになる,ということを意味している。この「東京ずさん電力」こと東京電力は,自分達が危険極まりない放射能や原子力・核エネルギーを扱っているという自覚がないのではないか。ただただ,のほー,と会社に来ているだけの連中が,幹部クラスに多すぎるのではないか。会社が「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」を経ても,なお,変わらない。

 

 東京電力は,この1号機の核燃料の穴あきについて,次のように説明しているという。

「1号機は当社で最も古い原発で、燃料棒の製造時、品質管理に問題があり粗悪品が多かったと聞いている。2号機以降は燃料棒の改良が進み、品質は改善した」

 

「聞いている?」=他人事か? 誰か東京電力以外の何ものかが福島第1原発を運転しているのか? ぶっ飛ばしてやりたいね,こんなのは。その福島第1原発を,40年過ぎても引き続き運転したいと言っていたのは誰だったのかね? 核燃料の放射能漏れの穴を隠して,まだまだ安全,などと嘘八百こいでだ。

 

 それに「2号機以降は燃料棒の改良が進み、品質は改善した」などと言っているが,2号機プールにも3体,3号機プールにも4体,そして,今まさに取り出そうとしている4号機プールには3体の「穴あき=放射能垂れ流し核燃料」があるではないか。全体の1/4が危険な欠陥品だという事態が,数本の危険な欠陥品に縮小しただけで「品質改善」などと言えるのか。超低品質が低品質になっただけではないか。

 

 世の中一般で販売されている製品類の品質の厳しさを,お前ら東京電力は知らないのか。どの事業者も,みんな,品質管理や品質向上で必死に働いている。しかし,お前達東京電力は,原子力ムラに寄生して,地域独占に胡坐をかき,ふとどき千万の政治力を行使して好き勝手をやり,原発・核燃料施設の管理はいい加減の出鱈目八百,ツケは政府や自治体に回して,本来的な意味での「親方日の丸」事業を邁進してきた会社故に,品質ということについての厳しさがトンと理解できていない様子だ。ことは原発の安全中の安全=核燃料という「巨大時限核爆弾」に関する品質のことだ。こんな呑気で他人事のような説明で,許されると思っとるのか!!,

 

 怒ってばかりもおれないので,大事なことを列記しておきたい。こんな危険極まりない事態が表面化しても,原子力「寄生」委員会・「寄生」庁からは,何の声も聞こえてこない。こっちの「寄生虫」達も,あっちの「寄生虫」の東京電力と”どっこいどっこい”で,この大事な時に昭和天皇が得意だった「あっそう」を繰り返しているのだ。そもそも原子炉建屋の5階の「空中」に使用済み核燃料の水のプールがあり,その中に使用済み核燃料が「イモ洗い状態」でギューギュー詰めで入れられているという。そんな現在の全国の各原発の使用済み核燃料プールの状態が危険極まりない。それなのに,その核燃料棒に穴があいていて,しかもそれが全体の1/4も,なんて,とてもじゃないが,想像もしたくないではないか。

 

 <重要事項>

●この福島第1原発1号機の使用済み核燃料の「穴」は,ほんとうに東日本大震災前から開いていた穴なのか。地震で揺さぶられてあいたのではないのか。穴という穴,全部,ほんとうに震災前なのか? もしも地震の揺れによるものだとしたら,ただでは済まんよ。

 

●穴あき核燃料棒や損傷燃料棒を使用済み核燃料プールから取り出す技術を,どうして開発してこなかったのか。また,こうした危険な事態が起きていることを,どうして公表しなかったのか。東京電力は政府に報告をしていたと言うが,どこの誰に報告をし,その報告を受けた政府の部署は,何故,今の今まで黙っていたのか。1~4号機の使用済み核燃料プールからの核燃料取り出しの話は,今から1年以上も前より大問題となっていたのに,何故,今の今まで黙っていたのか。説明責任を果たせ。

 

●東京電力の他の2つの原発(福島第2原発,柏崎刈羽原発)ではどうなのか。直ちにその現状を発表せよ。

 

●更に,この核燃料穴あき問題は東京電力に限らず,広く日本全国の原発についても言えることだ。また,原発から大量の使用済み核燃料が運び込まれている六ヶ所村の巨大使用済み核燃料プールではどうなのか。ことは日本全国どこでも「穴だらけ」の可能性ありである。少なくとも,穴あき核燃料を安全に使用済み核燃料プールから取り出せる技術が確立するまでは,原発・核燃料施設の運転は停止させておくべきである。

 

●全国の原発・核燃料施設における使用済み核燃料プール対策はどうなっているのか。早く,大津波の被害にあわない土地へ「乾式貯蔵」の形で移さないと,安心して夜も眠れないではないか。どこの原発でも,地震にやられたら,今の福島第1原発4号機か,それ以上に悲惨なことになるのが分かっているのに,何にもしないのはどういうことだ。

 

●1~3号機の使用済み核燃料プールからの核燃料取り出しの時期が遅すぎる(最終が1,2号機で,終わるのが2018年末となっている)。遅くなるのは放射能汚染のせいだとマスごみは書いているが,説得力がない。何故,4号機と並行して,核燃料取り出しのための設備建設の準備を始めないのか。建屋にガタがきているのは4号機だけではないし,大地震・大津波は待ってくれない。もう一度,東日本大震災が福島沖か,福島県直下で起きたら,日本はもうおしまいだというのに,何をしているのだろうか。

 

(2)(福島第1)地下貯水槽 終了時期見えず(朝日 2013.11.7

 http://www.asahi.com/articles/TKY201311060797.html

 

 だから,こいつらに甘い顔をするのはいやなのだ。地下貯水槽は「使ったらあかん」のだ。尻漏れしていて,放射能が福島第1原発敷地内地下にじゃじゃ漏れになるから,もう使うな,ということになっている。台風のために一時しのぎで使わせてくれ,ということで使ったのなら,もう台風は行っちゃったのだから,さっさと汚染水を引き揚げろよ。

 

 行き場所がない? 東京電力の本社の地下へ,タンクローリーで持って行け。経済産業省や総理官邸の地下も使えるぞ。自民党本部もある。トリチウム水は,薄めて海へ捨てろと言っている奴らに飲ませてやれ。行き先など,あるではないか。(福島第2原発の施設や柏崎刈羽原発の施設はどうなのか)

 

(3)規制庁方針:六ヶ所使用済み燃料プール新規制基準,審査中も受入れ容認(河北 2013.11.7他)

(3-1)規制庁方針:六ヶ所使用済み燃料プール新規制基準,審査中も受入れ容認(河北 2013.11.7

 ネット上に記事が見当たらないので,手書きで簡単に記事内容をご紹介する。

 

(記事の一部抜粋)

「原子力規制委員会は6日,核燃料サイクル施設の新規制基準の適用方針を決めた。青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理施設のうち,既に稼働中の燃料貯蔵プールについては,新基準施行後,最初の定期検査の合格を新基準の最終的な適合要件とする。新基準による審査中も使用済み燃料の受け入れは可能とした。」

 

「同村で操業中のウラン濃縮施設と高レベル放射性廃棄物貯蔵管理施設も同様に扱い,審査中の濃縮やガラス固化体の受入れを認めた」

 

(3-2)燃料貯蔵プールの(新規制基準の)適用を5年間猶予(毎日新聞 2013.11.7

 http://mainichi.jp/shimen/news/20131107ddm008020075000c.html

 

(記事抜粋)

「原子力規制委員会は6日、日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)のうち、燃料貯蔵プール(容量3000トン)については、新しい規制基準(12月18日までに施行)の適用を今後5年間猶予することを決めた。規制基準は、核燃料サイクル施設に初めて過酷事故対策などを法的に義務付けている。規制委は、再処理工場貯蔵プールや、ウラン燃料加工施設の一部作業については「5年猶予しても安全上問題ない」と判断。核燃料のせん断・溶解作業などリスクを伴う工程については基準を即適用する。新基準の適用が猶予されたことで、今年度中に四国電力伊方原発(愛媛県)の使用済み核燃料を14体(重量6トン)受け入れる計画は施行後も予定通り実施される見通し。」

 

(田中一郎コメント)

 これまた,呆れる話である。関西電力大飯原発で,原発規制を放棄し,事実上の無審査と危険要因無視で再稼働を容認していたかと思いきや,今度は原発よりもはるかに危険で汚い再処理関連施設で似たようなことをやり始めている。審査する前から「使っててもいいですよ」と言い,新基準で厳しくチェックするかと思いきや「5年後でいいですよ(どうせ,その頃には私たち原子力「寄生」委員はいませんから,勝手にやっててくださーい」だそうである。

 

 原子力に「寄生」する「ほら吹き寄生虫」が,原発・核燃料施設なんぞを規制できるわけがない典型的な事例である。繰り返すが,核燃料サイクル施設は,原発よりもはるかに危険ではるかに汚い施設である。その施設に対して,この「寄生虫」らがやることは「原発よりもはるかにやさしい,ハードルの低い,いい加減な規制」である。

 

 その心は,近未来の大破局事故である。再処理工場内の使用済み核燃料プールは,建設途中で「手抜き工事」が2度にわたって発覚した,いわくつきの施設である。危険極まりない高レベル放射性廃棄物貯蔵管理施設や高レベル放射性廃液貯蔵プールも,同様に「手抜き」があっても何の不思議もない。それを「手抜き」審査で使わせよう,というのだから,発狂しているか,あまりに核燃料サイクル施設の危険性を理解していないかのいずれかだ。「手抜き」王国の核燃料サイクルとともに歩む放射能豊かな「地獄」への片道切符が我々一般国民に手渡されようとしている。

 

皆さま,日本脱出のご用意をなさいませ。まもなく「ドカーン」と来ますから。

 

(4)関西電力と原子力「寄生」委員会を批判する美浜の会

(4-1)炉心溶融を前提にした危険な再稼働審査,海への放射能放出の拡散防止は「土のう」

 http://www.jca.apc.org/mihama/News/news125/news125meltdown.pdf

 

(一部抜粋)

「原子力規制委員会は、福島第一原発の汚染水漏えい・流出対策はそっちのけで、再稼働審査を猛スピードで進めている。電力会社の申請と審査の実態から見えてくるのは、「炉心溶融を起こさない」ための審査ではなく、炉心溶融を前提とした危険極まりない再稼働の準備だ。新基準の枠組み、電力会社の申請内容、審査の実態等からこれらが浮かび上がってくる」

 

(4-2)関電の地震動評価はあまりにも過小評価

 http://www.jca.apc.org/mihama/ooi/nsr_yosei20131108.pdf

 

(一部抜粋)

「1.関西電力に対し、少なくとも津波評価の場合と同様に、「武村の式」で地震動評価のやり直しを求めること。再稼働申請にあたって関西電力は、地震の規模を示す地震モーメントMo について、津波評価の場合は「武村の式」を使用し、地震動評価の場合には「入倉の式」を用いており、二重基準となっている。 「武村の式」で評価すれば、地震モーメントMo は4.7倍にもなる。

2.そうすれば、耐震安全性が成り立たないことは明かであり、原発は再稼働できないと早期に表明すること。」

 

(田中一郎コメント)

 「土のう」で放射能の拡散防止をするのですか。多重防護だから,三重「土のう」体制でもとるのですかね。今から関西電力の役職員で,会長・社長・専務・常務以下,1千万個の土のうづくりに邁進でもしていただきますか。まるで,本土決戦時の日本帝国陸軍さながらですな。あほ~~。

 

 それと,地震・津波の評価式が二つあれば,厳しい方・被害を大きく見る方を使うのは「当たり前」の話。小さい方を使って「安全だ」なんて,何言ってんだよ,このドアホ。この「関西のらくら電力」もまた,東京電力と同じでロクでもない会社なのよね。ちっとも反省してないね。これも法的破綻処理が妥当だ。が,しかし,です。ここでも原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は,「ほら吹き悪魔」同然で,機能してまへん。

早々

 

2013年11月18日 (月)

被曝限度20ミリシーベルト(/年)なんて,とんでもない(2)

 「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」から約2年8カ月が経過しましたが,政府・環境省が主導して行ってきた除染が思うように効果を発揮せず,放射能汚染地域の空間線量が高いまま時間だけが過ぎていき,最も肝心な被害者・住民の生活や家業・仕事の再建・再生は棚上げにされたままになっています。

 できもしない除染を,多くの有識者からの批判に馬耳東風のまま,巨額の国費を投じて行ってきた政府も,いよいよ高まる被害者住民や有権者・国民の不満・憤りに耳を傾けなければならなくなっております。少し前には,自民党の茂木敏充経済産業相が「帰還一辺倒ではない対策を検討しなければならない」と漏らし,更には,自民党の東日本大震災復興加速化本部(大島理森本部長)が、公明党とともに「原子力事故災害からの復興加速化に向けて~全ては被災者と被災地の再生のために~」をまとめ,その中で,極めて限定された形ではあるけれども,帰還一辺倒ではない被害者救済の道も検討が必要との主旨の提言をしています。ここにきて政府や自民党政治家の中にも「風向き」が変わり始めた動きが見られるようになりました。

 しかし,です。原子力ムラの住民や,そこに「寄生」して甘い汁を吸い続ける原子力寄生虫達にとっては,この事態は穏やかではありません。万が一,これまでの「被曝もみ消し・矮小化=住民の経済的強制帰還」方針が揺らぐことがあれば,これからの原子力推進と似非科学の維持に容易ならざる危機が表面化してくるからです。

 そこで彼らがやり始めたことは,国際原子力マフィアを担ぎ出し,国際的な「権威」を使っての放射線被曝の徹底した矮小化と過小評価です。ご存じの通り,あの悪魔の被曝線量限度値=年間20ミリシーベルトを,これまでの1ミリシーベルトに代えて,これからは日常的に使って行こう,それを下回るレベルであれば地域住民の被曝被害は容認しよう(そして,愚かなマスコミを使って,これを「安全値」として宣伝させよう:自分達はそれに近いようなニュアンスの言葉を繰り返しはするが,「安全」とは言わない=マスコミとしっかり役割分担をして,自分達や国際原子力マフィアの(似非)科学「権威」は,これからもしっかり保って行く),住民対策は,この年間20ミリシーベルトを軸にやって行こう,という方針が,原子力「寄生」委員会でオーソライズされようとしているのです。根拠とされるのは,またもや国際放射線防護委員会(ICRP)の(似非)勧告と,国際原子力機関(IAEA)の放射線被曝の危険性に関する出鱈目な政治的発言です。

 彼らはともに「年間20ミリシーベルトの被曝限度は合理性がある」と言い,20ミリシーベルトまでの住民被曝を合理化・追認しています。「緊急被曝状況」だの,「現存被曝状況」だの,といった言葉まで「発明」して,そのもっともらしさを粉飾しているのです。そこでは,住民対策は彼らの言う「ALARA」原則でやるべきで,効果が出ない除染や,金のかかりすぎる避難・移住・疎開などはさせなくていい,年間20ミリシーベルト以下なら人間は耐えられる,そう言い放つのです。そして,汚染を引き起こしたものの責任など,歯牙にもかけることはありません。

 「ALARA原則」とは,別名「ありゃりゃ原則」あるいは「あらまあ原則」とも言い,アズ・ロウ・アズ・リーゾナブリー・アチーバブル=合理的に達成可能な限りでより低く,という意味です。この「ALARA原則」の根本的問題は,いったい誰のための「合理性」であり,その「合理性」を誰が判断して決めるのかという点です。もちろん,そこに込められている意味は,「合理的」とは原子力推進にとって合理的であり,「達成可能」とは原子力ムラが容認できるお金=費用負担の範囲内で,ということであり,要するに,原発・核燃料施設の過酷事故に伴う被害者の救済は,ほどほどにやっとけばそれでいい,放射線被曝の危険性は原子力の推進に支障が出ない範囲内で,ある程度認めておけばいい,ということを意味しているのです。

 さて,前置き説明はこれくらいにして,さっそく今般報道された別添PDFファイルの4つの東京新聞記事を具体的に見てみることにいたしましょう。

*帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チーム|会議|原子力規制委員会

http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/kikan_kentou/


 <別添PDFファイル:一部添付できませんでした>
(1)住民帰還,個人被曝量で判断を:規制委提言案(東京 2013.11.12
(2)規制委「個人被曝線量」採用へ,除染進まず,基準すり替え(東京 2013.11.13
(3)福島原発慰謝料「1年打切」波紋,避難指示区域解除ありき(東京 2013.11.12
(4)第13回「福島県民健康管理調査」結果:甲状腺ガン(東京 2013.11.13

(1)住民帰還,個人被曝量で判断を:規制委提言案(東京 2013.11.12
http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2013111202000158.html

(一部引用)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 原発事故で避難している住民らの帰還について議論してきた原子力規制委員会の検討チームは十一日、空間線量から年間被曝線量を推定する現在のやり方を改め、個人ごとに被曝線量を実測し、帰還の是非などの目安にしてもらうことで大筋合意した。文面を修正して規制委が了承すれば、政府に提言する。(中略)

 帰還に向けての被曝線量の目安は、現在の考え方を維持。年間被曝線量は二〇ミリシーベルトを下回ることを最低条件とし、長期的には年間一ミリシーベルト以下に抑えることを目標とする。
・・・・・・・・・・(引用終わり)

 更に,この記事には「原子力規制委が求めた当面の対応策」として,次のようなことが書かれています。
個人の被曝線量を実測して帰還のめやすに
被曝線量や空間線量の細かい分布図をつくる
住民が気軽に相談できる人を身近に配置
生活パターンに応じて放射線の防ぎ方をアドバイス
線量計の使い方や測定結果を分かりやすく説明
自家栽培作物の放射能濃度を簡易測定

