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2013年5月13日 (月)

原子力ムラ再建と日本版「原子力発電運転協会」(INPO)及び「「学協会規格」について(茂木経済産業相の発言から)

前略,田中一郎です。

*原発安全検証の新組織検討 電力会社中心に事故確率算出(朝日新聞) - goo ニュース

 http://news.goo.ne.jp/article/asahi/business/TKY201305040289.html

*原発の安全性向上へ新組織…経産相が検討 ニュース マネー・経済 YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130504-OYT1T00566.htm

*「これは酷い」 ~茂木経産相が原発の安全性を検証する電力会社を中心とした新組織設立を公言~ - 暗黒夜考~崩壊しつつある日本を考える~

 http://blog.goo.ne.jp/tarutaru22/e/71c08b127f3425b51b198b604d0e70df

*米国原子力発電協会(INPO)「特別報告(追録):福島第一事故かの教訓」 一般社団法人 日本原子力技術協会

 http://www.gengikyo.jp/report/tohoku_F1jiko_INPO_report.html

 読売新聞記事によれば「訪米中の茂木経済産業相は3日、ワシントンで講演し、東京電力福島第一原子力発電所の事故を踏まえ、「(原発事故の)リスクを低くする新たな仕組みづくりを進める」と述べた」そうです。この茂木経済産業相の「(米国)「原子力発電運転協会」(INPO)ような、原子力規制委員会とは別組織で、電気事業者や研究者による「安全運転」に資する組織を作りたい」発言については,少し前の新聞にも記事が出ていましたので,気になっておりました。またぞろ,グロテスクな業界癒着組織・インチキ安全組織・原子力推進翼賛会組織をつくろうとしているな,というのが私の印象です。

 この新組織設立の狙いは2つあるように思います。

(1)現在の自民党の「思考停止おやじ」議員達にとっては,今の原子力「寄生」委員会でも,原子力を再推進する上では邪魔ものであり「不満の種」です。これに対抗し,いずれは事実上制圧していくため,なんらかの「ボトムアップ的」組織をつくって原子力規制を骨抜きにし,形だけにして行かなければならない,そういう意図がこの発言からはかいま見えます。そのためには,原子力関連産業界や財界と,原子力ムラ学者が主体となる「寄り合い所」をまず設け,政府や政治が前面には出ないで,この業界・学界のコンプレックスに「科学」の名で活動をしてもらい(もちろん似非科学ですが),「目の上のタンコブ化」し始めている原子力「寄生」委員会を間接的にけん制する。

 

 また,そもそも不勉強で能力水準が低くて,原子力規制などできそうにない原子力「寄生」庁の役人達を,この「寄り合い所」にデファクトとして従わせることで,原子力規制を骨抜きにして行くというやり方です。原子力「寄生」庁は原子力「寄生」委員会の「事務局」ですから,ここが腐ると原子力「寄生」委員会は身動きが取れなくなってしまいます。

 いわば,原子力「寄生」委員会(正しくは原子力規制)に対する,原子力ムラ政治連合の外部けん制組織の創設です。彼らが言う「ボトムアップ」とは,国民が直接自主的・主体的に参加することではなく(将来的に「原子力大翼賛」が成功すれば,そういうこともありうるかもしれません。「ふくしまエートス」などはその先行事例の一つですが),さしあたりは,原子力ムラの全ての人が「わー」と参集し,国民には手を変え品を変え,嘘八百とハッタリと恫喝と利益誘導でコントロールする,という組立です。

(2)原子力「寄生」委員会のここ1年間の動きにより,原子力ムラ内部に若干のヒビがはいっているのではないか,というのが,自民党の「思考停止おやじ」議員達の認識なのでしょう。彼らはそれを,少し時間がかかるが,国民をだましだまし元あった道=原子力推進の道へ戻して行くから,これからも仲たがいをせずに,原子力ムラみんなで原子力を盛りたてて行こう,今度創る新しい組織も,一方で,「原子力と放射線の安全」の確立・復権を目指すとともに,原子力ムラ村民の今後益々の団結・結束をはかるべく,政治家が縁の下の力持ちとなって働きますよ,という原子力産業界及び御用学者集団へのメッセージであること。

