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2013年5月

2013年5月26日 (日)

1,000万人賠償訴訟を起こそう:全ての福島第1原発事故被害自治体は浪江町に続きましょう,日弁連は組織を挙げ被害者の賠償・補償と完全救済実現へ向け全力投球をお願い致します

前略,田中一郎です。

 

2013526日付東京新聞は,「住民の原発慰謝料増額を,浪江町,代理申し立てへ:紛争センター仲介求め」と,その関連記事を1面,2面に掲載いたしました。福島第1原発事故で全てを奪われ,理不尽な避難生活で余裕のない住民をサポートしつつ,浪江町が東京電力に対して精神的慰謝料の増額を求め,原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)」に和解仲介を申し立てるようです。(東京新聞情報の限りですが)被災し被害を受けた自治体としての本来あるべき住民対策の1つとして,今回の浪江町の動きは高く評価されていいと思います。

 

http://zenback.itmedia.co.jp/contents/matometer.info/20130511211020/

 

3.11福島第1原発事故以降,東京電力と原子力ムラに牛耳られる政府及福島県庁,及び一部市町村の住民への対応・政策は許しがたい状態が続いています。思いつくものを列記するだけでも,次のようなものが列記できます。これは21世紀最大の人権侵害事件であり,国家犯罪・組織犯罪ではないかと思います。およそ良識のある国では,このようなことは許されていいはずがありません。皆様,気持ちをしっかり持って,断固として闘ってまいりましょう。

 

<東京電力・日本政府・福島県庁・原子力産業・原子力ムラらの犯罪罪状記録一覧>



(1)いい加減でずさんな安全管理で原発の過酷事故を引き起こし

 

(2)御用学者やマスごみを総動員して嘘八百をつきまくり,

 

(3)住民への避難の指示も後手後手に回り

 

(4)甲状腺被曝を防ぐための安定ヨウ素剤の服用指示を怠り(妨害し)

 

(5)環境に放出された放射能の拡散予測を住民に知らせずに隠しに隠して,発覚したら嘘をつき(おかげで浪江町他の住民が無用の大量被ばく)

 

(6)食べものは放射能汚染ゴミの基準の何倍もの基準を設けて,住民・国民にゴミでも食えと強要し

 

(7)一般人年間1mSv,放射線管理区域指定基準5.2mSvの法定基準を一切無視して「被曝強制基準」を新たに設定し

 

(8)20mSvだの,50mSvだの,100mSvだのと,被ばく基準を「バナナのたたき売り」よろしくご都合主義的に取り決め

 

(9)初期被曝の調査も検査も,それができる時には断固としてしないでいて,できなくなったら,それを口実にして初期被曝はわからないとごまかし

 

10)御用学者をたくさん集めて原子力損害賠償紛争審査会というものをつくって賠償金額を抑え込む「指針」なるものをでっちあげ

 

11)そこには「被害者も適切に行動しなければ賠償・補償金額は減額される」ようなことをずけずけと書き込み

 

12)更に審査会は,わずかばかりの「なみだ金」で住民の精神的被害を「査定」して,事実上,加害者・東京電力や事故責任者・国者達の賠償・補償責任を免罪し,

 

13)更に更に,最も金額の大きくなる不動産等の財産賠償については,この原子力損害賠償紛争審査会の頭越しに,東京電力・資源エネルギー庁が共同で賠償基準を作るという信じがたいことを行い(加害者側が被害者側に対して,お前の損害はこんなもんだ,と査定し,それ以外の賠償は原則として認めない・政治的効果を狙って,ちょっとだけよの妥協はする),とても住宅建て替えや新たな生活を再建していくには足りない,ごくわずかな金額で被害者を切り捨てはじめ,

 

14)他方で,経営責任や刑事責任などを全く問わないままに,加害者企業東京電力に多額の税金を投入して救済を図り(加害者を救済して被害者を切り捨てる),しかし,それには成功せずに,東京電力を「死に体」のゾンビ企業にしてしまい(若手職員が次々に退職しはじめ)

 

15)事故から3年で賠償・補償の時効が成立するという一般民法の規定を自分達の守護神とし,原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)」に持ち込まれたわずかばかりの案件については時効延長を認めるというニセモノ法案を,あたかも時効延長の特例であるかのごとく言う「風評」を流布し(そうではない旨の周知徹底をしないという不作為を決め込み)

 

16)その原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)」には,被害者から持ち込まれた和解紛争案件が山積みとなっても,まるで被害者を兵糧攻めにして経済的精神的に追い込むかのごとく,いつまでもだらだらと和解拒否を続けて,結局,被害者が疲弊するのを待って不合理に自分に有利な和解に持ち込もうと画策し,

 

17)福島第1原発現場で働く人達の労務管理を怠り,前近代的な労使関係に加えて暴力団を労働斡旋の業者に使って,被曝労働の切り捨てを図り,その氷山の一角が発覚して批判を浴びても,いつまでたっても事態を改善しようとせず,

 

16)除染をしたら福島県をはじめ,他の都道府県の深刻な汚染地域(ホット・スポット)でも住んで暮らしていけると大嘘をつき

 

19)住民の避難・移住の権利を奪って,できもしない除染を押し付け,そして案の定,除染などは遅々として進まず,やってもやっても線量は下がらないまま今日に至り,除染の際に出てくる汚染物の置き場さえも確保できず,実際の除染作業は,いい加減を絵にかいたようなことをやって,それを隠して口止めし,除染作業者には地元住民をたくさん採用して除染被曝を余儀なくさせ,

 

20)その除染に巨額の予算を付けて,それを原子力ムラ・ゼネコンの「利権」の餌に差出し

 

21)復興予算も国民から所得税増税で大金をまき上げて用意したものの,その予算に霞が関の白アリがたかるのを放置して,住民にはほとんど予算が行きわたらず

 

22)とても長く人の住めるような場所ではない粗末な仮設住宅に,避難する多くの住民を閉じ込め,生活苦に追いやり,それでいて,きずな,きずなと欺瞞的・偽善的な空疎な宣伝文句をあちらこちらにNHKなどを使ってばら撒き続け,

 

23)長引く被ばくで健康被害が出はじめているにもかかわらず,それは放射線被曝とはカンケーネーなどと御用学者どもに大合唱をさせ

 

24)原子力政策と理不尽極まる福島第1原発事故対策に抗議する市民を,日本最大の暴力団である警察・警視庁を使って不当逮捕・起訴・弾圧し

 

25)愚かな自治体を交付金の餌と利権のおこぼれと嘘八百で釣り上げて,放射能汚染ガレキを全国にばら撒き

 

26)更に,放射能汚染物の基準を信じがたいほどに高い基準の10万ベクレル/kgに決めて,それ以下は適当に処分し(8,000ベクレル/kgというのは見せかけ・建前の方の基準で,実際は10万ベクレルまでは8,000ベクレル以下と似たようなずさんな処分がなされていくことになるでしょう)

 

27)福島エートスをはじめ,被曝する住民の翼賛状況創出のために,マスごみや御用学者などを総動員して「被曝もみ消し」に全力を挙げ,日常的な宣伝に加えて様々なイベントや行事を繰り返し,教育委員会を通じて子ども達に放射線被曝を強制し,福島第1原発事故とそれに伴う被曝の危険性を早く忘れるよう,住民に促し,それでも忘れられない人には精神科医師をあてがって,精神的な病人扱いとし,

 

28)生産者・農家や林業労働者の農作業・労働に伴う放射線被曝は一切無視して,放射線管理区域指定基準を上回るような猛烈な汚染地帯での農林業の再開を強引に推し進め,そこから出てくる農林水産物もろくすっぽ検査することなく

 

29)福島第1原発事故による海への様々な放射性核種・放射能放出により,海の汚染と生態系に深刻な放射能汚染が生じ始めているにもかかわらず,それを食い止める有効な手だてもしなければ,生態系汚染の詳細調査も行わず,逆に福島第1原発の敷地にたまる放射能汚染水を海にぶん投げるので(まともに対策をしたら金がかかるから),これについて了解しろと,既に原発事故で被害を受け,まともにその賠償も補償も償いも受けていない漁業者に対して,脅しをかけ

 

30)警戒区域再編などと称して,被害自治体の管内を3つの無意味な区域(帰還困難区域,居住制限区域,避難指示解除準備区域)に分断して住民各位と地域コミュニティをズタズタにし,それにより賠償・補償の極小化を図らんとする薄汚い「分割し統治せよ」方針を文字通り実践し,

 

31)昨年6月に国会が全会一致で可決成立させた「子ども被災者支援法」に関する基本方針をいつまでも作らずに事実上棚上げにし,もちろん支援のための施策の予算化措置も行わず,子どもにも被災者にも,支援は棚上げにする「支援不胎化法」に事実上変形させ,

 

32)発電・送配電の分離という,これからの電力・エネルギー業界には不可欠な制度的改正を,電力の安定供給などという偽りの大義名分でお釈迦にすべく,当面は先送り,その先は,国民・有権者の忘却を待って骨抜き・廃止にしていく算段を付け

 

33)何の電気もサービスも生むこともなくコストだけがかさんで行く「不良債権としての原発・核燃料施設」を維持し続けるがために赤字・経営不振になっているにもかかわらず,それがあたかも火力発電のための化石燃料確保が原因であるかのごとく,ものごとを偽って消費者・国民に説明し,事実上,電気料金の値上げで原発を維持・温存させることに成功し,

 

