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2013年9月 6日 (金)

輸入食品の安全性のこと,マグロなどの水産資源のこと,厚生労働省の食品安全パンフのウソ(松の木小唄),そして森林除染のこと

前略,田中一郎です。

食品の安全等に関する昨今の情報をお送りいたします。

 

1.週刊文春記事(添付できませんでした:ご紹介のみ)

 2013.9. 5号 「食品表示ラベルのウソ」

 2013.9.12号 「危ない中国産を見破る方法」

 

2.平成24年度輸入食品監視指導計画に基づく監視指導結果,及び平成24年度輸入食品監視統計の公表について |報道発表資料|厚生労働省

 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000016388.html

 

 たった400人程度の担当者が膨大な量の輸入食品の検査を担当させられ,機能不全に陥っています。こんな状態はもうかれこれ20年近くも続いているようです。検査されているのは,輸入されるもののうちの1割程度,それも輸入手続きを安全検査よりも先に済ませ,流通させておいて,検査で有害と分かれば流通を止める,などという商売優先のやり方をとっているものが大半です。有毒だとわかっても後の祭りで,消費されていたり,どこへ流れていったか分からない,ということがしょっちゅう起きています。

 

 検査の仕方も,山のように積み上げられた輸入食品の中からほんのちょっぴりサンプルを取り出して検査するだけです。その抽出の仕方が適正かどうかなど,分かったものではありません。検査項目も絞られていて,多様化する食品のリスク・危険性にとても対応できない状態です。要するに,世界最大の食品輸入大国日本は,およそまともに輸入食品の検査をしていないということです。残留農薬,抗生物質,遺伝子組換え,食品添加物,有害物質,病原菌,変質劣化などなど,毒まみれの海外産「食品」がわんさと入り込む日本,もはや世界の「食品ゴミ市場」とまで言う人もいます。何故なら,日本へ持ち込むことに成功すれば高く売れますから,他国では危ないとハネられてしまったものでも,どんどん日本へ入ってくることになるのです。

 

 TPPは,この状態を益々ひどくし,日本の食卓を世界の食品ゴミだらけにしてしまうことでしょう。安ければいい,などと言って消費者・国民がそれを選択するか否かです。知らぬが仏は,ほんとうに仏にされてしまう時代です。

 

3.農林水産省:201392日付「食品安全エクスプレス」より

(1)放射線照射に係る輸入時検査の強化について(食安輸発08294号)[PDF]

 http://www.mhlw.go.jp/topics/yunyu/other/2013/dl/130829-01.pdf

 

 輸入食品で最も放射線照射の可能性があるのは胡椒や香辛料などです。昨今では,輸入農産物にも放射線照射が目立ち始めました。放射線が照射されると,その食品には発がん性物質などの有害物質が生じると言われています。その安全性は検証されておりません。そもそも生物に放射線があたることは有害であるのに,その放射線を食べ物に当てて殺菌する,などということは,他人の食うものだから食中毒などの急性障害さえ防げば,後は野となれ山となれ,の発想そのものです。おれは食わねえから,どうでもええ,と。

 

 ちなみに国内では,北海道の士幌農協だけが,長きにわたり放射線照射に対して多くの消費者から批判が出ているにもかかわらず,未だにジャガイモ発芽防止の放射線照射を続けています。協同組合の風上にも置けない,と思います。同農協の全ての取扱商品をボイコットすべきです。

 

*士幌農協に照射ジャガイモ提供の申し入れ 自社の放射能測定機器で検査を希望大地を守る会

 http://www.daichi.or.jp/info/press/2013/02/post-44.html

 

(2)「平成25年度輸入食品等モニタリング計画」の実施について(中国産ごぼうのパクロブトラゾール及びタイ産モロヘイヤのヘキサコナゾール)(食安輸発08293号)[PDF]

 http://www.mhlw.go.jp/topics/yunyu/monitoring/2013/dl/03-130829-01.pdf

 

 この手の有害物質検出は日常茶飯です。何と言っても中国産が多い。

 

4.グリーンピースMGより

 ピンチなのはマグロだけではありません。少し前は,ニシン,ハタハタ,サワラ,ホッケ,ズワイガニ,キンキ,イワシ,クジラ,タラ,スケソウダラ,天然ヒラメ,天然タイ,ハマグリ,シジミなどがピンチ,昨今では,マグロに加えて,カツオ,サンマ,ウナギ,サメ,タラバガニなどが危なくなっています。

 

 思い出していただきたいのですが,数年前,モロッコ国王の提唱でクロマグロをワシントン条約上の絶滅危惧種に指定しようとする動きがありましたが,日本政府(民主党政権:赤松農相)はこの時,漁業乱獲を続ける漁業国や,魚にほとんど興味のない国々を大使館に招いてクロマグロの寿司や刺身をふるまい,愚かな多数派工作をして,絶滅危惧種指定をつぶしています。