 これにより,政治・産業(財界)・官僚・アカデミズムの原子力をめぐる固い結束の再強化を図ろうとしているように思えます(既存大手マスコミは,あんなのはチョロイから,この4大連合が足並みをそろえれば,遅かれ早かれついて来る,という認識なのでしょう)。

 実は,上記のような「政・官・財・学」の癒着(軍産複合体ならぬ原産複合体)については,福島第1原発事故以前は,原子力の世界は他の業界よりも一段と進んだ「最先進業界」であったのであり,私の2012.11.20付メールでご紹介している原子力規制に係る「学協会規格」なるものは,市場原理主義的な発想も取り入れた,その「癒着」の典型事例のようなものです。下記にコピーをしておきますので,ご参考にしていただければ幸いです(この「学協会規格」なるものは,原発・核燃料施設の安全性・公正性・健全性をゆるがす重大事項と考えております)。

 福島第1原発事故から2年,日本は再び滅亡へ向けて,新しいステージに入ろうとしているように思えます。原子力ムラは死ぬまで=滅びるまで原子力はやめません。彼らとの妥協などありません。彼らによって我々が彼らとともに心中をさせられるのか(過酷事故),それとも我々が彼らを社会的に葬り去るのか,二つに一つの「最終戦争」,それが原子力をめぐる「闘い」です。我々は多くの市民・国民とともに「大魔神」となりて,彼ら原子力ムラの悪党どもを踏みつぶさなければならないのです。

(以下,2013.11.20付の私のメールです)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<原子力「寄生」(規制)委員会は,今,何をしているのか:原発「性能規定」の危険性,産官学癒着なれ合いの「学協会規格」>

前略,毎度のことで恐縮ですが,誤字脱字・文章推敲の不十分をご容赦ください。

 原子力規制委員会ならぬ原子力「寄生」委員会の不法占拠組が,いったい今,何をしているのでしょうか。去る1114日に開催された(第11回)原子力「寄生」委員会の資料を見ながら簡単にコメントしたいと思います。大飯原発の活断調査をはじめ,この(第11回)「寄生」委員会での議事の様子は,既にお送りしたメールの中で,FOEジャパンの満田夏花さんが非常に適切にレポートされていますので,私は議事の中の「(5)今後の学協会規格の活用と規格策定委員会への参画について」を取り上げて簡単にコメントしたいと思います。

 <平成24 年度 第11 回原子力規制委員会>

 http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/20121114.html

1.日時 平成24 11 14 () 10:3012:00

2.場所 原子力規制委員会 会議室A

3.議題

(1)大飯発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合について(現状報告)

(2)敦賀発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合について

(3)原子力災害事前対策の在り方等の進め方について

(4)環境モニタリング解析の結果について

(5)今後の学協会規格の活用と規格策定委員会への参画について

(6)独立行政法人日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター材料試験炉

(JMTR)における非管理区域への放射性物質の漏えいについて

(7)原子力規制委員会における政策評価及び独立行政法人の評価に関する制度につ

いて

(8)有識者と原子力規制委員会との意見交換について

 まずは,FOEジャパンの満田夏花さんのコメントを見てみると下記の通りです。

<以下,引用>

(5)今後の学協会規格の活用と規格策定委員会への参画について 

 発電用原子力設備に関する技術基準についての策定について、いままでは保安院が参画。今後、規制庁職員がどのように関与するか。意思決定(投票)には参加せず、出席するにとどめようと思うがどうか。

*(資料5)今後の学協会(日本原子力学会、日本機械学会、日本電気協会)規格の活用と規格策定委員会への参画について(平成24 11 14 日)

http://t.co/LyTGOrrM

http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/data/0011_06.pdf

 島崎委員が熱弁をふるいだしました。

「当規制委員会が、このような技術評価を行う能力を備えているのかということで重要。委員は、三菱、日立、東芝、電力、大林組、鹿島、清水建設、大成、JAEA、電中研、学識経験者(原子力関係者)…。ある意味、身内で身内のことを決めている。第三者は入っていない。」(だから、規制委が入るべきだという意見かどうかはよくわかりませんでした。)

 

 更田「技術評価を行うことを前提としても、学協会に組みすることはない。有り方についてもっと注文をつけてもよい。自分も関わったことがあるが、非常にわかりづらい資料名だったりしてル、後から策定プロセスをトレースすることは難しい」