34)恥も外聞もなく,原発を海外の発展途上国に輸出をし,厚顔にも日本が世界で最も安全な原発を提供できるとウソぶき,原発稼働の結果出てくる放射性廃棄物はすべて日本が引き取ると軽率極まる口約束をし(と推測される),仮に輸出原発が過酷事故を起こせば,それに伴う巨額の賠償責任やその他の責任を負わされる政治的オブリゲーションも国民に隠し,そして原発輸出の利益は,ただただ一握りの原子力産業界の企業群だけが独り占めをし,

 

35)原発は再稼働し,核燃料サイクル政策は今後も進めていくと,多数の有権者・国民の希望や意見を足蹴りにして勝手なことを放言し



36)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 過去の新聞を書き続けるようなことになりますので,もうやめます。書き出そうとすれば,なんぼでもあるのです。要するに,原子力の出鱈目と無責任と,その暴力的権力的犯罪行為が「てんこ盛り」だということです。これが人間の血の通った政府や行政がすることでしょうか。許しがたいを超えて,発狂するくらいに,おかしなことが連続してなされているのです。かような理不尽で不正儀なことを許すことはできません。日本という国はこんなことでほんとにいいのか,強くそう思うのです。

 

 私は,今回の浪江町の快挙を受け,次の3点を提案申しあげたいと思います。

 

1.全ての被災地自治体による全ての被害者住民の賠償・補償への支援やサポートの実施

 福島第1原発事故の被害をうけた全ての自治体では,住民の賠償・補償請求を万全に遂行するため,住民の和解斡旋を含む訴訟行為を全面サポートし,私が常々申し上げている「5原則+α」(下記)に沿って,被害者住民の完全救済を追及していただきたいと思います。自治体は,文字通り,住民のためにあるのであって,原発震災被災地の住民が今困っていること,苦しんでいることの中で最大のことは,この福島第1原発事故に伴う損害賠償・補償の問題です。ここをきちんとすれば,自力で避難や疎開もでき,生活や経営の再建の可能性も大きく開けます。被害を受けた住民の一刻も早い完全救済を実現すべく,全ての被災地自治体には,全ての被害者住民の賠償・補償の法的手続きへの万全の支援やサポートをお願いいたします。

 

2.精神的被害のみならず,全ての被害の賠償・補償を万全な形で実現させましょう

 浪江町をはじめ,福島第1原発事故の被害をうけた全ての自治体では,精神的被害の賠償請求は,その手始めの事柄とし,続いて不動産等の財産に係る賠償・補償や当面の生活・経営補償など,福島第1原発事故による全ての被害を完全にカバーできる,本来的な賠償・補償実現のため,更なる住民サポートに組織的に取組んでいただきたいと思います。

 

3.日弁連など,日本の法曹界への大きな期待

 日弁連には,この被害市町村の具体的な法律行為を全面的にバックアップし,それを代理・受託するとともに,尻の重い自治体がある場合には,そこに住む住民をとりまとめて,その方々の賠償・補償の全面的支援を全力で組織し,一人の泣き寝入りも生まない,万全の体制を取っていただきたいです,また,賠償・補償請求の時効が迫っていることを繰り返し繰り返し被害者に伝える努力をあらゆる方法で行い(とりあえず何度かの新聞広告を打ち,TVでその旨の発言を繰り返してばどうでしょうか,また,各自治体の広報なども利用すべきです),一方で,時効中断の特別立法措置実現に全力を挙げるとともに,他方で,時効中断のための巨大集団訴訟を提起していくべきです,日弁連は,この21世紀最大の人権侵害事件・国家犯罪・組織犯罪から国民・住民をどう守るのかが厳しく問われていると思います。そして時効が迫る今が,もうそのための大胆な行動を起こすタイム・リミットではないでしょうか。日本の法曹界・弁護士と日弁連は,その存在意義を賭して,この住民救済に突き進んでほしいと願っています。

 

 しつこいですが「5原則+α」を下記に書いておきます。

 

 <原発事故被害に関する損害賠償の「5原則+α」(同時代に生きる人間としての使命・倫理)>

 

(1)全ての被害者の全ての被害・損害が何の留保条件を付けられることなく全額賠償または原状復帰されること(逸失利益含む)

 

(2)全ての被害者の生活及び経営が再建されること(費用,段取り,その他の負担のすべてを加害者が負うこと)

 

(3)上記(2)再建が確認できるまでの間,全ての被害者の生活及び経営を補償すること

 

(4)2011311日以降,上記の賠償・補償・再建費用が実払いされるまでの間,電気料金遅延にかかる「遅延損害金」と同利率の「遅延損害金」が被害者に支払われること(現在の料率は10%と聞いています:いずれにせよ,支払いを遅らせればそれだけ東京電力に不利になる仕組みが必要です)

 

(5)悪質な交通事故被害の場合以上の慰謝料(迷惑料)が被害者に支払われること

 

(+α)被害者の被害は「お金」に変えられないものも多い。その部分を加害者・事故責任者が万全にフォローすること

 

(参考)朝日新聞特集シリーズ「プロメテウスの罠」

 201354日(土)から「家が買えない」という表題で,東京電力や国の賠償・補償問題に関する誠意なき行為に翻弄されて苦しむ被害者住民の方々の様子が報道されています。まったく読むに耐えがたきものがあります。まるで理不尽に傷つけられ,全てを奪われた方々を,更に東京電力と国などが,権力のムチで叩きのめす,そんな生々しき実態の報道です,是非ご一読ください。許しがたい,絶対に許しがたい,怒りと悲しみで頭が吹き飛びそうになります(そして涙腺の弱い私は涙が流れて止まらなくなるのです)。

早々

 

 

 

2013年5月22日 (水)

福島第1原発で何が起きていたのか(もうひとつの事故解析:日経産業新聞記事から)

前略,田中一郎です。

 

 このほど日経産業新聞(2013年5月14日,15日)に福島第1原発事故に関する興味深い記事が掲載されました。記事の最初で,この「もうひとつの事故解析」は「東北大学流体科学研究所の円山重直教授(58歳)が熱工学の観点から独自に事故を解析し、定説と異なる事故の推移を唱える」と紹介されています。

 

 この(上:1号機)(下:2,3号機)の2つの記事を読んでみますと,事務局を霞が関の官僚達が占拠していたどうもうさんくさい政府事故調とはまるで違い,むしろ真実に最も近い距離にあったと思われる国会事故調の報告に似た部分があります。でも,その分析は,国会事故調のものとも少し違うようです。今後の福島第1原発事故の原因究明には不可欠の議論の一つであるように思われましたので,簡単にご紹介申し上げます。

 

1.1号機,冷却系動いた(上)(2013514日付日経産業新聞)

 古い型の1号機には,事故を起こした他の号機とはちがい,非常用復水器(IC)と呼ばれる非常用緊急冷却装置が付いている。政府事故調は,このICについて「ICの弁について停電発生時に自動的に閉じる仕組みであり、全電源喪失後にICは動いていないと判断。IC稼働に関する証言は「見間違い」などとして退け」ていた。

 

 しかし,丸山教授の分析はこれと異なる。

(以下,記事の引用)

「円山シナリオは(作業員の)証言を重視し,ICの弁は前夜から翌12日午前4時15分まで開いていたとの前提にたつ。さらに地震直後に圧力容器に小さな漏洩(直径0・86センチ相当)が生じていたと仮定すると、熱力学モデルが実際に測定された圧力や温度とよく合うという。

 IC稼働の傍証として、圧力容器内に2つある水位計が異なる水位を示していた事実を指摘する。12日未明にしばらくA系がB系より高い水位を示していた。

 A系の水位計のある側では、ICからの戻り水のため沸騰が抑制されていたと考えると理解できる。B系水位計がある反対側では激しい沸騰でA系側より多量の泡が発生、水の密度が見かけのうえで小さくなるため水位が低く表示される。

 政府事故調は水位計表示の違いは説明せず、早期の炉心溶融で発生した高温蒸気(過熱蒸気)のため水位計は2つとも正常に機能しなくなっていたとみる。

 円山シナリオは、圧力容器からの漏洩で格納容器の内圧が次第に上昇し、12日午前4時ころに格納容器のどこかで亀裂が生じたとする。ICも蒸気を冷やす水(胴側の冷却水)が4時すぎには枯渇し圧力容器を冷却する機能を失った。

 その結果、圧力容器内部に高温蒸気が充満し新たな破壊が進むことになる。しかし仮に運転員が前夜にICを一時停止しなかったら、あるいはIC胴側への給水を続けていたら、事態はここまで深刻にならなかった可能性があるとする。」

(以上,記事の引用終わり)

 

 「地震直後に圧力容器に小さな漏洩(直径0・86センチ相当)が生じていたと仮定」の部分は,国会事故調の田中三彦氏らの「IC系配管その他の何らかの冷却系配管の破損の可能性」とほぼ同じ指摘であり,私もこの老朽化原発の圧力容器に直結する部分での地震の揺れによる破損の可能性は徹底して調査されなければならないと思っている。何らかの配管あるいは圧力容器に破損と,そこからの圧力の漏れ=つまりは圧力容器内の水蒸気その他の気体と放射能の漏れがあり,それがためにSRV(圧力逃し弁)が動かなかったし,格納容器の圧力が早い段階から上昇したり,1号機の建屋やその周辺での事故発生直後からの高い放射能が検出されていたのではないか,あるいはまた,作業員がICを手動で止めたりしたのも,IC稼働に伴って進展する圧力の急低下を防ぐためだったのではないか,と疑うからである。

 

2.蒸気が逆流,漏れていた(下)(2013515日付日経産業新聞)

