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2013年4月 2日 (火)

(増補版)シーベルトへの疑問

(増補版)シーベルトへの疑問

 

20121210

「原子力資料情報室」会員

ちょぼちょぼ市民による政策提言の会(運営委員)

田中一郎(ichirouchan@withe.ne.jp

 

東日本大震災と福島第1原発事故からおよそ1年4カ月が経過した。環境に放出された放射能は東日本各地を汚染し,危険極まりない様々な種類の放射能が住宅地はもちろん,広く森林や湖沼・河川,農地や水源地,海などに降り注ぎ,我々の日常生活はすっぽりとその放射能汚染に包まれることになってしまった。そうした中で,現在一段と注目され始めたのが飲食や呼吸に伴う恒常的な低線量内部被曝(注1)である。先般は厚生労働省がようやく遅れていた飲食品の残留放射能に係る暫定規制値の見直しを決めたが,その過程でもこの内部被曝の危険性について活発な議論が展開された。

しかし,原子力村の住民たちの恒常的な低線量内部被曝に関する説明や,マスコミによるその無批判な報道においては,しばしば「内部被曝は避けられないけれども,科学的に被曝量を評価した“シーベルト”の値は十分に小さいので,心配するには及ばない。むしろ,自然放射線と比較しても無視できるぐらいに小さな放射線被曝を過剰に心配することは,無用の精神的ストレスを生み,かえってその方が健康には有害である」などとされる。簡単に言えば,たいしたことはないから考えることをやめよということだ。

しかし,本当にそうだろうか。本稿末尾に示す解説図書などを参考に「シーベルト」という概念について少し批判的に考えてみると,内部被曝に関しては「シーベルトの値が小さいから安全だ,心配はない」などとはとても思えないのである。むしろ逆に,人間の放射線被曝の度合いを推し量る評価単位であるこの「シーベルト」という概念が,非科学的,非実証的で,恒常的な低線量内部被曝の危険性を覆い隠しているのではないか,言い換えれば,原子力推進を容易にするために放射線内部被曝による健康被害を過小評価し,人々の判断を歪めているのではないかと思われる。

以下,「シーベルト」に関する問題点・疑問点を整理し,その概念が内部被曝の実態とは相違していることを示すとともに,現在,飲食を含めて対策が急務となっている恒常的な低線量内部被曝問題について,政府をはじめ関係責任者達の再検討を促したいと思う。

 

<国際放射線防護委員会(ICRP)>

 専門家の立場から放射線防護に関する勧告を行う民間の国際学術組織の一つである。前身は1928年設立の「国際X線およびラジウム防護委員会」であり,戦後1950年に,当時の米国原子力委員会主導の下,改組されて新たに「国際放射線防護委員会(ICRP)」として発足した。広島・長崎の原爆被曝者データや世界各国の原発・核施設労働者の被曝データ等をもとに,放射線防護の基準やその考え方などを勧告している。ICRP勧告は国際的に権威あるものとされ、国際原子力機関(IAEA)の安全基準や世界各国の放射線障害防止に関する法令の基礎にされている。しかし,内部被曝を軽視・過小評価したり,がん・白血病以外の健康被害を無視したり,あるいは経済合理性を人間の命や健康よりも優先するなど(ALARA原則:as low as reasonably achievable),その基本姿勢や方針が原子力推進に偏っているとの批判が絶えない。事務局はカナダのオタワにある。ICRPInternational Commission on Radiological Protection

 

<欧州放射線リスク委員会(ECRR)>

 専門家の立場から放射線防護に関する勧告を行うもう一つの民間国際学術組織である。欧州議会内政党である欧州緑の党が中心となり1997年に設立された。放射線被曝の危険性,とりわけ内部被曝と外部被曝の根本的な違いを強調し,国際放射線防護委員会(ICRP)勧告を批判しながら,より原子力や放射能に対して厳しい立場で放射線防護の基準やその考え方等を勧告している。2011年に福島第1原発事故を受け,科学議長のクリス・ バズビー英アルスター大学客員教授が来日し,子どもの被曝限度を20ミリシーベルト/年とした日本政府を批判した。本部はベルギーのブリュッセル。 ECRREuropean Committee on Radiation Risk



<現状における放射線と放射能の単位>
・ベクレル  

 放射能(放射性物質が放射線を出す現象または性質)の量を表す単位。具体的には,1秒間に1個の原子核崩壊を起こす放射性物質の放射能を1ベクレルといい,記号はベクレル(Bq)で表す(旧単位は「キュリー」(Ci):1キュリー=3.7×1010乗ベクレル)。物理的な絶対量の単位なので基本的に誤魔化しはない。放射能汚染や放射線被曝を考察し評価する場合には,さしあたりこのベクレルに依拠するのがよい。

