1/4の核燃料棒が破損しながら運転を続けていた福島第1原発1号機=どこまでずさんに,出鱈目に,そして「隠せ!」なのか
前略,田中一郎です。
(別添PDFファイルは添付できませんでした)
別添PDFファイル3つは,昨今の原発・核燃料施設関連で,「おや?,なんだコレ!」と思ったものを若干拾ったものです。特に,(1)「(福島第1)1号機燃料
震災前破損 70体,全体の1/4(河北 2013.11.16)」には驚きました。今までずっと隠し続けてきたのですが,いよいよ,その危険な核燃料棒をプールから取り出さなければいけないということになって隠し続けられなくなり,しぶしぶ「実は・・・・・」と「泥を吐いた」ということなのでしょう。東京電力という,このどうしようもない会社は,「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」後も,その体質がちっとも変わってはいません。
また,残りの3つも,東京電力並びに原子力「寄生」委員会・「寄生」庁という原子力ムラの寄生虫達の無責任さと,いい加減さと,出鱈目八百を象徴的に現しているような内容です。♪♪「でたらめつづくよ,どこまでも,野を越え山越え谷越えて・・・・」の原子力ムラ汽車ぽっぽの後に待っているのは「地獄の釜の蓋」=つまりは再びの超巨大スケールでの原発・核燃料施設過酷事故です。既に,大日本原子力帝国の最後の鐘が鳴り始めています。
<別添PDFファイル>
(1)(福島第1)1号機燃料
震災前破損 70体,全体の1/4(河北 2013.11.16)
(2)(福島第1)地下貯水槽
終了時期見えず(朝日 2013.11.7)
(3)規制庁方針:六ヶ所使用済み燃料プール新規制基準,審査中も受入れ容認(河北 2013.11.7他)
(4)美浜の会HP http://www.jca.apc.org/mihama/
<参考サイト>
(1)使用済み核燃料、取り出し作業の懸念点は?【福島第一原発・4号機】
http://www.huffingtonpost.jp/2013/11/17/fukushima-nuclear-plant-unit-4-spent-fuel_n_4292444.html
(2)【福島第1原発】4号機 燃料取り出し開始 廃炉「第2期」に (1-3ペー) - SankeiBiz(サンケイビズ)
http://www.sankeibiz.jp/express/news/131119/exh1311190901000-n1.htm
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(1)(福島第1)1号機燃料
震災前破損 70体,全体の1/4(河北 2013.11.16)
http://www.kahoku.co.jp/news/2013/11/20131116t63022.htm
http://blog.livedoor.jp/home_make-toaru/archives/7413469.html
(一部抜粋)
「福島第1原発1号機の使用済み燃料プール内にある燃料棒70体が東日本大震災前から損傷していたことが15日、分かった。プール内に保管されている使用済み燃料292体の4分の1に相当する。損傷した燃料棒を取り出す技術は確立しておらず、2017年にも始まる1号機の燃料取り出し計画や廃炉作業への影響が懸念される。
東京電力は、15日まで事実関係を公表してこなかった。同社は「国への報告は随時してきた」と説明している。東電によると70体の燃料棒は、小さな穴が空いて放射性物質が漏れ出すなどトラブルが相次いだため、原子炉から取り出してプール内に別に保管していたという。」
(田中一郎コメント)
驚いた,というよりは,あきれた。また,やってんだ,このアホタレ会社。核燃料に穴があいて放射性物質が冷却水に漏れ出しているのが分かっているのに,使用済み核燃料プールの移したら,後は知らぬ存ぜぬで今までやってきたということだ。そこから取り出すための技術は確立していないから,とりあえず”ほっとけ”ということで今日に至り,面倒なことは後回しで,そのうち忘れてしまったということか。今頃になって,地震でやられて危険になっている使用済み核燃料プールから核燃料棒を早く安全な所へ移せ,という段になって,ああ,そういえば,穴あき核燃料があったんです,なんて言い始める,何という無責任というか,危機感の乏しさというか,安全管理意識の低さというか,もう表現する形容詞もないくらいだ。
