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2013年6月29日 (土)

海と魚が放射能で汚染されていく(2):放射能汚染を甘く見てはいけない

前略,田中一郎です。

 

 別添PDFファイル4つ(添付できませんでした)は,619日に続いて,「海と魚の放射能汚染」の続報です。以下,ごく簡単にコメントいたします。水産王国日本を支えてきた東日本の漁業が,近海のみならず遠洋漁業も含めて,海の放射能汚染を全力で防ごうとしないほんの一握りの原子力ムラの出鱈目連中によって,崩壊させられようとしているのです。被害を受ける漁業者への思いのみならず,まるで自分の体を裂かれるような,身の震える怒りを覚えます。

 

 我々の世代で,この先祖代々受け継がれてきた貴重な日本の「宝の海」と近海資源=「海の幸」を,放射能の「毒」まみれにしてしまっていいのか。魚や海洋生物たちは,このゴクツブシ人間達の出鱈目によって翻弄され,これから放射能を体内に取り込んで苦しむことになるでしょう。それが日本列島に住む人々と無縁であるはずもないことが,日本政府や東京電力の馬鹿どもには分からないのでしょうか?

 

(1)海産物のセシウム汚染(水産庁:水産経済 2013.6.21他)

 この記事に掲載されている海産物の放射性セシウム汚染は,下記の水産庁のHPで見ることができます。

 

*水産物の放射性物質調査の結果について~627日更新~

 http://www.jfa.maff.go.jp/j/housyanou/kekka.html

 

20134月から6/26までの調査結果

 http://www.jfa.maff.go.jp/j/housyanou/pdf/130626_result.pdf

 

 <注目すべき点>

a.遠洋漁業の漁獲物であるビンナガマグロやカツオに放射性セシウムが検出されている。検査したのは「日かつ漁協」とあるので,おそらく漁法は「はえ縄」と「一本釣り」だと思われる。検出された放射性セシウムは,kgあたりゼロコンマいくら,の数値なので小さいが,常々申し上げているように,これでも福島第1原発事故前の数値の10倍以上であり,これからもひどくなることはあっても,汚染が解消することは考えにくい。むしろ,遠洋漁業で操業しているような,はるか日本列島の沖合においても放射性セシウムの汚染がじわじわと浸透していることに留意した方がいい。太平洋では放射能汚染が広がっていることがよくわかる。

 

b.近海ものの海産物では,宮城県東松島市沖合で獲れたヒラマサ(0.703ベクレル/kg),三陸南部沖で獲れたマサバ(0.684ベクレル/kg),福島県沖で獲れたスケトウダラ(31.45ベクレル/kg8.08ベクレル/kg),郡山市の養殖コイ(7.57ベクレル/kg),千葉県銚子沖で獲れたスズキ(7.13ベクレル/kg)などが,普段の検査結果ではあまり見ない汚染魚と言える。

 特に,郡山市の養殖コイの放射性セシウム汚染はいったいどうしたことなのだろうか。私の推測は「養殖魚はエサが危ない」である。少し前にも,山梨県の養殖淡水魚から放射性セシウムが検出されていた。魚の養殖の経営者のセンスを疑いたくなるような話である。また,スズキの放射性セシウム汚染は,福島・宮城・茨城の沖で獲れたものにはよく検出されるが,千葉県沖にまでそれが広がっているというのは,少しショックである。

 

(2)汚染海域での漁業再開をやめよ(朝日 2013.6.25他)

 http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201304270637.html

 

 記事には,福島県沖合で「試験操業」を口実にして行われている漁業の様子が報じられている。獲れた魚の9割が(放射能汚染で)水揚げできない,とある。何故,そんなところで漁業を強引にやろうとするのか? 愚かなことはやめて,加害者・東京電力や事故責任者・国に徹底して賠償・補償を求め,かつ別の土地へ移転・移住の上,漁業を再開した方が賢明ではないのか? 