(「ベクレル」という名称は,ノーベル物理学賞を受賞したフランスの物理学者アンリ・ベクレルに因むもの)

 

・グレイ(吸収線量)

 放射線の物質に与える影響を推定するために,放射線が物質中を通過する際に当該物質中で失ったエネルギーの量=当該物質が吸収したエネルギーの量を「グレイ」(Gy)で表す。物質1kgが1ジュール(0.239カロリー)のエネルギーを吸収する時の線量を1グレイという(1グレイ=1ジュール/kg)。

(「グレイ」という名称は,ルイス・ハロルド・グレイという物理学者に因むもの)

 

・等価線量(シーベルト:旧単位は「レム」で,1シーベルト=100レム) 

 国際放射線防護委員会(ICRP)勧告によれば,放射線の違い(α線,β線,γ線,X線,中性子線,陽子線等)により人体への障害効果が異なっているため,その障害効果を,γ線を「1」とする相対的な指数で表した「放射線荷重係数」を使って修正する。上記の吸収線量(グレイ)にこの「放射線荷重係数」を掛けたものを「等価線量」(シーベルト)という。「放射線荷重係数」の数値は「別表1」の通りで,α線が「20」,β線が「1」,中性子線が「5~20」などとなっている。

(「シーベルト」という名称は、放射線防護研究者のロルフ・マキシミリアン・シーベルトに因むもの)

 

・実効線量(シーベルト:旧単位は「レム」で,1シーベルト=100レム)

 国際放射線防護委員会(ICRP)勧告によれば,放射線への感受性=影響度合いは,人間の各臓器によっても異なるため「組織荷重係数」(注2)を使って修正する。上記の臓器別「等価線量」(シーベルト)にこの「組織荷重係数」を掛けた数値を,全ての臓器・組織について足し合わせたものを(内部被曝に係る)「実効線量」(シーベルト)という。「組織荷重係数」の数値は「別表2」の通りで,各組織ごとの「組織荷重係数」は合計すると「1」となるように決められている。全身への外部被曝の場合,体全体の「実効線量」は「等価線量」と同じ値になる。

 一般に人間の被曝量とは,外部被曝も内部被曝もこの「実効線量」のことを言い,単位は「シーベルト」で表示される。内部被曝に係る実効線量と外部被曝に係る実効線量を合計すれば総被曝線量(シーベルト)となる。そもそも「シーベルト」概念や「実効線量」の概念は,外部被曝量と内部被曝量を合計する目的でつくられた様子がうかがえ,その際,内部被曝が過小評価されたと考えられる。

なお,実務的には「ベクレル」を「実効線量」(シーベルト)に換算する「実効線量換算係数(預託実効線量計数)」が,国際放射線防護委員会(ICRP)や欧州放射線リスク委員会(ECRR)によって開発されており(「別表3」),それを使うことで体内に入った放射性物質の量(ベクレル)から,その被曝量(シーベルト)を簡便法で推定している。

また,がん・白血病のいわゆる「確率的健康障害」(注3)については,同じく「DDREF」(線量・線量率効果係数(注4))が国際放射線防護委員会(ICRP)によって開発されており,実効線量を「DDREF」で割ることにより,近い将来発生するがん患者数及びその死者数を推定している。

 

<問題点>

(1)内部被曝は「吸収エネルギー」では表しきれない

吸収線量「グレイ」の定義でわかるように,「シーベルト」では放射線内部被曝が「1kg当たりの吸収エネルギー」に単純化されている。かつ被曝が体全体で平均化・希薄化されてしまっている。その内容は体全身に一様均一に(一過性で)放射線を浴びる外部被曝の場合に当てはまる定義であり,これでは飲食や呼吸に伴い体内に入り特定部位に留まった放射線源からの恒常的な低線量内部被曝の実態とは,かけ離れたものとなってしまう。

恒常的な低線量内部被曝の実態とは,被曝は「体全体に一様均一に受ける」のではなく,①「局部的」に,②「集中的」に受けるのであり,また「一過性」ではなく③「継続的」であることだ。こうした恒常的な低線量内部被曝の決定的な特徴を,この「シーベルト」の定義は無視してしまっている(内部被曝の特徴が定義に反映されず,過小評価となってしまっている)。

 

(2)「組織荷重係数」の合計が「1」では内部被曝の実態を表さない

上記で見たように,実効線量(シーベルト)を計算する場合に使う「組織荷重係数」の合計が「1」とされている。これは,外部被爆と内部被曝を統一的に把握・合計するための一種の「換算」技術と推定されるが,それでは局部的・集中的な内部被曝の実態からはかけ離れたものとなり,被曝の影響が全身に薄められて拡散し,結果として過小評価となってしまう。内部被曝の場合に,何故「組織荷重係数」を合計で「1」にする必要があるのだろうか。

 