核燃料に穴があいているのなら,原子炉内は放射能だらけになり,当然,それを冷やす一次冷却水系の配管や復水器類も放射能だらけになる。使用済み核燃料プールに移したところで,そのプールもその水も放射能だらけになる,ということを意味している。この「東京ずさん電力」こと東京電力は,自分達が危険極まりない放射能や原子力・核エネルギーを扱っているという自覚がないのではないか。ただただ,のほー,と会社に来ているだけの連中が,幹部クラスに多すぎるのではないか。会社が「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」を経ても,なお,変わらない。
東京電力は,この1号機の核燃料の穴あきについて,次のように説明しているという。
「1号機は当社で最も古い原発で、燃料棒の製造時、品質管理に問題があり粗悪品が多かったと聞いている。2号機以降は燃料棒の改良が進み、品質は改善した」
「聞いている?」=他人事か? 誰か東京電力以外の何ものかが福島第1原発を運転しているのか? ぶっ飛ばしてやりたいね,こんなのは。その福島第1原発を,40年過ぎても引き続き運転したいと言っていたのは誰だったのかね? 核燃料の放射能漏れの穴を隠して,まだまだ安全,などと嘘八百こいでだ。
それに「2号機以降は燃料棒の改良が進み、品質は改善した」などと言っているが,2号機プールにも3体,3号機プールにも4体,そして,今まさに取り出そうとしている4号機プールには3体の「穴あき=放射能垂れ流し核燃料」があるではないか。全体の1/4が危険な欠陥品だという事態が,数本の危険な欠陥品に縮小しただけで「品質改善」などと言えるのか。超低品質が低品質になっただけではないか。
世の中一般で販売されている製品類の品質の厳しさを,お前ら東京電力は知らないのか。どの事業者も,みんな,品質管理や品質向上で必死に働いている。しかし,お前達東京電力は,原子力ムラに寄生して,地域独占に胡坐をかき,ふとどき千万の政治力を行使して好き勝手をやり,原発・核燃料施設の管理はいい加減の出鱈目八百,ツケは政府や自治体に回して,本来的な意味での「親方日の丸」事業を邁進してきた会社故に,品質ということについての厳しさがトンと理解できていない様子だ。ことは原発の安全中の安全=核燃料という「巨大時限核爆弾」に関する品質のことだ。こんな呑気で他人事のような説明で,許されると思っとるのか!!,
怒ってばかりもおれないので,大事なことを列記しておきたい。こんな危険極まりない事態が表面化しても,原子力「寄生」委員会・「寄生」庁からは,何の声も聞こえてこない。こっちの「寄生虫」達も,あっちの「寄生虫」の東京電力と”どっこいどっこい”で,この大事な時に昭和天皇が得意だった「あっそう」を繰り返しているのだ。そもそも原子炉建屋の5階の「空中」に使用済み核燃料の水のプールがあり,その中に使用済み核燃料が「イモ洗い状態」でギューギュー詰めで入れられているという。そんな現在の全国の各原発の使用済み核燃料プールの状態が危険極まりない。それなのに,その核燃料棒に穴があいていて,しかもそれが全体の1/4も,なんて,とてもじゃないが,想像もしたくないではないか。
<重要事項>
●この福島第1原発1号機の使用済み核燃料の「穴」は,ほんとうに東日本大震災前から開いていた穴なのか。地震で揺さぶられてあいたのではないのか。穴という穴,全部,ほんとうに震災前なのか? もしも地震の揺れによるものだとしたら,ただでは済まんよ。
●穴あき核燃料棒や損傷燃料棒を使用済み核燃料プールから取り出す技術を,どうして開発してこなかったのか。また,こうした危険な事態が起きていることを,どうして公表しなかったのか。東京電力は政府に報告をしていたと言うが,どこの誰に報告をし,その報告を受けた政府の部署は,何故,今の今まで黙っていたのか。1~4号機の使用済み核燃料プールからの核燃料取り出しの話は,今から1年以上も前より大問題となっていたのに,何故,今の今まで黙っていたのか。説明責任を果たせ。