 田中「日々新たになる細かな技術を我々が把握することは相当たいへん。規制庁職員は学協会(日本原子力学会など)の意思決定には参加しない方がよいと思った。」(まあ、これについては、よくわからないながら、私はめずらしく私も田中氏と同意見です。)

 

 結論は出ず、ペンディングに。

<以上,引用終わり>

 わき道雑談になりますが,私はこの「島崎邦彦東京大学名誉教授」とかいう地質学者の「寄生委員」が,あの出鱈目委員長だった斑目春樹原子力安全委員長に,その表情やしぐさがよく似ているように思えてならないのです。大学まで同じです。また,同じことの繰り返しにならなければいいが,と思う次第です:下記は参考サイト。

*大飯原発断層調査に参加している原子力規制委員会の島崎邦彦東大名誉教授(hatehei666の日記)

 http://d.hatena.ne.jp/hatehei666/20121112/1352719970

*(内閣官房HP)島崎邦彦東大名誉教授

 http://www.cas.go.jp/jp/genpatsujiko/info/shimazaki.pdf

 既にお送りしたメールにも書いたように,この問題の要点は次の2つです。

(1)「発電用原子力設備に関する技術基準については、平成17 年に実施方法の詳細を規定する「仕様規定」から要求性能水準までを規定する「性能規定」への変更が行われた」(添付資料文章)ことを,引き続き継続するが,原子力規制委員会としては,これに具体的にどう対応していくか

(2)「これにあわせて、技術基準を満たす詳細な仕様を定めた規格については、公正性、公平性等が担保されたプロセスを経て策定された日本原子力学会、日本機械学会及び日本電気協会の民間規格(以下、学協会規格という。)を活用することとされた。」(添付資料文章)ことも継続するが,その場合に,原子力規制庁職員のこれらの委員会への参画の方針をどうするか,という問題

1.「仕様規定」から「性能規定」へ

 思い出していただきたいのですが,上記(1)の「仕様規定」から「性能規定」への移行は,1980年代後半から進められてきた市場原理主義・ご都合主義的な規制緩和の一環であり,その結果が,安全規制や品質規制等の形骸化・後退・変質と,安全性の低下や品質劣化につながっています。

 「性能規定,仕様規定とは何か」についての簡単な説明は,たとえば下記です。建築基準法で使われています。

<以下,引用>

「建築基準法の規定には、仕様規定と性能規定の2つの規定で構成されています。仕様規定とは仕様について具体的に定められている規定で、例えば、2階建ての1階の隅柱の柱頭・柱脚には、○○○○の補強金物を使用するように具体的にその仕様が規定されています。

 また、性能規定とは具体的な仕様は規定されず、仕様規定を守った場合と同等の性能を有すれば、どのような設計を行なってもよく、例えば、構造計算にて2階建ての1階の隅柱の柱頭・柱脚にかかる引抜き力を算定し、安全が確保できれば仕様規定に定められている補強金物を使わなくてもよい。このような規定を性能規定といい幅広い設計が可能となります。

 近年の建築基準法は、性能規定化されていく傾向にあります。」

*住宅建築専門用語辞典 

 http://www.what-myhome.net/14se/seinou-siyoukitei.htm

<以上,引用終わり>

 




 しかし,上記で「構造計算にて2階建ての1階の隅柱の柱頭・柱脚にかかる引抜き力を算定し、安全が確保できれば」と書かれている部分が,インチキ計算や屁理屈理論による計算式だったらどうなるでしょう。「安全が確保できれば」という大前提は吹き飛んでしまいます。計算や計算式は,きちんと複数の目でチェックしている,と監督官庁は言い訳するかもしれません。でも,その複数のチェッカーが,建築業者が出資する検査会社の人間だったり(利益相反),低料金でこき使われて常に営業圧力を受け続ける下請建築士だったり,住宅の低価格競争に苛まれている自転車操業の会社・検査会社だった場合はどうでしょうか。また,行政機関が業界と癒着して「お手盛り行政」をしている場合にはどうなるでしょう。 