西尾正道北海道がんセンター院長は月刊誌『科学』(岩波書店)に次のように書いている。

「粒子線であるα線とβ線を放出する核種が体内にあると,α線とβ線は質量を持ち飛程はごくわずかであるため,ごく近傍の細胞のみに持続的に影響を与えます。このことは,内部被ばくを外部被ばくと同様に,1kgあたりのエネルギー値として評価することが無意味であることを示唆しています。影響の及ぶ範囲が1kgの範囲よりもきわめて小さいからです」(注5)

 また,西尾氏の新刊書『放射線健康障害の真実」』(旬報社)では,人間の被曝線量を「吸収エネルギー」で推し量る「シーベルト」という単位について,次のように述べている。(『放射線健康障害の真実」』p.58

「しかし,もっと重要なことは,内部被曝の健康被害はエネルギーだけでは説明できないことである。(改行)内部被曝の場合は,粒子線は質量をもつため,透過力に乏しく放射性物質の周囲の近傍の細胞にだけ影響を与える。しかし被曝線量の評価は全身化して換算するため,数値上はきわめて少ない線量となる。この線量の全身化換算の問題に加え,それ以上に熱量として放射線の影響を考えていることがはたして妥当なのかという疑問もある」 

 つまり「シーベルト」という被曝単位は,内部被曝を考えた場合には,その被曝の局所性・集中性にもかかわらず全身に平均化されて「kg」単位で評価されるため,明らかに過小評価となることに加え,その評価単位が「グレイ」と同じく人体による「吸収熱量」=「吸収エネルギー」で推し量られるところにもう一つの疑問があるということである。そして,この「エネルギー」による被曝量の評価について,西尾氏は次のような落合栄一郎氏(カナダ在住:化学者)の考察を引用する。(『放射線健康障害の真実」』p.59

100Svという被曝の場合,人間は100%中枢神経死で即死する。しかしエネルギー値から評価すると,100J/kgγ線の場合)であり,0.024度体温を上昇させるだけである。だがこの体温上昇で人間は死なないが,同じエネルギー量でも放射線では100%死亡する。何かおかしい?」(「J」とはジュールのことで熱量の単位:筆者注)

 この落合氏の指摘は,放射線被曝をエネルギーだけで評価するということの誤りの核心を,みごとにズバリと見貫いた卓見である。「シーベルト」は,被曝をエネルギーだけで見るというその定義のありようからして,ものごとの実態を表さない,言い換えれば,放射線内部被曝を単純化し過小評価しているものに他ならない,と言えるだろう。そして更に西尾氏は,この章のまとめ的に次のように書いている。(『放射線健康障害の真実」』p.60

「Sv値は,放射線の電離作用は分子・原子レベルの問題であるのに,日常生活レベルのジュール(J)で評価したものであり,放射線の影響の根本を考慮せずに定義されているのである。水分子(H2O)のサイズは0.38nmであり,電離する過程をエネルギー付与で説明することは無理である。生体内で生物学的に生じる変化を物理学的な単位では説明できないのである。放射線の生物学的な影響の評価尺度が不適切であることや,線量の全身化換算による低減評価等の問題を考慮すべきなのである」(「nm」=ナノメートル:筆者注)

 

(3)被曝の至近距離性

この「シーベルト」の定義では,恒常的な低線量内部被曝の特性であるミクロレベルの④「至近距離から」の被曝であることが見落とされている。体内部に入った放射性物質は,周囲の体を構成する細胞組織をミクロレベルの至近距離から大きなエネルギーで破壊し始める。その場合,DNAに限らず,ありとあらゆる組織や細胞が破壊の対象となる。そうした重大事実が「シーベルト」には反映されていない。

 ところで,原子力村の御用学者達は,よく「放射線被曝の程度は線源からの距離の2乗に反比例する」などと説明し,原発事故などの際の外部被曝については「大したことはない,線源から離れれば大丈夫だ」と地域住民らに説得する。しかし彼らは,内部被曝の危険性については,このような説明をすることには絶対にない。つまり,この「放射線被曝の程度は線源からの距離の2乗に反比例する」という説明は,原子力村の御用学者達によってご都合主義的に使われており,内部被曝が問題となった時に,その発言者が御用学者かそうでないかを判別するための「リトマス紙」として使うこともできる。

 

(4)「放射線荷重係数」及び「組織荷重係数」への疑問

内部被曝の場合には「放射線荷重係数」の数値が怪しく見える。特にα線の「20」(γ線の20倍)というのは,その内部被曝性を鑑みた場合に疑問がある。また,α線と同様に内部被曝性のβ線がγ線と同じ「1」であることや,中性子線の「5~20」も疑問だ。この「放射線荷重係数」の数値については,明確な経験科学的な根拠が示される必要がある。(注6)

