(備忘録)第12回「福島県民健康管理調査検討委員会」結果(再度重要関連サイトをまとめておきます) +若干のこと
前略,田中一郎です。
8月20日に開催されました「第12回「福島県民健康管理調査検討委員会」の結果と,それについてのコメントを,このメールに再度まとめておきます。ご参考までに。(重要なものだけを抜粋)
1.福島県ホームページ - 組織別 - 県民健康管理調査検討委員会
(ここに当日の配布資料があります)
2.委員会及び記者会見録画
(1)【前半】第12回福島県「県民健康管理調査」検討委員会(2013.8.20) - YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=NaNHGKX9Dhw
(2)【後半】第12回福島県「県民健康管理調査」検討委員会(2013.8.20) - YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=sVjJnnfFWZg
(3)(重要)20130820 記者会見のみ「福島県民健康管理調査」検討委員会 - YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=qU_-GsVIhUE
3.東京新聞甲状腺がん確定 6人増え18人に 福島の子ども、疑い10人増社会(TOKYOWeb)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013082102000122.html
4.今回の結果へのコメント(田中一郎):このサイトの最後にまとめています
5.グラフデータベース 部位毎の集計:[がん情報サービス 医療関係者の方へ](甲状腺ガン)((独)国立がん研究センターがん対策情報センター)
http://ganjoho.jp/pro/statistics/gdball.html?16%258%252
6.(重要)「福島県民健康管理調査検討委員会」の問題点(少し前のもの)
(1)☆広めて下さい☆
【図解】「原発事故子ども・被災者支援法」の理念に基づき、早期発見・早期治療の健康管理体制の確立を!~市民専門家委員会の提言を図にまとめました 「避難の権利」ブログ
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-4824.html
(2)「福島原発事故による健康影響の対応急げ」-専門家ら緊急提言を発出 「避難の権利」ブログ
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-64d2.html
(以下は「おまけ」の追加情報です)(重複を深謝)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.にご注目。泉田裕彦新潟県知事の姿勢は,危険な原発・核燃料施設が立地する都道府県知事としては,ごくごく当然の対応であり,言論活動です。外国特派員教会での記者会見では,福島第1原発事故の収拾をよそに,オリンピック招致に邁進している日本政府や東京都などに厳しい質問・疑問が投げかけられています。世界は日本政府・原子力「寄生」委員会,及び東京都の,福島第1原発事故対応のいい加減さに怒っているのです。
1.福島第1原発汚染水問題:東電と規制委を批判 知事、外国特派員協会で会見 新潟
(産経新聞) - Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130830-00000054-san-l15
2.▶ 2013.06.09 野呂美加さんお話 41分 - YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=wxRPe-y3k7I&feature=youtube_gdata_player
3.オリンピック候補会場の放射線を測る市民グループの報告会を開催しました!
http://olympicsokuteikai.web.fc2.com/
4.「子ども被災者支援法」関連
(1)復興庁HP:パブコメ「「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(案)」に対する意見募集について」
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat8/sub-cat8-1/20130830193010.html
(2)「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(案)」の公表 及びパブリックコメントについて
http://www.reconstruction.go.jp/topics/m13/08/20130830_hisaiseikatusyasiensuisin.pdf
(3)USTREAM フクロウ・FoEチャンネル (「子ども・被災者支援法」基本方針)
http://www.ustream.tv/recorded/38229889
第12回「福島県民健康管理調査」の結果について(加筆後)
(2013年8月20日付「第12回福島県民健康管理調査検討委員会」資料)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.2011年度,2012年度,2013年度の甲状腺検査結果概要
検査対象の子どもの数 約37万人
一次検査終了子ども数 約21.3万人(58%終了)
(以下,「○○年度対象」は,「○○年度対象市町村」の略)(人)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2011年度対象 2012年度対象 小計 前回公表
一次検査結果確定者① 41,080 135,173 176,253
B・C判定② 214 952 1,166
(②/①) (0.5%) (0.7%) (0.7%)
二次検査実施者③ 174 594 768
悪性(疑い含む)④ 13 30 43 27
(④/③) (7.5%) (5.1%) (5.6%)
うち確定 9 9 18 11
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2013年度対象 総合計
一次検査結果確定者① 16,633 192,891
B・C判定② 113 1,279
(②/①) (0.7%) (0.7%)
二次検査実施者③ 以下,未了
悪性(疑い含む)④
(④/③)
うち確定
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2.コメント
(1)子ども甲状腺ガンが更に急増:恐ろしいことが引続き起きている?