 上記の記事から一目でわかることは,住民には避難・移住・疎開などはさせなくていい,念頭に置かなくていい,と原子力「寄生」委員会の人間達が考えているということです。そのためには,除染では下がらない空間線量の問題をクリアーするために,欠陥だらけの個人線量計で個人ごとに被曝量を実態よりもはるかに低い数値で把握させ安心させる,その上で,被曝限度を年間20ミリシーベルトという猛烈な数字にまで引き上げて,一人としてこの限度を超えることがないように「配慮した」上で,本来の「我慢の限界」と法律で決めていた年間1ミリシーベルトを「長期的目標」として「棚上げ」=事実上の廃止にしてしまうということです。

 印の横に並んでいる具体的な対応策にしても,今頃何だ,というようなものばかりです。加えて「住民が気軽に相談できる人を身近に配置」などは,全くのマユツバもので,先般の私のメールで申し上げましたように,被曝医療体制が原子力「寄生」委員会の指導の下で,文部科学省を頂点とする原子力権力によってヒエラルキー的に再編・統制されていきますから,かような「住民相談コーナー」などは,「あなたの被曝はたいしたことはない,気にする方が体に悪い」と言わせるための,原子力翼賛・似非相談コーナーになるのが目に見えています。

 除染ができないのだから,あるいは,除染をするにしても,まずは地域住民を避難・移住・疎開させ,無用の被曝を回避させた上で,別の土地で万全の賠償・補償と充分な生活再建や家業・仕事の再生への支援を行えばいいことです。それがまた,何の罪もない多くの住民を悲惨な目に追い込んだ原発事故=放射能環境大量放出事件を引き起こした加害者側・責任者側の国や東京電力の当然の責務というものです。しかし,それが,この国では,こうして原子力ムラ一族がのさばることにより,いつまでたっても実現する様子がないのです。

 そして大事なことは,歴史的にも,真の意味での有権者・国民や地域住民のための政治や行政をしてこなかった自民党政治家達や霞が関官僚達が(特に財務省),原発事故の後始末への国費の支出を強く嫌っていて,多くの被害者住民を切り捨ててでも国費の支出を抑え込みたいという思惑が,この原子力ムラの原子力推進のための被曝矮小化と陰に陽に結びついていることを指摘しておかなくてはなりません。まさに「悪魔の癒着」連合に他ならないのです。

 しかし,他方では,政府・環境省が主導で進める除染事業について,先般の「原発事故被害者の救済を求める国会請願行動集会」(1112日)での会場からの発言で,次のようなことが報告されています。

「福島県川俣町の1,200戸のある集落では,1千数百億円もの費用をかけて除染事業が進められている。しかし,この費用金額は,一戸あたりにすれば1億円を超える巨額なもの。これだけの金額があれば,効果の疑わしい除染よりも,何故,集落住民の避難・移住・疎開に使わないのだろうか。復興資金の使い方が歪んでいる」

 ご承知の通り,政府の除染事業は,これまで原子力関連の仕事で儲けてきたゼネコンや原子力ムラ所属の政府外郭団体等が元請けとなって進められている「巨大利権丸出し大事業」です。つまり,この原子力利権事業としての除染には財政資金を躊躇なく投入するけれども,被害者住民の被曝回避や生活再建のためには,ビタ一文出したくない,という日本政府の「断固たる姿勢」が透けて見えているのです。原子力ムラ采配の原子力の世界は,3.11「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」後においても,その後始末までを含め,微動だにしていないようです。


(2)規制委「個人被曝線量」採用へ,除染進まず,基準すり替え(東京 2013.11.13
  http://ameblo.jp/takumiuna/entry-11689386298.html

 この記事は必読の非常にいい記事です。文章に沿ってコメントしていきます。

「「除染が思うように進まないから、見掛け上の線量を下げようとしているのではないか」 規制委の新方針について、内部被曝に詳しい琉球大の矢ケ崎克馬名誉教授は
こう批判した。 「空間線量のモニターはあらゆる方向からの放射線を拾うが、個人線量計は首からかけると背後から被曝した放射線は減衰する。結果として、線量は低く出る・・・・・・」」
 
(田中一郎)個人線量計の意味やその使い方などについて,住民に十分で正確・適切な説明がなされないため,置き忘れや意図的な線量計外しなどが多く発生し,個人線量計が個人の被曝量を表すことにならないことは,既に福島県内の複数の市町村で経験済みです。加えて,計測されるのは,せいぜい外部被曝の一部だけであって,重要な呼吸被曝や飲食からの内部被曝などは計測することができません。ガンマ線被曝のみが一部捕捉されるだけで,ベータ線やアルファ線による被曝は「なかったこと」にされるのです。

「空間線量は「1日のうち、8時間を線量の高い屋外で、16時間を低い屋内で過ごす」という前提条件での推定値」
 
(田中一郎)亡くなった島倉千代子さんではありませんが,人生いろいろ・生き方いろいろです。「野外8時間,残りが屋内」などという仮定は無用です。24時間野外として線量推定すべきです。不特定多数の一般人に対する規制値のことですから,ワースト・シナリオで最大限の値を想定しておけばいいのです。こんな仮定は,被曝を小さく見せようとする小細工にすぎません。

「モニタリングポストの設置方法が悪く、汚染実態が反映されていない。現地調査をしてみると、実際の被曝線量は平均してモニタリングポストの値の2倍だった。このうえ、個人線量計を採用することはトリックにトリックを重ねることになる」
 
(田中一郎)「利益相反」の関係にある文部科学省や自治体設置のモニタリングポストなどは,とうの昔に信頼性を喪失し「こんなものいらない」の代表格となっています。およそ公的機関が線量や被曝を小さく見せるためにモニターを細工するなど「もっての他」の話であって,何ゆえに今も,のうのうと,このモニタリングポストの設置責任者が責任を問われることもなく公務員であり続けられるのか理解できません。

 電力会社や政府や自治体設置のモニターなど信用してはダメです。その代替として,天然キノコの汚染数値の方がよほど信頼できます。がしかし,この線量・被曝モニターのインチキは,何もモニタリングポストに限らず,個人線量計だって十分にあり得る話で,内蔵されている被曝線量のシーベルト表示のアルゴリズムを,ちょこちょこ,といじられれば,直ちに「過小線量計」となってしまいます。ご用心ください。

(注:文部科学省や自治体設置のモニター施設は,将来,放射線被曝の被害が出て住民と行政側・東電側との訴訟となった場合に,当時の空間線量の「証拠」とされる危険性があります。言い換えれば,被害者住民を裁判でねじ伏せるための「過小線量モニター」として機能するのです。こんなものは早めに撤去し,住民が自分たち自身で,良心的良識的な科学者のアドバイスで設置するモニター設備に切り替えて行った方がいいと思われます)

「先月、国際原子力機関(IAEA)の調査団が来日。除染に時間がかかるなら「1~20ミリシーベルトの範囲で目標を決めるべきだ」とする国際放射線防護委員会(ICRP)の見解を明らかにし、規制委はそれを追認しようとしている」
 
(田中一郎)みなさま,みんなで「馬鹿ぬかせー」と声をかけてやりましょう。そして,この原子力ムラ「すそ払い」役の原子力「寄生」委員会・「寄生」庁に対しては,お前達の全ての業務室内を含む日常環境,並びに委員・職員家族の生活環境を年間20ミリシーベルト環境に置いた上で,数十年間,そこで生活実験を行ってから再び検討し直せと言ってやりましょう。さっそく福島県から汚染土や焼却灰を彼らの六本木の事務所に運び入れ,床や廊下一面に敷きつめて差し上げようではありませんか。

「ICRPは1ミリシーベルトを『望ましくないが社会的に耐えられる線量限度』。要は『何がしかの健康被害はあるが、放射線の利用は利点もあるからそこまでは我慢しよう』という意味で、健康に影響がないということではない」
 
(田中一郎)年間1ミリシーベルトという被曝限度値は,私は科学的・実証的な根拠のない「充分に危険な高線量」であると考えています。「何がしかの健康被害」どころではなく,本人の耐えがたい様々な健康被害と,更には遺伝的障害を伴うものであろうと推測しています。そもそも何故に,電力会社の出鱈目八百の管理の結果生じた原発過酷事故の放射能や被曝を,我々一般人が「我慢」しなければならないのでしょう? 電力など,原子力でなくても,いくらでも作れます。勝手に「我慢」を我々一般人に押し付けるなと申し上げたい。いずれにせよ,年間1ミリシーベルトなどという危険で高い被曝線量数値を「我慢限度値」にすべき科学的・実証的な根拠など存在いたしません。恒常的な低線量被曝環境下に長くいることは危険です。

(年間1ミリシーベルトという(追加的)被曝限度値は,航空機旅行や医療被曝などによって,あっという間にオーバーしてしまいます。原発事故に対して用意する「我慢用被曝線量」など,0.000000000000001ミリシーベルトでさえもありません)

「実際、国立がん研究センターのデータは「1ミリシーベルトの被曝で10万人当たり5人に致命的発がんがある」としている。」
 
(田中一郎)今までにも何度も申し上げてきましたが,「1ミリシーベルトの被曝で10万人当たり5人に致命的発がんがある」などというのは根拠がないどころか嘘八百です。おそらくは根拠にされているであろう広島・長崎の被曝者の数値は,データが操作され,内部被曝が無視され,戦後一貫して「過小評価」「歪曲」「矮小化」されてきました。また,放射線被曝の被害はガン・白血病だけではなく,様々な健康障害や病気を引き起こす他に,子々孫々にまでわたって遺伝的障害をも引き起こすのです。原子力ムラの統制下にある「国立がん研究センター」の分析結果など,信用できるものではありません。

20ミリシーベルトは本来は『原発労働者など直接、利益を受ける個人状況』に適用する数値」
 
(田中一郎)原発・核燃料施設の労働者や研究者でさえ,年間20ミリシーベルトもの被曝をする人は例外的にしかいません。たいていが年間1~5ミリシーベルトくらいのところでとどまっています。にもかかわらず,原子力「寄生」委員会は,年間20ミリシーベルトを,妊婦・幼児・子供を含む一般の人達に「我慢してもらえ」などと平然と言うのです。まさに「悪魔が来りてホラを吹く」のです。

(結論)原子力に「寄生」しているものは,原子力を「規制」することはできません。まさに原子力規制委員会とは原子力「寄生」委員会であり,同時に,被害者住民「規制」委員会なのです。住民を「規制」して,帰還以外の避難・移住・疎開はダメだと言い,賠償・補償を絞りあげて避難・移住・疎開ができないように住民を汚染地域に縛り付け,その上で個人線量計を持たせて被曝線量を大きく矮小化した上で,「被曝量はたいしたことがない,被曝による健康被害・遺伝的障害は我慢しろ,というわけです。やっていること,やろうとしていることが,まるで「あべこべ」(安倍媚び)です。

(3)福島原発慰謝料「1年打切」波紋,避難指示区域解除ありき(東京 2013.11.12
  http://p.twipple.jp/iawun

 関連の重要記事です。福島県田村市都路(みやこじ)地区の様子が書かれています。国や自治体がやった除染では,結局,線量が下がりきらず,今でも危険水準に高止まりしたままの同地区ですが,しかし,原子力ムラ代理店政府に取り込まれてしまった田村市役所は,今般の年間20ミリシーベルトの新被曝限度値の提言を「歓迎」しながら,避難指示区域の解除に踏み切ろうとしています。そして,それと平仄を合わせるかの如く,あの悪名高き原子力損害賠償紛争審査会は「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」による慰謝料の支払いを「1年で打ち切ってよろしい」などと,信じがたい指針を打ち出しているのです。
 
 支払いの対象をごく狭い地域に限定した月々十万円という慰謝料の金額そのものが不当極まりないのですが(この慰謝料の在り方を決めたのも原子力損害賠償紛争審査会です),更に「今の放射線量では,自宅に子どもを連れて帰れない。まだ仕事も見つからない。慰謝料がなくなったら,どうやって生活すればいいのか」との,住民の悲痛な悲鳴をよそに,避難指示が解除されれば,並行して慰謝料も打ち切ってよろしい,などという「指針」が出されているわけです。このままでは被害者住民は殺されてしまいます。日本という国は,国を挙げて,かような許し難い巨大なスケールでの人権侵害と被害者もみ消し・損害賠償踏み倒しを行おうとしているのです。

 記事にある写真に写る3人の子どもを見ていたら,涙が滲みでてきました。許せない,本当に許せない,と思います。おい日本政府,おい福島県庁,そして田村市役所,お前達はいったい何をしているのか!! です。

(4)第13回「福島県民健康管理調査」結果:甲状腺ガン(東京 2013.11.13
 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013111201002048.html

 最後に,1112日の「福島県民健康管理調査」の甲状腺ガン検査結果の記事を添付しておきます。住民を避難させない政策の結果の一つがこれです。今回,悪性ガンの疑い(過去の経験的な実証データから判断して,この疑いのある人のほぼ9割が悪性ガンと思われます)のある人は,前回の43人から(前々回の27人から),今回58人になりました。これでもまだ,全ての子どもたちの検査が終わったわけではありませんし,更には,福島県の18歳超の一般人や,福島県以外の子ども達及び一般人については,調査・検査さえなされておりません。

 しかし,国及び福島県及び「福島県民健康管理調査検討委員会」は,この「福島県民健康管理調査」の歪んだ現状を,委員会メンバーが交代した前回以降も,一向に改革・改善しようとはしておりません。「被曝を回避」するのではなく,「避難を回避」する政策と平仄を合わせ,検査・調査の拡大・拡充を拒否しながら,子ども甲状腺ガンの多発に対して,今持って「現時点で、甲状腺がんが原発事故の影響で明らかに増えているわけではないと理解している」と述べ,すっとぼけを続けています。

 このままでは,おそらく福島県内外での子どもの甲状腺ガンの発生は100件を超えてくるのではないかと懸念されます(なお,第13回「福島県民健康管理調査検討委員会」の結果については別途レポートしてご報告の予定です)。遅れたけれども,子どもの甲状腺ガン多発に対して手を打ってきたチェルノブイリ原発事故後の旧ソ連諸国に比較して,この日本の対応のあまりのひどさが目に余ります。何とかしなければならないと思います。 


*第13回「福島県民健康管理調査」:子ども甲状腺ガン検査結果
 http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/251112siryou2.pdf

以 上

2013年11月17日 (日)

被曝限度20ミリシーベルト (/年) なんて,とんでもない(1)

前略,田中一郎です。

別添PDFファイルは,西尾正道元(独)国立病院機構北海道がんセンター院長,並びに医学博士の松崎道幸先生よりいただいた講演会レジメ,並びに論文です。

 

原子力「寄生」委員会は,このほど「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」による汚染地域での一般人の被曝限度を20ミリシーベルトに引き上げ,これまでの法定限度であった1ミリシーベルトを「長期目標」などとして棚上げにして,多くの地域住民に大量被ばくの押し付けを行おうとしております。

 

別添PDFファイルは,国際放射線防護委員会(ICRP)が勧告し,原子力「寄生」委員会が提唱する「被曝限度20ミリシーベルト」が,いかに危険なものであるかを示す,いくつかの重要な事例資料です。

 

しかも,今般の原子力「寄生」委員会による「被曝限度20ミリシーベルト」は,内部被曝=特に呼吸被曝をカウントせず,かつ,個人線量計による個人被曝量の計測という,もう一つの被ばく過小評価の押し付けまでがセットされており,とんでもない被曝実態隠しと,放射能の危険性無視の暴挙といえるでしょう。(また,福島県外のホット・スポット地域をはじめ,広く東日本の汚染地帯に住んでおられる多くの方々についてはどうなるのでしょう? 空間線量を指標にしなければ,どうしようもないのではありませんか)

 

個人線量計の利用などは,限定された人数で,限定された期間や場所で,ユーザーに対しての徹底した利用方法や効果の説明の後に,参考データとして活用するならば,分からない話ではありませんが,およそ広範囲の地域の何万人以上もの人々が,かような方法で放射線被曝や線量限度管理などできるはずもありません。そもそも,除染が効果がないから,今度は個人線量管理で,被曝量の表面上の数値を引き下げようという,その態度そのものが根本的に歪み切っております。

 

原発事故被害者の方々を,できもしない除染で翻弄しつつ除染事業利権の甘い汁を吸い,他方で賠償・補償や生活・仕事の再建にはまともに尽力もせず,避難・移住・疎開の希望は無視して,避難者の汚染地域への帰還一辺倒の政策を展開しては,中身のない「安全・安心キャンペーン」を繰り返してきた日本の政府ですが,今度は,原子力「寄生」委員会や国際原子力マフィアまで駆り出して,放射線被曝による健康被害の危険性の中へ,その原発事故被害者の方々を放り込もうとする,ろくでもない政策を始めようとしています。

 

20ミリシーベルトなど,とんでもない話です。原発労働者や核施設で働く研究者でさえ,それほどの大量被ばくをする人は,例外的にしかいないのが現状です。その被曝数値を,妊婦や子どもや若者を含む一般の人々に適用して,それで大した心配はいりません,などと,とぼけようとしているのが今回の原子力「寄生」委員会他,原子力ムラ集団の動きです。騙されてはなりません。騙されることは,放射線被曝による「緩慢な死」を受け入れることになります。( しかも,自分自身の「死」のみならず,放射線被曝による遺伝的障害を通じて,子子孫孫に至るまでの「死」をも受け入れることになります)

 

3.11「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」直後に,多くの方々の抗議と努力で「被曝限度20ミリシーベルト」を持ちだしてきた文部科学省を問い詰め,やっとそれを放棄させたかと思いきや,事故後2年半たって,ふたたびゾンビのごとく,地獄の底から「被曝限度20ミリシーベルト」がよみがえってまいりました。今度は,原子力ムラの「ホラ吹き悪魔」の田中俊一が,トリチウム汚染水を海へ捨ててしまえなどとわめきながら,「20ミリシーベルト」を高く掲げております。