 他方「組織荷重係数」については,(注2)でも述べたように社会的・経済的に評価された数値であり,純粋な経験科学的な実証数値ではない。また,その場合,がん・白血病以外の「確率的健康障害」は考慮外とされている。更には(臓器・組織の)細胞被曝の特性とでも言うべきこと=すなわち同じ臓器・組織であっても,その臓器・組織の中のどの部位・部分か,あるいはいつのタイミングか,によっても数値は大きく違ってくる可能性もあるが,それらも全くの考慮外である。細胞増殖の活発な部位・部分(例えば体性幹細胞)では,その影響は格段に大きいはずだし,細胞周期によっても影響は異なってくるだろう(注7)

従って,この両方の係数については,その実証的根拠(放射線荷重係数),あるいは根拠明確化(組織荷重係数)が必要不可欠である。

 

(5)年齢別・性別の放射線への感受性が反映されていない

加えて放射線被曝の場合には,胎児を含め年齢による感受性の違いも大きいが,「シーベルト」には明示的に反映されていない(注8)(注9)(「実効線量換算係数(預託実効線量計数)」には,その代替として「体重差(分子数)」がカウントされているらしい)。更には,性別差による感受性の違いもある(男性よりも女性の方が感受性は高く,そのことは現在の日本の法律である放射線障害防止法にも反映されている)。日本だけでも直ちに「年齢別及び性別感受性係数」を暫定的に定めて,飲食品や環境の被曝限度数値に反映させるべきではないか。

厚生労働省の説明資料である「別表4」をご覧いただきたい。表の限度値(Bqkg)を一見してわかるように,年齢が小さいほど限度値は大きくていい=つまり食べる量が少ないから,その食べ物の単位当たりの汚染限度は高くていいという,我々が一般に認識している年齢別の被曝効果とは逆の計算結果になっている。子どもほど汚染限度値は高くていい,などという結論はとても受け入れられるものではない。

 

(6)「実効線量換算係数(預託実効線量計数)」も疑問

「ベクレル」(放射能の量)から「シーベルト」(人間の被曝量)に換算する「実効線量換算係数」も,被曝量を確率的健康障害であるがん・白血病への疾患率へ転換する「DDREF」(線量・線量率効果係数)も,その根拠が国際放射線防護委員会(ICRP)による広島・長崎の原爆被害者データの解析から導かれている。しかし,そのデータは,冷戦下の核戦略の影響下で米国主導で収集整理されたため,様々な問題が指摘されている。また,内部被曝を軽視・無視したり,被曝の人体への影響を過小評価したりしていることは,多くの研究者や有識者が指摘するところである。

 

(7)化学的作用の有害性が考慮外

 放射性物質自体の化学的性質が人体や生命体に対して有害作用がある(プルトニウム,ウランなど)。しかし,放射性物質の中には,その化学的特性なり有害性がよく分かっていないものもある。更に放射線被曝と重複した場合には,その化学的毒性が倍加する可能性もある。こうしたことは「シーベルト」には反映されていない。

 

 放射線は人間の体の中では,遺伝子=DNAや染色体だけを破壊するのではない。各所の細胞内で様々な分子,原子に衝突し,それを活性化=イオン化する。中でも酸素がイオン化され,いわゆるラジカルと呼ばれる活性酸素が細胞内で生まれると,人間体内で様々な健康障害や臓器障害などを引き起す可能性がある(注10。それが「シーベルト」では全く考慮されず定義に反映されていない(「ペトカウ効果」(注11)。

 

 体内にある放射性物質から放たれた放射線が体を構成する物質やその他の体内物質にあたると,その物質が別の物質に変化し,化学的性質が転換して有害化する可能性がある。里見宏氏のレポート(本稿末尾)によれば,例えば脂肪酸に放射線があたると発がん性のあるシクロブタノンという物質に変わる。こうしたことも「シーベルト」には反映されていない。

 

 昨今では,放射線被曝について,バイスタンダー効果による細胞生理の異常や染色体異常(ゲノム不安定性)(注12などの各種のエピジェネティック(注13な現象なども観測されており,そうした効果も「シーベルト」には反映されていない。

 

 健康障害については,放射線被曝によるものと化学物質の毒性によるものとが相乗効果を発揮する可能性があると言われている。従って,動物実験等も含めて,これに関する明確なデータが必要である。

 

(8)放射性物質の体内への入り方(放射能パーティクルの危険性)

 太古の昔から自然界に存在する放射性物質(自然放射能)は,たとえばカリウム(K40)のように代謝が早いとか,ラドンのように希ガスであるために化学反応性が低く,体内に仮に入っても,そこで取り込まれて蓄積することはなく,すぐに出ていくものが大半である。(注14