 つまり,業界として不透明な状態が横行し,行政の体制が整わないままに,きちんとした監督行政が貫徹していない中で,誰でもはっきりと基準や規定・規制の内容がビジブルにわかる「仕様規定」を撤廃し,1件1件,全部「仕様」が違い,その「性能」とやらがきちんと確保されているのかどうかが一見しただけでは分からない,安全性が怪しい状態の「性能規定」に転換することは,出来上がった建築物の安全性(耐震性・防火性能等)に大きな懸念を残すことになるでしょう。更にそれに加えて,他方では,万が一,性能が不十分だった場合には,それは「民間業者が検査も含めてやったことだから」という,行政の建築物の安全確保責任の免罪を許す,とんでもない「悪法」「行政怠慢規定」に早変わりしてしまうということです。

 

 いわば.「仕様規定」から「性能規定」へ,とは「厳しい仕様規定を撤廃して,隙間のある緩めの性能規定にしてやったから,楽して商売しろよ」という,行政から産業界への「プレゼント」のようなものであり,かつ,その性能チェックや建築確認検査を「民間活力の利用」「官から民へ」の浮ついたブームに便乗して「民へ丸投げ」すれば,自分達も責任を問われなくて済むという市場原理主義的ご都合主義の必然的結果である「官民癒着」の産物だったと言えるでしょう。利益は業界・業者に,無責任は官に,不利益と損害は何も知らないお人よしの消費者に,というわけです。(御用学者がこれにもっともらしい屁理屈を付け,裏で政官業学がつるんでいるのかもしれません(マスコミまで入れて),いったい一石何鳥だったのでしょうか)

 その典型的な事件が,数年前に世の中を大騒ぎにさせた「(建築士)姉歯事件」=建築物の「耐震偽装事件」でした。建築基準法が改悪され,建築基準が「仕様規定」から「性能規定」へと転換され,建築確認検査が「民営化」されたあとに発覚した,とんでもない事件でした。当然ながら,そうした「規制の事実上の手抜き」や「産業界への迎合」,あるいは「(行政)無責任」は,やがて様々な「迷惑事件」を引き起こして行くことになります。

 

 そして,その事件の結末をご覧いただければわかりますように,これまでは行政が安全欠格の責任をになっていたものが,民間業者による建築確認だったということで,その刑事責任も賠償責任もあいまいなまま,被害者だけが泣かされる結末に終わってしまっています。「規制緩和」と「民営化」の正体が赤裸々に現れた事件だったと言えるでしょう。再発防止などはきちんとできておりません。事件後に国土交通省が打った対策は「ザル」です。 

 

 そしてそして,その市場原理主義的でご都合主義的な建築物の安全規制・規定「改悪」が,なんと「絶対安全」でなければならない原子力・原発・核燃料施設の規制にも「応用」されているのです。これはとんでもない話です。しかし,このとんでもない「応用」は,既に2005年から実施されていて,新原子力「寄生」(規制)委員会下においても継続されていくようです。原発・核燃料施設の安全性の見直しは,ここでも「棚上げ」にされたままです。

*建築基準法関連の参考図書(お勧め良書)

 岩波新書『建築紛争―行政・司法の崩壊現場』

(五十嵐敬喜・小川明雄【著】:岩波書店 (2006/11/21 出版)

 http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4004310539.html

2.学協会規格の活用と規格策定委員会への参画について

 上記と並行しながら進められる,似非「民間活力の利用」が「学協会規格の活用」です。これについては,下記の原子力「寄生」(規制)庁作成の下記のペーパーをご覧ください。

*(資料5)今後の学協会(日本原子力学会、日本機械学会、日本電気協会)規格の活用と規格策定委員会への参画について(平成24 11 14 日)

 http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/data/0011_06.pdf

 ここには次のように書かれています。

<以下,引用>

(※)学協会規格については

・公正性、公平性、公開性等を重視した規格は、その時点における最新の技術的な知見が集約・反映された公共財的な性格を有する

・規制当局が学協会規格を活用する方針を示すことによって、学協会による基準策定活動が活性化する

・これにより、最新の知見が反映された民間規格が迅速に整備され、安全性向上にも望ましいことから、その活用を進めるとされた。

<以上,引用終わり>

 ものは言いよう,とはこのことです。業界・官僚・御用学者どもが,金品や便宜の授受,天下り・天上がり,職位・官職等の授受などを通じて癒着・融合・なれあいを繰り返し,国民に向かっては「やらせ,やらせ,やらせ」「うそ,うそ,うそ」「隠蔽,隠蔽,隠蔽」などを繰り返している状態で,「公共財的な性格を有する」とはよく言ったものです。実態はまさにその逆の「腐った私物化」の典型でしょう。「学協会による基準策定活動が活性化する」のは当然で,まさに規制を受ける側が,規制をするだけでなく,その規制のルール・規則・規定までもをつくります,というのですから,大喜びで大活躍するのは当然です。「安全性向上にも望ましい」などと,どういうセンスをしているのでしょうか。