 

原子力ムラとの「最終戦争」は続きます。彼らを葬り去るか,我々が殺されるか,その二者択一です,妥協などありえないことは,この「被曝限度20ミリシーベルト」の「地獄からの復活」が赤裸々に示しております。

 

被曝限度20ミリシーベルトなんて,とんでもない。

個人線量計による被曝管理なんてとんでもない。

(別添PDFファイル)

●西尾正道先生(1)「20msv_toxic_1.pdf」をダウンロード

●西尾正道先生(2)「20msv_toxic_2.pdf」をダウンロード

●西尾正道先生(3)「mamarevo_info.pdf」をダウンロード

●松崎道幸先生(1)「10msv_toxic.pdf」をダウンロード

(ブログアップの際のデータ量の制限のため,カラーにはできませんでした。お詫び申し上げます)

早々

 

2013年11月16日 (土)

生徒の「心」を評価対象に(「道徳」を教科へ格上案)=不道徳な人間達による「道徳」教科論が「頂点同調主義」の「翼賛・協賛人間」を大量生産する

前略,田中一郎です。

 

20131112日の朝日新聞朝刊が,「生徒の"心”,評価対象,道徳,教科に格上げ案」と題して,現在,文部科学省の「道徳教育の充実に関する懇談会」(座長:鳥居泰彦・慶応義塾学事顧問)が,小中学校の道徳を教科に格上げする報告書をまとめたことを報道いたしました。

 

記事によれば,その主な内容な次のようなことであると箇条書きにされています。

(1)道徳の時間を「特別の教科」(仮称)に格上げ

(2)検定教科書の導入

(3)数値評価は不適切だが,評価は重要,記述式など検討

(4)子どもの実態をよく知る学級担任が指導

(5)教員養成課程で履修単位数の増加を検討

(6)学習指導要領で示す道徳の内容の見直し

 

*朝日新聞(2013.11.12)「生徒の"心”,評価対象,度徳,教科に格上げ案」

 http://www.asahi.com/articles/TKY201311110491.html

 

何をうぬぼれているのでしょうね,この懇談会の委員達は。あなた達のような「不道徳」な人間が「道徳」を語る資格があるのですか? まして,道徳「教育」など,論外ではないでしょうか? 子どもたちに「道徳」云々の,クソ説教を垂れる前に,この懇談会を設定した文部科学省や,その上に君臨している政府・安倍晋三政権の「不道徳」こそを,まず,この審議会で問題にしたらどうなのですか。

 

あなたたち政府に関わる大人たちが,如何に「不道徳」なのか,それこそを具体的な「道徳教育」の生素材として子どもたちに紹介をし,「みなさん,あんな大人になっていはいけませんよ,そして,もっと大事なことは,大人になったら選挙権というのが与えられますから,その選挙の時には,あのような「不道徳」な大人を国会議員には選んではいけませんし,また,そんな大人のつくる審議会なんて,相手にしてはいけません」とでも教えるのが「道徳教育」なのではないのですか?

 

記事を読み進めますと,

本田由紀東京大学教授(教育社会学)「記述式とはいえ,多様性の尊重や子どもの内面の自由を損なうことになる。何が良い生き方かを政府が決め,教師が子どもを裁くことになれば,憲法19条の思想・良心の自由にも抵触するのではないか」

 

内藤朝雄明治大学准教授(社会学)「皆との同調が強く求められる環境の改善なくして,いじめはなくならないだろう。むしろ,子どもの内面の善悪の評価をすることによって,「悪い」とされた子どものいじめが正当化されることにもなる」

 

の2つの有識者コメントが記載されていました。まことにもっともなコメントでしょう。

 

国家権力は,教育内容に干渉してはいけない。教育の内容は,現場の教員が責任をもって,その切磋琢磨に努め,子どもの人格や個性の尊重の上に,多様な考え方や見方を教え,自分で物事を適切に判断していける「方法論」的な姿勢を教えていくことが教育の本来のあり方のはずです。子どもたちの豊かな大人への成長こそが主眼であって,国家権力が是とする道徳思想を肯定する人間作りが教育の目的ではありません。そして,そうした教育の社会的に期待される帰結をあえて申し上げれば,日本の平和や民主主義,あるいはすぐれた科学や技術,あるいは豊かで幅広い多様な文化や芸実などを,これからも発展させていける多くの人材が育つことにあるのではないのでしょうか。

 

ましてや,国家権力が,子ども達とはいえ,「心の中」にまで,土足で入ることは絶対に許されません。時折,自民党や民主党,あるいは維新の会などの,うぬぼれ・俗悪政治家の中に「子どもに道徳を教えなくてどうするのか」などとわめきつつ,その教える道徳は「これこれだ」と,全く内容お粗末きわまりないことを頭に思い浮かべながら豪語しているヤカラに出くわします。そんなときは,この野郎を掃除機で吸い取ってやろうかと思うこともあります。権力は常に控え目でなければなりませんし,権力は腐敗しますから,多くの人々より常に批判され続け,かつ相対的なスタンスでいなければなりません。それが「必要悪」としての権力のあり方です。教育や道徳はもちろんのこと,有権者・国民や子ども達の「心」の中に入ることはできません。「心」は権力に対しては,常に立ち入り禁止なのです。

 

国家権力が出る幕があるとすれば,そうした「現場教育」のよりよい発展のために,さまざまな施設や資材を提供したり,教員の教育実践活動に役に立つノウハウや知識などを提供することに限定されるべきでしょう。現下の日本の教育・とりわけ文部科学省(及び,それに迎合している一部のできそこない教育委員会)が主導している教育は,偏りまくっている「学習指導要領」を「法律」で=国家権力で現場教員に押し付けるのみならず,国旗国歌の強制や愛国心の押し付け,教科書の押し付け,さまざまな文書報告の大量生産などなど,生徒の人間的成長を柱に置く本来の教育の在り方から大きくずっこけていて,もはや「教育」とは言えない=国家権力による「洗脳」「協賛押し付け」「安もの国家主義大売り出し」「アナグロニズム」「異物排除」のグロテスクで無責任な「インプリンティング・フィールド」に堕しているのではないでしょうか。(「愛国心」の押し付けほど,バカバカしいことはありません。「愛」は「押し付け」れば,生まれてくるのですか?)

 

私は,若い頃から,「画一性」や「権威」,あるいは「押し付け」というものに対して嫌悪感がありました。とりわけ身近に存在していた学校や教員の「権威」とか「規則・規制」などというものには,虫唾が走るほどの抵抗感があります。何故なら,学校も,またほとんどの教員たちも,そのやっていることは出鱈目八百で,我々(当時の私)生徒や学生に対して「お前らに偉そうなことが言えるのか」と思っておりましたから。

 

今振り返ってみれば,今の小学校から大学までの日本の学校と教育関係組織・関係者達の出鱈目さ加減・お粗末さ度合いに比べると,当時はまだ,いい方だったのかなあ,と思いだす次第です。それほど,今の「学校」はメチャクチャではないかと思っています。そして,その典型が,福島県をはじめ,「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」によって放射能に汚染された地域にある多くの教育委員会であり,学校群であり,教員たちではないかと思うのです(数少ない,ちゃんとした教師の方々は,猛烈な迫害を受けておられるでしょう)

 

本田由紀東京大学教授が言う「多様性の尊重や子どもの内面の自由」の破壊,あるいは,内藤朝雄明治大学准教授が言う「皆との同調が強く求められる環境」こそは,明治維新以降の「半ば発狂した富国強兵肯定論」が支配する日本社会が得意中の得意とするところでした。これはまた,戦後日本の政治学を代表する故丸山真男氏が「日本の古層」とか「執拗低音」とか表現していたものに通ずるところがあり,簡単に申し上げれば,日本民族に長く続く「支配権力従属主義」と「それに向けての大衆同調圧力」のMIXされたものとでも言えるでしょうか(ちなみに私は,この丸山真男氏の超歴史的な民族特性規定概念に対して懐疑的です)。

 

しかし,これは,こと道徳や教育の場だけの話ではありません。3.11「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」以降,この2年半の間の被災地を含む日本全体の動きを見ていますと,原子力の世界,とりわけ放射線被曝の世界こそが,この「支配権力従属主義」と「それに向けての大衆同調圧力」のMIXされたもの,の典型のような気がしてならないのです。いわゆる「原子力翼賛社会」です。私は,近い将来,この学校での「道徳教育」の時間に,「放射能を過度に恐れることは「人の道」に外れた行為です。人は放射能と共存しながら,たくましく生きなければなりません」などと「教えられる」日が来るのではないかと危惧しています。

 

国家権力・支配権力に,道徳を委ねてはなりません。彼らは,道徳を「支配の道具」に使おうとしているのであって,子ども達の「心」の成長の糧にする気など微塵もありません。特に自民党のゴロツキ政治家どもはそうです。

 

国家権力・支配権力に,「心の中」に立ち入らせてはなりません。彼らは,外見的な支配のみならず,内面的な有権者・国民の服従と「心」の支配をねらっています。権力にとって教育とは,子どもの成長を目的とするのではなく,情緒的で無条件の支配権力同調者の大量生産を狙うものなのです。一時,大問題となって多くの批判を浴び,消滅したかと思っていた文部科学省版「心のノート」が,安倍晋三政権下で間もなく復活するという情報もあります。

 

*「心のノート」を考える-三宅晶子/〔著〕 本・コミック : オンライン書店e-hon

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000031130721&Action_id=121&Sza_id=C0

 

そして,こうした「道徳」ならぬ「不道徳」の積み重ねの上に,私が申し上げる「原子力翼賛社会」と,放射線安全神話が,徐々に徐々に築かれていくことになります。「空間線量」から「個人線量」へ,という今般の原子力「寄生」委員会の動きもその一環です。「心」を権力に支配された後に来るのは,理不尽極まる放射線被曝による「緩慢な死」の強制ということです。しかも,遺伝的障害によって,子子孫孫までの。

 

みなさま,今般の,「不道徳政府・文部科学省」が仕掛ける「不道徳人間」達による「不道徳教育」導入の報告書に徹底した批判を加えましょう。貴様らに,騙されてたまるか,お前達に殺されてたまるか,アジア太平洋戦争以前社会への回帰に全力を挙げ始めた安倍晋三・自民党政権の教育政策に全面的な反旗を掲げましょう。

 

(参考)丸山眞男の「古層論」と加藤周一の「土着世界観」(田口富久治)

http://www.ps.ritsumei.ac.jp/assoc/policy_science/092/092_05_taguchi.pdf#search='%E4%B8%B8%E5%B1%B1%E7%9C%9F%E7%94%B7+%E5%9F%B7%E6%8B%97%E4%BD%8E%E9%9F%B3'

早々

 

 

 

いいちろうちゃんのブログ ココログ 引っ越しました

前略,田中一郎です。

ブログを引っ越しいたしました。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

(この新ブログ「いちろうちゃんのブログ」は私単独のブログです)

(旧ブログ:まもなく消去されます)

原発ゼロ・脱被曝,どうしたらできる?

http://onndannka.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-5753.html

ネット検索していただく際は,「いちろうちゃんのブログ」+「ココログ」+「キーワード(たとえば「シーベルト」など)でj検索していただければ,ヒットしてくると思います。似たような名前のブログがありますので,ご注意ください。(「いちろうちゃんのブログ」の「いちろうちゃん」は「ひらがな」です)

バックナンバーは,画面の右下にあります(直近のものいくつかと,月別単位でまとめられております)

早々

2013年11月15日 (金)

悪魔が来りてホラを吹く(4):原子力「寄生」委員会が柏崎刈羽原発の再稼働審査を開始=冗談ではない!

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

 別添PDFファイルは,このほど原子力「寄生」委員会委員長の田中俊一が突然豹変し,これまで東京電力の福島第1原発の事故後処理対応の取組状況を厳しく見定めるとしていた態度を180度翻して,新潟県柏崎刈羽原発の再稼働審査を開始することにした様子を伝える報道です。以下,ごく簡単にコメントいたします。

 

 <別添PDFファイル>

(1)柏崎刈羽原発の再稼働審査開始(1)(東京新聞 2013.11.14

(2)柏崎刈羽原発の再稼働審査開始(2)(朝日新聞 2013.11.14

(3)規制委検討会の10人受領,原発関連資金申告せず(河北新報 2013.11.10

(4)美浜の会HP(右記URL参照)http://www.jca.apc.org/mihama/

 

(1)柏崎刈羽原発の再稼働審査開始(1)(東京新聞 2013.11.14

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013111302000233.html

 

 東京新聞記事によれば「「再稼働申請があれば審査するのは規制委の法的な義務。止めておくと問題が出る」と切り出した」とあります。しかし,原子力「寄生」委員会の法的な義務とは,いかなる事業者のいかなる審査申請に対しても,その審査を受け付けることではなくて,まず,審査を申請する電力事業者の事業遂行能力や危機対応能力を見定め,そもそも申請者が原発を稼働させるにふさわしい権能と組織力と責任力を持った会社なのかを見極めることが一つの義務でしょう。そして,それはより包括的な表現で申し上げれば,原発・核燃料施設について,その安全性の度合いを,運転当事者の能力水準をも含む「総合的」な観点から審査し,今後,「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」のような事態が発生しないように,科学技術的な観点より徹底してチェック=審査を行うということではないのでしょうか。当然ながら,原発運転能力のない,危機対応力に乏しい事業者は「門前払い」されてしかるべきです。

 

 田中俊一委員長が言う「審査」とは,申請された原発の機器類や施設(ハード)に関する規制基準準則性のことを意味しているようで,その発想の背後には,自分達原子力「寄生」委員会は,原発のハードのことだけを見ていればいい,という安易で軽率で無責任な考え方が隠れているようです。しかし,原発・核燃料施設の過酷事故はハードだけでは防ぎきれないこと,過酷事故後の放射能の環境への大量放出とその後の対応についても,ハードだけでは全く不十分であることは,既に「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」で明らかになっています。

 

 そして,東京電力という電力会社がどういう会社なのか,その無能で無節操で無責任で傲慢な組織体質は,3.11以降においても全く変わりがないことは,この2年8カ月余りの様々な出来事で明らかになっているではありませんか。福島第1原発の汚染水処理一つとっても,暴力団絡みの多重下請で現場作業員を劣悪な雇用関係下に置き,現場の士気を大いにダウンさせるとともに,原発のイロハも知らない多くの労働者を酷使し,結局は信じがたいような単純ミスや,バカバカしいトラブルの多発に結果しています。そして,ことは汚染水処理だけではなく,配電盤ネズミ騒動や,汚染水誘導ホースの雑草トゲトゲ穴あけ事件や,汚染水ため池底抜け事件など,この東京電力という事業者が,およそ危険な放射能を扱えるような状況にないことは明らかではありませんか。

 

 にもかかわらず,そうしたことに一切眼をつむり,これから原発のハード審査に入っていくというのが田中俊一委員長の発言の主旨なのです。これは,原発の再稼働審査における最も重要な審査事項である「原発運転事業者の資格・能力審査」をオミットして,もっぱら原発のハード審査だけを追いかけます,と言うに等しい行為でしょう。それで原発の再稼働審査と言えるのでしょうか? それで,日本の原発が「世界一安全」になるのですか? 福島第1原発対応で四苦八苦し,もはや組織崩壊寸前状態になっているゾンビ企業東京電力に,もう一つの世界最大の原発を稼働させる権能がないことは,誰が見ても明らかです。田中俊一と原子力「寄生」委員会は,何を馬鹿みたいなことをやろうとしているのでしょう??。

 

 記事によれば,自民党の「原発再稼働議連」の議員達が「柏崎刈羽原発の審査入りを受け付けないのは情緒的だ」などと騒いでいるそうです。どっちが「情緒的」なのかと言いたくなります。少し頭を冷やして,東京電力の今の実態をよく見てみろ,こんな会社にどうして原発が稼働できるのか,誰にでもわかることではないのか,と,この「馬鹿ども」に言い聞かせなければなりません。この議連のお粗末政治家たちは,おそらくは原発・核燃料施設の仕組みや放射能の有害性とその恐ろしさなどを,ほとんどまともに勉強したことがない,ほんとうに正真正銘の「馬鹿ども」に違いありません。日本の脱原発市民運動は,こうした悪質・低質極まる「再稼働議連」所属の政治家達を国会から追い払う努力をして行かなくてはいけないと強く感じます。強力な「落選運動」が組織されるべきです。

 

(2)柏崎刈羽原発の再稼働審査開始(2)(朝日新聞 2013.11.14

 http://www.asahi.com/articles/TKY201311130620.html

 

 記事の主旨は東京新聞とほぼ同じですが,たとえば,①東京電力が示した作業員の環境改善策を原子力「寄生」委員会が評価した(阿呆か!),②東京電力柏崎刈羽原発の敷地内には,各号機の真下に活断層が走っている可能性があること,③6,7号機に続いて,1,5号機も申請したいと東京電力・広瀬社長が言う,④泉田裕彦新潟県知事のコメント,などが書かれています。

 

 そして,もう一つ,東京電力柏崎刈羽原発で忘れていはいけないこと,それはこの原発が,既に2007年の中越沖地震で深刻なダメージを受けており,再びM6程度以上の中規模・大規模地震の揺れを受けた場合,かなり高い確率で深刻な事態に陥りそうであることです。既に新潟県庁が主催する「新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会」において,不十分ではありますが,この原発に関する多くの危険性が明らかになっており,かような「傷もの」原発を再稼働することなど,できるはずもありません。これは良識・常識のレベルです。