しかし,原発事故等で環境に放出される人工放射能の場合はそうはいかない。それらはいわゆる「パーティクル」の形で,多種大量の放射性核種が「塊」になって人体や生物の体内に入り込み(それでも人間の日常生活のレベルで考えれば非常に小さい粒ではあるが),それが体内で強い放射線を発する。また,核種によってはかなりの長い期間にわたり特定の臓器や部位で局所的に蓄積かつ滞留し,周辺の細胞を痛めつけることが多い。こうした放射性物質の体内への取り込み方の違い,体内での破壊威力の違いも「シーベルト」では考慮されない。

 

(9)国際放射線防護委員会(ICRP)による被曝限度数値への疑惑

更に,昨年末のNHK番組「追跡! 真相ファイル」で,広島・長崎の原爆被害者の調査結果から,従来考えられていた以上に低線量被曝の健康被害が大きいことがわかってきたにもかかわらず,1990年頃の国際放射線防護委員会(ICRP)の委員たちが,それを逆に放射線被曝の健康被害を軽い方へ評価する(作為的に1/2にする)形で定義や数値を操作していたことが放映された(その後に予想された被曝規制値強化の動きに対抗するための「バッファ」(余裕)を用意するためだったという)。

 国際放射線防護委員会(ICRP)が提唱している被曝線量評価単位の「シーベルト」は,定義そのものも怪しいが,その定義に沿って「実証的」に定めたとされる被曝限度の数値についても怪しい。いずれも政治的操作の産物である可能性が高いと言える。

 

10放射線被曝は人間や生命体の「老化」を早める効果があるとされが,そのメカニズムは完全には分かっていない。もちろん「シーベルト」にその効果の反映はない。

 

<結 論>

 シーベルト概念は,恒常的な低線量内部被曝の局所性,集中性,継続性,総合性,多様性を反映できておらず,また,超至近距離からの被曝であることの危険性や化学的毒性なども考慮されていないように思われる。つまり,もともと広島・長崎の原爆被害者を対象とした外部被曝の評価単位として開発されたものが,そのまま恒常的な低線量内部被曝の評価にも拡張されたために,内部被曝の特徴や危険性のポイントが欠落してしまっているのではないか。

また,放射線被曝のネガティブな影響を極力小さく見せたい原子力推進の政治権力や原子力村の人間達の思惑が重なり,被曝評価が非(経験)科学的に,非実証的に,言い換えれば政治的に操作されることで,実態と合わない「シーベルト」の歪んだ概念が固定化し,かつ「被曝限度数値」などが歪められてきたのではないか。私の「シーベルト」への疑問とは,こういうことである。

本来であれば,恒常的な低線量内部被曝を適正に評価できる(経験)科学的根拠に基づいた被曝評価概念が開発され,それが実証的に慎重に(予防原則的に)運用されるのが望ましいが,現在,ひどい放射能汚染にさらされた地域が広がる中で,そうした新概念の開発と定着をゆっくりと待っているわけにはいかない。従って,現行の「シーベルト」を緊急対応として暫定的に使うにしても,上記で指摘したような恒常的な低線量内部被曝の特徴を踏まえた「修正係数」(注15をこまめに用意することで,その歪みを是正してみてはどうだろうか。

また,臓器などの内部被曝の場合には,社会的・経済的な評価を経て,かつ体全体で被曝の影響が平均化されてしまっている「実効線量」(従って数値的には小さく表現される)ではなく,「等価線量」を使うべきである。

いずれにせよ,例えば子どもたちの内部被曝への過小評価は,もう看過できない大問題である。「シーベルト」の値が小さいという理由でその危険性を誤魔化さず,真摯に被曝回避のためのあらゆる対策を打ち出してほしいものである。

 

(注1)低線量内部被曝

 一般に,低線量被曝とは100250ミリシーベルト/年以下の放射線被曝のことを言う場合が多いが,本稿において「恒常的な低線量内部被曝」とは,日々の生活においてマイクロシーベルト/時単位で内部被曝を続け,年間累積で2050ミリシーベルト以下の被曝線量になる場合を想定する。20ミリシーベルトは,政府による住民避難の基準線量であり,20114月には文部科学省が学校に通う子どもたちの被曝線量基準に設定して厳しく批判された数値である。また,50ミリシーベルトは,今年春に政府が「帰還困難区域」を指定する際に使った空間線量基準である。

 

(注2)「組織荷重係数」について

「組織荷重係数」は,確率的影響(がん・白血病)による放射線「損害」全体に対する個々の臓器・組織の寄与度(全体で「1」)を表している。そして,その(放射線)「損害」評価には,がん・白血病による死亡損害(死者数×寿命損失)に加え,死亡しなかった人の「重篤度加算」と「QOL加算」(Quality of life )という評価量が足し合わされ,全体として,その(放射線)「損害」が社会的・経済的に評価されている。