 原子力「寄生」(規制)庁は,看板を変えただけだ,と発足当初から言われ,未だにその「制服」の背中には「原子力安全保安院」と書いてあるというのですから,ついでにその下に,原子力業界のために”だけ”に引続き奮闘します,とでも書いておけばいいでしょう。

 ことは深刻なので,長くなりますが,もう少し原子力安全保安院のペーパーを見てみましょう。

<以下,引用>

○これらは、米国等における原子力規制の仕組みを参考にしたものであり、個別の学協会規格の活用の是非については、技術的な内容と併せて、策定プロセスが公正、公平、公開を重視したものであるか(偏りのないメンバー構成、議事の公開、公衆審査の実施、策定手続きの文書化及び公開等)について確認する技術評価を実施し、判断することとしている。

<以上,引用終わり>

 




 また,アメリカの猿真似です。そして「・・・・について確認する技術評価を実施し、判断」のところは,原子力安全保安院ペーパーの添付資料7ページに詳しく書かれています。抜き出しますと下記です。

<以下,引用>

 規格策定プロセスにおける公正性、公平性、公開性 -日本機械学会発電用設備規格委員会運営規約より抜粋-添-(7)

(1)公平性・・・特定グループの影響力の排除

 委員は、次に示す業種の範囲の内、最低5業種が含まれ、かつ、同一業種からの委員が委員総数の3分の1以下となる構成とする。(a.電気機械器具製造業、b.電力業界、c.建設業、d.鉄鋼・非鉄金属製造業、e.学術研究機関、f.保険業、g.関係官庁、h.学識経験者、i.非営利団体、j.その他)

(2)公正性・・・決定手続きの明文化

① 委員長は、決議に先立って、委員会で十分な意見交換が行われたことを確認し、出席委員の過半数の了解のもと、委員による決議に入ることができる。

② 決議は挙手によるものと投票によるものとに分け、次の議案は投票を必要とする。

 ・規格の制定、改訂、廃止

③ 投票による決議は次の条件、手順により行う。

 ・委員総数の5分の4以上の投票をもって当該議案の投票が成立する。

 ・第1次投票の結果、意見付反対票がない場合、投票数の3分の2以上の賛成票をもって当該議案の可決とする。

 ・第1次投票の結果、意見付反対があった場合、当該議案を可決としない。

 ・反対意見への対応案が当該議案の技術的な修正を伴なわず、かつ、反対意見が取り下げられない場合には、挙手による出席者数の3分の2以上の承認のもと第2次投票を行い、投票数の3分の2以上が賛成票となれば当該議案を可決とする。

(3)透明性・・・審議の公開

 各種委員会およびタスクグル-プ等の下部組織は、委員会等の開催日時を公表し、オブザーバの参加を認める。

<以上,引用終わり:(1)①などの番号は筆者が加筆>

 さながら,原子力ムラのホームルームの時間のレベルの低い学級討論会のルールのようです。「オブザーバー」という村外人種の参加は,自分達に都合のいい議題や検討内容の際に限られるのでしょう。まさに業官学の「談合」そのものです。そしてこれが,原子力安全保安院のいう「策定プロセスが公正、公平、公開を重視したものであるか(偏りのないメンバー構成、議事の公開、公衆審査の実施、策定手続きの文書化及び公開等)について確認する技術評価を実施し、判断する」(上記)なのですから,全くのお笑い草です。

 そもそも原子力安全保安院=原子力「寄生」(規制)庁に「技術評価を実施」する能力がないことは,今や子ども達でも知っています。右から読んでも左から読んでも「ほあんいんぜんいんあほ」の言葉遊びを考案したのは子ども達ですから。