一次検査進捗率は58%,二次検査進捗率は60%
前前回公表時の悪性は7人,疑いは7人 計10人 「疑い」はほぼ9割が悪性
前回は 悪性は11人,疑いは16人 計27人 同 上
今回は 悪性は18人,疑いは25人 計43人 同 上
(子ども甲状腺ガン増加が止まらない,検査が進めば更に増える可能性大)
一次検査結果確定者の約0.7%が二次検査を受け,そのうちの約5.6%が悪性
ここから今後確認するであろう悪性の子ども甲状腺ガン(疑い含)を推定すると
二次検査未了の子ども約511人×5.6%=28人
一次検査未了の子ども約15.7万人×0.7%×5.6%=62人
今回までの確認43人との合計で,2013年7月までに約133人の子どもが悪性甲状腺ガンと推定される
更に,時間の経過とともに発見数は増大し,その増大速度も加速の可能性
(2)この数字は福島県の子ども達だけの数字である
福島県の大人,福島県以外の都道府県の大人・子供・妊婦(胎児)を入れると更に数字は大きくなっていく(推定で133人×5=665人)
上記は甲状腺ガンだけの数字だが,甲状腺機能障害が無視されている
何故福島県以外の県民・都民に対しても甲状腺のエコー検査をしないのか
何故山下俊一が甲状腺学会を通じて出した通知を回収・撤回しないのか
(3)政府・福島県・「福島県民健康管理調査検討委員会」のマンネリ説明
まず最初に「放射線被曝とは関係がない」がアプリオリの大前提で来る=アホダラ教,では「何故過去に比べて増えたのか」への彼らの答え
・比較するものがないから「多発」と言えるかどうかは分からない
・大規模な調査は今までなかった
・スクリーニングで早く見つかった
・スクリーニングの機器類の性能が良くなって発見数が増えた
(岡山大学の疫学の専門家・津田敏秀教授が上記の見解を誤りであると指摘:増えていることは認めるべきである
⇒ 問題は「何故増えてきているか」(予防原則)
(4)過去の数字と比べると
子ども甲状腺ガンは非常にまれな病気
10歳以上だと,100万人あたり3~5人/年程度
10歳未満だと,100万人あたりほぼゼロ(1千万人に1~2人/年程度)
平均有病期間を極端に長い10年としても今回の数字は非常に大きい(10倍以上)
(参考)有病率=発生率×平均有病期間
(5)非ガンリスクに注目し警戒せよ
放射線被曝,特に恒常的な低線量内部被曝は,ガン・白血病や流産・死産だけでなく,人間に遺伝的障害を含む様々な健康障害をもたらす可能性が高い
<健康障害の事例:これがすべてではない>
極度の慢性疲労・倦怠感(いわゆる「ぶらぶら病」),各種臓器不全,消化器系疾患,免疫力低下・ホルモン異常,病弱化・虚弱体質,循環器系疾患・心臓病と突然死,神経系疾患,呼吸器疾患・ぜんそく,糖尿病,白内障,脳障害・知能低下,膀胱炎,生殖異常・遺伝病・奇形児,短寿命化他
<参考(重要):ある方の第12回委員会発表分の検査結果分析です>
● 常套手段:一次検査者数と悪性判定の母数のズレ
8/22の報道でも概ね「21万人余検査して44名の癌疑い」とのことでした。
単純割で5千人に一人の甲状腺癌(及び癌疑い)発見と言うことになります。ですが、福島県のいつもの手で一次検査受診者・確定者と二次検査受診・終了者にはズレがあります。一次検査者216,809名(結果確定者192,886)の内、B判定=要二次検査者は1,280名です。要二次検査者1,280名の内、二次検査受信者は771名(6割)に留まっています。依然として二次検査が遅れているわけです。
更に、「二次検査終了者」は625名で、1280名の半数以下です。この「終了者」も一概に終了判断として良いのかどうかです。「終了者」の中で二次検査の結果A判定とされた子どもが164名(終了者の4分の1。この子ら+細胞診受信者が現時点で二次検査終了者と呼ぶべきでしょうか)。
A判定以外の残り4分の3の461名は「経過観察」です。経過観察と言ってもA判定の2年後検診ではなく、「保健診療枠」つまり診療の扱いで、半年または1年後に再検査対象とされています。その「経過観察」461名の中で、203名(終了者625名中の3分の1)が穿刺細胞診実施者で、この内44名が悪性細胞と判断されたとのことです。
細胞診の5人に1人=2割が悪性判定です。経過観察で細胞診が終わっていない258名(終了者扱い中の4割に相当)に、細胞診を実施した場合、その2割に当たる子どもたちが悪性判定となるのか? はたまた未実施者は細胞診の必要なしと判断されていて、その中からは悪性該当者が少ないのか? については発表された資料からは読み取りにくいように思います。