 では,2,3号機についてはどうか。2,3号機は1号機とは違い機種が新しいので,非常用復水器(IC)とは異なるタイプの「隔離時冷却系(RCIC)」と「高圧注水系(HPCI)」という2つの非常用冷却システムが稼働していた。特に3号機は直流電源がしばらく生き残ったために,1号機よりもより長く原子炉を冷却し続けることができるはずだった。

 

 しかし,事態はそのようにはならなかった。1号機が老朽化の危険性を示す事故の結末であるとすれば,2,3号機は地震の揺れに弱い原子炉そのものの設計上の欠陥を示すものではなかっただろうか。「円山重直・東北大学教授の熱工学的な解析によると、福島第1原子力発電所2、3号機も定説と異なる事故の推移が考えられる。冷却水の供給元であるはずの復水貯蔵タンクへ蒸気が逆流し、核燃料の一部露出につながった可能性があるという。原発が冷却系を失った場合に働くべき非常用システムの安全性に一石を投じた」と,記事には書かれている。少し詳しく見てみよう。

 

(以下,記事の引用)

「3号機は直流電源がしばらく生き残り、非常用冷却システムが稼働した。まず隔離時冷却系(RCIC)が動き、その停止後は高圧注水系(HPCI)が動いた。

 HPCIは圧力容器の高温蒸気の力でポンプを回し復水貯蔵タンクの水を圧力容器に注ぐ。注水能力が大きく圧力容器を短時間で満水にできる。満水に近づくと蒸気が減り、ポンプが通常にはない低速運転になる。

 この不安定な状態を心配した運転員が代替の注水手段を確保しないまま13日午前2時42分にHPCIを止めた。これが原子炉の破壊につながったと政府の事故調査・検証委員会はみる。

 円山教授はHPCIが手動停止まで動いていたとすると「測定データと矛盾する」と指摘する。実測値では停止後すぐに圧力容器の内圧が急上昇する。しかしHPCIが動いていたなら圧力容器は満水に近く直後の圧力急上昇はありえない。

 円山シナリオでは12日午後6時半ごろ、すでに蒸気圧低下のためHPCIは機能を止め、圧力容器の蒸気はHPCIの配管を逆流しタンクに逃げていたとみる。このため圧力容器の水位が徐々に低下し手動停止操作の時点では核燃料が一部露出していた。

 運転員が手動操作でHPCIの弁を閉じると、逃げ場を失った蒸気のため圧力容器の内圧が急上昇。圧力容器を守るため格納容器へ蒸気を逃がす弁(逃がし安全弁)が開き水位が急激に下がり空だき状態になった。

 圧力容器の破壊は13日午前9時ごろ。政府事故調の推定と同じだが、経過が異なる。このシナリオでは仮にHPCIの手動停止がなかったとしても蒸気が逃げ、いずれ空だきになった。」

(以上,記事の引用終わり)

 

 政府事故調の妙な説明よりも,丸山教授の説明の方がより説得力がある。上記の「円山教授はHPCIが手動停止まで動いていたとすると「測定データと矛盾する」と指摘する。実測値では停止後すぐに圧力容器の内圧が急上昇する。しかしHPCIが動いていたなら圧力容器は満水に近く直後の圧力急上昇はありえない」は,その通りなのではないか。

 

 加えて私は,上記の丸山教授の説明の「円山シナリオでは12日午後6時半ごろ、すでに蒸気圧低下のためHPCIは機能を止め、圧力容器の蒸気はHPCIの配管を逆流しタンクに逃げていたとみる」に着目する。これはひょっとして,HPCIが正常に動いてこうなったのではなく,地震の揺れによりHPCI系の配管に何らかの傷か破損が生じ,蒸気が漏れることで想定よりも早く圧力が低下して,HPCIとしての機能を想定されていたよりも早く喪失していたのではないか。

 

 私が少し前に読んだ3号機の事故解析では,①作業員がシューシューという音を聞いた,②建屋内及び周辺の放射能が異常に高くなった,という記述を見たことがあり,この疑問と平仄が合う。また,作業員が「代替の注水手段を確保しないまま13日午前2時42分にHPCIを止めた」のも,この配管破損に気づいていて,これ以上放置できないと判断したからではないのだろうか。

 

 しかし,3号機の問題についてはもう一つ重要なことがある。それは以前から申し上げているように,3号機の爆発が1号機のような白く横に広がる煙の水蒸気爆発ではなく,縦に黒く急上昇する煙の核爆発ではなかったか,しかも爆発したのは建屋内に充満した水素ではなく,使用済み核燃料プールの核燃料だったのではないか,という疑問である。これについては,記事には何の言及もない。丸山教授の見方ではどうなっているのだろうか。

 

 次に2号機だが,記事にある丸山教授の説明は,2号機は水蒸気爆発に似た現象を起こしていたらしい,というもので,大変興味深い。ただ,2号機については,4つの事故炉の中では,4号機の爆発原因とともに,その事故原因や事故の推移がよくわからない状態が続いている。4つの原子炉の中で,最も大量に放射能を排出し,汚染状況も一番ひどい,というのも,それが何故なのかまるでわからないままだ。私は何かが隠されているのではないか,と疑っている。

 

(以下,記事の引用)

「2号機も似た状況だった。定説ではRCICが14日午後1時25分まで動いたとされる。RCICも蒸気でポンプを動かし注水する装置だ。

 円山シナリオでは午前10時ごろにRCICが機能を停止し蒸気がタンクに逆流し水位が下がり始めた。同日夜に運転員が逃がし安全弁を強制的に開くと、減圧により圧力容器内で突沸が起き核燃料がいったん完全に露出した。

 その後に消火系による注水が始まると、溶融した燃料と水が接触する。水蒸気爆発に近い現象が起き午後10時50分ごろ圧力容器が壊れた。

 この破壊で格納容器に蒸気が噴出した。格納容器の圧力急上昇が実測データに残っている。格納容器の圧力が上昇し、15日午前7時40分ごろに格納容器も壊れた」

(以上,記事の引用終わり)

 

 ただ,上記については次のような記事のコメントがあるのでテークノートしておく必要があるだろう。

(以下,記事の引用)

「円山シナリオは復水貯蔵タンクに炉心の蒸気が入ったと想定するが、現時点で知られる事実と矛盾する。東電はタービン建屋地下の汚染水への対処の一環で同タンクの水を移送した。タンクが汚染されていたなら、その際に気がついた可能性があるが、報告はない」

(以上,記事の引用終わり)

 

 「報告がない」のは,ただただ東京電力がいつものように都合の悪いことを隠しているだけかもしれない。

 

3.結論

 いずれにせよ,福島第1原発事故の原因や,その事故の推移が確定的に究明されるまでは,いや,究明されてその教訓が原子炉の圧力容器や格納容器や冷却システム等々に反映させられ,今後は絶対に過酷事故を起こさないまでに原発施設や原子炉が「改造」「改善」されるまでは,その再稼働などはもっての他の話である。

 

 福島第1原発事故の教訓が活かされることもなく,あたり一面を放射能だらけにして,この現代の「巨神兵」はグロテスクにも再び息を吹き返そうとしている。オームの怒りは頂点に達するだろう。日本に「風の谷のナウシカ」が求めらている。

 

*「巨神兵」画像

http://image.search.yahoo.co.jp/search?rkf=2&ei=UTF-8&p=%E9%A2%A8%E3%81%AE%E8%B0%B7%E3%81%AE%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%B7%E3%82%AB+%E5%B7%A8%E7%A5%9E%E5%85%B5

草々

 

2013年5月14日 (火)

放射性ストロンチウムをなぜ調べないのか(その2)

 <危険極まりない放射性ストロンチウムをまともに調べない,ちゃんと検査しない,規制値もないというおかしさ>

前略,田中一郎です。

1.危険極まりない放射性ストロンチウムをまともに調べない,ちゃんと検査しない,規制もないというおかしさ

 放射性ストロンチウムについては,以前にも書きましたが,汚染状況が調査・検査されていませんので,何とも言えません。何故,きちんと調べないのか,ということがポイントです。調べないどころか,規制値さえもありません。規制値がなければ,国や自治体などの行政は,きちんと調べないでしょう。しかし,調べないということは,何か隠している? というのが,原子力ムラへの経験則なのです。危険極まる放射性ストロンチウムに対して,こんなことをしている国は他にはないでしょう。

放射性ストロンチウムをなぜ調べないのか
(放射性セシウムの数百倍の危険性を警戒しよう)
http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-4cee.html

 これまでに,文部科学省,水産庁,それに東京電力が,わずかばかり放射性ストロンチウムを調べています。文部科学省は土壌,水産庁と東京電力は魚でしたかね?。しかし,そのサンプル数たるや話にならないくらい少なく,こんなものでは何とも言えません。たまたま調べたものがその程度だったにすぎません。

 

(飲食に係る放射性セシウム検査も,サンプル数から見て話になりません。チェルノブイリ原発事故後の疫学的調査はすべて「科学的検証」に耐えられない=データ件数が少なく,被曝量も不正確,などと言っていたのは「彼ら」ですから,「彼ら」が「彼ら」の理屈で「科学的」と言えるまで調べればよいのです)

 

 また,猛烈な汚染魚が見つかっても,それの放射性ストロンチウムは検査されない。何故でしょう?

 http://onodekita.sblo.jp/article/61607134.html

 

 更に,放射性ストロンチウムは魚は骨に溜まるでしょうから,体全体ベースでベクレル/㎏ではなく,骨1kgあたり何ベクレルとすべきです。そうすると,数字の大きさは大きくなります。

 

 放射性ストロンチウムは水に溶けやすいと言われているので,事故後,半年も経過するのを待ってから,文部科学省のようにアリバイ土壌調査をやったところで,何も出てこないと思います。しかも,その調査地点の少なさは異常です。わざと丁寧に調べることを避けている様子ありありです。

 

 他方で,放射性ストロンチウムは生物の体内に入って,骨や歯などに蓄積します。だったら,土壌や海水・海底泥などを漫然とわずかばかり調べるのではなく,野生生物や屠殺された家畜の骨・歯などを徹底して調べればいいのではないでしょうか。ストロンチウムがカルシウムに似た化学的性質をもつのは分かっているのですから,それに着目して,放射性ストロンチウムの集積・滞留しているであろうものを調査・検査対象にしていけばいいということです。たとえば,家畜の牛,豚,鳥(特に地鶏),淡水魚,河川・湖沼に生息する貝類,海の魚介類,エビ・カニの甲羅,などなどを,徹底して調べるということです。生物の体内濃縮や食物連鎖に注目して調査・検査することがポイントだと思います。(また私は,放射性ストロンチウムの昆虫類などへの滞留・蓄積も気になっています:実際どうなのでしょう?)