 

 記事には,茨城県の様子も報じられていて(201358日付水産経済新聞),「茨城県北の沿岸船曳網,51隻が再開,75.5トン水揚げ,今後,販売に注目」と記事見出しがついている。茨城県北部の海と言えば,もう福島第1原発とは目と鼻の先である。今もなお垂れ流されている放射能が,いつ南へ流れてこないとも限らない。何故,かようなところで漁業などを再開するのか。

 

 更に,625日付朝日新聞は,いわき市漁協が,いわき市沖合でも漁業の再開を計画していることを報道した。茨城県北部沖よりも更に福島第1原発に近い。全く冗談ではない話である。偽装表示が横行している水産物流通に,こうした海域で獲れた汚染魚が紛れ込んでくるのは時間の問題であるように思われる。魚が食えなくなるではないか。

 

 福島第1原発から海への放射能流出が止まらない・止めようとされていない中で,放射性セシウムだけに注目して「安全」だなどと思いこむことは極めて危険である。こんなことをしているよりも,早く放射性セシウム以外の放射性物質の調査や,海の生態系調査を大規模に開始せよ。

 

 ひとえに,加害者・東京電力や事故責任者・国が,漁業者に対して,まともな賠償・補償をしない,いつまでたっても誠意をもってやろうとしない,経済的に苦しむ漁業者の足元を見て兵糧攻めにしている,それが諸悪の根源である。本当に許されない国家的犯罪行為である。

 

(3)海産物放射能汚染を甘く見るな(東京 2013.5.6他)

 記事には,千葉県木更津漁協の養殖アサリ,築地で取引されるコウナゴ,茨城県の漁業再生の取組などが報じられている。こうした記事に一貫してみられるのは,海産物や海の放射能汚染への甘い見方である。これらの記事のどこにも放射能汚染の危険性への言及は見当たらない。マスコミが「マスごみ」たる所以が見て取れる。

 

Ceron.jp - 東京新聞東京湾 水揚げ激減の中 養殖アサリ上げ潮社会(TOKYO Web)

 http://ceron.jp/url/www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013050602000111.html

 

*福島北部沿岸に近い海域で、コウナゴ試験操業 翌朝、多くは東京の築地市場へ « Merx

 http://merx.me/archives/33885

 

*シラス漁茨城・北部の3漁協が再開…2年2カ月ぶり- 毎日jp(毎日新聞)

 http://mainichi.jp/select/news/20130507k0000e040065000c.html

 

(4)海に汚染水が漏れている(朝日 2013.6.27他)

 物事の順番からいえば,日々汚染水を発生させてにっちもさっちもいかなくなりはじめている福島第1原発,事態をそうしてしまった張本人の東京電力が,その放射能汚染水を海へぶん投げたいと言い出し,それがダメなら,せめて敷地内の地下水を汲みとって,それを海へぶん投げたいといい,地下水の場合には放射能汚染はありませんから大丈夫ですと軽率極まる説明を漁業者に向けて行い,原子力ムラ政府とその手下の県庁にお出ましいただいて,腰抜けの漁協幹部たちを「ぐるぐる巻き」の「権力ス巻き」にして,汚染水ぶん投げ方針に屈従させ,そうしていたら,実は地下水も汚染していることが発覚し,更には,知らぬうちに福島第1原発沿岸の海水にまでトリチウムや放射性ストロンチウムがどっさり漏れ出ていることまでわかってしまい,ついに原子力「寄生」委員会が「海に汚染水漏れ,強く疑われる」と言い出した。

 

 地下水は安全です。よく言うよ,ほんまに。東京電力役職員と原子力「寄生」庁を含む政府役人は,福島第1原発の地下水をペットボトルに入れて持ち帰り,毎日飲め,それで風呂に入り,洗濯をしろ。そうすれば,少しは福島県の人達の痛みや不安な気持ちが理解できるというものだ。

 

*福島第一原発「汚染水、海に漏れた可能性」 規制委指摘 (朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130626-00000040-asahi-soci

 

*朝日新聞デジタル:福島第一原発、港湾のトリチウム倍増 海に汚染水か - 社会

 http://www.asahi.com/national/update/0624/TKY201306240481.html

草々

 

 

 

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