従って,「実効線量」の「実効」とは、「がんの罹患率」とか「がんの死亡数」とか「細胞あるいはDNAのダメージの指標」というような生物学的影響を表すものではなく、損害保険で取り扱うような「損害」の数量化である。こうすれば、費用と較べるための天秤にかけることができる。「実効線量」やその「集団線量」でがんの死者数を推計してはいけないというのは、低線量被曝での「不確からしさ」という理由もあるが、むしろこうした経済的な「損害」量であるからである。

(田島直樹氏(NPO個人「安禅不必須山水」)「ICRPというコンセプト」: 2012.5.20 42回市民科学講座「ICRPは黄門さまの印籠か?」を筆者要約)

NPO法人「市民科学研究室」HP を参照

 http://blogs.shiminkagaku.org/shiminkagaku/2012/05/5201icrp.html 

 

(注3)「確率的健康障害」

放射線に被曝しても必ずしも影響が現れるとは限らず、被曝量が多くなるほど影響が出る確率が高くなる現象のこと。いわゆる「閾値」がなく、被曝量に比例して健康リスクが高くなるとされる。なお,これまでの国際放射線防護委員会(ICRP)勧告では,がん・白血病以外の健康障害(これも「確率的健康障害」)についてはほとんど無視されるか軽視されているが,チェルノブイリ原発事故後の汚染地域では,子どもたちを中心に様々な健康被害が伝えられている。


(注4)「
DDREF」(線量・線量率効果係数:dose and dose-rate effectiveness factor

低線量の場合,細胞の回復効果(DNA修復能など)により,被曝のダメージが一度に大量被曝した場合と比較して,どの程度低減されるかを示す係数のこと。国際放射線防護委員会(ICRP)では,DDREFを「2」としている(一度に大量被ばくした場合のダメージの1/2)。

 

(注5)西尾正道北海道がんセンター院長『科学』(Vol.82, No.6, 2012,岩波書店)掲載論文「内部被ばくをどう考えるか」

なお「粒子線」には,α線(ヘリウム原子核),β線(電子)の他に中性子線,陽子線などがある。

 

(注6)「放射線荷重係数」について

 矢ケ崎克馬琉球大学名誉教授は,自著『隠された被曝』(新日本出版社)の中で,「放射線荷重係数」に関して,「これらの量(人体が吸収した放射線エネルギーに「放射線荷重係数」や「組織荷重係数」を掛けて算出した等価線量や実効線量のこと:筆者注)は平均化(ガンマ線的な均一な電離分布)の前提に経験的な危険度を乗じたもので現実の被曝の局所的集中と時間的継続の特殊性を含むものではありません。内部被曝の特殊性が無視されていますので,両者ともにエネルギーだけでカウントし,飛程の短いベータ線と長いガンマ線がともに1にされているのです」・・・(中略)・・・「これらは。生物学的危険度を反映しているとされますが,あくまで外部被爆に適用すべき方法を適用して集中被曝した部分と他の大部分の被曝しない部分を平均化してしまう方法なのです」と述べている(p.41)。

 

(注7)細胞周期と放射線感受性

「放射線感受性は,細胞周期によって異なることが知られています。細胞分裂は,G0期(休止期)にあった細胞が,G1期(DNA準備期),S期(DNA合成期),G2期(分裂準備期),M期(分裂期)を経て周期を一巡します。細胞の放射線感受性は,一般にG2M期でもっとも高いことが知られています。時間的に連続して被ばくを受けると,細胞は感受性の高い時期にいつかは当たることになります。そのため同じ低線量でも,一過性の外部被ばくよりも内部被ばくの影響は大きいと考えられます」

(西尾正道北海道がんセンター院長『科学』(Vol.82, No.6, 2012,岩波書店)掲載論文「内部被ばくをどう考えるか」)

 

(注8)被曝時年齢差による放射線感受性の違い(その1)

 例えば,ジョン・W・ゴフマン著『(新装版)人間と放射線:医療用X線から原発まで』(明石書店)の第8章「年齢別のがん線量」のp.240図5「被曝時年齢と最大1ラド当り過剰率」などを参照

 

(注9)被曝時年齢差による放射線感受性の違い(その2)

 小出裕章京都大学原子炉実験所助教著『子どもたちに伝えたい:原発が許されない理由』(東邦出版)(p.100103)によれば,1万人・シーベルトあたりのがん死者数は,全年齢平均が3,731人に対して,0歳児は15,152人で,平均の約4倍である。また,50歳の約1千人と比較すると15倍強となる。更にこの数値は「がんによる死者」の数であるので,死者ではなく,「がんになる人」を数えた場合には,更に数字が大きくなる。

 

(注10)放射線被曝に伴う様々な健康障害の可能性(がん・白血病以外)