 

 生物の体への濃縮は食物連鎖を経由して次第に積み上がっていきますから,少し時間がかかるかもしれません。中長期的に構えて,調査・検査をずっと続けて行くことが重要です。

 

 また,放射性ストロンチウムは,体内に入って濃縮します,この「濃縮係数」はどれくらいなのでしょうか? 何故,放射性ストロンチウムの人体内での挙動について,詳しい説明を政府はしないのですか? 仮に土壌汚染が1ベクレル/kgでも,体内に入って1万倍に濃縮されるのなら,1万ベクレル/kgとみておいても,さして間違いではないでしょう。放射性ストロンチウムの生物学的半減期は長そうですから(約30年)。

 

 ともかく,放射性ヨウ素と放射性セシウム以外は,放射性ストロンチウムであろうと,プルトニウムであろうと,ウランであろうと,希ガスであろうと,トリチウムであろうと,放射性銀であろうと,なんであろうと,調査・検査しない=ないことにする,これはいけません。非科学的です。

 

 私は「彼ら原子力ムラがいつも言う(統計)科学」の水準までの「件数」を調べよ,彼らの言う統計学的に有意になるまでの数を調べよ,ご都合主義は許さんぞ,と申し上げております。汚染がある(と思われる)時は,厳密な統計学的処理がなければ「汚染は認めない」が,汚染がない(と思われる)時は,わずかばかりの「ないない我田引水」型のアリバイ調査・お遊び検査で「汚染なし」と認める,そんなアホなことは認めません,ということです。

 

 そして,常に申し上げておりますが,説明責任・検査調査責任・立証責任は「彼ら」にあるのです。

 

2.放射性ストロンチウムの測定結果

 私が知る放射性ストロンチウム汚染の調査報告は,下記の水産庁のHP,及び文部科学省のHP(昨今は原子力「寄生」委員会へ移行)のみです。こんなことではいけないはずですが。

 

 <放射性ストロンチウム調査報告>

 いずれについても信用いたしておりませんが,参考までに。

 

(1)水産庁 

http://www.jfa.maff.go.jp/j/sigen/housyaseibussitutyousakekka/pdf/121115_sr_result_jp.pdf

 http://www.jfa.maff.go.jp/j/housyanou/kekka.html

 

(2)水産総合研究センター

 「放射性物質影響解明調査事業報告書(水産総合研究センター)」

http://www.jfa.maff.go.jp/j/sigen/housyaseibussitutyousakekka/pdf/h23report_final_1.pdf

http://www.jfa.maff.go.jp/j/sigen/housyaseibussitutyousakekka/pdf/h23report_final_2.pdf

 (の後者の43ページ以降に水産物のデータがありました)

 

(3)文部科学省

 http://radioactivity.nsr.go.jp/ja/contents/6000/5048/24/5600_0930_n.pdf

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/gijyutu/017/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2011/10/05/1311753_3.pdf#search='%E6%96%87%E9%83%A8%E7%A7%91%E5%AD%A6%E7%9C%81+%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%81%E3%82%A6%E3%83%A0'

(文部科学省のHPで「ストロンチウム」で検索すると,これ以外にもいくつか出てきます)

 

(4)原子力「寄生」委員会

 http://radioactivity.nsr.go.jp/ja/

(放射線モニタリングのサイト:ここで「ストロンチウム」で検索しても,上記以外にいくつか出てきます)

 

(5)福島県

(a)福島県災害対策本部(原子力班), 2013-3-13(訂正版)

「福島県における日常食の放射性物質モニタリング調査結果(第2期)【訂正版】」(2012年年916日~1116日)

 http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/1/nitijyousyoku2013-0220.pdf

 

(b)福島県災害対策本部(原子力班), 2013-5-9

「福島県における日常食の放射性物質モニタリング調査結果(放射性ストロンチウムとプルトニウム)」(2012年年619日~628日)

 http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/1/nitijyousyoku2013-0509.pdf

 

(c)福島県による放射能検査結果は、次より閲覧できます:各種放射線モニタリング結果

http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=31837

 

*水口憲哉東京大学名誉教授 講演会

http://www.furainozasshi.com/%E3%81%82%E3%81%95%E5%B7%9D%E6%97%A5%E8%A8%98/%E3%80%8C%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%81%AE%E6%B5%B7%E3%81%A8%E6%B0%B4%E7%94%A3%E7%89%A9%E3%81%AE%E6%B1%9A%E6%9F%93%E3%81%8C%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%A7%E3%81%A9%E3%82%8C%E3%81%A0%E3%81%91/

早々

 

2013年5月13日 (月)

原子力ムラ再建と日本版「原子力発電運転協会」(INPO)及び「「学協会規格」について(茂木経済産業相の発言から)

前略,田中一郎です。

*原発安全検証の新組織検討 電力会社中心に事故確率算出(朝日新聞) - goo ニュース

 http://news.goo.ne.jp/article/asahi/business/TKY201305040289.html

*原発の安全性向上へ新組織…経産相が検討 ニュース マネー・経済 YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130504-OYT1T00566.htm

*「これは酷い」 ~茂木経産相が原発の安全性を検証する電力会社を中心とした新組織設立を公言~ - 暗黒夜考~崩壊しつつある日本を考える~

 http://blog.goo.ne.jp/tarutaru22/e/71c08b127f3425b51b198b604d0e70df

*米国原子力発電協会(INPO)「特別報告(追録):福島第一事故かの教訓」 一般社団法人 日本原子力技術協会

 http://www.gengikyo.jp/report/tohoku_F1jiko_INPO_report.html

 読売新聞記事によれば「訪米中の茂木経済産業相は3日、ワシントンで講演し、東京電力福島第一原子力発電所の事故を踏まえ、「(原発事故の)リスクを低くする新たな仕組みづくりを進める」と述べた」そうです。この茂木経済産業相の「(米国)「原子力発電運転協会」(INPO)ような、原子力規制委員会とは別組織で、電気事業者や研究者による「安全運転」に資する組織を作りたい」発言については,少し前の新聞にも記事が出ていましたので,気になっておりました。またぞろ,グロテスクな業界癒着組織・インチキ安全組織・原子力推進翼賛会組織をつくろうとしているな,というのが私の印象です。

 この新組織設立の狙いは2つあるように思います。

(1)現在の自民党の「思考停止おやじ」議員達にとっては,今の原子力「寄生」委員会でも,原子力を再推進する上では邪魔ものであり「不満の種」です。これに対抗し,いずれは事実上制圧していくため,なんらかの「ボトムアップ的」組織をつくって原子力規制を骨抜きにし,形だけにして行かなければならない,そういう意図がこの発言からはかいま見えます。そのためには,原子力関連産業界や財界と,原子力ムラ学者が主体となる「寄り合い所」をまず設け,政府や政治が前面には出ないで,この業界・学界のコンプレックスに「科学」の名で活動をしてもらい(もちろん似非科学ですが),「目の上のタンコブ化」し始めている原子力「寄生」委員会を間接的にけん制する。

 

 また,そもそも不勉強で能力水準が低くて,原子力規制などできそうにない原子力「寄生」庁の役人達を,この「寄り合い所」にデファクトとして従わせることで,原子力規制を骨抜きにして行くというやり方です。原子力「寄生」庁は原子力「寄生」委員会の「事務局」ですから,ここが腐ると原子力「寄生」委員会は身動きが取れなくなってしまいます。

 いわば,原子力「寄生」委員会(正しくは原子力規制)に対する,原子力ムラ政治連合の外部けん制組織の創設です。彼らが言う「ボトムアップ」とは,国民が直接自主的・主体的に参加することではなく(将来的に「原子力大翼賛」が成功すれば,そういうこともありうるかもしれません。「ふくしまエートス」などはその先行事例の一つですが),さしあたりは,原子力ムラの全ての人が「わー」と参集し,国民には手を変え品を変え,嘘八百とハッタリと恫喝と利益誘導でコントロールする,という組立です。

(2)原子力「寄生」委員会のここ1年間の動きにより,原子力ムラ内部に若干のヒビがはいっているのではないか,というのが,自民党の「思考停止おやじ」議員達の認識なのでしょう。彼らはそれを,少し時間がかかるが,国民をだましだまし元あった道=原子力推進の道へ戻して行くから,これからも仲たがいをせずに,原子力ムラみんなで原子力を盛りたてて行こう,今度創る新しい組織も,一方で,「原子力と放射線の安全」の確立・復権を目指すとともに,原子力ムラ村民の今後益々の団結・結束をはかるべく,政治家が縁の下の力持ちとなって働きますよ,という原子力産業界及び御用学者集団へのメッセージであること。