 

*新潟県:新潟県原子力安全対策課

 http://www.pref.niigata.lg.jp/genshiryoku/

 

*新潟県:新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会

 http://www.pref.niigata.lg.jp/genshiryoku/gijyututop.html

 

(3)規制委検討会の10人受領,原発関連資金申告せず(河北新報 2013.11.10

 (上記の記事とは異なります)http://www.jiji.com/jc/zc?k=201307/2013072200916

 

 またもや発覚です。原子力「寄生」委員会に集まってくる(集められてくる)検討委員は,ほとんどがかような人間ばかりなのでしょう。ついこの間,春から夏にかけて,検討委員が電力・原子力業界から金を貰っている「利益相反」関係が大きな問題になっていたにもかかわらず,その体質は全く変わっていないことが,この記事で明らかです。記事によれば,ある検討委員は[失念していた]と言い,ある検討委員は「基準に従い該当するものだけ申告した(実は申告していないものの方が金額的に大きい)」などと言い,そして肝心の原子力「寄生」委員会は,その申告内容を調査もしていないのです。

 

 電力・原子力業界から,露骨に金を貰っている人間達が,原発・核燃料施設の規制審査や規制内容の審査を行う???, こんなことが公然と許されている国が世界のどこにあるでしょう。原子力に寄生する寄生虫が,原子力を規制などできるはずがありません。殺虫剤で駆除すべきです。

 

(4)美浜の会HPより

 原子力「寄生」委員会が進める再稼働審査では,東京電力柏崎刈羽原発だけでなく,日本の西の方にある加圧水型原発についても,関西の市民団体「美浜の会」が指摘する下記のような「事実の捻じ曲げ,危険性の過小評価,責任放棄」が平然となされており,もはや看過できない事態となってきています。地震の評価にしても,炉心溶融事態に対する対応の考え方にしても,原発周辺住民の避難計画にしても,そして今,福島第1原発の周辺の海で大問題化しつつあるトリチウムの問題にしても,その危険性・重要性を認識しようとしない第一人者が,原子力「寄生」委員長の田中俊一です。まさに日本を地獄へ導く「悪魔」が来りて,原子力の大ボラを吹いているのです。

 

 このまま,この出鱈目の上に原発再稼働へ突き進めば,近い将来,「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」を上回る過酷事故と悲劇の発生は避けられません。何としても,みんなの力で,この原子力ムラ寄生虫達の出鱈目をやめさせていかなければなりません。がんばりましょう。

  

 ●関電の地震動評価はあまりにも過小評価

  http://www.jca.apc.org/mihama/ooi/nsr_yosei20131108.pdf

 

 ●炉心溶融を前提にした危険な再稼働審査

  http://www.jca.apc.org/mihama/News/news125/news125meltdown.pdf

 

 ●土砂崩れや波が高ければ避難できない 9月29日高浜町戸別訪問報告

  http://www.jca.apc.org/mihama/News/news125/news125takahama.pdf

 

 ●DNAの中にまで入り込むトリチウムの特別な危険性

  http://www.jca.apc.org/mihama/News/news125/news125tritium.pdf

早々

 

<追>朝日新聞「プロメテウスの罠」より

 昨日,朝日新聞の上記記事を読んでおりましたら,下記記載を発見いたしました。何故,こんなことを放置しておくのか,と強く思いましたので,ご紹介いたします。これでは,事故原発の危険な現場で働く人達は,文字通り「救われません」。なぜ,福島県立医大は,これを直ちに改善しようとはしないのでしょうか? (たとえば,鉛でできた搬送用のカプセルのようなものをつくり,被ばくした方に,それに横になる形で入ってもらい,呼吸器や酸素ボンベをセットして,被ばくした人の体に付着している放射能が,搬送中に周囲へ拡散したり,放射線が散乱したりしないようにすることは容易なことではないか,と思いますが,いかがでしょう?)

 私は,どうもこの福島県立医大という大学と,そこにいる医者・医師・医学者達が信用できない=背信的・自己中心的・無責任の塊のように見えてしょうがありません。

 

*『朝日新聞』(プロメテウスの罠)医師、前線へ: 26 福島を「我が事」に - Togetter

 http://togetter.com/li/590173

 

「福島県立医大のドクターヘリを運航する中日本航空は、体表面汚染が1万3千カウント(cpm)を超えた傷病者は運んでくれない」

 

 

 

2013年11月14日 (木)

悪魔が来りてホラを吹く(3) : 原子力に「寄生」しながら原子力の規制はできない

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

 「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」から約2年8カ月が経過しましたが,政府・環境省が主導して行ってきた除染が思うように効果を発揮せず,放射能汚染地域の空間線量が高いまま時間だけが過ぎていき,最も肝心な被害者・住民の生活や家業・仕事の再建・再生は棚上げにされたままになっています。

 

 できもしない除染を,多くの有識者からの批判に馬耳東風のまま,巨額の国費を投じて行ってきた政府も,いよいよ高まる被害者住民や有権者・国民の不満・憤りに耳を傾けなければならなくなっております。数日前には,自民党の茂木敏充経済産業相が「帰還一辺倒ではない対策を検討しなければならない」と漏らすなど,ここにきて政府や自民党政治家の中にも「風向き」が変わり始めた動きが見られるようになりました。

 

 しかし,です。原子力ムラの住民や,そこに「寄生」して甘い汁を吸い続ける原子力寄生虫達にとっては,この事態は穏やかではありません。万が一,これまでの「被曝もみ消し・矮小化=住民の経済的強制帰還]方針が揺らぐことがあれば,これからの原子力推進と似非科学の維持に容易ならざる危機が表面化してくるからです。

 

 そこで彼らがやり始めたことは,国際原子力マフィアを担ぎ出し,国際的な「権威」を使っての放射線被曝の徹底した矮小化と過小評価です。ご存じの通り,あの悪魔の線量限度値=20ミリシーベルトを,これまでの1ミリシーベルトに代えて,これからは日常的に使って行こう,それを下回るレベルであれば地域住民の被ばく被害は容認しよう(そして,馬鹿マスごみを使って,これを「安全値」として宣伝させよう:自分達はそれに近いようなニュアンスの言葉を繰り返しはするが,「安全」とは言わない=馬鹿マスごみとしっかり役割分担をして,自分達や国際原子力マフィアの(似非)科学「権威」は保って行く),住民対策は,この20ミリシーベルトを軸にやって行こう,という方針が,まもなく原子力「寄生」委員会でオーソライズされようとしているのです。根拠とされるのは,またもや国際放射線防護委員会(ICRP)の(似非)勧告と,国際原子力機関(IAEA)の出鱈目な政治的発言です。

 

 彼らはともに「20ミリシーベルト限度は合理性がある」と言い,20ミリシーベルトまでの住民被曝を合理化・追認しています。「緊急被ばく状況」だの,「現存被ばく状況」だの,といった言葉まで「発明」して,そのもっともらしさを粉飾しているのです。そこでは,住民対策は「ALARA」原則でやるべきで,効果が出ない除染や,金のかかりすぎる避難・移住・疎開などはさせなくていい,20ミリシーベルト以下なら人間は耐えられる,そう言い放つのです。そして,汚染を引き起こしたものの責任など,歯牙にもかけることはありません。

 

 「ALARA原則」とは,別名「ありゃりゃ原則」あるいは「あらまあ原則」と言い,アズ・ロウ・アズ・リーゾナブリー・アチーバブル=合理的に達成可能な限りでより低く,という意味です。このALARA原則の根本的問題は,いったい誰のための「合理性」であり,その合理性を誰が判断して決めるのかという点です。もちろん,そこに込められている意味は,「合理的」とは原子力推進にとって合理的であり,「達成可能」とは原子力ムラが容認できるお金=費用負担の範囲内で,ということであり,要するに,原発・核燃料施設の過酷事故に伴う被害者の救済は,ほどほどにやっとけばそれでいい,放射線被曝の危険性は原子力の推進に支障が出ない範囲内で,ある程度認めておけばいい,ということを意味しているのです。

 

 さて,前置き説明はこれくらいにして,さっそく今般報道された別添PDFファイルの4つの東京新聞記事を具体的に見てみることにいたしましょう。

 

 <別添PDFファイル>

(1)住民帰還,個人被ばく量で判断を:規制委提言案(東京 2013.11.12

(2)規制委「個人被曝線量」採用へ,除染進まず,基準すり替え(東京 2013.11.13

(3)福島原発慰謝料「1年打切」波紋,避難指示区域解除ありき(東京 2013.11.12

(4)第13回「福島県民健康管理調査」結果:甲状腺ガン(東京 2013.11.13

(1)住民帰還,個人被ばく量で判断を:規制委提言案(東京 2013.11.12

  http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2013111202000158.html

 

(一部引用)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 原発事故で避難している住民らの帰還について議論してきた原子力規制委員会の検討チームは十一日、空間線量から年間被ばく線量を推定する現在のやり方を改め、個人ごとに被ばく線量を実測し、帰還の是非などの目安にしてもらうことで大筋合意した。文面を修正して規制委が了承すれば、政府に提言する。(中略)

 

 帰還に向けての被ばく線量の目安は、現在の考え方を維持。年間被ばく線量は二〇ミリシーベルトを下回ることを最低条件とし、長期的には年間一ミリシーベルト以下に抑えることを目標とする。

 

・・・・・・・・・・(引用終わり)

 

 更に,この記事には「原子力規制委が求めた当面の対応策」として,次のようなことが書かれています。

●個人の被ばく線量を実測して帰還のめやすに

●被ばく線量や空間線量の細かい分布図をつくる

●住民が気軽に相談できる人を身近に配置

●生活パターンに応じて放射線の防ぎ方をアドバイス

●線量計の使い方や測定結果を分かりやすく説明

●自家栽培作物の放射能濃度を簡易測定

 

 上記の記事から一目でわかることは,住民には避難・移住・疎開などはさせなくていい,念頭に置かなくていい,と原子力「寄生」委員会の人間達が考えているということです。そのためには,除染では下がらない空間線量の問題をクリアーするために,欠陥だらけの個人線量計で個人ごとに被曝量を実態よりもはるかに低い数値で把握させ安心させる,その上で,被曝限度を20ミリシーベルトという猛烈な数字まで引き上げて,一人としてこの限度を超えることがないように「配慮した」上で,本来の「我慢の限界」と法律で決めていた1ミリシーベルトを「長期的目標」として「棚上げ」=事実上の廃止にしてしまうということです。

 

 ●印の横に並んでいる具体的な対応策にしても,今頃何だ,というようなものばかりです。加えて「住民が気軽に相談できる人を身近に配置」などは,全くのマユツバもので,先般の私のメールで申し上げましたように,被曝医療体制が原子力「寄生」委員会の指導の下で,文部科学省を頂点とする原子力権力によってヒエラルキー的に再編・統制されていきますから,かような「住民相談コーナー」などは,「あなたの被ばくはたいしたことはない,気にする方が体に悪い」と言わせるための,原子力翼賛・似非相談コーナーになるのが目に見えています。

 

 除染ができないのだから,あるいは,除染をするにしてもまず,地域住民を避難・移住・疎開させ,無用の被ばくを回避させた上で,別の土地で万全の賠償・補償と充分な生活再建や家業・仕事の再生への支援を行えばいいことです。それがまた,何の罪もない多くの住民を悲惨な目に追い込んだ「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」を引き起した加害者側・責任者側の国や東京電力の当然の責務というものです。しかし,それが,この国では,こうして原子力ムラ一族がのさばることにより,いつまでたっても実現する様子がないのです。

 

 そして大事なことは,歴史的にも,真の意味での有権者・国民や地域住民のための政治や行政をしてこなかった自民党政治家達や霞が関官僚達が(特に財務省),原発事故の後始末への国費の支出を強く嫌っていて,多くの被害者住民を切り捨ててでも国費の支出を抑え込みたいという思惑が,この原子力ムラの原子力推進のための被ばく矮小化と陰に陽に結びついていることを指摘しておかなくてはなりません。まさに「悪魔の癒着」連合に他ならないのです。

 

(2)規制委「個人被曝線量」採用へ,除染進まず,基準すり替え(東京 2013.11.13

  http://ameblo.jp/takumiuna/entry-11689386298.html

 

 この記事は必読の非常にいい記事です。文章に沿ってコメントしていきます。

 

●「「除染が思うように進まないから、見掛け上の線量を下げようとしているのではないか」 規制委の新方針について、内部被ばくに詳しい琉球大の矢ケ崎克馬名誉教授は

こう批判した。 「空間線量のモニターはあらゆる方向からの放射線を拾うが、個人線量計は首からかけると背後から被ばくした放射線は減衰する。結果として、線量は低く出る・・・・・・」」

 ⇒(田中一郎)個人線量計の意味やその使い方などについて,住民に十分で正確・適切な説明がなされないため,置き忘れや意図的な線量計外しなどが多く発生し,個人線量計が個人の被ばく量を表すことにならないことは,既に福島県内の複数の市町村で経験済みです。加えて,計測されるのは,せいぜい外部被曝の一部だけであって,重要な呼吸被曝や飲食からの内部被曝などは計測することができません。ガンマ線被ばくのみが一部捕捉されるだけで,ベータ線やアルファ線による被ばくは「なかったこと」にされるのです。

 

●「空間線量は「1日のうち、8時間を線量の高い屋外で、16時間を低い屋内で過ごす」という前提条件での推定値」

 ⇒(田中一郎)亡くなった島倉千代子さんではありませんが,人生いろいろ・生き方いろいろです。「野外8時間,残りが屋内」などという仮定は無用です。24時間野外として,線量推定すべきです。こんな仮定は,被ばくを小さく見せようとする小細工にすぎません。

 

●「モニタリングポストの設置方法が悪く、汚染実態が反映されていない。現地調査をしてみると、実際の被ばく線量は平均してモニタリングポストの値の2倍だった。このうえ、個人線量計を採用することはトリックにトリックを重ねることになる」

 ⇒(田中一郎)「利益相反」の関係にある文部科学省や自治体設置のモニタリングポストなどは,とうの昔に信頼性を喪失し,「こんなものいらない」の代表格となっています。およそ公的機関が線量や被ばくを小さく見せるためにモニターを細工するなど「もっての他」の話であって,何ゆえに今も,のうのうと,このモニタリングポストの設置責任者が責任を問われることもなく公務員であり続けられるのか,理解できません。

 

 電力会社や政府や自治体設置のモニターなど信用してはダメです。天然キノコの汚染数値の方がよほど信頼できます。がしかし,この線量・被ばくモニターのインチキは,何もモニタリングポストに限らず,個人線量計だって十分にあり得る話で,内蔵されているアルゴリズムを,ちょこちょこ,といじられれば,直ちに「過小線量計」となってしまいます。ご用心ください。

 

(注:文部科学省や自治体設置のモニター施設は,将来,放射線被曝の被害が出て住民と行政側・東電側との訴訟となった場合に,当時の空間線量の「証拠」とされる危険性があります。言い換えれば,被害者住民を裁判でねじ伏せるための「過小線量モニター」として機能するのです。こんなものは早めに撤去し,住民が自分たち自身で,良心的良識的な科学者のアドバイスで設置するモニター設備に替えて行った方がいいと思われます)

 

●「先月、国際原子力機関(IAEA)の調査団が来日。除染に時間がかかるなら「1~20ミリシーベルトの範囲で目標を決めるべきだ」とする国際放射線防護委員会(ICRP)の見解を明らかにし、規制委はそれを追認しようとしている」

 ⇒(田中一郎)みなさま,みんなで「馬鹿ぬかせー」と声をかけてやりましょう。そして,この原子力ムラ「すそ払い」役の原子力「寄生」委員会・「寄生」庁に対しては,お前達の全ての業務室内を含む日常環境,並びに委員・職員家族の生活環境を20ミリシーベルト/年環境に置いた上で,数十年間,そこで生活実験を行ってから再び検討し直せ,と言ってやりましょう。さっそく福島県から汚染土や焼却灰を彼らの六本木の事務所に運び入れ,床や廊下一面に敷きつめて差し上げようではありませんか。

 

●「ICRPは1ミリシーベルトを『望ましくないが社会的に耐えられる線量限度』。要は『何がしかの健康被害はあるが、放射線の利用は利点もあるからそこまでは我慢しよう』という意味で、健康に影響がないということではない」

 ⇒(田中一郎)1ミリシーベルト/年という被曝限度量は,私は経験科学的な根拠のない「とんでもない高線量」であると考えています。「何がしかの健康被害」どころではなく,耐えがたい様々な本人の健康被害と,更には遺伝的障害を伴うものであろうと推測しています。そもそも何ゆえに,電力会社の出鱈目八百管理の結果生じた原発過酷事故の放射能や被ばくを,我々一般人が「我慢」しなければならないのでしょう? 電力など,原子力でなくても,なんぼでも作れます。勝手に「我慢」を押し付けるなと申し上げたい。いずれにせよ,1ミリシーベルトなどという高い被ばく線量数値を「我慢限度値」にすべき科学的・実証的な根拠など存在いたしません。

 

(1ミリシーベルト/年は,航空機旅行や医療被曝などによって,あっという間にオーバーしてしまいます。原発事故に対して用意する「我慢用被ばく線量」など,0.000000000000001ミリシーベルトであっても許容できるものではありません)

 

*(必読参考図書)『(増補)放射線被曝の歴史:アメリカ原爆開発から福島原発事故まで」(中川保雄著:明石書店)

 http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032660915&Action_id=121&Sza_id=C0

 