 

 日本政府(=水産庁)の言う「(水産)資源管理」など,きちんとできたためしがありません。つい先日「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)第9回 北小委員会」というマグロ資源の国際管理機関で,日本が漁獲の15%削減を提案して,それが合意されたと誇らしげに報告されております。しかし,これも15%減どころか,漁獲しようとしても漁獲できないので,実際の漁業者・漁船の漁獲減は何10%にも落ち込んでいるという「実態」を,ただ後から追認しただけの,くだらない決めごとにすぎません。「漁獲上限」が実質的に意味をなしていないのです。本来なら,3年間の漁獲禁止,くらいが妥当なところです。

2013年9月6日付朝日新聞6面の記事によれば,15%削減後の日本の漁獲上限は年間6,800トンとなりますが,2010年~12年の実際の漁獲量は平均6,100トンです。つまり,実際の漁獲量の10%くらい上に,漁獲上限を逆算して決めた,ということを意味しています。「漁獲上限」の体をなしていない茶番=資源管理しているポーズの「手抜き」=「本当の意味での資源管理の妨害行為」以外の何物でもありません。

 日本国内では,クロマグロの稚魚「ヨコワ」の大量乱獲が続いています。これは,金になる「クロマグロ養殖」に大手資本が我も我もと参入し,日本国中のあちこちにクロマグロの養殖場をつくり,そこで稚魚の「ヨコワ」を大量蓄養しようとしているからです。水産庁は早い段階からこの動きをつかんでいて,口先では節度ある資源の利用をなどと,体裁のいいことを言ってきましたが,その陰で「ヨコワ」の漁獲高をひた隠しに隠してきた経緯があります。乱獲が発覚することを恐れていたのです。(みなさま,回転ずしなどで,トロマグロは食べない方がいいでしょう。だいたいが養殖マグロで,かつトロ=脂身には,様々な有害物質がたまりやすいのです(例:PCB,ダイオキシンなどの油に溶ける有害物質))

 

 驚くなかれ,昨今ではサンマやカツオも危ないと言われ始めました。カツオについては,南方の太平洋でのアジア諸国や太平洋島しょ国による巻網漁業の乱獲でカツオ資源が細り始め,日本列島沖合の太平洋を北上するカツオが激減しています。また,サンマについては,ついこの間まで,資源は無尽蔵にあるからどんどん獲りなさい,などと調子のいいことを言っていたのが,3年くらい前からサンマの漁獲が減り始めているのです。いい加減な資源管理の象徴のような出来事です。(サンマについては,そのほとんどを漁獲しているサンマ棒受け網業界が自主規制としてサンマの乱獲を防ぎ,水産庁が決める「TAC」(トータル・アロウワブル・キャッチ)と呼ばれる年間漁獲枠を大幅に下回る漁獲に抑えていました。何故なら,サンマを大量水揚げしても,価格が暴落するだけなので,そうしていたのです:サンマ資源の乱獲は中国船などの外国船も寄与するところ大と思われます)(ちなみにサンマやカツオは福島第1原発事故による放射能汚染の影響が少ない,比較的安心な水産物です)

 

 タラバガニの乱獲と日本への密輸はよく知られた話で,暴力団が絡んでいる可能性もあります。だいぶ前の日本TV「NNNドキュメント」では,このタラバガニ乱獲と日本への密輸入に,稚内市当局が「黙認」している様子があると,告発されておりました。金になるから,カニが獲れるうちに獲れるだけ獲っておく,そんな関係者の証言まで出ていましたから事態は深刻です。稚内市など行政当局は,目先のことしか考えている様子はなく,北の海のタラバガニ資源は風前の灯です。

 

 ことほど左様に,政府・水産庁・行政・漁業団体などの言うとおりにしておれば,やがて世界から魚はいなくなってしまうのです。

 

 解決策=絶滅危惧状態の魚を買って食わないことです。フカヒレスープなどは,食べないように致しましょう。また,かつて差し網漁業が公海で操業禁止となったように(1990年ころ),少なくとも乱獲体質の抜けない大中型巻網漁業と,大中型沖合底引網漁業(トロール)の2つを禁止する,漁業を禁止する「サンクチャリ―海域」を設定する,というのが漁業政策としては最も適切な方法です。

 

*水産庁-「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)第9回北小委員会」の結果について

 http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/kokusai/130905.html

 

*夏のウナギに続き秋のサンマも高騰? 推定資源量激減と水産庁予測 - SankeiBiz(サンケイビズ)

 http://www.sankeibiz.jp/macro/news/120801/mca1208010502005-n1.htm

 

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マグロがピンチ 「原発広告」って何?