 これにより,政治・産業(財界)・官僚・アカデミズムの原子力をめぐる固い結束の再強化を図ろうとしているように思えます(既存大手マスコミは,あんなのはチョロイから,この4大連合が足並みをそろえれば,遅かれ早かれついて来る,という認識なのでしょう)。

 実は,上記のような「政・官・財・学」の癒着(軍産複合体ならぬ原産複合体)については,福島第1原発事故以前は,原子力の世界は他の業界よりも一段と進んだ「最先進業界」であったのであり,私の2012.11.20付メールでご紹介している原子力規制に係る「学協会規格」なるものは,市場原理主義的な発想も取り入れた,その「癒着」の典型事例のようなものです。下記にコピーをしておきますので,ご参考にしていただければ幸いです(この「学協会規格」なるものは,原発・核燃料施設の安全性・公正性・健全性をゆるがす重大事項と考えております)。

 福島第1原発事故から2年,日本は再び滅亡へ向けて,新しいステージに入ろうとしているように思えます。原子力ムラは死ぬまで=滅びるまで原子力はやめません。彼らとの妥協などありません。彼らによって我々が彼らとともに心中をさせられるのか(過酷事故),それとも我々が彼らを社会的に葬り去るのか,二つに一つの「最終戦争」,それが原子力をめぐる「闘い」です。我々は多くの市民・国民とともに「大魔神」となりて,彼ら原子力ムラの悪党どもを踏みつぶさなければならないのです。

(以下,2013.11.20付の私のメールです)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<原子力「寄生」(規制)委員会は,今,何をしているのか:原発「性能規定」の危険性,産官学癒着なれ合いの「学協会規格」>

前略,毎度のことで恐縮ですが,誤字脱字・文章推敲の不十分をご容赦ください。

 原子力規制委員会ならぬ原子力「寄生」委員会の不法占拠組が,いったい今,何をしているのでしょうか。去る1114日に開催された(第11回)原子力「寄生」委員会の資料を見ながら簡単にコメントしたいと思います。大飯原発の活断調査をはじめ,この(第11回)「寄生」委員会での議事の様子は,既にお送りしたメールの中で,FOEジャパンの満田夏花さんが非常に適切にレポートされていますので,私は議事の中の「(5)今後の学協会規格の活用と規格策定委員会への参画について」を取り上げて簡単にコメントしたいと思います。

 <平成24 年度 第11 回原子力規制委員会>

 http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/20121114.html

1.日時 平成24 11 14 () 10:3012:00

2.場所 原子力規制委員会 会議室A

3.議題

(1)大飯発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合について(現状報告)

(2)敦賀発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合について

(3)原子力災害事前対策の在り方等の進め方について

(4)環境モニタリング解析の結果について

(5)今後の学協会規格の活用と規格策定委員会への参画について

(6)独立行政法人日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター材料試験炉

(JMTR)における非管理区域への放射性物質の漏えいについて

(7)原子力規制委員会における政策評価及び独立行政法人の評価に関する制度につ

いて

(8)有識者と原子力規制委員会との意見交換について

 まずは,FOEジャパンの満田夏花さんのコメントを見てみると下記の通りです。

<以下,引用>

(5)今後の学協会規格の活用と規格策定委員会への参画について 

 発電用原子力設備に関する技術基準についての策定について、いままでは保安院が参画。今後、規制庁職員がどのように関与するか。意思決定(投票)には参加せず、出席するにとどめようと思うがどうか。

*(資料5)今後の学協会(日本原子力学会、日本機械学会、日本電気協会)規格の活用と規格策定委員会への参画について(平成24 11 14 日)

http://t.co/LyTGOrrM

http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/data/0011_06.pdf

 島崎委員が熱弁をふるいだしました。

「当規制委員会が、このような技術評価を行う能力を備えているのかということで重要。委員は、三菱、日立、東芝、電力、大林組、鹿島、清水建設、大成、JAEA、電中研、学識経験者(原子力関係者)…。ある意味、身内で身内のことを決めている。第三者は入っていない。」(だから、規制委が入るべきだという意見かどうかはよくわかりませんでした。)

 

 更田「技術評価を行うことを前提としても、学協会に組みすることはない。有り方についてもっと注文をつけてもよい。自分も関わったことがあるが、非常にわかりづらい資料名だったりしてル、後から策定プロセスをトレースすることは難しい」

 田中「日々新たになる細かな技術を我々が把握することは相当たいへん。規制庁職員は学協会(日本原子力学会など)の意思決定には参加しない方がよいと思った。」(まあ、これについては、よくわからないながら、私はめずらしく私も田中氏と同意見です。)

 

 結論は出ず、ペンディングに。

<以上,引用終わり>

 わき道雑談になりますが,私はこの「島崎邦彦東京大学名誉教授」とかいう地質学者の「寄生委員」が,あの出鱈目委員長だった斑目春樹原子力安全委員長に,その表情やしぐさがよく似ているように思えてならないのです。大学まで同じです。また,同じことの繰り返しにならなければいいが,と思う次第です:下記は参考サイト。

*大飯原発断層調査に参加している原子力規制委員会の島崎邦彦東大名誉教授(hatehei666の日記)

 http://d.hatena.ne.jp/hatehei666/20121112/1352719970

*(内閣官房HP)島崎邦彦東大名誉教授

 http://www.cas.go.jp/jp/genpatsujiko/info/shimazaki.pdf

 既にお送りしたメールにも書いたように,この問題の要点は次の2つです。

(1)「発電用原子力設備に関する技術基準については、平成17 年に実施方法の詳細を規定する「仕様規定」から要求性能水準までを規定する「性能規定」への変更が行われた」(添付資料文章)ことを,引き続き継続するが,原子力規制委員会としては,これに具体的にどう対応していくか

(2)「これにあわせて、技術基準を満たす詳細な仕様を定めた規格については、公正性、公平性等が担保されたプロセスを経て策定された日本原子力学会、日本機械学会及び日本電気協会の民間規格(以下、学協会規格という。)を活用することとされた。」(添付資料文章)ことも継続するが,その場合に,原子力規制庁職員のこれらの委員会への参画の方針をどうするか,という問題

1.「仕様規定」から「性能規定」へ

 思い出していただきたいのですが,上記(1)の「仕様規定」から「性能規定」への移行は,1980年代後半から進められてきた市場原理主義・ご都合主義的な規制緩和の一環であり,その結果が,安全規制や品質規制等の形骸化・後退・変質と,安全性の低下や品質劣化につながっています。

 「性能規定,仕様規定とは何か」についての簡単な説明は,たとえば下記です。建築基準法で使われています。

<以下,引用>

「建築基準法の規定には、仕様規定と性能規定の2つの規定で構成されています。仕様規定とは仕様について具体的に定められている規定で、例えば、2階建ての1階の隅柱の柱頭・柱脚には、○○○○の補強金物を使用するように具体的にその仕様が規定されています。

 また、性能規定とは具体的な仕様は規定されず、仕様規定を守った場合と同等の性能を有すれば、どのような設計を行なってもよく、例えば、構造計算にて2階建ての1階の隅柱の柱頭・柱脚にかかる引抜き力を算定し、安全が確保できれば仕様規定に定められている補強金物を使わなくてもよい。このような規定を性能規定といい幅広い設計が可能となります。

 近年の建築基準法は、性能規定化されていく傾向にあります。」

*住宅建築専門用語辞典 

 http://www.what-myhome.net/14se/seinou-siyoukitei.htm

<以上,引用終わり>

 




 しかし,上記で「構造計算にて2階建ての1階の隅柱の柱頭・柱脚にかかる引抜き力を算定し、安全が確保できれば」と書かれている部分が,インチキ計算や屁理屈理論による計算式だったらどうなるでしょう。「安全が確保できれば」という大前提は吹き飛んでしまいます。計算や計算式は,きちんと複数の目でチェックしている,と監督官庁は言い訳するかもしれません。でも,その複数のチェッカーが,建築業者が出資する検査会社の人間だったり(利益相反),低料金でこき使われて常に営業圧力を受け続ける下請建築士だったり,住宅の低価格競争に苛まれている自転車操業の会社・検査会社だった場合はどうでしょうか。また,行政機関が業界と癒着して「お手盛り行政」をしている場合にはどうなるでしょう。 

 つまり,業界として不透明な状態が横行し,行政の体制が整わないままに,きちんとした監督行政が貫徹していない中で,誰でもはっきりと基準や規定・規制の内容がビジブルにわかる「仕様規定」を撤廃し,1件1件,全部「仕様」が違い,その「性能」とやらがきちんと確保されているのかどうかが一見しただけでは分からない,安全性が怪しい状態の「性能規定」に転換することは,出来上がった建築物の安全性(耐震性・防火性能等)に大きな懸念を残すことになるでしょう。更にそれに加えて,他方では,万が一,性能が不十分だった場合には,それは「民間業者が検査も含めてやったことだから」という,行政の建築物の安全確保責任の免罪を許す,とんでもない「悪法」「行政怠慢規定」に早変わりしてしまうということです。

 