●「実際、国立がん研究センターのデータは「1ミリシーベルトの被ばくで10万人当たり5人に致命的発がんがある」としている。」

 ⇒(田中一郎)今までにも何度も申し上げてきましたが,「1ミリシーベルトの被ばくで10万人当たり5人に致命的発がんがある」などというのは根拠がないどころか嘘八百です。おそらくは根拠にされているであろう広島・長崎の被ばく者の数値は,データが操作され,内部被曝が無視され,戦後一貫して「過小評価」「歪曲」「矮小化」されてきました。また,放射線被曝の被害はガン・白血病だけではなく,様々な健康障害や病気を引き起こす他に,子々孫々にまでわたって遺伝的障害をも引き起こすのです。原子力ムラの統制下にある「国立がん研究センター」の分析結果など,信用できるものではありません。

 

●「20ミリシーベルトは本来は『原発労働者など直接、利益を受ける個人状況』に適用する数値」

 ⇒(田中一郎)原発・核燃料施設の労働者や研究者でさえ,20ミリシーベルト/年もの被ばくをする人は例外的にしかいません。たいていが1~5ミリシーベルト/年くらいのところでとどまっています。にもかかわらず,原子力「寄生」委員会は,20ミリシーベルト/年を,妊婦・幼児・子供を含む一般の人達に「我慢してもらえ」などと平然と言うのです。まさに「悪魔が来りてホラを吹く」のです。

 

●(結論)原子力に「寄生」しているものは,原子力を「規制」することはできません。まさに原子力規制委員会とは原子力「寄生」委員会であり,同時に,被害者住民「規制」委員会なのです。住民を「規制」して,帰還以外の避難・移住・疎開はダメだと言い,賠償・補償を絞りあげて避難・移住・疎開ができないように住民を汚染地域に縛り付け,その上で個人線量計を持たせて被ばく線量を大きく矮小化した上で,被ばくによる健康被害・遺伝的障害は我慢しろというわけです。やっていること,やろうとしていることがまるであべこべ(安倍媚び)です。

 

(3)福島原発慰謝料「1年打切」波紋,避難指示区域解除ありき(東京

2013.11.12

  http://p.twipple.jp/iawun

 

 関連の重要記事です。福島県田村市都路(みやこじ)地区の様子が書かれています。国や自治体がやった除染では,結局,線量が下がりきらず,今でも危険水準に高止まりしたままの同地区,しかし,原子力ムラ代理店政府に取り込まれてしまった田村市役所は,今般の20ミリシーベルト/年の新限度値提言を「歓迎」しながら,避難指示区域の解除に踏み切ろうとしているのです。そして,それと平仄を合わせるかの如く,あの悪名高き原子力損害賠償紛争審査会は「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」による慰謝料の支払いを「1年で打ち切ってよろしい」などと,信じがたい指針を打ち出しております。

 

 ごく狭い地域に限定した月々十万円という慰謝料そのものが不当極まりないのですが(この慰謝料の在り方を決めたのも原子力損害賠償紛争審査会です),更に「今の放射線量では,自宅に子どもを連れて帰れない。まだ仕事も見つからない。慰謝料がなくなったら,どうやって生活すればいいのか」との,住民の悲痛な悲鳴をよそに,避難指示が解除され,並行して慰謝料も打ち切られようとしています。このままでは被害者住民は殺されてしまいます。日本という国は,国を挙げて,かような許し難い巨大なスケールの人権侵害と被害者もみ消しを行おうとしているのです。

 

 記事にある写真に写る3人の子どもを見ていたら,涙が滲みでてきました。許せない,本当に許せない。

 おい国,おい福島県庁,そして田村市役所,お前達はいったい何をしているのか,この馬鹿野郎ども,です。

 

(4)第13回「福島県民健康管理調査」結果:甲状腺ガン(東京 2013.11.13

 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013111201002048.html

 

 最後に,1112日の「福島県民健康管理調査」の甲状腺ガン検査結果の記事を添付しておきます。住民を避難させない政策の結果の一つがこれです。今回,悪性ガンの疑い(この疑いのある人のほぼ9割が悪性ガン)のある人は,前回の43人から(前々回の27人から),今回58人になりました。これでもまだ,全ての子どもたちの検査が終わったわけではありませんし,更には,福島県の18歳超の一般人や,福島県以外の子ども達及び一般人については,調査・検査さえなされておりません。

 

 しかし,国及び福島県及び「福島県民健康管理調査検討委員会」は,この「福島県民健康管理調査」の歪んだ現状を,委員会メンバーが交代した前回以降も,一向に改革・改善しようとはしておりません。「被曝を回避」するのではなく,「避難を回避」する政策と平仄を合わせ,検査・調査の拡大・拡充を拒否しながら,子ども甲状腺ガンの多発に対して,今持って「現時点で、甲状腺がんが原発事故の影響で明らかに増えているわけではないと理解している」と述べ,すっとぼけを続けています。

 

 このままでは,おそらく福島県内外での子どもの甲状腺ガンの発生は100件を超えてくるのではないかと懸念されます(なお,第13回「福島県民健康管理調査検討委員会」の結果については別途レポートしてご報告の予定です)。遅れたけれども,子どもの甲状腺ガン多発に対して手を打ってきたチェルノブイリ原発事故後の旧ソ連諸国に比較して,この日本の対応のあまりのひどさが目に余ります。何とかしなければならないと思います。 

 

*第13回「福島県民健康管理調査」:子ども甲状腺ガン検査結果

 http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/251112siryou2.pdf


 
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(参考)「いちろうちゃんのブログ」から

*放射線被ばくの単位「シーベルト」はどのようにインチキなのか? http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-55ba.html

早々

 

 

2013年11月13日 (水)

特定秘密保護法に反対します

前略,田中一郎です。

 <別添PDFファイル:添付できませんでした>

(1)秘密保護法案決定へ知る権利・取材の自由「配慮」努力規定どまり(20131018日付東京新聞)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013101702000244.html

(2)スパイぬれぎぬ 宮沢・レーン事件(20131014日付東京新聞)

 http://ameblo.jp/heiwabokenosanbutsu/entry-11637001765.html

(3)特定秘密保護 この法案には反対だ(20131021日付毎日新聞)

 http://mainichi.jp/opinion/news/20131021k0000m070104000c.html

(4)防衛秘密 公開ゼロ省判断,廃棄3万件(20131014日付毎日新聞)

http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/3519d089b2febccc54b71ed249bf3ae3

 別添PDFファイルの2つは,このほど安倍晋三・自民党政権が国会に提出しようとしている秘密保護法(案)に関する東京新聞記事です。ご承知の通り,この法案に慎重な姿勢を示していた公明党ですが,懸念された通りというか,案の定というか,政府・自民党に対して,抽象的な「取材の自由」や「知る権利」に対する「尊重」・「配慮」・「努力」の規定を盛り込ませただけで,あっさりと妥協をしてしまいました。

 行政府が誰のチェックを受けることもなく,自己都合で勝手に決めた「特定秘密」を,国会議員がチェックすることも,アクセスすることもできない,事後的に独立した機関がその妥当性を検証することもできない,それどころか,場合によっては,特定秘密情報に接触した国会議員にまで罰則をかけるような法律です。これでは憲法が定める三権分立が守れるはずもありません。公明党は,よくもかような法律に妥協をして合意したものです(同党の母体である創価学会の創始者達は,戦前の治安維持法によって弾圧され牢獄の身となった歴史があります。にもかかわらず,同党の,この現代版治安維持法とも言うべき法律に対する警戒心のなさはいかがなものでしょうか。公明党は,目先の政治的駆け引きに没頭するあまり,政党としての,政治主体としての,本来の目標や理想を忘却してしまったのではないのでしょうか)。

 しかし,東京新聞の記事にもある通り,こんな抽象規定を入れただけでは,この法律の危険な本質は何も変わりません。このままこの法案が国会に提出され,多数議席で押し切られて可決成立した場合,日本の民主主義は「政府のご都合による秘密まみれ」となり,根底から瓦解していくことになるでしょう。何故なら,民主主義とは,政府や時の支配権力による政治や政策等の(プロセスを含む)詳細について,広く情報公開の上に有権者・国民がその決定に参加し,様々な観点からの批判や検討や要望・要請などが加えられることによって成立が可能となる,きわめてナーバスで慎重でフレクシブルなシステムだからです。およそ秘密主義の上での民主主義などはありえません。

 また,この法律は,単に情報を発信する側の政府役人や政治家らを「厳罰で縛る」(最高で懲役10年)のみならず,支配権力が「特定秘密情報」を取り扱う役人を,その各々の個人情報や思想・信条にまで立ち入って「人間の品定め」を行う(支配権力に都合のいい人間だけを抽出する)という「思想・信条並びに挙動調査」までもが予定され,更には,政府の情報にアクセスせんとする我々一般の有権者・国民をも「特定有害行為」として「秘密漏えいほう助」の罪に問い,徹底して時の支配権力=政府に都合の悪い情報から有権者・国民を遠ざけんとする悪法です。

 安全保障や防衛がらみの情報を常日頃アメリカから入手しているため,そのアメリカから「こうしろ」=「厳罰付きの秘密保護法で情報を隠せ」と言われたからと言って,かくも無批判に,かくも拙速に無検討に,その多大なる害悪や弊害をも是正する措置もなく法律制定に走るとは,情けないにもほどがあるというものです。

 別添PDFファイルの東京新聞記事「秘密保護法案決定へ知る権利・取材の自由「配慮」努力規定どまり(20131018日付東京新聞)」には,公明党の修正を経てもなお,この法律の本質が如何に変わっていないかが適切に解説されています。是非,ご一読ください。

 しかし,問題はこの記事に書かれていることだけではありません。いやむしろ,それ以上に重要なことは,私が上記で申し上げた「政府の情報にアクセスせんとする我々一般の有権者・国民をも「特定有害行為」として「秘密漏えいほう助」の罪に問い,徹底して時の支配権力=政府に都合の悪い情報を有権者・国民から遠ざけんとする悪法」という点です。

 日本の大手マスコミは,読売を除けば,日本経済新聞まで含めて,今回の秘密保護法に反対をしていますが,その反対の根拠は,もっぱら取材活動への悪影響を理由にしているものが多いように見受けられます(「知る権利」の侵害も,このマスコミ取材の不自由化の延長上にあるような印象です)。しかし,この法律の根本問題は,単にマスコミやジャーナリストらの取材を妨げることだけにあるのではなく,我々一般の有権者・国民をも,特定秘密情報へのアクセスを厳罰をもって追い払う点にもあるのです。この点を決して軽視してはなりません。下記のネット上の記事をご覧ください。

FmA [自由メディア]

 http://www.freemedia.co.jp/Thema/t_5.html

(上から3つ目の記事です)

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2013213日 「Stop!秘密保全法共同行動」院内集会 [76:49

 現在、政府が制定をもくろんでいる秘密保全法は、「特別秘密」として秘匿することができる情報の分野が「国の安全」にとどまらず、「外交」さらには「公共の安全と秩序の維持」までと極めて広範にわたります。私たちの生活を左右するTPP問題、原発問題といった情報までもが国民の目から秘匿され、いっそうの悪政が強行されようとしています。

 その上、重罰規定(最高刑懲役10年)が準備され、「漏洩」はもとより「特別秘密」へアクセスすることも処罰の対象とされます。「共謀」(情報取得の相談)「教唆」(そそのかし)「扇動」まで独立した犯罪とされ、報道機関の取材活動や一般市民の広範な活動が犯罪とされます。加えて、「適正評価制度」という制度を導入し、「特別秘匿」を取り扱うことになる当事者、さらにはその家族、親戚、恋人、友人など周辺の人々までプライバシーを丸裸にして管理しようとしています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(引用終わり)

「共謀」(情報取得の相談)

 政府などが,どうも隠しごとをしている様子なので,どうしたら政府の担当省庁に情報を公開させられか,友人らと相談をしたら,「お前達は共謀だ」と言われて監獄へ送られる。

「教唆」(そそのかし)

 政府の当該情報の担当省庁に知人が在籍しているので,その知人に「その情報を教えてもらえないものか」と声をかけたところ,それが警察に漏れて「そそのかし」たとばかりに,監獄へ送られる。

「扇動」(煽りたてる)

 市民団体主催の集会やセミナーで,「○○に関する情報が政府によって秘密にされ,不適切な政治や行政がまかり通っているようなので,みんなで情報公開を働きかけましょう」と発言したところ,覆面私服刑事が突然立ち上がり,「扇動罪」と叫ばれて逮捕され,監獄へ送られる。

 お分かりでしょうか?

 まるで,戦前の天皇制軍国主義時代の特高警察(思想警察)が支配していた時代の「暗黒体制」そのものです。法律の運用は,警察や司法権力にゆだねられてしまいますから,あの「自白強要」や「証拠改ざん」を日常茶飯にしている様子がある警察や検察によって,この法律は「やりたい放題」の弾圧法として機能し始めることになるに違いありません(*)。時の支配権力や政府は,自分達の都合の悪い情報にアクセスしてくる有権者・国民を,「不逞の輩」(吉田茂元総理大臣)などと(陰に隠れて)馬鹿にし,この秘密保護法を盾にして徹底して排除することが可能となるでしょう。

(*)そもそも警察や検察で「自白強要」や「証拠改ざん」が常態化している異常を抜本的に反省し,悔い改めるべく発足した法務省主催の「捜査のあり方検討」審議会が,検討の結果出してきたのが,「盗聴法」の強化であり,「のぞき見法」(秘密検閲・情報無断収集の合法化」であったというのは,驚きを超えて,あきれるばかりです。こういう人達が警察や司法を牛耳っているのが今の日本です。どっちがスパイなのか,と言いたくなります。

 しかも,アクセスしてくる有権者・国民を全員逮捕する必要はありません。時の支配権力が,自分達にとって最も「手ごわそうな」,言い換えれば,鋭く批判的な人士を数名逮捕して「見せしめ」にしておけば,その「萎縮効果」は十分に働き,情報にアクセスしてくる有権者・国民はほとんどいなくなり,また,情報を提供しようとする役人や政治家も,逮捕を恐れていなくなってしまうでしょう。

 こうなれば,時の支配権力や政府を牛耳るものにとっては笑いが止まらなくなります。もう,どんな出鱈目や不正をやっても,それを「特定秘密」にするだけで徹底して隠し通し,シラを切り通し,嘘八百で言い逃れをし,それで何のとがめも問題も発生しなくなるのですから。

 たとえば,原子力ムラの人間達が,今,やっていること,やってきたことを思い出して下さい。特定秘密保護法がない,今でさえ,あんな調子で,嘘八百・隠蔽・歪曲・出鱈目を,毎日のように繰り返して平然としているのです。多くの批判や注告・改善提言など,どこ吹く風の「馬耳東風」です。それが,今般のような秘密保護法ができたらどうなりますでしょうか? 考えただけでもぞっとします。

それからもう一つ,役所や企業の不正を内部告発する人達を保護するために「公益通報者保護制度」が設けられていますが,特定秘密保護法が制定されますと,この制度が形骸化しかねません。告発すべき「不正」がらみの情報が「特定秘密」とされかねないのです。この「公益通報者保護制度」は現状でさえ,内部告発者に対する保護が不十分だと言われています。それが特定秘密保護法により,ほぼ完ぺきにないがしろにされ,内部告発は事実上できなくなってしまいます。

 繰り返します。「政府の情報にアクセスせんとする我々一般の有権者・国民をも「特定有害行為」として「秘密漏えいほう助」の罪に問い,徹底して時の支配権力=政府に都合の悪い情報を有権者・国民から遠ざけんとする悪法」こそが秘密保護法であり,その内容は,まさに「現代版治安維持法」に他なりません。

 過去の「治安維持法」体制下での「情報統制」の一例は,別添PDFファイルの(2)の東京新聞記事「スパイぬれぎぬ 宮沢・レーン事件(20131014日付東京新聞)」です。ご覧になっておかれるといいと思います。このまま法案が成立すれば,再び第二の「宮沢・レーン事件」が起きること必定です。そして,若くて優秀だった宮沢さんが,その後どうなったかも見ておいてください。

 そして,今から25年ほど前に,同じく自民党から国会に提出された,似たような法案「スパイ防止法」では,最高刑が「懲役10年」ではなく「死刑」だったことを忘れてはなりません。この法律=特定秘密保護法は,まるで消費税が3%からはじまって,やがて30%となっていくように,懲役10年からはじまって,やがて「死刑」へとエスカレートしていく運命にあります。絶対に許してはならない法律なのです。

 あなたは政府の情報にアクセスして,監獄にほうり込まれたいですか? いや近い将来,死刑になりたいですか?

早々 

2013年11月12日 (火)

福島の親子 甲状腺ガン検査に不信(『アエラ 2013年11月18日号』記事より)

前略,田中一郎です。

 

今週号の週刊誌『アエラ』(20131118日号)に,ジャーナリストの桐島瞬氏執筆の「福島の親子 甲状腺ガン検査に不信」という記事が掲載されました。いわき市の「放射能市民測定室 たらちね」や,西尾正道元(独)国立病院機構北海道がんセンター院長の活躍も伝えられています(別添PDFファイルは添付できませんでした)。

 

福島県立医大も福島県も,事故から2年半以上が経過したというのに,未だにかような非人道的で,反県民的な「福島県民健康管理調査」を続けているのかと思うと,読んでいて,怒りで身の置き場にも困る状態です。たくさんの,まじめでまっとうな「福島県民健康管理調査」の改善策が提案されているにもかかわらず,何故,そうしたことが反映されることもなく,いつまでたっても改善されないで,こんな状態なのでしょうか?

