IAEA福島第1原発(再)視察団報告(2013年10月21日)
今般,福島第1原発の(再)視察に訪れたIAEAの専門家チームが,「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」後の除染に関する暫定版の報告書をまとめたようです(子の人達はいったい何の「専門家」なのでしょうね?)。
(1)福島第1原発 除染目標「1ミリシーベルトこだわらず」 IAEA、政府に提言
(産経新聞) - Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131022-00000107-san-soci
(2)除染「1ミリシーベルトこだわらず」 IAEA調査団
(福島民報) - Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131022-00000001-fminpo-l07
国際原子力マフィア=IAEAのチーム団長(レンティッホIAEA核燃料サイクル・廃棄物技術部長)は,「1mSvにこだわらず」とか「1mSvは必ずしも達成する必要はない」とか,ろくでもないことを,(放射線被曝への批判力ゼロの)「マスごみ」の前で話しているようです。それはまるで,「子ども被災者支援法」で1mSv以上の地域を対象地域にしてしてほしいという放射能汚染地域の大半の被害者の願いを踏みにじるかのごとき言動です。(おそらくは,それを「箔付け」「合理化」するためにやってきたのでしょう)
日本経済新聞記事によれば,IAEAの除染に関する8項目の助言とは次のようなことです。
●原子力規制委員会が積極的に関与して評価すべき
●年間の追加被曝線量が1ミリシーベルトという政府目標は,除染だけで短期間で達成は不可能。利益とリスクを住民に詳しく説明すべき
●環境回復と復興などとの関係を住民に伝えるべき
●個人が携帯する線量計の積極活用
●安全な食品生産と環境回復手段の最適化
●住宅周辺などの森林の環境回復の最適化の継続
●淡水や海洋環境のモニタリングの継続
●汚染物管理施設の安全性の実証と独立した評価をすべき
KEYワードは,まず「最適化」です。簡単に言えば,(被曝者・被害者救済のために)金のかかることはしない=原子力推進に最適な状態にする=「住民の命や健康よりも,原子力ムラや代理店政府・自治体の金の方が大事」ということです。
もう一つのキーワードは「個人携帯の線量計」です。除染しても空間線量は容易には下がらず,除染の効果もほとんど無きに等しいので,これからは,空間線量管理ではなく,(高い空間線量下で居住する住民の)個人(外部被曝)線量管理でやっていく,ということです。恒常的な低線量内部被曝を無視し,様々な理由から,被曝量が低く出やすい個人線量計で,個別に個人個人を線量管理し,その数字を見て「安心」してもらう,という算段のようです。放射線被曝のなまなましい実態とはちがう「ニセモノ被曝量」を住民に見てもらって,安心して被曝してもらおう,ということのようです。
さて,こうしたことの狙いは次の4つであると思われます。
(1)「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」による放射能汚染と放射線被曝(とりわけ恒常的な低線量内部被曝・外部被曝)の人間の健康や環境に及ぼす未来永劫に近い悪影響を極端にまで過小評価すること。福島第1原発過酷事故後における(「原子力安全神話」に代えて)「放射線安全神話」を確立し,「原発・核燃料施設との共存」から,「原発・核燃料施設過酷事故との共存」に切り替えること
(2)その結果,除染にしても,放射線被曝回避にしても,避難や疎開にしても,出来る限り安上がりに,金のかからないようコストを抑えて適当に終えてしまうこと(「子ども・被災者支援法」や,その基本方針などは見直さない),また,被害者への賠償・補償も,屁理屈をつけて可能な限り極小化して踏み倒すこと
(3)他方で,原子力の効用や核燃料サイクルの「必要性」を嘘八百を並べ立てて宣伝し,これまで通りに,コストを抑えた安定した原子力推進の軌道を回復させること(そのためにも,「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」について,深刻な影響があると厳しく評価をする人達を,非科学的であると貶めること)
(4)日本の深刻な「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」が,海外の原子力推進・原発新増設の妨げとならないよう,徹底した思想統制と,被曝管理政治と,嘘八百で塗りあげた「原発(似非)科学」を大宣伝すること
そもそも国際原子力機関(IAEA)とは,国際原子力マフィア達が巣食う原子力推進の総本山のようなところです。そんな組織を,全ての県内原発を撤去し脱原発を誓う,という福島県(庁)が,何ゆえにその視察や調査を受入れるのでしょうか。「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」の深刻な影響が全く解消されそうにない中で,未だにこの反県民的な県庁は「二枚舌」を使っているという他ありません。
今回の国際原子力機関(IAEA)の再びの福島第1原発視察は,政府と福島県とIAEAとの「闇談合」による「仕組まれた茶番劇」以外の何物でもなく,また,国際的な原子力マフィア・原子力ムラ連合による,我々脱原発・脱被曝を願う一般有権者・国民に対する「最終戦争」の「宣戦布告」だと考えた方がいいでしょう。彼らは,チェルノブイリ原発事故後の旧ソ連諸国で行った被害と被曝のもみ消し・矮小化を,断固として,この日本でも貫徹する決意で,日本を訪れているのです。歴史は繰り返す,一度目は悲劇として,二度目は「茶番」として,・・・・まさにこの通りです。
私のひとりごと:「負けられません,勝つまでは」
国際原子力マフィア・原子力ムラとの「最終戦争」に妥協などはなく,彼らを社会的に完全に葬り去るまでは,彼らはゾンビのごとく何度でも「原子力推進」(=放射線被曝押し付け)の「悪魔の杖」を持ち,我々を襲ってくるでしょう。また,それに敗北することは,我々の子々孫々までもを含む放射線被曝「死」=滅亡を意味するのです。
<追:参考情報>
(1)10-22 CNIC-Ustream 国際原子力ロビーとエートスプロジェクトの実相 原子力資料情報室(CNIC) http://www.cnic.jp/5411
(放射線被曝生活への自主的参加を促す「悪魔の施策:エートスPJ」についての話です。講師は来日中のコリン・コバヤシさんです)
(2)大山敏郎ブログ(2012.1.4):放射性セシウムによる内部被曝について
(ある方にご紹介していただきました)
(3)図解 よくわかる非常用炉心冷却系(ECCS)
http://tokyo80.com/energy/P4.html
(「東京電力(福島第1原発)放射能放出事件」の原因究明の際に,地震の揺れで破損したかもしれない「非常用炉心冷却系(ECCS)」についての簡単な解説です。「○○系」がいろいろあるのでややこしいですが,これを見ますと,アバウトでぱっとわかります)
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