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スーパーマーケットなどで刺身として販売され、日本で消費されるマグロの

30%を占めるメバチマグロ。

このメバチマグロが獲れる海域で漁業管理を行ってきた

中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)は2005年からメバチマグロの乱獲を指摘、

管理強化を訴えてきました。

しかし、8年たっても問題解決に近づくどころか、ますます乱獲が進み、

メバチマグロの数はどんどん減っています。

 

827日から3日間、WCPFCの熱帯マグロに関するワーキンググループが

東京で開催され、加盟国政府の代表がメバチマグロなどの保護管理措置に

ついて話し合いました。

グリーンピースではこれに先駆けて26日に日本外国人特派員協会(FCCJ)で

記者会見を開きました。詳細はウェブサイトでご覧ください。

 

ブログ:熱帯マグロに関するWCPFCワークショップの前にブリーフィング/提言

http://a06.hm-f.jp/cc.php?t=M281570&c=44071&d=938d

 

グリーンピースでは、豊かな食文化と海洋生態系を子どもたちの世代に

残すために、大手スーパーマーケットに調達方針の見直しと情報公開を求める

オンライン署名を実施中です。

是非あなたの声で、未来の食卓をまもってください。

http://a06.hm-f.jp/cc.php?t=M281571&c=44071&d=938d

 

・・・・・・・・・・(以上,引用終わり)

 

5.食品安全関係のパンフレット|厚生労働省

 http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/pamph.html

 

 昔の古い歌に♪「うそ,うそ,うそよ,みんなうそ,あなたの言うこと,みんなウソ」♪とかいう歌がありました(松の木小唄)が,この厚生労働省HPにある食品安全パンフは,まさにそれです。みんなでこれを読んで,「うそ,うそ,うそよ,みんなウソ」の歌を歌いましょう。

 

*【カラオケ】松の木小唄 - YouTube ♪

 http://www.youtube.com/watch?v=kHLt-vBzafg

(「うそ,うそ,うそよ,みんなうそ」は4番です)

 

(歌詞:4番 http://www.utagoekissa.com/matsunokikouta.html

 うそうそうそよ みんなうそ

 あなたの言うこと みんなうそ

 うそじゃないのは ただ一つ

 あの日別れの サヨウナラ

 

6.(おまけ)農林水産省・林野庁:森林汚染調査結果報告

 福島第1原発事故による森林の放射能汚染から2年半もたつというのに,こんな程度のことしか報告ができない「森林の除染」。落葉等の除去で20%程度、伐採で10%程度(合計30%程度),チップを地面に敷いて10%,合計40%,バカバカしいとは思いませんか。要するに森林の除染など,できないということです。落ち葉を拾って,木をみんな伐って,その後に一面にチップを敷きつめて,大雨がきたら放射能もろとも流されて,・・・・そんな馬鹿なことを大金を使ってやってられるか,馬鹿!!

 

 チェルノブイリ原発事故後の旧ソ連諸国での経験から,森林の除染はできないということが分かっている。それを日本政府は,汚染地域の住民を汚染地域に縛り付けるため,一方では,賠償・補償を蹴飛ばすことで地域住民を経済的に困難な状況に陥れ,他方では,放射能や放射線はそれほど危なくないと嘘八百の大合唱を創作し,きずなだ・支援だ・復興だと,原子力翼賛状況をつくっておいて,できもしない除染に邁進している。この報告書は,その除染をあたかもできるかの如くでっちあげるための,一種の似非学術書である。その割にはできが悪い。それもこれも,原子力の昔通りの推進体制の回復と,原発過酷事故も原子力ムラ一族の利権と金儲けに資するものにしていくためである。

 

 原子力ムラ代理店政府は,99%の有権者・国民の敵である。打倒あるのみ。

 

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 ○森林における放射性物質の拡散防止技術検証・開発事業の結果について

 

  農林水産省は、平成24年4月から平成25年6月にかけて、福島県内の川

 内村、広野町及び飯舘村の試験地において、落葉等の除去や伐採等による

 空間線量率の低減効果の検証、作業実施箇所からの放射性セシウムの移動

 状況の把握等を行い、その結果について取りまとめました。

 

  主な点は次のとおりです。

 ・落葉等の除去により20%程度、さらに伐採を行うことで追加的に10%程

 度(合計30%程度)の線量低減効果が確認されました。また、木材チップ

 で森林の地表面を被覆することにより、10%程度の線量低減効果が確認さ

 れました。

 ・一方、落葉等除去を実施した箇所では、土砂や放射性セシウムの移動が

 多くなることが確認されました。

 ・放射性セシウムの森林からの流出割合は小さいものでしたが、その多く

 は土砂とともに流出することから、間伐を実施して下草を繁茂させること

 などにより、森林内の土砂の流出を抑制することが重要と考えられました。

 

 詳しくはこちらを御覧ください。

 http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/kaihatu/130827_1.html

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

早々

 

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