 

また,昨今は,(1)朝日新聞のシリーズ記事の「プロメテウスの罠」の「医師,前線へ」に,3.11「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」直後の福島県立医大,及び関連した医者・医師・医学者達が何をしていたかが細かく報道され,更に,(2)緊急被曝医療体制の刷新に向け,原子力「寄生」委員会が動き出したこと,などが新聞報道されています。

 

(1)については,下記のツイッターサイトで見ることができますが,事故直後に安定ヨウ素剤の服用を地域住民に告知(を用意・推進)すべき立場にあった山下俊一長崎大学教授や明石真言放射線医学総合研究所緊急被ばく医療研究センター長、あるいは原子力安全委員会や経済産業省,文部科学省などの政府・霞が関の役人・御用学者達や福島県庁の人間達が,如何に無責任でひどい立ち回りをしていたかがよくわかります。

 

山下や明石らは,朝日新聞記者のインタビューに対する当時の回想答弁でも,その場しのぎの,いい加減で不誠実な言動を続けているのです。こんなのが「福島県民健康管理調査検討委員会」の委員を長くやって,子ども達の初期被ばく調査の不作為や,その後の尿検査実施のもみ消しなどを裏委員会を設けてやっていたわけですから,何をかいわんやでしょう。この国では,何故,ここまでに酷い犯罪行為が,罪を問われることもなく,起訴されることもなく,責任を追及されることもなく,時間だけが過ぎていくという「みじめ」で「情けない」状態なのでしょう。

 

また,(2)については,「緊急被曝医療体制が強化されて結構なことだ」などと考えてはいけません。実態はその逆で,原子力「寄生」委員会が被曝医療体制に(権力的な)「統制」をかけることで(大学・病院・診療所・研究所等の被曝医療ヒエラルキー体制への組み込み),霞が関を頂点にする全国的な「被曝医療コントロール体制」が創られるのであって,その究極の目的は「被ばく被害のもみ消し」(被曝評価の統一)と「原子力ムラが認める人間(患者)ややり方(処方)以外の被曝治療の徹底排除」(ALARA原則に従い,原子力ムラが無用と判断する医療・治療はしないことを徹底する」です。ろくでもない,どころか,恐ろしい原子力医療ファッショ体制が出来上がってくることが予想されます。今でもアエラ記事にあるように,被害者・被曝者は自由に甲状腺の検査を受け,セカンド・オピニオンを入手することができません。検査するサイドが「統制」されているからです。今後,これがもっとひどくなっていきます。

 

原子力ムラとの「最終戦争」が続いています。甘い考えは捨てましょう,殺すか(社会的に葬り去るか),殺されるかの,いずれかです。

 

(参考までに,今から約2年前の,同じくアエラの次の記事も再度ご覧になっておかれるといいでしょう。ここに書かれていることが,我が国の原子力ムラ主催の医療体制の現実です。そもそも「医療」なのに,何故,厚生労働省ではなくて文部科学省が所管しているのでしょう? おかしいと思われませんか?:「市民の検査はできません」(長谷川煕『アエラ 2011.7.25』))

 

 <プロメテウスの罠:「医師,前線へ」(抜粋)>

● 『朝日新聞』プロメテウスの罠 医師、前線へ: :21 まさかの広範囲汚染- Togetter

 http://togetter.com/id/uchida_kawasaki

 

● 『朝日新聞』(プロメテウスの罠)医師、前線へ:22 聞く度に話変わった - Togetter

 http://togetter.com/li/587941

 

● 『朝日新聞』(プロメテウスの罠)医師、前線へ:23 消えたファクス - Togetter

 http://togetter.com/li/588313

 

*雑誌「AERA - 偽装天国 ニセ食材こう見抜け - 2013-11-18日号 - 雑誌ネット

 http://www.zassi.net/detail.cgi?magaid=AERA

 

 <原子力「寄生」委員会が被曝医療体制を見直しへ>

●東京新聞 被ばく医療体制大幅見直し 全国に拠点病院、原子力規制委 社会(TOKYO Web)

 http://archive.is/iD0a7

 

●被曝医療に拠点病院 政府方針、原発重大事故に備え 派遣チーム新設も:朝日新聞デジタル

 http://www.asahi.com/articles/TKY201311040506.html

 

 

(下記は同じく,ジャーナリストの桐島瞬氏執筆のもの)

*セシウム検査で判明した子どもの体内被曝の深刻度<dot.(AERA×週刊朝日)※週刊朝日  2013104日号 - 福島原発事故と放射能汚染 そしてチェルノブイリ地方の現状{北の山 じろう}

 http://kitanoyamajirou.hatenablog.com/entry/2013/10/06/210504

 

(下記はこの関連で,毎日新聞の日野行介記者の報道)

*クローズアップ2013福島、子供の甲状腺検査 高まる県民の不信<毎日新聞> - 福島原発事故と放射能汚染 そしてチェルノブイリ地方の現状{北の山 じろう}

 http://kitanoyamajirou.hatenablog.com/entry/2013/04/29/043000

早々

 

関東産ニホンウナギが出荷制限=もう「絶滅危惧種」のニホンウナギを食べるのはやめましょう

前略,田中一郎です。

 

下記の通り,本日付で,厚生労働省のHPに関東産のニホンウナギの出荷制限が出されております。

 

*原子力災害対策特別措置法第20条第2項の規定に基づく食品の出荷制限の設定について |報道発表資料|厚生労働省

 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000029169.html

 

本日、原子力災害対策本部は、昨日までの検査結果等から、福島県、茨城県及び千葉県に対し、以下について出荷制限を指示しました。

(1)福島県 会津 ( あいづ ) 美里町 ( みさとまち ) で産出される野生キノコ

(2) 茨城県内の利根川のうち 境 ( さかい ) 大橋 ( おおはし ) の下流(支流を含む。)において採捕されたウナギ

(3) 千葉県内の利根川のうち 境 ( さかい ) 大橋 ( おおはし ) の下流(支流を含む。ただし、 印旛 ( いんば ) 排水機場及び 印旛 ( いんば )

水門の上流、両総用水第一揚水機場の下流、 八筋 ( やすじ ) ( かわ ) 、 与田 ( よだ ) ( うら ) 並びに 与田 ( よだ ) 浦川 ( うらがわ ) を除く。) において採捕されたウナギ

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 広く東日本の河川では,「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」によりばら撒かれた放射性物質が,日々,川の流れに乗って山々から海へ少しずつ,あるいは大量に土砂とともに流れ降りてきております。阿武隈川はもちろん,東京湾に注ぎこむ江戸川や,日本海にそそぐ阿賀野川なども例外ではありません。いわゆる汽水域と呼ばれる河口付近には,山から下り降りてきた様々な放射性物質が滞留・蓄積している可能性があり要注意です。危ないのは放射性セシウムだけではありません。

 

 昨今,規制値を超えるような高濃度の放射性セシウム汚染の野生キノコが発見された山梨県(そのセシウム汚染の西の端は北杜市です)の河川・湖沼と,その下流域の静岡県を西端とし,東は同じく野生キノコの出荷制限が出た青森県まで,太平洋側も日本海側も,淡水域に加えて,河口域・汽水域の河川や海については,放射能汚染を警戒する必要があります。食べ物で言えば,淡水域で獲れる魚介類は既に高い濃度で放射性セシウムが検出されており,更に(検査されてはおりませんが)放射性ストロンチウムなどの汚染も要警戒です。また,魚だけでなく,沢ガニや藻類などを含め,その他の淡水生物の食品化もやめておいた方がいいでしょう。養殖物の淡水魚についても,その「餌」が怪しい場合がありますから安心はできません。1年くらい前には,山梨県の養殖のコイからも放射性セシウムが検出されておりました。

 

 また,汽水域の海域の魚介類は更に潜在的に危険です。魚で言えば,ハゼやボラ,それに今回出荷制限となったウナギなどです。もちろん,アサリ・シジミ・ハマグリなどの貝類は,海底の砂や泥を体内に入れては吐き出し,しながらエサを摂取し,海の掃除屋などとも言われるくらいですから,その危なさはピカイチです。ウニやナマコ,サザエやアワビ,浅瀬に生息するエビ・カニ類や小型の底魚なども要警戒でしょう。東日本では,子どもを連れて潮干狩りや海水浴などに行くのはやめた方が無難です。場合によっては,子どもたちが意図せずして猛烈に被曝してしまう可能性があるからです。特に海底の泥や砂がよろしくありません。

 

 こうした懸念に応えるべく,本来であれば政府や自治体などの行政が,河川・湖沼や,河口域・汽水域の環境放射能汚染を徹底して調べ,その生態系への影響も長期にわたって綿密にモニターすべきところですが,「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」後2年9カ月たった今でも,そのような「本来なすべき汚染対応・対策」は,ただの一つとしてなされておらないのが現状です。我々が日々口にする飲食品ですら,ろくすっぽ検査されずに,安全安心キャンペーンのために巨額の予算が使われているというありさまです。(あるいは20ミリシーベルトまでは心配するな,などの嘘八百)

 

 加えて,ニホンウナギには,次のようなことがあります。

(1)戦後の日本では,河川という河川が数多くのダムで息の根を止められ,沿岸海域の海という海が工業廃水や生活雑排水の垂れ流しで汚染され,海岸という海岸がコンクリートで固められ,あるいは埋め立てられ,ニホンウナギの生息地を奪ってしまいました。

 

(2)更に,飽食ニッポンの欲求にこたえるべく,ニホンウナギは日本国内だけでなく,中国や台湾などでも,その稚魚のシラスウナギが乱獲され(その大半は日本へ輸出され),とうとう絶滅危惧種にまでなってしまいました。シラスウナギは,ウナギの養殖池に入れる稚魚ですが,数が激減して価格が暴騰しています。中国や台湾なども同じような情勢です。(ヨーロッパでもウナギは乱獲され,数年前に絶滅危惧種に指定された上で,日本に先駆けて捕獲禁止となっております)

 

(3)それでも,ウナギ食いたい・ウナギ売りたい人種は我慢ができず,昨今は,遠くフィリピンやインドネシア,更にはオーストラリアやアメリカ・アフリカ両大陸にまで,ニホンウナギとは別種のウナギを買い出しに出かけていて,特にインドネシアからは大量にウナギが入ってくるようになっています。

 

(4)ウナギの流通過程は産地偽装・品種偽装の典型的業種で,水産物流通のろくでもない体質を象徴的に現わしております。中国産のマラカイトグリーン(農薬の一種)入りのウナギが,「安全安心の日本国産ウナギ」として売られていることなどは日常茶飯で,ウナギの食品表示は,日本の三大信用できないものの一つと言ってもいいくらいです(あとの2つは,安倍晋三・自民党,もう一つは,口先やるやる詐欺の民主党)。

 

(5)しかし,こうした食品偽装の氾濫に対しては,政府関係省庁=消費者庁,厚生労働省,農林水産省は,その根絶のための努力をいつまでたってもやろうとはしておりません。ここ数日,マスごみをにぎわしている,ホテル・百貨店(デパチカ)・レストランのメニュー偽装・製品表示偽装なども,消費者をだまくらかして金もうけをしようとする(儲けた方が勝ちだとする)食品産業の業者達の日常茶飯が表面化しただけにすぎないのです。もちろん,政府関係省庁は,こんなことは重々承知の上のことです。取り締まろうとか,厳しくモニターしようなどという「意思の力」は,さらさらありません。従って,今後も食品表示偽装は繰り返されるでしょう。

 

(食品表示偽装を根絶するためには,本当の意味での政権交代と,腐った行政幹部・御用学者達を政府から一掃し,厳しい罰則付きの規制(特に偽装による利益の没収に加えて巨額の罰金の賦課)を導入する他ありません)

 

(6)そして,上記で申し上げたフィリピンやインドネシア,オーストラリアやアメリカ・アフリカ両大陸産の,ニホンウナギとは異種の輸入ウナギが,「国産ニホンウナギ」として販売され,料理されている可能性があります(全部ではないにしろ)。

 

 みなさま,絶滅危惧種になってしまい,住むところさえもうほとんどないニホンウナギ,このままいくと,我々の前から姿を消してしまうかもしれません。更には,放射性物質や有害物質に汚染され,食品表示までが偽装されて販売されているニホンウナギ,しかも値段は暴騰しています。こんなニホンウナギは,もう買うのも,食べるのも,やめることにいたしませんか?

 

●朝日新聞デジタル:ニホンウナギ、「絶滅危惧種」に 環境省レッドリスト - テック&サイエンス

 http://www.asahi.com/tech_science/update/0201/TKY201302010087.html

 

●江戸川のウナギから放射性物質 出荷見合わせ要請

 http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000006785.html

 

●加熱するアジアでのウナギ “争奪戦“ - NHK 特集まるごと

 http://www.nhk.or.jp/ohayou/marugoto/2013/08/0801.html

早々

 

2013年11月11日 (月)

自民党の新農業政策(続報:耕種農業)(3)=米や畑作物の価格暴落への備えがない・まだまだ反省と検討が不足している

前略,田中一郎です。

 

 下記は,2013118日付『日刊アグリ・リサーチ』に掲載された自民党の新農業政策に関する続報記事である。先般,主食用米の生産調整廃止についてコメントしたが,この記事はそれに関する続報と見ていただいてよい。以下,簡単にコメント申し上げたい。

 

2013118日付『日刊アグリ・リサーチ』(P34

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<自民党が水田農業政策等改革の中間とりまとめ了承:米の直接支払交付金は三〇年産からの廃止へ>

 

 自民党は六日、農林水産戦略調査会・農林部会・農業基本政策検討PT合同会議を開き、「米の行政による生産数量目標の配分に頼らず生産者・団体が中心となって需要に応じた生産が出来る状況の実現」(既報)、「多面的機能支払制度の創設」「米の直接支払交付金の三〇年産からの廃止」等を盛り込んだ米政策・経営所得安定対策等改革の中間とりまとめを了承した〈図参照〉。「米の直接支払交付金」については経過措置として二六年産米から現行一〇a 当たり一・五万円の単価を削減した上で、二九年産までの時限措置を行い三〇年産から廃止をするとした。主な事項の要点は以下の通り( 米政策= 生産数量目標等については既報)。

 

〈日本型直接支払制度(多面的機能支払))

▽地域内の農業者が共同で取り組む地域活動のコストに着目して支援を行う新たな制度を二六年度から導入する。二六年度は予算措置として実施、二七年度から法律に基づく措置として実施する。多面的機能の維持・管理となる農地、水路、農道等の基礎的保全活動など地域活動を支援する「農地維持支払(仮称)」を新設し、現行の農地・水保全管理支払を農業生産資源や農村環境の質的向上を図る活動等を支援する「資源向上支払( 仮称)」に組替え・名称変更する。また、中山間地域等直接支払、環境保全型農業直接支払は基本的枠組みを維持しつつ継続。

 

〈米の直接支払交付金〉

 経過措置として二六年産米から単価を削減した上で、二九年産までの時限措置(三〇年産から廃止)とする。

 

〈米価変動補填交付金〉

 平成二六年産米から廃止。収入減少影響緩和対策(ナラシ)で対応。

 

〈畑作物の直接支払交付金(ゲタ)〉

 諸外国との生産条件格差から生ずる不利があることから引き続き実施する。生産拡大のインセンティブがつくよう、支払方法は数量払を基本とし、面積払は内金とする。対象農業者は産業政策の観点から担い手経営安定法に基づくゲタ対策の対象である認定農業者、集落営農に認定就農者を加える。いずれも規模要件は課さない。

 

〈米・畑作物の収入減少影響緩和対策(ナラシ)

 農産物価格下落の影響が担い手の経営に及ぼす影響を緩和し、安定的な農業経営ができるよう農業者拠出に基づくセーフティネットとして、引き続き実施する。対象農業者について、畑作物の直接支払交付金( ゲタ)と同様とし、認定農業者、集落営農に、認定就農者を加えて対象とし、いずれも規模要件は課さない。また、中期的には、全ての作目を対象とした収入保険の導入について調査・検討を進め、道筋をつける。

 

〈水田活用の直接支払交付金〉

 二六年産から見直しを行う。具体的には

 

▽多収量専用品種の導入等飼料用米の単収を上げる取組へ誘導するため、飼料用米等については栽培面積に応じて支払う面払いに加え、生産数量に応じて交付金を支払う数量払いを導入するなど、非主食用米等についてインセンティブを高める、

 

▽そば・なたねについては全国一律での戦略作物としての助成を改め、「産地交付金(仮称)」に移行する、

 

▽「産地交付金(仮称) 」については、地域における作物振興の設計図となる「水田フル活用ビジョン」( 策定が交付金活用の要件)に基づく取組を推進するとともに、飼料用

米等について多収性の専用品種に取り組む場合に追加配分する仕組みの導入など、産地づくりに向けた助成の充実。

 

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1.(記事の見方:予備知識)

●農業政策には,大きく分けて,(1)耕種農業政策(米,麦,大豆,飼料作物,その他穀物等),(2)野菜・果樹政策,(3)畜産・酪農政策,(4)農業・農地制度,(5)農業公共土建事業,(6)農産物の安全と表示,(7)その他(例:地域特産物(甘味,北海道耕種など),有機農業,貿易政策),などがある。今回の新農業政策は,この中の(1)耕種農業政策(米,麦,大豆,飼料作物,その他穀物等)についてである。

 

●更に,その「耕種農業」についての政策には次のようなものがある

 上記の『日刊アグリ・リサーチ』の記事にある各政策が,下記のどれかに該当している。

 

(1)主食用米(水田農業)に対する政策

 固定払い,自民党は「何もなし」,民主党は戸別所得補償(固定払い)=固定金額の補助金

 変動払い 自民党は「ナラシ」, 民主党は戸別所得補償(変動払い)⇒「ポイント1」参照

 

