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2013年5月 1日 (水)

消費者庁「風評被害に関する消費者調査」に抗議します(「食の安全・監視市民委員会(FSCW)」抗議文より)

前略,田中一郎です。

 

 このほど消費者庁は「食品と放射能に関する消費者理解の増進」と称して下記のような取組をはじめました。

 しかし,福島第1原発事故以降,消費者庁をはじめ日本政府及び自治体の飲食に係る残留放射能の管理,及びそれに起因する内部被曝防止・無用の被曝回避の対策は,そもそもの放射能汚染を検査・測定する原点のところから,出鱈目が続いております。

 

*日本経済新聞社 消費者庁、原発事故による食品の風評被害対策

 http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2505T_W3A420C1MM0000/

 

 たとえば,

(1)厚生労働省が定める飲食の残留放射能規制値が依然として高すぎること。毎日毎日食べることで放射性物質も放射線被曝も少しずつ蓄積していく事を忘れているのではないか,また,放射線被曝は本人のみならず遺伝的にも深刻な影響が出かねないことも忘れている:そもそも国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告など全く信用できない

 

(2)飲食周辺の農林水産物への警戒がほとんどないこと(例:炭・薪,食器,加工助材(ぬか,灰など),飼料・肥料・腐葉土,医薬品・化粧品原料,ペットフード等)

 

(3)放射能の検査体制が全くできておらず,流通する大半の飲食品は無検査状態であること

 

(4)放射性セシウム以外の危険な放射性核種が無視されていること(海産物の放射性ストロンチウム汚染は危険)

 

(5)汚染物が発見されると,汚染されていないものと混ぜて薄めて規制値を逃れようとする動きが止まらず,それを政府や自治体行政が,追認どころか奨励までしている気配がうかがえること

 

(6)福島第1原発から海や大気中への放射能放出が止まらないこと(ひとえに東京電力やそれを監督する政府のいい加減・当事者能力欠如・出鱈目などの総合的帰結),また,8,000ベクレル/kgなどというとんでもない数値で線引きをして,放射能汚染物が一般廃棄物のようにあちらこちらで適当に捨てられたり,放射能汚染物をあちらこちらで燃やしたり,放射能で汚染されたものが肥料や栽培土として使ってもいいなどとされたりなど,政府の愚かな原発事故後の政策によって放射能が全国にばら撒かれていること(環境にばら撒かれた放射能は必ず人間に向かってフィードバックしてくる)

 

(7)学校給食をはじめ,子どもたちの飲食から来る内部被曝を回避させようという姿勢が希薄

 

(8)加工食品や外食の放射能汚染検査については全て取扱業者に「丸投げ」されており,公的なチェックは皆無

 

(9)食品流通過程での放射能汚染検査も東京都がほんのわずか実施している程度で,ほぼノーチェック

 

10)規制値を上回る汚染物とされた食品の廃棄が適切に行われているかどうか不明であること(汚染物が非汚染物と混ぜられて再び食品流通に戻っている可能性,あるいは汚染物が闇市場で低価格で流通している可能性が排除できていない:三笠フーズ汚染米不正転売事件(2008年)を思い出して下さい)

 

11)規制値を上回る汚染物を売買することは食品衛生法違反で「犯罪」であるが,これに対するモニタリング体制・抑止体制がほとんどない状態,違反者に対する罰則も甘く,バレてもペナルティが大したことないので「やった方が得」状態が続いている(ほぼ間違いなく汚染物は流通していると見ておいていい:山菜・キノコ,家畜の内臓類,川魚,ベリー類,東日本産魚介類などは危険と思われる)

 

12)放射能汚染に関する「食品表示」が制度化していないので消費者は選択できない(規制値を下回ったからといって安全でも何でもないのだから,ベクレル表示をするとか,放射性セシウム以外の検査をしているのかいないのか,程度の表示は必要不可欠)

 

12)放射能の測定や検査における情報公開が不十分(汚染を隠す・過小評価するような検査方法が取られていたり,深刻な汚染が隠されている可能性あり)

 

13)放射能の測定や検査における「利益相反」が全くと言っていいほど排除されておらず信用できない

等々です。

 

 まさに日本の飲食品は,外食・加工も含めて,行政の無責任と怠慢の結果,「危険」と言ってもいい状態にあり,そうした中で多くの消費者が,より安全な飲食品を求めて,それぞれの判断で(たとえば産地で)消費選択をしていることは,風評被害でも何でもなくて,「適切な消費行動」そのものです。消費者各人にとっては全くわずらわしい上に,常に危険なものを意図せざるして「食わされる」,不本意かつ理不尽な状態下にあると言っていいでしょう。