 いわば.「仕様規定」から「性能規定」へ,とは「厳しい仕様規定を撤廃して,隙間のある緩めの性能規定にしてやったから,楽して商売しろよ」という,行政から産業界への「プレゼント」のようなものであり,かつ,その性能チェックや建築確認検査を「民間活力の利用」「官から民へ」の浮ついたブームに便乗して「民へ丸投げ」すれば,自分達も責任を問われなくて済むという市場原理主義的ご都合主義の必然的結果である「官民癒着」の産物だったと言えるでしょう。利益は業界・業者に,無責任は官に,不利益と損害は何も知らないお人よしの消費者に,というわけです。(御用学者がこれにもっともらしい屁理屈を付け,裏で政官業学がつるんでいるのかもしれません(マスコミまで入れて),いったい一石何鳥だったのでしょうか)

 その典型的な事件が,数年前に世の中を大騒ぎにさせた「(建築士)姉歯事件」=建築物の「耐震偽装事件」でした。建築基準法が改悪され,建築基準が「仕様規定」から「性能規定」へと転換され,建築確認検査が「民営化」されたあとに発覚した,とんでもない事件でした。当然ながら,そうした「規制の事実上の手抜き」や「産業界への迎合」,あるいは「(行政)無責任」は,やがて様々な「迷惑事件」を引き起こして行くことになります。

 

 そして,その事件の結末をご覧いただければわかりますように,これまでは行政が安全欠格の責任をになっていたものが,民間業者による建築確認だったということで,その刑事責任も賠償責任もあいまいなまま,被害者だけが泣かされる結末に終わってしまっています。「規制緩和」と「民営化」の正体が赤裸々に現れた事件だったと言えるでしょう。再発防止などはきちんとできておりません。事件後に国土交通省が打った対策は「ザル」です。 

 

 そしてそして,その市場原理主義的でご都合主義的な建築物の安全規制・規定「改悪」が,なんと「絶対安全」でなければならない原子力・原発・核燃料施設の規制にも「応用」されているのです。これはとんでもない話です。しかし,このとんでもない「応用」は,既に2005年から実施されていて,新原子力「寄生」(規制)委員会下においても継続されていくようです。原発・核燃料施設の安全性の見直しは,ここでも「棚上げ」にされたままです。

*建築基準法関連の参考図書(お勧め良書)

 岩波新書『建築紛争―行政・司法の崩壊現場』

(五十嵐敬喜・小川明雄【著】:岩波書店 (2006/11/21 出版)

 http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4004310539.html

2.学協会規格の活用と規格策定委員会への参画について

 上記と並行しながら進められる,似非「民間活力の利用」が「学協会規格の活用」です。これについては,下記の原子力「寄生」(規制)庁作成の下記のペーパーをご覧ください。

*(資料5)今後の学協会(日本原子力学会、日本機械学会、日本電気協会)規格の活用と規格策定委員会への参画について(平成24 11 14 日)

 http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/data/0011_06.pdf

 ここには次のように書かれています。

<以下,引用>

(※)学協会規格については

・公正性、公平性、公開性等を重視した規格は、その時点における最新の技術的な知見が集約・反映された公共財的な性格を有する

・規制当局が学協会規格を活用する方針を示すことによって、学協会による基準策定活動が活性化する

・これにより、最新の知見が反映された民間規格が迅速に整備され、安全性向上にも望ましいことから、その活用を進めるとされた。

<以上,引用終わり>

 ものは言いよう,とはこのことです。業界・官僚・御用学者どもが,金品や便宜の授受,天下り・天上がり,職位・官職等の授受などを通じて癒着・融合・なれあいを繰り返し,国民に向かっては「やらせ,やらせ,やらせ」「うそ,うそ,うそ」「隠蔽,隠蔽,隠蔽」などを繰り返している状態で,「公共財的な性格を有する」とはよく言ったものです。実態はまさにその逆の「腐った私物化」の典型でしょう。「学協会による基準策定活動が活性化する」のは当然で,まさに規制を受ける側が,規制をするだけでなく,その規制のルール・規則・規定までもをつくります,というのですから,大喜びで大活躍するのは当然です。「安全性向上にも望ましい」などと,どういうセンスをしているのでしょうか。

 原子力「寄生」(規制)庁は,看板を変えただけだ,と発足当初から言われ,未だにその「制服」の背中には「原子力安全保安院」と書いてあるというのですから,ついでにその下に,原子力業界のために”だけ”に引続き奮闘します,とでも書いておけばいいでしょう。

 ことは深刻なので,長くなりますが,もう少し原子力安全保安院のペーパーを見てみましょう。

<以下,引用>

○これらは、米国等における原子力規制の仕組みを参考にしたものであり、個別の学協会規格の活用の是非については、技術的な内容と併せて、策定プロセスが公正、公平、公開を重視したものであるか(偏りのないメンバー構成、議事の公開、公衆審査の実施、策定手続きの文書化及び公開等)について確認する技術評価を実施し、判断することとしている。

<以上,引用終わり>

 




 また,アメリカの猿真似です。そして「・・・・について確認する技術評価を実施し、判断」のところは,原子力安全保安院ペーパーの添付資料7ページに詳しく書かれています。抜き出しますと下記です。

<以下,引用>

 規格策定プロセスにおける公正性、公平性、公開性 -日本機械学会発電用設備規格委員会運営規約より抜粋-添-(7)

(1)公平性・・・特定グループの影響力の排除

 委員は、次に示す業種の範囲の内、最低5業種が含まれ、かつ、同一業種からの委員が委員総数の3分の1以下となる構成とする。(a.電気機械器具製造業、b.電力業界、c.建設業、d.鉄鋼・非鉄金属製造業、e.学術研究機関、f.保険業、g.関係官庁、h.学識経験者、i.非営利団体、j.その他)

(2)公正性・・・決定手続きの明文化

① 委員長は、決議に先立って、委員会で十分な意見交換が行われたことを確認し、出席委員の過半数の了解のもと、委員による決議に入ることができる。

② 決議は挙手によるものと投票によるものとに分け、次の議案は投票を必要とする。

 ・規格の制定、改訂、廃止

③ 投票による決議は次の条件、手順により行う。

 ・委員総数の5分の4以上の投票をもって当該議案の投票が成立する。

 ・第1次投票の結果、意見付反対票がない場合、投票数の3分の2以上の賛成票をもって当該議案の可決とする。

 ・第1次投票の結果、意見付反対があった場合、当該議案を可決としない。

 ・反対意見への対応案が当該議案の技術的な修正を伴なわず、かつ、反対意見が取り下げられない場合には、挙手による出席者数の3分の2以上の承認のもと第2次投票を行い、投票数の3分の2以上が賛成票となれば当該議案を可決とする。

(3)透明性・・・審議の公開

 各種委員会およびタスクグル-プ等の下部組織は、委員会等の開催日時を公表し、オブザーバの参加を認める。

<以上,引用終わり:(1)①などの番号は筆者が加筆>

 さながら,原子力ムラのホームルームの時間のレベルの低い学級討論会のルールのようです。「オブザーバー」という村外人種の参加は,自分達に都合のいい議題や検討内容の際に限られるのでしょう。まさに業官学の「談合」そのものです。そしてこれが,原子力安全保安院のいう「策定プロセスが公正、公平、公開を重視したものであるか(偏りのないメンバー構成、議事の公開、公衆審査の実施、策定手続きの文書化及び公開等)について確認する技術評価を実施し、判断する」(上記)なのですから,全くのお笑い草です。

 そもそも原子力安全保安院=原子力「寄生」(規制)庁に「技術評価を実施」する能力がないことは,今や子ども達でも知っています。右から読んでも左から読んでも「ほあんいんぜんいんあほ」の言葉遊びを考案したのは子ども達ですから。

<以下,引用>

○現在、省令62 号を満足する学協会規格として、日本機械学会、日本原子力学会、日本電気協会等の規格を技術評価した上で活用している。これらの学協会に設置された規格策定のための委員会には、海外の例も参考にしつつ、

 ・規制当局としてのニーズや意見が規格策定過程において反映されるようにする

 ・当該規格の規制基準への適合性の確認を効率的に行う

 ・規格に関する最新の知見を入手することが可能

という観点から、これまで原子力安全・保安院の職員が規制業務に係る経験を有する者の立場で参画してきている。

<以上,引用終わり>

 上記の「規制当局としてのニーズや意見が規格策定過程において反映されるようにする」という記述は,原子力規制ルールを策定するのは本来は行政のはずが,いつのまにやら主客逆転して,行政が民間業者にルールをつくってもらう立場に変わり,そこで行政のニーズや意見が反映するようにお願い申し上げるということです。彼ら「寄生」(規制)庁の潜在意識がよく現れている文章と言えるでしょう。原発・核燃料施設の定期検査時において,検査を受ける側が作ったチェック用書類をそのまま丸移しして使っていた官庁だけあるといえます。

 そして「当該規格の規制基準への適合性の確認を効率的に行う」こそ,こうした愚かな仕組みをつくる狙いが端的に書かれています。安全よりも「効率」なのです。手抜きして,簡単にやっちまえ,ということです。「規格に関する最新の知見を入手することが可能」などは,こんなことをしなくても,行政ならば入手することは他の方法でいくらでもできます。取って付けた理由です。

 そして結論(案)です。これは「ペンディングになった」とFOEジャパンの満田夏花さんは伝えています。原子力「寄生」(規制)委員会が検討しているのは,こうした「性能規定」の是非や「学協会規格」活用の是非ではなく,それを前提に,どう行政としての「体裁」をつけるか,国民から非難されないようにどのように説明するか・騙すか,というレベルの低いところでの話です。あきれ返るばかりです。