(2)畑作物(畑作農業)に対する政策

 固定払い,自民党は「ゲタ」, 民主党は戸別所得補償(固定払い)=固定金額の補助金

 変動払い 自民党は「ナラシ」,民主党は戸別所得補償(出来高収量払い)⇒「ポイント2」参照

 

(3)主食用米の転作奨励金(飼料用米や加工原料用米に切り替える場合を含む)(「ポイント3」参照)

 全国一律の奨励金

 「産地交付金」=各地域(都道府県単位)で何への転作にどれだけ補助するかを決めることができる(一種の一括交付金)

 

(4)その他補助的政策

 中山間地域等直接支払制度(条件不利地支払)

 農地・水保全管理支払(農地メンテナンスの共同作業への支払)

 環境保全型農業直接支払(環境支払)

 

(5)農業共済

 本来的には,気候や自然環境の変動に伴う農作物の豊作・凶作の平準化効果を政策的な狙いとするが,農業経営安定化のために,共済掛け金助成など,何らかの政策的な支援も付加される。なお,農業共済は,市場価格の変動に対する「収入保険」や「所得保険」とは性格が異なるので要注意である。農業共済の現状以上の拡充は必要不可欠であるが,他方で,農業政策を「共済制度」に集約化してしまうやり方は,WTO優先型の乱暴な単細胞型農業政策であるので肯定できない。「農業収入保険」のようなものを自民党と農林水産省が中期的スタンスで検討をする旨を表明しているので要注意である。

 

●農業政策ではWTOルールの「緑の政策」化「黄色の政策」かが強く意識されている

 「黄色の政策」=農業生産を刺激して増産に導く政策(価格差補給金や出来高収量払いの生産補助金等)

 「緑の政策」 =農業生産を刺激しないもの(環境支払,条件不利地支払,研究・開発,農地保全,農業共済等)

 

(上記の(1)~(5)の内,「ゲタ」や「転作奨励金」は「黄色の政策,「ナラシ」や「(4)その他」は「緑の政策」である。しかし,日本のように食料自給率が低迷している国では,自給率向上のためには「黄色の政策」を取らざるを得ず,それを否定的にとらえているWTO体制の考え方とはあい入れない。WTO体制は,簡単に言えば,輸出する側にとって都合がいいようにできている体制であり,輸入する側の国内事情や国内農業など,どうでもいい,という考え方で出来上がっている。言い換えれば,国内農業保護政策の行き過ぎで過剰生産(自給率100%を超える)を続ける欧米各国の農産物輸出に都合がいいようにルールが組み立てられている=それがWTOの農業貿易ルールだということである。

 

 その意味でWTOの貿易ルールは「農業歪曲的ルール」である:市場原理主義にイカレタ頭の連中は,農産物を増産へ導くまっとうな農業政策を「貿易歪曲的」などと悪口を言っては,国内農業のバッシングを繰り返している。半ば頭のおかしい,売国奴のような連中である。かつてJWブッシュ米大統領は,ある演説で「食料を自給できない国の独立や防衛など,想像できるか」と話したことがある。おそらく日本や韓国のことを念頭に置いていたに違いない)

 

●ここ数日,一般全国紙(朝日,毎日,日経,読売),および東京の各新聞が報道している自民党の新農業政策についての記事は,その内容が間違っていたり,歪んでいたり,過剰な憶測で書いていたりしているので,あまり信用しない方がいい。餅屋は餅屋で,日本農業新聞をはじめ,農業業界紙誌の方がより正確で詳細で適切ある。(信じがたいことに,このマスごみ達は,生半可な農業や農業政策の知識と,目先のことだけにとらわれて,不正確な農業政策報道を繰り返しながらも,わが国農業を国際市場原理主義の価格競争に放り込めばいい,というような乱暴な見解を,何度も何度も紙面上で繰り返している。

 

 曰く「日本の農業は過保護である」「農業政策がばらまきだ」「日本の農業に国際競争力をつけよ」「大規模生産者・農家に農地を集約しつつ,零細小規模経営を淘汰・廃業に追い込め」「グローバリズムは避けられない」云々である。まず,はっきり言って,余計なお世話であり,また,農業とはどういうものか,よく勉強してからものを言え,ということだ。そもそも,自分達「新聞」こそ,再販制度という「大きな保護」の下にあって,何故に,一国の基礎産業である農業の保護のバッシングなど,できる資格があるのだろうか。あらゆる「保護」が気にくわないのなら,まずは自分の「保護」を返上してからもの申せばよかろう。新聞の再販制度にせよ,国内農業にせよ,価格競争にさらして淘汰させてはならないものがあることを,このマスごみどもはどうして理解できないのだろうか。そもそもお前たち自身がそうではないか。

 

2.各政策について

(1)「日本型直接支払制度(多面的機能支払)」 

 これは,民主党の米の「民戸別所得補償(固定払い)」=固定金額の補助金(15,000円/反=60a),を変形したもので,民主党の場合には主食用米だけだったものが,自民党新農政では,それ以外のすべての田畑農業も対象にするという。自民党は民主党の戸別所得補償制度を「バラマキ」などと批判していたが,自分達がやっていることは,それを上回る究極のバラマキ=つまり田畑があれば補助金出します,である。政策の形としては,WTOの「緑の政策」になっていて,貿易交渉の足手まといにはならないが,こんな政策は,日本の農業のためには全くならない,選挙目当ての農業・農村買収交付金のようなものである。まさに,空から農村に金をバラまくようなものだ。

 

 しかも,この「日本型直接支払制度(多面的機能支払)」 は,既にある「農地・水保全管理支払(農地メンテナンスの共同作業への支払)」と内容が同じなため,これから農林水産省の役人達が,両政策の「棲み分け」のための屁理屈を考えなければならなくなっている。ちなみに,この「農地・水保全管理支払(農地メンテナンスの共同作業への支払)」は,本来であれば,農業基盤(再)整備事業として,きちんとした予算配分の下で計画的になされなければならないものを,その予算をケチって,削って,事実上,老朽化し破損し始めている農業基盤を,田舎の高齢者達をタダ同然の時給労賃で「集落の共同作業」に駆り出し,超安上りに「施設維持・メンテナンス」のための作業をさせるための仕組みである。こんなものが「緑の政策」などと呼ばれてWTOルールの中ではもてはやされている。バカバカしいったら,ありゃしない。

 

(2)(ポイント1)「米価変動補填交付金」(民主)が「経営所得安定対策(ナラシ)」(自民)に変わる

 「米価変動補填交付金」(民主)は,あらかじめ計算してある主食用米の平均生産費を「岩盤部分」(実際には家族労働費を8割でしか見ていないのだが)と称し,毎年毎年の主食用米の値段の変動と,その「岩盤部分」との差額分を補助金で穴埋めすることにより,生産者・農家がコスト割れにならないようにするための制度である。「岩盤部分」の金額は変えずに毎年据え置くので,コメ生産のコストは,最低限「岩盤部分」だけは保障される。主食用米の生産調整に参加していれば,誰でもこの制度に加入できる。なお,生産調整参加者には,加えて15,000円/反=60aの「固定払い」も支払われる。

 

 一方,自民党の「経営所得安定対策(ナラシ)」は,各年の主食用米の値段と,その年直前までの何年間かの平均価格とを比較して,その差額を補助金で補てんするもの。米価が下がり続けた場合には,過去何年間かの平均価格=基準価格も下がり続け,いずれは各年の主食用米の価格と同じになってしまう。つまり,米価暴落が続く場合や,一旦暴落して回復しない場合には,生産者・農家の経営を安定させることはできなくなる。「ナラシ」とは,いわば(農産物)価格暴落の速度を遅くして,生産者・農家に痛みがゆっくりくるようにしてある一種の「モルヒネ」政策のようなものだ。また,この制度では,対象となる生産者・農家が政策的に選別されていることも問題である。

 

(3)(ポイント2)

 畑作物については,民主党の戸別所得補償も価格下落に対しては備えがない欠陥品だった(米ほど大きな影響がなかったのは,既に畑作物は国際価格並の水準まで価格が暴落して久しく,価格変動しても,低価格が新たな低価格になるだけの話で,大勢にあまり影響がない,という悲しい事情がある)。

 

 自民党の場合は,2009年政権交代前の「ゲタ」と「ナラシ」の政策に戻ることになる。「ゲタ」とは,生産者・農家がいくら努力しても,諸外国との生産条件格差が縮まらず,いかんともし難いので,その格差分を「ゲタ」ということで政府が補助金を支給,ということである。「ゲタをはかす」の「ゲタ」である。「ゲタ」については,補助金を全て「収量払い」にして,増産を刺激する形をとったことは少しばかりプラス評価できる(従来は収量に関係なく支払われる固定払いがあった)。しかし,自民党の場合には,この畑作物の「ゲタ」と「ナラシ」を合計したものが生産者・農家に支給されても,主食用米の収益性を大きく下回っている可能性が高いので,それでは,畑作物の生産奨励=増産はできないことになる。補助の水準をしっかりと引き上げることが必要だ。マヤ,この政策についても(規模要件は外したというが),上記(2)と同様に,対象となる生産者・農家が政策的に選別されていることが問題である。

 

 はるか昔に,向う見ずにも,日本の畑作物はそのほとんどが関税を撤廃されて国際的な価格競争にさらされ,もはや日本国内では「裸で(政策支援なしで)作付」しても,全く採算が取れない状態にまで価格が下落してしまっている。自国の食料をよく考えずに国際市場競争にさらせば,農業はやがて消えてなくなることは,わが国の畑作物や林業のこれまでの去就ではっきりしている。零細農家を淘汰して,農地集約による大規模化でコストダウン,などという「絵に描いた餅」=「机上の空論」は,これまで実現などしたことがない。まさに,農業政策の世界の「大規模化神話」ないしは「大規模化アホダラ教」である。経験から学ばないものは,昔から「ド阿呆」と言われてきた。

 

(4)(ポイント3)

 主食用米の転作奨励金については,飼料用米への転作奨励金アップや「産地交付金」という地域裁量の大きい制度拡充が言われている点は評価できる。しかし,畑作物への転作を中心に,まだまだ転作奨励金の水準が低いため,生産者・農家が主食用米を他の作物へと転換するインセンティブに欠けている=転作作物ではコスト割れする可能性がある(生産者・農家にとっては,慣れない作物への転換には,生産資材や農器具,種苗確保や栽培方法や土づくりへの不安や,様々な転作する上での困難や難儀が待ち構えている,それを乗り越えてもらうには,一定の政策誘導が必要不可欠である)。愚かな過去の農業自由化政策を反省しつつ,この転作奨励金を大きく引き上げないと,日本の耕種農業は先行き明るくなってこない。まだまだ検討不十分である。

 

 わが国の国産畑作物への潜在的需要は大きく,かつ今後の日本農業発展のためにも,多様な転作作物の奨励は大事な政策である。主食用米を値段を低くして今以上に大量生産することでは,日本農業の発展には結びつかないだけでなく,食料自給率の向上にも,農村生活の拡充や日本の食生活の向上にも役に立たない。大規模経営化・低価格の主食用米や農産物をどこまでも追い求めるような愚かな政策はやめ,多様性や環境性に富む,安全で豊かな農業・農村・農産物を求めて,農業政策を切り替えるべき時が来ているのだ。

早々

 

 

2013年11月10日 (日)

(悪魔が来たりてホラを吹く:(2)) 原子力「寄生」虫・田中俊一よ,お前はどこまで福島県民を愚弄すれば気が済むのか?

前略,田中一郎です。

再び許しがたいことが発覚しております。

 

●(既報)20ミリ・シーベルト以下で安全…規制委が指針 科学 YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20131107-OYT1T01511.htm?from=ylist

 

 先般のメールで,原子力「寄生」委員会が一般人の年間被ばく限度を「年間1mSv」から「20mSv」に切り替え,「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」による被ばく健康被害や,放射能汚染の損害賠償・補償あるいは除染などの事故後対策の費用を極小化して,東京電力をはじめとする原子力ムラの完全復活を画策している旨をお伝えしておりますが,下記はその関連報道です。再び許しがたいことが発覚しております。

 

(1)福島原発規制委員長が住民聴取拒む 被ばく防護策評価- 毎日jp(毎日新聞)

 http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20131110k0000m040090000c.html

 

(記事の抜粋引用)

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 東京電力福島第1原発の事故で避難している住民の帰還に向けて、各省庁の被ばく防護などの政策を評価する原子力規制委員会の有識者会合で実施が決まった住民への聞き取り調査が、事前に撤回されていたことが分かった。避難住民に代え、親しい地元首長らに聞き取りをするよう田中俊一委員長が会合後に事務局に指示していた。透明性、中立性を掲げてきた規制委の運営に反するとして、有識者委員から反発の声が上がっている。

 

(中略)

 政府関係者によると、田中委員長が住民への聴取を拒否したのは、移住希望の声が多く出て、帰還を前提とした評価会合の議事運営が滞ることを懸念したためだという。会合は11月中に評価結果を提言にまとめる予定だが、避難住民の意見は反映されない見通しになった。田中委員長はこの件について、毎日新聞の取材に応じなかった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(記事は,NO1,とNO2.に分かれています。画面下部にご注意ください)

 

★「移住希望の声が多く出て、帰還を前提とした評価会合の議事運営が滞ることを懸念」!!!!★

 

 いったい,これはどういうことだ? 田中俊一よ,お前達は一体誰のために,何のために,仕事をしているのか? 昨日には,対外的には柏崎刈羽原発について「原発再稼働のための審査は棚上げ,福島第1原発での状況を見定める」などと言っておきながら,陰に隠れて,東京電力と審査のための会合やヒヤリングを幾度となく開催しているというではないか。数ヶ月前の関西電力の大飯原発再稼働の審査の時も,表裏の二重人格的な対応をしていたことが既にバレている。ふざけてんじゃねーぞ。

 

 そもそも,年間被ばく限度「20mSv」なんぞに科学的・実証的な根拠などありはしない。あるというのなら,見せて見ろ。「科学的根拠」どころか,年間1~10mSv程度の被ばくでさえ,多くの健康障害・遺伝的障害が出ているということが,動物実験でも,人間の場合でも,これまでに多く伝えられている。お前達・原子力ムラ連合や下記の国際原子力機関(IAEA)などの国際原子力マフィアは,そうした多くの経験的な事実を単に無視しているだけではないか。「見ざる,聞かざる,言わざる」と「ない」こととは明らかに違う。嘘八百で塗り固めた二枚舌の原子力推進をいつまでやってんだ。

 

 田中俊一よ,お前を含む原子力推進の歴史的犯罪容疑者達が連名で出した,3.11福島第1原発事故直後の「お詫びと反省」が泣いているぞ(下記URL参照)。人間として恥ずかしくないのか。せめて,くたばる前に,少しでも罪滅ぼしをしてみようという気にはならないのか。

 

 田中俊一よ,つべこべいわずに,福島県をはじめ被害者の方々の生の声を聞け,その悲痛な叫びに耳を傾けよ。それがいやなら,とっとと消え失せろ!

 

●歴代原発推進学者が自己批判・謝罪。事態の深刻さも強調(Yahoo Japan) Finance GreenWatch

 http://financegreenwatch.org/jp/?p=1236

 

<関連サイト>

(2)福島原発規制委員長が住民聴取拒む 被ばく防護策評価 - 毎日jp(毎日新聞)

 http://mainichi.jp/graph/2013/11/10/20131110k0000m040090000c/002.html

 

(3)クローズアップ2013東日本大震災・福島第1原発事故 IAEA「除染1ミリシーベルトこだわらず」広がる目標見直し論-(毎日新聞)

 http://mainichi.jp/shimen/news/20131104ddm003040101000c.html

 

(4)3・11後のサイエンス被ばくのブラックボックス=青野由利- 毎日jp(毎日新聞)

 http://mainichi.jp/feature/news/20131024ddm013070020000c.html

 

(5)帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チーム

 http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/kikan_kentou/

 

(6)原子力規制委員会への御質問・御意見

 https://www.nsr.go.jp/ssl/contact/

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(追)私の個人ブログの引越しのお知らせです

●「いちろうちゃんのブログ」(ココログ)に引っ越しました (原発ゼロ・脱被曝 どうしたらできる?)

 http://onndannka.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-79bc.html

 

放射線被曝を切り捨てる新たな動き:原子力「寄生」委員会が20ミリシーベルト以下で「安全」の指針 ???????