<以下,引用>

○現在、省令62 号を満足する学協会規格として、日本機械学会、日本原子力学会、日本電気協会等の規格を技術評価した上で活用している。これらの学協会に設置された規格策定のための委員会には、海外の例も参考にしつつ、

 ・規制当局としてのニーズや意見が規格策定過程において反映されるようにする

 ・当該規格の規制基準への適合性の確認を効率的に行う

 ・規格に関する最新の知見を入手することが可能

という観点から、これまで原子力安全・保安院の職員が規制業務に係る経験を有する者の立場で参画してきている。

<以上,引用終わり>

 上記の「規制当局としてのニーズや意見が規格策定過程において反映されるようにする」という記述は,原子力規制ルールを策定するのは本来は行政のはずが,いつのまにやら主客逆転して,行政が民間業者にルールをつくってもらう立場に変わり,そこで行政のニーズや意見が反映するようにお願い申し上げるということです。彼ら「寄生」(規制)庁の潜在意識がよく現れている文章と言えるでしょう。原発・核燃料施設の定期検査時において,検査を受ける側が作ったチェック用書類をそのまま丸移しして使っていた官庁だけあるといえます。

 そして「当該規格の規制基準への適合性の確認を効率的に行う」こそ,こうした愚かな仕組みをつくる狙いが端的に書かれています。安全よりも「効率」なのです。手抜きして,簡単にやっちまえ,ということです。「規格に関する最新の知見を入手することが可能」などは,こんなことをしなくても,行政ならば入手することは他の方法でいくらでもできます。取って付けた理由です。

 そして結論(案)です。これは「ペンディングになった」とFOEジャパンの満田夏花さんは伝えています。原子力「寄生」(規制)委員会が検討しているのは,こうした「性能規定」の是非や「学協会規格」活用の是非ではなく,それを前提に,どう行政としての「体裁」をつけるか,国民から非難されないようにどのように説明するか・騙すか,というレベルの低いところでの話です。あきれ返るばかりです。

<以下,引用>

 当面の間、原子力規制庁職員のこれらの委員会への参画の方針を、以下のとおりとする。

 学協会規格策定委員会への参画により、規制当局としてのニーズの反映、効率的な技術評価の実施、規格に関する最新知見の入手等のメリットがある一方、自ら策定に関与した規格について技術評価にも関与することによる利益相反の可能性が考えられる。

 上記のメリットを維持しつつ利益相反を回避する観点から、学協会規格策定委員会における意思決定(投票)には参加せず、規制当局としてのニーズ、意見の表明、情報の収集等を行う形での出席に留める。また、学協会に対しては、規格原案策定の経過等を追って確認できるようにその策定プロセスのトレーサビリティーを求めることとする。

<以上,引用終わり>

 バカバカしい。実にバカバカしい。「福島県民健康管理調査検討委員会」のように,あるいは原子力委員会のように,もう一つ「裏委員会」でも作って,「(議事)進行表」やら「事務局案」やらに細工をしておけば,表委員会で「意思決定(投票)には参加せず」にしておいても全然大丈夫ですから,上記のようにしても何の問題も生じないのです。

 原子力ムラ学者という「あやつり人形」を浄瑠璃士のように裏から操る,これこそが「学協会規格」活用のミソです。そういえば,あのTVによく映る御用学者達の顔は,どいつもこいつも,どことなく浄瑠璃人形に似ているように見えますね。

3.(最後に)大事なことを3つ

 これ以上メールを長くはできませんので,大事なことを下記に3つ付記しておきます。原子力規制を考える際には,この3点は絶対にお忘れにならないでください。

(1)(最重要)故平井憲夫さん「原発がどんなものか知ってほしい」

 http://www.iam-t.jp/HIRAI/

(2)東京電力原発トラブル隠し事件

・ウィキペディア 

 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%9B%BB%E5%8A%9B%E5%8E%9F%E7%99%BA%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%96%E3%83%AB%E9%9A%A0%E3%81%97%E4%BA%8B%E4%BB%B6

・岩波ブックレット『検証東電原発トラブル隠し』(原子力資料情報室著:岩波書店)

 http://www.junkudo.co.jp/detail.jsp?ISBN=9784000092821

(3)(参考)「何が問題?原子力規制委員会」(満田夏花さんのメールより)

http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-0045.html

ツイッターまとめ http://togetter.com/li/407267

草々

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