最悪の悪性判定割合は,二次検査対象者の4分の3(=二次中のA判定者割合1/4を除く)の中の2割=約15%と単純計算されます。経過観察258名からは悪性判定が出ないという最良の場合は、二次検査者中の悪性割合は約7%(44/625)に留まります。
192,886名中の要二次検査1,280名の検査が終了(あくまで現段階で)した時点で、
最悪の場合は1280×0.15=190名ほど、最も良い場合で1280×0.07=90名ほどの癌及び強い疑い、となる計算です。最悪で千名強に一人、最良で2100名程に一人(=百万人あたり467名)が癌及び疑いというのが今回発表の発見率(有病率)となるのでしょうか。これは4月時点で山下・鈴木両氏が言っていた「4千人に一人が今後の福島のベースとなる」(4/21甲状腺乳腺超音波診断学会での講演)という小児甲状腺癌の有病率予想を更に超えているものです。
● 意図的にC判定としない発表
この間、C判定(直ちに要二次検査)は一人も増えていません。
C判定とはされていないが、悪性が44名という話です。 つまり実際はB判定の中に、C判定該当者が多数あった(ある)わけです。本来C判定であるのに、B判定と発表する政治的判断がなされているのではないかと思います。
二次検査に当たっては、人によって待たされる期間に違いがあるようなので、
福島医大内では、公表した判定とは別の評価がされていると言うことだと思います。
3.提言:なすべきこと
(1)「福島県民健康管理調査」の抜本改革
福島県以外の都道府県でも実施,18歳以上の大人についても検査・診断の実施
検査すべきは甲状腺ガンだけではない
甲状腺エコー,尿検査,血液検査(染色体異常・エピジェネ異常他),心電図,
WBC検査,バイオアッセイ(検便・脱歯・髪の毛他:ストロンチウム,α核種)他)
全国でワンストップで上記の全部の検査を同時にやる=体制づくり
各検査の内容充実(甲状腺検査はスクリーニングではなく,いきなり本検査でいい
検査頻度を増やす(受検者の状況に応じて3~12か月に1度)
検査結果の本人還元の徹底と検査結果やカルテを含む全記録類の永久保存
セカンド・オピニオンの利用充実とその活用
健康保険対象+補助金で受験者は無料化 ⇒ 東京電力負担
各検査について比較可能とするための西日本や北海道での疫学的大調査の実施
体制の抜本改革(政府が前面に出よ,「福島県民健康管理調査検討委員会」のメンバーの更なる刷新,医療関係者・団体の救国的一致団結,財政サポート他)
(2)放射線被曝の未然予防
まず避難,除染するにしてもまず一時避難
放射線管理区域指定基準(5.2mSv/年以上)は全員避難
1mSv~5.2mSvは避難の権利
子どもは集団疎開,大人も子供も「コミュニティごとの移転」
汚染地域に残る人にも「無用の被曝回避」のガイダンス徹底
飲食品の検査体制の抜本改善と規制値の更なる厳格化,放射性セシウム以外核種検査
政府が前面に出よ:「原子力事故による子ども・被災者支援法」他
自然環境モニタリングの拡充(野生生物の変化をつかまえよ)
(3) 賠償・補償・再建支援:5原則+α(同時代に生きる人間としての使命・倫理)
賠償・補償・再建支援が全く不十分で出鱈目=21世紀最大の人権侵害事件
原発震災被害者の賠償・補償請求権を民法上時効の除外とせよ(特別立法必要)
賠償・補償・再建支援がきちんとならないと被害者はいつまでも救われない
① 全ての被害者の全ての被害・損害が何の留保条件を付けられることなく全額賠償または原状復帰されること(逸失利益含む)
② 全ての被害者の生活及び経営が再建されること(費用,段取り,その他の負担のすべてを加害者が負うこと)
③ 上記(2)再建が確認できるまでの間,全ての被害者の生活及び経営を補償すること
④ 2011年3月11日以降,上記の賠償・補償・再建費用が実払いされるまでの間,電気料金遅延にかかる「遅延損害金」と同利率の「遅延損害金」が被害者に支払われること
⑤ 悪質な交通事故被害の場合以上の慰謝料(迷惑料)が被害者に支払われること
⑥ (+α)被害者の被害は「お金」に変えられないものも多い。その部分を加害者・事故責任者が万全にフォローすること
以 上
« 大飯原発レスキュー部隊=原子力「寄生」委員会,フクシマを踏みつぶす東京リドケンピック(東京「利権」「土建」オリンピック) | トップページ | 記事は小さく出ているけど,見逃してはいけない大事な情報(原発の「出鱈目てんこ盛り」) »
« 大飯原発レスキュー部隊=原子力「寄生」委員会,フクシマを踏みつぶす東京リドケンピック(東京「利権」「土建」オリンピック) | トップページ | 記事は小さく出ているけど,見逃してはいけない大事な情報(原発の「出鱈目てんこ盛り」) »
コメント