前略,田中一郎です。(重複を深謝)

 

既にメールやネット上で伝えられておりますが,放射線被曝の健康被害を切り捨て,併せて「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」による損害賠償・補償や被害者の再建支援,及び福島県をはじめとする汚染地域の除染義務などを踏み倒す新たな動きとして,若干のものを整理・列挙しておきます。

 

1.20ミリ・シーベルト以下で安全…規制委が指針 科学 YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20131107-OYT1T01511.htm

 

*帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チーム|会議|原子力規制委員会

 http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/kikan_kentou/

 

*同上:第4回開催のお知らせ(日時:平成251111日(月)133015:30

 http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/kikan_kentou/20131111kaisai.html

 

<その他>

(1)http://news.infoseek.co.jp/article/20131107_yol_oyt1t01511

(2)http://onodekita.sblo.jp/article/80232920.html

(3)http://matome.naver.jp/odai/2138387510232381501

 

<参考>

 郡山市では,癌は国民病で放射能とは関係ない,という洗脳教育プロパガンダが進行中のようです

 https://twitter.com/yoshienemo13/status/398703375962755072/photo/1

 

 いよいよ原子力「寄生」委員会の正体があらわになり,その本領が発揮されるようです。先般は,国際原子力機関(IAEA)を呼んできて放射能汚染の状況調査などをさせ,あわせて年間20ミリシーベルトまでなら大丈夫などと発言させておりますし,また,原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)も先般,「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」とその汚染状況に関する報告書をとりまとめ,住民の被ばくは大したことはなかった,などという非科学的・非実証的な結論を公表しております。

 

 チェルノブイリ原発事故の後の国際原子力マフィアや原子力ムラの動きと瓜二つの様相です。信用されなくなっている国内原子力ムラの御用学者だけでは,日本の有権者・国民や被害者を抑えられないので,原子力国際連合総がかりで,放射線被曝を歪曲化し,何よりも,「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」に伴う様々な対策「経費」を極小化しようとしているのです。この連中の言うとおりになれば,これから人の命や健康は後回しにされ,劣後させられていくことになります。

 

 一方で,日本国内は安倍晋三・自民党政権が成立して以降,様々な意味で,様々な問題について「翼賛的」状況が蔓延し始め,有権者・国民全体に中身のない情緒的な「支配権力同調主義」のような「社会病理的現象」が現れ始めています。私は,こうした動きを「新たなファシズム」の兆候として非常に警戒いたしております。マスごみ報道などは,この「社会病理的現象」のリトマス紙のようなもので,ちょうど今から70年くらい前のアジア太平洋戦争突入時の,あの時代の「報道」とよく似た状況になりつつあります。(上記サイトの読売新聞記事などはその典型です。昨日の朝刊1面に大きく掲載されていました。放射線被曝に「安全」などはありません,何度言ったらこの新聞は理解できるのでしょうか?)

 

 しっかりとした批判的な目と情報リテラシーを持ち続けること,今ある日本社会の流れに妥協せず,あらゆる手段で徹底して対抗すること,原子力や被ばくのことで申し上げれば,既存の(似非)科学の権威にひれ伏さないことなどが,我々自身と我々の社会が生き残る方法ではないかと思い始めております。

 

 田中俊一原子力「寄生」委員長はじめ,原子力「寄生」委員会・「寄生」庁をぶったたきましょう。年間20ミリシーベルトなら安全だ? 馬鹿言ってんじゃないよ。まず,原子力「寄生」委員会・「寄生」庁の全ての業務室に福島県から汚染土でも持って行き,年間20ミリシーベルトになるように床に敷き詰めるなどのセットをしてやって,お前ら自身で実験でもしてみたらどうか。

 

2.390件で集計ミス=原発事故に伴う甲状腺検査―福島県 (時事通信) - Yahoo!ニュース

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131108-00000169-jij-soci

 

*福島県県民県管理調査委員会は8日付けで、第8回から12回までの5回分の資料に誤集計があったとして訂正を出しています。

http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=24809

 

<その他>

(1)http://www.tv-sdt.co.jp/nnn/news8655821.html

(2)http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2013110801046

(3)http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-3226.html

 

 「福島県民健康管理調査検討委員会」が何のために設置されているのか,これもまた上記と同様に,その正体が赤裸々になってきました。子ども達の内部被曝を心配する被害者住民の気持ちを踏みにじるかの如く,検査されたデータが「適当」に扱われ,集計もずさんなままに放置され,結果的に,大きなミスが表面化することになりました,私は,検査データ処理の誤りは,今回だけにはとどまららないのではないかと思っています。

 

 記事には「集計の基となる医師作成の書類には「A1」か「A2」かの区別を記載する欄がなく、医師が欄外に書き込んでいたが・・・」とあります。何ですか,これは? 検査記録の様式さえもが出鱈目でノーチェックだったということですよね。委員会の委員達は,いったい何を見ているのでしょう? また,検査をした医者達は,こんな記録シートはおかしいのでは? と何故言わないのでしょう。

 

 「福島県民健康管理調査検討委員会」がこれまでやってきたことは,要するに,子どもや被害者住民の放射線被曝による健康被害がどうであるか,それによってどれだけ被害者が苦しむことになるのかなど,どうでもいいことで,その本当の目的は(1)福島県民を放射線被曝実体験のモルモットとして扱い,中長期的なデータ蓄積を行うこと,(2)放射線被曝による健康被害が表面化してきても,それをねじ伏せる権力組織と屁理屈体系と(似非)科学的権威を,前もって山のように創っておき,仮に健康被害が実際に出始めても,被害者が萎縮をして,まちがっても賠償請求などをしないように布石をしておく,(3)「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」による放射能汚染や被ばく被害はたいしたことはない,という嘘八百を「翼賛的にでっちあげる」ために,この「福島県民健康管理調査を徹底して利用する(これからの“つつがない”原子力推進をスムーズにするために),ということなのでしょう。

 

 18歳以上の甲状腺検査,福島県以外の汚染地域での検査,甲状腺検査以外のさまざまな被ばく関連検査の同時実施(心電図,血液検査,尿検査他),検査結果の本人への開示と結果情報の公開,甲状腺検査のやり方,セカンドオピニオン確保の保障,検査や治療の費用負担問題,その他,この「福島県民健康管理調査」がこれではだめだ,というしごくまっとうな意見や要望が出ているにもかかわらず,これらを歯牙にもかけない「福島県民健康管理調査検討委員会」,その正体はすでに薄々明らかになっていたが,今回の膨大なデータミスの発覚で,それが更に赤裸々になったということではないでしょうか。

 

 「すみませんでした」では「すみません」。少なくとも,(1)福島県立医大の責任者を懲戒免職を含め処分せよ,(2)「福島県民健康管理調査」の実務遂行を福島県立医大から切り離す,(3)「福島県民健康管理調査検討委員会」委員全員の辞任または罷免とその責任の徹底追及(訴訟ありうる),(4)放射線被曝に対して慎重な科学者・医学者・医師を過半数入れた新委員会を創設し,「福島県民健康管理調査の在り方を抜本的に見直す(簡単なことで,放射線被曝による健康被害を懸念する福島県をはじめすべての被ばく被害者の要望・要請・期待にこたえられるような検査内容,検査の在り方にするということです)などが,必要かと思われます。

  

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<追>若干のおまけ

 

(1)下記のような案内が送られてきました(ご紹介)

*なぜ、この無料メルマガが今、必要なのか? 3年後政治状況をひっくり返すための100万人無料メルマガプロジェクト

 http://senkyo.blog.jp/archives/928565.html

 

*【追加情報】11月の選挙一覧 福島市長選 二本松市長選 3年後政治状況をひっくり返すための100万人無料メルマガプロジェクト

 http://senkyo.blog.jp/archives/822145.html

 

(2)先般,海渡雄一弁護士よりご紹介いただいた「ツワネ原則」関連のサイトです。繰り返しますが「ツクネ原則」ではありません。「ツワネ」です。

 

Peace Philosophy Centre 『国家安全保障と情報への権利に関する国際原則(ツワネ原則)』の要約 GLOBAL PRINCIPLES ON NATIONAL SECURITY AND THE RIGHT TO INFORMATION http://peacephilosophy.blogspot.jp/2013/09/global-principles-on-national-security.html

 

*東京新聞ツワネ原則手本に 欠陥だらけ 秘密法案白紙を特報(TOKYO Web) http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013110902000145.html

 http://p.twpl.jp/show/orig/43rlq

 

<その他>

(1)http://tweetou.net/politicians/mizuhofukushima/

(2)http://ootsuru.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-5106.html

早々

 

2013年11月 7日 (木)

自民党の新農業政策(続報:耕種農業)(2) (付け加えます)「米だけは」政策から「米さえも」政策へ=主食を捨てるような国が国家安全保障(NSC)など笑止千万 (その2)

前略,田中一郎です。

 

主食用米の生産調整廃止に関して,申し上げておくべきと思われることがもう少しありますので,以下に箇条書きにいたします。

 

(1)米価が暴落した場合,農業の現場や実態を知らない机上の空論の市場原理主義学者達やマスごみの記者達は,生産コストが割高な零細稲作農家から価格競争に耐えられなくなって稲作から撤退・淘汰され,その農地が生産コスト上で優位にある大規模農家や農場に集約されるなどと,ごくごく「単純に」考えている様子がうかがえる。しかし,過去の日本の農村を振り返ってみても自明の通り,米価暴落で決定的なダメージを受けるのは,兼業収入で支えられている零細稲作農家ではなくて,主食用米の生産を経営の柱とする大規模生産者・農家・農場(専業農家)なのである。米価の暴落は,日本の大規模稲作農業を真っ先に没落させ,多くの「自家消費用稲作農家」を残存させることになるだろう。また,農地は集約されるどころか,耕作の担い手を失って,全国いたるところに耕作放棄された荒れた田んぼが今以上に散在することになるだろう。机上の空論は,机上の空論でしかないのだ。

 

(2)茶碗1杯のごはんの値段はわずか30円たらず(精米5kg2,000円として,茶碗1杯=65gで,65×2,000÷5,00026円),あの芸術品に近い日本の美味で栄養価に富んだすばらしいお米の値段が茶碗1杯26円なんて,まさに「奇跡の低価格」である。むしろ,こんな低価格は,生産者・農家の犠牲の上にあるにきまっているのだから(生産者・農家の手取り価格はもっともっと低いだろう),本来,もっと高い値段でなければならないのだ。それを,この米の値段が高いなどという馬鹿者は,およそ金勘定や商品選択の基本が理解できないトンチンカンか,米の値段をとにかく下げたい(貿易交渉で米が足手まといになるのを振り払いたい一心)人間達の「ためにする」議論にすぎない。こういう奴らは,牛や馬用のエサでも食っておればよい。それなら随分と安かろう。

 

(3)現在の日本には,米の「減反政策」なるものは存在しない。存在するのは「主食用米の転作奨励政策」であり,耕作放棄地解消政策である。「減反」とは,読んで字のごとく,米を作らない・米を作らせない政策のことで,1995年の新食糧法制定前の旧食管法時代には,そうした政策も見られたが,今ではそのような馬鹿な政策は農林水産省といえども実施していない。

 

 長きにわたる,生産者・農家を愚弄するかのごとき政府・農林水産省・自民党の「米だけは」(何とかしましょう)政策により,主食用米の需給バランスが崩れて生産過剰に陥っている主食用米作りの農業を,それ以外の作物へ転作するための政策が行われている=自給率が極端に低く,かつ,消費者・国民にとっては基幹的な作物である麦・大豆・飼料作物などへの作付転換である。また,同じコメであっても,主食用ではなく,家畜の飼料用米や米粉その他の加工用原料米などへの用途指定された米づくりでも,昨今は「みなし転作」として,補助金の対象にされている。

 

 これは,単に主食用米の需給の調整を行い,よって米価暴落を防ぐということだけではなく,過剰な主食用米に代えて,自給率が低迷する主幹的な作物作付へ切り替えることで,食料自給率の向上や,根強い国産農作物へのニーズにこたえるために展開されている,数少ない適切な農業政策である。生産過剰な米を更に作ることによっては,我が国の食料自給率を引き上げることもできなければ,農業の再生・復興もなすことはできない。「生産者・農家の自主的判断にゆだねて云々」などと,マスごみどもは勝手な「きれいごと」を記事に書いているが,政策的生産調整をやめて,米価を100万人以上の生産者・農家がいる市場の「自主的判断」にゆだねてしまえば,米価が暴落して,日本の中核的な稲作農業はたちまち崩壊してしまうことになるだろう。食料自給率の向上どころの話ではなくなってしまう。日本農業の息の根が止められてしまうかもしれないのだ。

 

(4)主食用米の転作政策そのものは適切な政策であるが,実は,これもうまくいっていない。理由はいろいろあるのだが,その主たる理由は次のようなことである。

 

● コメしかつくれないような地域にまで,その他作物への転作を押し付けている,例えば水はけの悪い地域への大豆転作の押しつけ(⇒ 飼料用米などへの適地適作の作物への転換をはかればよいし,主食用米の生産調整と転作奨励を各地域地域で自主性を尊重しながら進めて行ける,新たな生産調整方式を考えるべきである=都道府県相互の間で,生産調整量と転作奨励金を「交換」するやり方など),

 

● 転作作物の選択に自由がない・いろいろと補助金受取のための条件や制約が付いて現実的ではない(⇒「産地資金」の形で,各地域で転作補助の体系や条件を決めてもらえばよい,国は不正利用や怠惰な利用の防止のための大枠と事後チェックを担えばよい),

 

● 転作作物を地域に定着させるための様々な施策が整合的にとられていない(耕地改良や生産基盤整備,農業機械や農業技術,種苗確保や品種改良など,転作作物が地域に根ざす農業となるような「総合的施策」が必要だが,この部分が農林水産省や自治体などの怠慢で,なかなかよくならない=役人どもは,その日暮らしの農業政策しかしない),

 

● 作った農作物を販売していくところが不十分・苦手(JAの怠慢・能力不足,零細生産者・農家への生産物販売政策支援がない,6次産業化政策などは,生産者・農家のためではなく,川下の食品産業が農業を食い物にするために実施されている感が強い=本末転倒),

 

● 転作がうまくいかない決定的な理由が,主食用米の生産に比較して,転作作物の生産の方が条件が悪い=収入や利益が少ない=補助金額が全く不十分で,生産者・農家が主食用米を奨励される作物に転換・転作しようという気にならない,

 

などである。要するに,日本の農業政策は,主食用米の稲作以外の農業生産の政策的な振興に失敗をしているということだ。まことに情けない,レベルの低い農業政策である。しかし,この「失敗農政=主食用米の転作の失敗」についての反省は,政府・農林水産省・自民党には全く足りない=その政策的欠陥の理解がほとんどできていないのが現状である。政策自体が悪いのではない,そのやり方・具体的施策がだめなのである。政策立案・実施当事者たちは,頭が悪すぎる=知恵がなさすぎるのではないか?

 

にもかかわらず,政府・自民党・農林水産省は,愚かにも,農業を知らない机上の空論学者を毎年のごとく政府の審議会に呼んできては,千年一日のごとく日本の農業と生産者・農家のバッシングをやり,肝心かなめの自分達の過去の政策の至らなさ・不十分さに対しては,現場・現実に即して分析も実態把握も生産者・農家の声を聞くことをしないままに,「自由競争だ」「補助金の廃止だ」「FTA/EPAだ」「戦う農業だ」「強い農業だ」などと騒ぎたてているのである。生産者・農家にとっては迷惑極まりないことに加え,自らの生業に対して頭から否定されているような気分にさせられ,不愉快極まりない状態が続いている。馬鹿もいい加減にしろ,ではないか。

 

 結論は明らかだ。4つの優先農業政策(①アメリカ優先,②WTO・FTA・EPA優先,③財政再建優先,④政治家・官僚・食品関連産業の利権優先)を捨てて,現場を重視する「農業のための農業政策」を,本気で全力展開することである。そのための政治勢力を,政府や国会に多数送りだすことである。農林水産省を抜本的に改革することである。市場原理主義にイカレた頭を正気に戻すことである。日本にとって農業は,潜在的に21世紀を切り開くことのできる未来産業であり,様々な可能性を持った貴重な産業である。我々消費者・国民は,この日本農業をしっかりと守り,未来の世代へと引き継いでいく大きな責任と使命があることを忘れてはならない。

早々

 

 

 

 

自民党の新農業政策(続報:耕種農業)(1) 「米だけは」政策から「米さえも」政策へ=主食を捨てるような国が国家安全保障(NSC)など笑止千万 (その1)

前略,田中一郎です。

(別添PDFファイルは添付できませんでした)

 

 <別添PDFファイル>

(1)安倍晋三・自民党政権の農業政策(1)(2013111日付日本農業新聞)

(2)安倍晋三・自民党政権の農業政策(2)(2013116日付日本農業新聞)

(3)安倍晋三・自民党政権の農業政策(3)(2013117日付日本農業新聞)

 

 下記は本日付の『日刊アグリリサーチ』に掲載された米の生産調整廃止に関する記事である。いよいよ対米隷属の市場原理主義政権=安倍晋三・自民党は,これまでの「米だけは」(何とかいたしましょう)政策を捨てて,「米さえも」(守らないのか)政策へ転換しようとしている。その目的は,一言で申し上げれば,TPP批准をよりスムーズに進めるため,交渉の「足手まとい」と意識する日本農業と,その中核をなす稲作農業を切り捨てるためである。米の価格をTPP批准に先駆けて暴落させれば,おのずと米を関税などで守る必要もなくなり,「高い水準」の貿易協定をそれだけ実現しやすくなるためだ(目標は国際価格水準の3,000円/60kg=1俵=現在の価格の1/5程度 ⇒ いきなりそこまで行かなくても,当面はおよそ6~9千円/60kg程度まで引き下げられればOK=従来の加工用米の水準である)。

 

 では,TPP協定などという,何のために締結するのかわからない,日本にとっては何のメリットも利益ももたらしそうにない国際協定を,コメをはじめとする農業部門や,農業以外の様々な部門での多大な犠牲を払ってまで強硬に実現しようとするのはなぜか。それは,ただひたすら米国政府に要請されたからであり,米国政府のご機嫌を損ねないためであり,米国政府の言うがままに隷属しておけばいい,とのセンチメントから来ている。その米国政府の向こうには,ほんの一握りの無国籍大資本とその経営者達が,あのちょろい日本の政治家達をうまく手なずけて,獲れるものは獲ってしまえ,と米国政府に叱咤激励をしている。彼らの「高笑い」が聞こえてくるようだ。

 

 何度も申し上げているが,TPPの狙いは農業ではない。国丸ごと,無国籍大資本の利益のために無条件に提供し,国家の上にその無国籍の大資本を置き,とことんむしり取られ,剥ぎ取られるための国際協定である。どちらかと言えば,貿易協定というよりは投資協定に近い。その協定の下では,情緒的に市場原理主義に頭がイカれた愚かものの国の民から,主食も,国民皆保険も,労働基準法も,環境保全規制も,地域産業