<以下,引用>

 当面の間、原子力規制庁職員のこれらの委員会への参画の方針を、以下のとおりとする。

 学協会規格策定委員会への参画により、規制当局としてのニーズの反映、効率的な技術評価の実施、規格に関する最新知見の入手等のメリットがある一方、自ら策定に関与した規格について技術評価にも関与することによる利益相反の可能性が考えられる。

 上記のメリットを維持しつつ利益相反を回避する観点から、学協会規格策定委員会における意思決定(投票)には参加せず、規制当局としてのニーズ、意見の表明、情報の収集等を行う形での出席に留める。また、学協会に対しては、規格原案策定の経過等を追って確認できるようにその策定プロセスのトレーサビリティーを求めることとする。

<以上,引用終わり>

 バカバカしい。実にバカバカしい。「福島県民健康管理調査検討委員会」のように,あるいは原子力委員会のように,もう一つ「裏委員会」でも作って,「(議事)進行表」やら「事務局案」やらに細工をしておけば,表委員会で「意思決定(投票)には参加せず」にしておいても全然大丈夫ですから,上記のようにしても何の問題も生じないのです。

 原子力ムラ学者という「あやつり人形」を浄瑠璃士のように裏から操る,これこそが「学協会規格」活用のミソです。そういえば,あのTVによく映る御用学者達の顔は,どいつもこいつも,どことなく浄瑠璃人形に似ているように見えますね。

3.(最後に)大事なことを3つ

 これ以上メールを長くはできませんので,大事なことを下記に3つ付記しておきます。原子力規制を考える際には,この3点は絶対にお忘れにならないでください。

(1)(最重要)故平井憲夫さん「原発がどんなものか知ってほしい」

 http://www.iam-t.jp/HIRAI/

(2)東京電力原発トラブル隠し事件

・ウィキペディア 

 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%9B%BB%E5%8A%9B%E5%8E%9F%E7%99%BA%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%96%E3%83%AB%E9%9A%A0%E3%81%97%E4%BA%8B%E4%BB%B6

・岩波ブックレット『検証東電原発トラブル隠し』(原子力資料情報室著:岩波書店)

 http://www.junkudo.co.jp/detail.jsp?ISBN=9784000092821

(3)(参考)「何が問題?原子力規制委員会」(満田夏花さんのメールより)

http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-0045.html

ツイッターまとめ http://togetter.com/li/407267

草々

2013年5月 9日 (木)

「ふくしま集団疎開裁判」仙台高裁判決報告会(第1回)

前略,田中一郎です。

昨日(2013.5.8),参議院議員会館B104にて,「ふくしま集団疎開裁判」仙台高裁判決報告会(第1回)が開催されました。下記はその関連の情報です。

福島第1原発事故から2年を過ぎ,昨今多くのマスコミが垂れ流す情報が「放射線被曝無視の震災復興」「放射能汚染軽視の帰還・定住促進(強制)」「一に除染,二に除染,三四がなくて,五に除染」という愚かな翼賛報道となってしまっています。まるで福島第1原発事故などなかったかの如くです。しかし,チェルノブイリ原発事故の結果が教えるところは,申し上げるまでもなく放射能と被曝への万全の警戒であり,無用の被曝回避であることは言うまでもありません。多くの住民,とりわけ未来を担う子どもたちの命と健康を犠牲にして,何が震災復興でしょうか。

脱原発は,脱被曝と表裏一体です。言いかえれば,原発・原子力を推進するということは,必ずそこに差別的で理不尽な被曝の押し付けがあり,被曝の結果もたらされる命と健康の切り捨てがあるということです。原発を推進する力は,嘘八百,汚れた金,そして脅迫なのです。企業・産業や土建を優先した復興事業に巨額の財政資金を投入し,被災地住民を軽率な除染作業で追加的な被曝に追いやることはあっても,原発震災で被害を受けた方々の賠償・補償・再建支援は遅々として進まない。国や行政が金切り声をあげて叫ぶ「復興」に,人間の回復はありません。利権・土建・放射線安全神話,グロテスクな新原子力コンプレックスと「翼賛社会」状況が被災地に蔓延し始めています。

そうした中で,この「ふくしま集団疎開裁判」と,その今後の活動の意義は,何度強調してもし尽くせないものがあります。

脱原発=脱被曝,あらためて我々は,押し付けられる放射能汚染と被曝に対して,断固として「ノー」の声を挙げて行きましょう。

国は全ての子ども達を汚染地域から直ちに避難させよ,国はすべての被害者の完全救済に直ちに着手せよ。

#ふくしま集団疎開裁判報告【判決直後アクション】5.8キツネにつままれた「仙台高裁話法」の判決(決定)を読み解き、未来を提示する緊急の判決報告会(第1回目)の動画

 http://fukusima-sokai.blogspot.jp/2013/05/blog-post_9.html

#ふくしま集団疎開裁判【報告】仙台高裁の判決(決定)の全文と解説(総集編)

 http://fukusima-sokai.blogspot.jp/2013/04/blog-post_29.html

*(一審)福島地方裁判所郡山支部判決文

 http://1am.sakura.ne.jp/Nuclear/111216decision.pdf

*(二審)仙台高裁判決文

 http://www16.atwiki.jp/pipopipo555jp/pages/3272.html

#ふくしま集団疎開裁判【判決直後アクション】『子どもたちを被曝から守ろう!5.18新宿デモ』決定。もう待てない一刻も早く疎開を!ふくしまの子どもの命を守れ!

 http://fukusima-sokai.blogspot.jp/2013/04/blog-post_15.html

#ふくしま集団疎開裁判【4.24仙台高裁判決&5.18新宿アルタ前デモ】ちばてつやさんからのメッセージ

 http://fukusima-sokai.blogspot.jp/2013/05/blog-post_1845.html

早々

2013年5月 4日 (土)

原子力「寄生」委員会による福島第1原発事故の原因調査

前略,田中一郎です。

原子力「寄生」委員会は,5月1日、東京電力福島第一原発事故の原因を調査する検討会の初会合を開き,報告書を年内にまとめて国際原子力機関(IAEA)に提出することを決めたようです。

*(必見)201352日付朝日新聞記事(3面に当該記事があります:重要情報ですので図書館等でご覧下さい)

*朝日新聞デジタル:福島第一原発事故、未解明点を調査 規制委、年内にIAEAへ報告 - ニュース

 http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201305010781.html

 http://www.asahi.com/politics/intro/TKY201207050776.html

 

*NHKニュース

 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130501/t10014310311000.html

私が注目している福島第1原発事故の未解明点は次のようなことです。別添PDFファイルの朝日新聞記事に一覧表にされている原子力「寄生」委員会の「調査検討項目」には,だいたい入っていますが,中にはないものもあります。また,記事はあくまで「検討項目」であり,これまでの原子力ムラのインチキ態度から鑑みますと,「やるやる詐欺」となる可能性もありますので,今後の市民による厳しい監視が必要です。(下記はいま思いついたものをれっきしただけです。後日,もう少しよく考えて追記したいと考えています)

1.1号機

(1)非常用復水器(IC)が地震の揺れで破損していたか(東京電力は何を隠そうとして田中三彦氏を騙したのか)

(2)上記以外の原子炉機器類が地震の揺れでおかしくなっていなかったか(非常用発電機他)

(3)主蒸気逃し安全弁(SRV)は機能したのか,しなかったのなら,何故,しなかったのか

(4)圧力抑制室は期待通りの機能を果たしたのか,果たせなかったのなら,それは何故か

2.2号機

 要するに2号機で一体何があったのかが明らかでない。公表されているものは,何かが隠されたりごまかされたりしているのではないか(私は3号機の核爆発をカモフラージュするために2号機が使われているのではないかと疑っています)

(1)2号機は水素爆発したのか(圧力抑制室(SC)付近が爆発で破損しているのか)

(2)2号機のベントは失敗したのか

(3)政府のIAEA報告では,2号機からの放射能放出が福島第1原発からの放射能放出の大半を占めているがそれはほんとうな,ほんとうなら何故か

(4)2号機の非常時緊急冷却装置は正常に機能したのか

(5)圧力抑制室は期待通りの機能を果たしたのか,果たせなかったのなら,それは何故か

3.3号機

 3号機についても一体何があったのかが明らかではない。3号機については,たった1つだけバッテリーが生き残っていたので,地震・津波の後も少しの間だけ冷却機能が働いていたらしいが,それが3/14の「爆発」までに至る経緯がよくわからない

(1)3号機の非常時緊急冷却装置が地震の揺れで破損しなかったのか,また,それらは正常に機能したのか

(2)使用済み核燃料プールの燃料の核爆発の可能性(少なくとも1号機爆発と3号機爆発の「見た目」の違いの説明はどうするのか)

(3)3号機の爆発音は3回聞こえるとされているが,水素爆発もあったということか

(4)(4)圧力抑制室は期待通りの機能を果たしたのか,果たせなかったのなら,それは何故か

(5)3号機の現在の状態はどうなっているのか(他の号機と比較して猛烈に高い濃度の放射能汚染が今でも存在していると聞く)

4.4号機

(1)4号機の爆発の正体とその原因(3号機のベント管と4号機のそれが出口のところで一緒になっていたから3号機の水素が逆流したというのは本当か)

(2)4号機は定期点検中に「もぐり」運転させるため原子炉内に核燃料が一部入れられていたという説があるが真偽はどうか?