 

 そもそも政府・自治体・行政などが,消費者を馬鹿にした言葉である「風評被害」を使って事態を説明していることが,事実を歪曲するおかしな行為であるということです(「風評被害」とは,根拠の乏しいデマ情報・嘘八百・伝聞情報(「風評」)などに惑わされる愚かな消費者達が,歪んだ消費選択をするために引き起こされる生産者・供給者サイドの被害・損害,くらいの意味ですが,事態はそんなことではないことは明らかです。また,多くの消費者に対する侮辱でもあります)。

 

 こう考えた時に,消費者の立場に立つべき消費者庁がやるべきことは,下記のようなことなのでしょうか?。消費者庁がやっていることは,生産者や食品産業の都合を優先し,消費者に対しては,少々の放射能汚染物はつべこべ文句を言わずに食え,放射能など気にするな,を「地で行く」ような,まるで昔の大日本翼賛会の「ぜいたくは敵だ」の国民大運動をしているような雰囲気が濃厚です。

 

 かようなことしかしないのなら消費者庁などは不要の役所です。およそ食品市場の健全性は,多くの情報が公開・提供され,それに基づいて消費者が適切な消費選択を行い,ルール違反する業者には厳しい措置が取られ,行政が最低限,食の安全を全力でモニターし管理し,適切にルール作りをして運営していくことで担保されます。それを消費者のためにある消費者庁が,生産者や食品産業などの利益や都合を優先して,情報を歪めたり,市場を統制したりするようなことをしていてどうするのでしょうか。消費者庁よ,あんたたち,どっち向いて仕事してるの? と言うことではないかと思われます。

 

 消費者庁がやるべきことは自明でしょう。上記で書いた(1)~(13)のことの逆をやって,上記のような危険な事態を回避・解消するよう努力すればいいのです。中でも加工・外食・流通過程を含む飲食の放射能汚染検査体制の確立(放射性セシウム以外を含む)と,汚染物を食品流通に乗せてくる悪質業者の取り締まり強化は最重要の優先課題です。

 

 下記はこのほど,食の安全に関するウォッチ・ドッグ市民団体「食の安全・監視市民委員会(FSCW)」が出した消費者庁に対するこの問題での抗議文です。まさにその通りの内容が書かれていますのでご紹介いたします。重要なポイントは次の2点です。

 

(抗議文の文章中の)

 1.の最後の部分

 「下記により放射性物質が含まれている可能性があり、食品の買い控えは風評(ありもしない噂)被害ではなく、消費者の当然の権利である」

 

 3.の中ほど

 「日々の農林水産物の検査件数は福島県内でさえ約100件であるから、ほとんどが無検査で流通している」

 

 <「食の安全・監視市民委員会(FSCW)」抗議文>

*消費者庁の「風評被害に関する消費者調査の結果等について:食品中の放射性物質等に関する意識調査」に対する抗議文(2013424日)

 http://www.fswatch.org/2013/4-24.htm

 

*「食の安全・監視市民委員会(FSCW)」HP

 http://www.fswatch.org/

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 <消費者庁:食品と放射能に関する消費者理解の増進>

 食品と放射能に関するコミュニケーションの強化を進め、風評被害の防止を図るため、「食品と放射能に関する消費者理解増進チーム」を設置しました。

 

A.「食品と放射能に関する消費者理解増進チーム」について(平成25年1月7日)[PDF62KB

 http://www.caa.go.jp/jisin/pdf/0426team.pdf

 

B.風評被害に関する消費者調査の結果等について~食品中の放射性物質等に関する意識調査~(平成25年3月11日)[PDF831KB

 http://www.caa.go.jp/safety/pdf/130311kouhyou_1.pdf

 

C.食品と放射能に関する消費者理解増進のための施策の方針(平成25年4月26日) 概要(別ウィンドウで開く)[PDF318KB

 http://www.caa.go.jp/adjustments/pdf/130426gaiyou1.pdf

 

D.食品と放射能に関する消費者理解増進のための施策の方針(平成25年4月26日) 本文[PDF317KB?

 http://www.caa.go.jp/adjustments/pdf/130426honbun1.pdf

 

E.生産者を含めた事業者等への聞き取り調査(報告)(平成25年4月26日)[PDF231KB

 http://www.caa.go.jp/jisin/pdf/130426kikitori.pdf

 

*消費者庁 東日本大震災についてのお知らせ

 http://www.caa.go.jp/jisin/index.html

(上記の文書類がアップされています)

以 上

 

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