 極度の慢性疲労・倦怠感(いわゆる「ぶらぶら病」),各種臓器不全,消化器系疾患,免疫力低下・ホルモン異常,病弱化・虚弱体質,循環器系疾患・心臓病と突然死,神経系疾患,呼吸器疾患・ぜんそく,糖尿病,白内障,脳障害・知能低下,膀胱炎,生殖異常・遺伝病・奇形児,短寿命化他

(チェルノブイリ原発事故後の汚染地域では,何らかの健康障害のある子どもたちの割合が75%にも上るなど,若年齢を中心に様々な健康障害が広がっている)

 

(注11)ペトカウ効果

 恒常的な低線量内部被曝によって発生する活性酸素(ラディカル)の影響で細胞膜及び細胞が破壊される効果のこと。(発見者であるカナダ医師アブラム・ペトカウの名に因む)

 

(注12)バイスタンダー効果とゲノム不安定性

バイスタンダー効果 被曝した細胞から被曝しなかった隣接または離れた位置にある周辺細胞へ被曝情報が伝えられる現象のことをいう。その損傷シグナルにより、被曝しなかった細胞にも、細胞死、突然変異、染色体異常などの生物学的影響が生じ,がん化しやすくなることがある。「バイスタンダー」とは傍観者という意味。

・ゲノム不安定性 被曝して傷ついた細胞が修復され,その後長期にわたり何回も細胞分裂をした時点で、子孫細胞に生じる遺伝子の不安定性のこと。初期被曝による損傷を乗り越えた細胞のその何代もの後の子孫細胞にも、悪性形質転換、染色体異常、遺伝子突然変異などがみられることがある。           

 

(なお,国際放射線防護委員会(ICRP)のPublication 99「放射線関連がんリスクの低線量への外挿」に,バイスタンダー効果とゲノム不安定性についての記載がある。更に,国際放射線防護委員会(ICRP)「2007年勧告」では、バイスタンダー効果もゲノム不安定性も「有意なデータがある」と言及されつつ、更なる研究が求められるとされ,未だ放射線防護の評価体系の中には入れられていない。また,日本は現在,国際放射線防護委員会(ICRP)「2007年勧告」の採用を検討中であり,まだ同「1990年勧告」レベルにある)

 

(注13)エピジェネティクス

 DNAを構成している塩基部分の一部にメチル基が生じる(メチル化)など,DNA及びその周辺で発生する後天的な細胞内化学反応作用により,遺伝子の発現が制御されること,及びそれに関する研究分野のこと。「エピジェネティクス」の「エピ(epi)」とは「後」「その上」を意味する接頭語。胎児期や乳幼児期の放射線被曝による遺伝子障害に,このエピジェネティックな作用が加わり,相乗効果で出生以降の健康・疾病発症リスクを高めているのではないかと懸念されている。

 なお,バイスタンダー効果は細胞レベルだけでなく,組織や器官レベル,そして生物個体でも現れることがある。

 

(注14)自然放射能と人工放射能

 故市川定夫氏は,自著『新・環境学:現代の科学技術批判 Ⅲ(有害人工化合物/原子力)』(藤原書店)の中で次のように述べている。

「カリウムの代謝は早く,どんな生物もその濃度をほぼ一定に保つ機能をもつため,カリウム40が体内に蓄積することはない。このような生物の機能は,カリウム40が少量ながら常に存在したこの地球上で,生物が,その進化の過程で獲得してきた適応の結果なのである。」・・・(中略)・・・「ラドンが肺内にまでは入るが,ラドンは希ガスであるため,体内に取り込まれることはなく,肺内からすぐ出ていく。」(p.173

 また,カナダ在住の化学者・落合栄一郎氏は近著『原爆と原発:放射能は生命と相容れない』(鹿砦社)で次のように述べる。

「放射性CKは,体全体に分布している。これは,それが体内に入っている機構からして,そうなる。・・・(中略)・・・体全体に放射性物質がおよそ一様に分布している場合には,細胞1個あたりで見ると(放射性粒子の数は)ほんのわずかである。」

「さて放射性物質を含んだ食物摂取の場合はどうであろうか。これに含まれる放射性物質が摂取後すぐに全身に分散するであろうか。・・・(中略)・・・しかし,直ちに体中に分散することはないであろう。」(p.107

筆者は,自然放射能が人体や生物体内に入る場合には,分子単位の非常に小さな粒の状態で入り,入った後も特定の臓器や部位に長く留まることなく体外へ排出されることが多いのではないか,一方,人工放射能の場合には,上記でも述べたように,様々な放射性核種のカクテル状態である「パーティクル」の形態で体内に入り,特定部位に長く留まって危険な内部被曝をもたらすのではないか,と仮説的に推測している。両者による被曝の差は大きいと思われるが,「シーベルト」には反映されていない。