5.共通

(1)NHKスペシャル(TV番組)で,空気圧を使って動かす原発の制御用配管が地震の揺れで破損し,空気が漏れて圧力が下がり機能しなかったという自体が報道されていた。その真偽はどうか。

(2)全電源喪失後の東京電力の事故対応がどのように不適切であったか(例:水素爆発は何故防げなかったのか,特に1号機爆発後)

(3)ERSS(事故解析原発事故予想システム)は動かなかったのか,動かさなかったのか,動かなかったことにしたのか(隠蔽した)

(4)福島第1原発敷地内の放射能モニター機器類がことごとく動かなかったのは何故か(停電のため,などという「お馬鹿」な理由か?=非常用の独立バッテリーさえも付けていなかったのか)

早々

2013年5月 1日 (水)

消費者庁「風評被害に関する消費者調査」に抗議します(「食の安全・監視市民委員会(FSCW)」抗議文より)

前略,田中一郎です。

 

 このほど消費者庁は「食品と放射能に関する消費者理解の増進」と称して下記のような取組をはじめました。

 しかし,福島第1原発事故以降,消費者庁をはじめ日本政府及び自治体の飲食に係る残留放射能の管理,及びそれに起因する内部被曝防止・無用の被曝回避の対策は,そもそもの放射能汚染を検査・測定する原点のところから,出鱈目が続いております。

 

*日本経済新聞社 消費者庁、原発事故による食品の風評被害対策

 http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2505T_W3A420C1MM0000/

 

 たとえば,

(1)厚生労働省が定める飲食の残留放射能規制値が依然として高すぎること。毎日毎日食べることで放射性物質も放射線被曝も少しずつ蓄積していく事を忘れているのではないか,また,放射線被曝は本人のみならず遺伝的にも深刻な影響が出かねないことも忘れている:そもそも国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告など全く信用できない

 

(2)飲食周辺の農林水産物への警戒がほとんどないこと(例:炭・薪,食器,加工助材(ぬか,灰など),飼料・肥料・腐葉土,医薬品・化粧品原料,ペットフード等)

 

(3)放射能の検査体制が全くできておらず,流通する大半の飲食品は無検査状態であること

 

(4)放射性セシウム以外の危険な放射性核種が無視されていること(海産物の放射性ストロンチウム汚染は危険)

 

(5)汚染物が発見されると,汚染されていないものと混ぜて薄めて規制値を逃れようとする動きが止まらず,それを政府や自治体行政が,追認どころか奨励までしている気配がうかがえること

 

(6)福島第1原発から海や大気中への放射能放出が止まらないこと(ひとえに東京電力やそれを監督する政府のいい加減・当事者能力欠如・出鱈目などの総合的帰結),また,8,000ベクレル/kgなどというとんでもない数値で線引きをして,放射能汚染物が一般廃棄物のようにあちらこちらで適当に捨てられたり,放射能汚染物をあちらこちらで燃やしたり,放射能で汚染されたものが肥料や栽培土として使ってもいいなどとされたりなど,政府の愚かな原発事故後の政策によって放射能が全国にばら撒かれていること(環境にばら撒かれた放射能は必ず人間に向かってフィードバックしてくる)

 

(7)学校給食をはじめ,子どもたちの飲食から来る内部被曝を回避させようという姿勢が希薄

 

(8)加工食品や外食の放射能汚染検査については全て取扱業者に「丸投げ」されており,公的なチェックは皆無

 

(9)食品流通過程での放射能汚染検査も東京都がほんのわずか実施している程度で,ほぼノーチェック

 

10)規制値を上回る汚染物とされた食品の廃棄が適切に行われているかどうか不明であること(汚染物が非汚染物と混ぜられて再び食品流通に戻っている可能性,あるいは汚染物が闇市場で低価格で流通している可能性が排除できていない:三笠フーズ汚染米不正転売事件(2008年)を思い出して下さい)

 

11)規制値を上回る汚染物を売買することは食品衛生法違反で「犯罪」であるが,これに対するモニタリング体制・抑止体制がほとんどない状態,違反者に対する罰則も甘く,バレてもペナルティが大したことないので「やった方が得」状態が続いている(ほぼ間違いなく汚染物は流通していると見ておいていい:山菜・キノコ,家畜の内臓類,川魚,ベリー類,東日本産魚介類などは危険と思われる)

 

12)放射能汚染に関する「食品表示」が制度化していないので消費者は選択できない(規制値を下回ったからといって安全でも何でもないのだから,ベクレル表示をするとか,放射性セシウム以外の検査をしているのかいないのか,程度の表示は必要不可欠)

 

12)放射能の測定や検査における情報公開が不十分(汚染を隠す・過小評価するような検査方法が取られていたり,深刻な汚染が隠されている可能性あり)

 

13)放射能の測定や検査における「利益相反」が全くと言っていいほど排除されておらず信用できない

等々です。

 

 まさに日本の飲食品は,外食・加工も含めて,行政の無責任と怠慢の結果,「危険」と言ってもいい状態にあり,そうした中で多くの消費者が,より安全な飲食品を求めて,それぞれの判断で(たとえば産地で)消費選択をしていることは,風評被害でも何でもなくて,「適切な消費行動」そのものです。消費者各人にとっては全くわずらわしい上に,常に危険なものを意図せざるして「食わされる」,不本意かつ理不尽な状態下にあると言っていいでしょう。

 

 そもそも政府・自治体・行政などが,消費者を馬鹿にした言葉である「風評被害」を使って事態を説明していることが,事実を歪曲するおかしな行為であるということです(「風評被害」とは,根拠の乏しいデマ情報・嘘八百・伝聞情報(「風評」)などに惑わされる愚かな消費者達が,歪んだ消費選択をするために引き起こされる生産者・供給者サイドの被害・損害,くらいの意味ですが,事態はそんなことではないことは明らかです。また,多くの消費者に対する侮辱でもあります)。

 

 こう考えた時に,消費者の立場に立つべき消費者庁がやるべきことは,下記のようなことなのでしょうか?。消費者庁がやっていることは,生産者や食品産業の都合を優先し,消費者に対しては,少々の放射能汚染物はつべこべ文句を言わずに食え,放射能など気にするな,を「地で行く」ような,まるで昔の大日本翼賛会の「ぜいたくは敵だ」の国民大運動をしているような雰囲気が濃厚です。

 

 かようなことしかしないのなら消費者庁などは不要の役所です。およそ食品市場の健全性は,多くの情報が公開・提供され,それに基づいて消費者が適切な消費選択を行い,ルール違反する業者には厳しい措置が取られ,行政が最低限,食の安全を全力でモニターし管理し,適切にルール作りをして運営していくことで担保されます。それを消費者のためにある消費者庁が,生産者や食品産業などの利益や都合を優先して,情報を歪めたり,市場を統制したりするようなことをしていてどうするのでしょうか。消費者庁よ,あんたたち,どっち向いて仕事してるの? と言うことではないかと思われます。

 

 消費者庁がやるべきことは自明でしょう。上記で書いた(1)~(13)のことの逆をやって,上記のような危険な事態を回避・解消するよう努力すればいいのです。中でも加工・外食・流通過程を含む飲食の放射能汚染検査体制の確立(放射性セシウム以外を含む)と,汚染物を食品流通に乗せてくる悪質業者の取り締まり強化は最重要の優先課題です。

 

 下記はこのほど,食の安全に関するウォッチ・ドッグ市民団体「食の安全・監視市民委員会(FSCW)」が出した消費者庁に対するこの問題での抗議文です。まさにその通りの内容が書かれていますのでご紹介いたします。重要なポイントは次の2点です。

 

(抗議文の文章中の)

 1.の最後の部分

 「下記により放射性物質が含まれている可能性があり、食品の買い控えは風評(ありもしない噂)被害ではなく、消費者の当然の権利である」

 

 3.の中ほど

 「日々の農林水産物の検査件数は福島県内でさえ約100件であるから、ほとんどが無検査で流通している」

 

 <「食の安全・監視市民委員会(FSCW)」抗議文>

*消費者庁の「風評被害に関する消費者調査の結果等について:食品中の放射性物質等に関する意識調査」に対する抗議文(2013424日)

 http://www.fswatch.org/2013/4-24.htm

 

*「食の安全・監視市民委員会(FSCW)」HP

 http://www.fswatch.org/

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 <消費者庁:食品と放射能に関する消費者理解の増進>

 食品と放射能に関するコミュニケーションの強化を進め、風評被害の防止を図るため、「食品と放射能に関する消費者理解増進チーム」を設置しました。

 

A.「食品と放射能に関する消費者理解増進チーム」について(平成25年1月7日)[PDF62KB

 http://www.caa.go.jp/jisin/pdf/0426team.pdf

 

B.風評被害に関する消費者調査の結果等について~食品中の放射性物質等に関する意識調査~(平成25年3月11日)[PDF831KB

 http://www.caa.go.jp/safety/pdf/130311kouhyou_1.pdf

 

C.食品と放射能に関する消費者理解増進のための施策の方針(平成25年4月26日) 概要(別ウィンドウで開く)[PDF318KB

 http://www.caa.go.jp/adjustments/pdf/130426gaiyou1.pdf

 

D.食品と放射能に関する消費者理解増進のための施策の方針(平成25年4月26日) 本文[PDF317KB?

 http://www.caa.go.jp/adjustments/pdf/130426honbun1.pdf

 

E.生産者を含めた事業者等への聞き取り調査(報告)(平成25年4月26日)[PDF231KB

 http://www.caa.go.jp/jisin/pdf/130426kikitori.pdf

 

*消費者庁 東日本大震災についてのお知らせ

 http://www.caa.go.jp/jisin/index.html

(上記の文書類がアップされています)

以 上

 

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