●東京電力の他の2つの原発(福島第2原発,柏崎刈羽原発)ではどうなのか。直ちにその現状を発表せよ。
●更に,この核燃料穴あき問題は東京電力に限らず,広く日本全国の原発についても言えることだ。また,原発から大量の使用済み核燃料が運び込まれている六ヶ所村の巨大使用済み核燃料プールではどうなのか。ことは日本全国どこでも「穴だらけ」の可能性ありである。少なくとも,穴あき核燃料を安全に使用済み核燃料プールから取り出せる技術が確立するまでは,原発・核燃料施設の運転は停止させておくべきである。
●全国の原発・核燃料施設における使用済み核燃料プール対策はどうなっているのか。早く,大津波の被害にあわない土地へ「乾式貯蔵」の形で移さないと,安心して夜も眠れないではないか。どこの原発でも,地震にやられたら,今の福島第1原発4号機か,それ以上に悲惨なことになるのが分かっているのに,何にもしないのはどういうことだ。
●1~3号機の使用済み核燃料プールからの核燃料取り出しの時期が遅すぎる(最終が1,2号機で,終わるのが2018年末となっている)。遅くなるのは放射能汚染のせいだとマスごみは書いているが,説得力がない。何故,4号機と並行して,核燃料取り出しのための設備建設の準備を始めないのか。建屋にガタがきているのは4号機だけではないし,大地震・大津波は待ってくれない。もう一度,東日本大震災が福島沖か,福島県直下で起きたら,日本はもうおしまいだというのに,何をしているのだろうか。
(2)(福島第1)地下貯水槽
終了時期見えず(朝日 2013.11.7)
http://www.asahi.com/articles/TKY201311060797.html
だから,こいつらに甘い顔をするのはいやなのだ。地下貯水槽は「使ったらあかん」のだ。尻漏れしていて,放射能が福島第1原発敷地内地下にじゃじゃ漏れになるから,もう使うな,ということになっている。台風のために一時しのぎで使わせてくれ,ということで使ったのなら,もう台風は行っちゃったのだから,さっさと汚染水を引き揚げろよ。
行き場所がない? 東京電力の本社の地下へ,タンクローリーで持って行け。経済産業省や総理官邸の地下も使えるぞ。自民党本部もある。トリチウム水は,薄めて海へ捨てろと言っている奴らに飲ませてやれ。行き先など,あるではないか。(福島第2原発の施設や柏崎刈羽原発の施設はどうなのか)
(3)規制庁方針:六ヶ所使用済み燃料プール新規制基準,審査中も受入れ容認(河北 2013.11.7他)
(3-1)規制庁方針:六ヶ所使用済み燃料プール新規制基準,審査中も受入れ容認(河北 2013.11.7)
ネット上に記事が見当たらないので,手書きで簡単に記事内容をご紹介する。
(記事の一部抜粋)
「原子力規制委員会は6日,核燃料サイクル施設の新規制基準の適用方針を決めた。青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理施設のうち,既に稼働中の燃料貯蔵プールについては,新基準施行後,最初の定期検査の合格を新基準の最終的な適合要件とする。新基準による審査中も使用済み燃料の受け入れは可能とした。」
「同村で操業中のウラン濃縮施設と高レベル放射性廃棄物貯蔵管理施設も同様に扱い,審査中の濃縮やガラス固化体の受入れを認めた」
(3-2)燃料貯蔵プールの(新規制基準の)適用を5年間猶予(毎日新聞 2013.11.7)
http://mainichi.jp/shimen/news/20131107ddm008020075000c.html
(記事抜粋)
「原子力規制委員会は6日、日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)のうち、燃料貯蔵プール(容量3000トン)については、新しい規制基準(12月18日までに施行)の適用を今後5年間猶予することを決めた。規制基準は、核燃料サイクル施設に初めて過酷事故対策などを法的に義務付けている。規制委は、再処理工場貯蔵プールや、ウラン燃料加工施設の一部作業については「5年猶予しても安全上問題ない」と判断。核燃料のせん断・溶解作業などリスクを伴う工程については基準を即適用する。新基準の適用が猶予されたことで、今年度中に四国電力伊方原発(愛媛県)の使用済み核燃料を14体(重量6トン)受け入れる計画は施行後も予定通り実施される見通し。」
(田中一郎コメント)
これまた,呆れる話である。関西電力大飯原発で,原発規制を放棄し,事実上の無審査と危険要因無視で再稼働を容認していたかと思いきや,今度は原発よりもはるかに危険で汚い再処理関連施設で似たようなことをやり始めている。審査する前から「使っててもいいですよ」と言い,新基準で厳しくチェックするかと思いきや「5年後でいいですよ(どうせ,その頃には私たち原子力「寄生」委員はいませんから,勝手にやっててくださーい」だそうである。
原子力に「寄生」する「ほら吹き寄生虫」が,原発・核燃料施設なんぞを規制できるわけがない典型的な事例である。繰り返すが,核燃料サイクル施設は,原発よりもはるかに危険ではるかに汚い施設である。その施設に対して,この「寄生虫」らがやることは「原発よりもはるかにやさしい,ハードルの低い,いい加減な規制」である。
その心は,近未来の大破局事故である。再処理工場内の使用済み核燃料プールは,建設途中で「手抜き工事」が2度にわたって発覚した,いわくつきの施設である。危険極まりない高レベル放射性廃棄物貯蔵管理施設や高レベル放射性廃液貯蔵プールも,同様に「手抜き」があっても何の不思議もない。それを「手抜き」審査で使わせよう,というのだから,発狂しているか,あまりに核燃料サイクル施設の危険性を理解していないかのいずれかだ。「手抜き」王国の核燃料サイクルとともに歩む放射能豊かな「地獄」への片道切符が我々一般国民に手渡されようとしている。
皆さま,日本脱出のご用意をなさいませ。まもなく「ドカーン」と来ますから。
(4)関西電力と原子力「寄生」委員会を批判する美浜の会
(4-1)炉心溶融を前提にした危険な再稼働審査,海への放射能放出の拡散防止は「土のう」
http://www.jca.apc.org/mihama/News/news125/news125meltdown.pdf
(一部抜粋)
「原子力規制委員会は、福島第一原発の汚染水漏えい・流出対策はそっちのけで、再稼働審査を猛スピードで進めている。電力会社の申請と審査の実態から見えてくるのは、「炉心溶融を起こさない」ための審査ではなく、炉心溶融を前提とした危険極まりない再稼働の準備だ。新基準の枠組み、電力会社の申請内容、審査の実態等からこれらが浮かび上がってくる」
(4-2)関電の地震動評価はあまりにも過小評価
http://www.jca.apc.org/mihama/ooi/nsr_yosei20131108.pdf
(一部抜粋)
「1.関西電力に対し、少なくとも津波評価の場合と同様に、「武村の式」で地震動評価のやり直しを求めること。再稼働申請にあたって関西電力は、地震の規模を示す地震モーメントMo について、津波評価の場合は「武村の式」を使用し、地震動評価の場合には「入倉の式」を用いており、二重基準となっている。
「武村の式」で評価すれば、地震モーメントMo は4.7倍にもなる。
2.そうすれば、耐震安全性が成り立たないことは明かであり、原発は再稼働できないと早期に表明すること。」
(田中一郎コメント)
「土のう」で放射能の拡散防止をするのですか。多重防護だから,三重「土のう」体制でもとるのですかね。今から関西電力の役職員で,会長・社長・専務・常務以下,1千万個の土のうづくりに邁進でもしていただきますか。まるで,本土決戦時の日本帝国陸軍さながらですな。あほ~~。
それと,地震・津波の評価式が二つあれば,厳しい方・被害を大きく見る方を使うのは「当たり前」の話。小さい方を使って「安全だ」なんて,何言ってんだよ,このドアホ。この「関西のらくら電力」もまた,東京電力と同じでロクでもない会社なのよね。ちっとも反省してないね。これも法的破綻処理が妥当だ。が,しかし,です。ここでも原子力「寄生」委員会・「寄生」庁は,「ほら吹き悪魔」同然で,機能してまへん。
早々
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