*市川定夫「自然放射線と人工放射線は違う!」

 http://www.youtube.com/watch?v=gjbwiKNlULc


(注15)考えられる「修正係数の例」

「放射線荷重係数」と「組織荷重係数」の抜本的見直しに加え,少なくとも「局部集中係数」「継続性係数」「至近距離係数」「年齢別感受性係数」「性別感受性係数」「化学毒性係数」「活性酸素係数」「エピジェネ係数」「遺伝係数」「早期老化係数」など

 

別表1 国際放射線防護委員会(ICRP)による1990年勧告の放射線荷重係数

 

放射線の種類

 
 

エネルギー範囲

 
 

放射線荷重係数

 
 

光子

 
 

全エネルギー

 
 

 
 

電子及びμ粒子

 
 

全エネルギー

 
 

 
 

中性子

 
 

10キロ電子ボルトより小

 
 

 
 

10キロ電子ボルト~100キロ電子ボルト

 
 

10

 
 

100キロ電子ボルト~2メガ電子ボルト

 
 

20

 
 

2メガ電子ボルトより大

 
 

 
 

陽子

 
 

2メガ電子ボルトより大

 
 

 
 

α粒子,核分裂片及び重原子核

 
 

 
 

20

 

注1:国際放射線防護委員会(ICRP)の2007年勧告では,中性子の係数のエネルギー依存性がより細やかになったこと,陽子の係数が全エネルギー範囲で「2」となったことを除き,その他の係数に変化なし

注2:上記で「電子」とあるのがβ線

(長山淳哉著『放射線規制値のウソ』(緑風出版)p.31より)

 

別表2 国際放射線防護委員会(ICRP)による2007年勧告の組織荷重係数

 

臓器・組織

 
 

組織荷重係数

 
 

小計

 
 

乳房,赤色脊髄,結腸,胃,肺

 
 

0.12

 
 

0.60

 
 

生殖腺

 
 

0.08

 
 

0.08

 
 

甲状腺,食道,肝臓,膀胱

 
 

0.04

 
 

0.16

 
 

骨表面,皮膚,脳,唾液腺

 
 

0.01

 
 

0.04

 
 

残りの14臓器・組織

 
 

 
 

0.12

 
 

 

 
 

 

 
 

合計  1.00

 

(長山淳哉著『放射線規制値のウソ』(緑風出版)p.32より)


別表3 内部被曝を計算する「実効線量換算係数」のICRPECRRとの比較

 

 

 
 

年齢

 
 

ICRP (A)

 
 

ECRR (B)

 
 

(B)(A)

 
 

 

 

ヨウ素131

 
 

成人

 
 

0.022

 
 

0.11

 
 

5.0

 
 

児童

 
 

0.10

 
 

0.22

 
 

2.2

 
 

乳幼児

 
 

0.18

 
 

0.55

 
 

3.1

 
 

 

 

セシウム137

 
 

成人

 
 

0.013

 
 

0.07

 
 

5.4

 
 

児童

 
 

0.01

 
 

0.13

 
 

13.0

 
 

乳幼児

 
 

0.012

 
 

0.32

 
 

26.7

 

注:ECRRとは「欧州放射線リスク委員会」のこと      (ECRR 2010

(医療問題研究会編『低線量・内部被曝の危険性:その医学的根拠』p.88より)


<上記の計算例:
ICRP・ヨウ素131・乳幼児の例>

 100Bq/リットルの水を毎日0.5リットル(50Bq),1年間365日飲み続けた場合

 ICRPの「実効線量換算係数」を使うと 

 50Bq×365日×0.18(上記表の係数)=3,285マイクロSV3.285SV

 (一般公衆で50年間、子どもでは摂取した年齢から70歳までの総被曝線量)

 

別表4 厚生労働省:年齢区分別の摂取量と換算係数を考慮し限度値(Bqkg)を算出

 

年齢区分

 
 

摂取量

 
 

限度値(Bqkg

 
 

1歳未満

 
 

男女平均

 
 

460

 
 

1歳~6歳

 
 

 
 

310

 
 

 
 

320

 
 

7歳~12

 
 

 
 

190

 
 

 
 

210

 
 

13歳~18

 
 

 
 

120

 
 

 
 

150

 
 

19歳以上

 
 

 
 

130

 
 

 
 

160

 
 

 妊婦

 
 

 
 

160

 
 

最小値

 
 

120

 

注1:一般食品に割り当てる線量は、介入線量レベル(1mSv/年)から「飲料水」の線量(約0.1 mSv/年)を差し引いた約0.9Sv/年を,年齢区分別の年間摂取量と換算係数で割ることにより限度値を算出(流通する食品の50%の汚染を想定)。

注2:すべての年齢区分における限度値のうち,最も厳しい(小さい)値から全年齢の基準値を決定することで,どの年齢の方にとっても考慮された基準値とする。


<参考文献>

*『放射線規制値のウソ:真実へのアプローチと身を守る法』(長山淳哉:緑風出版)

 http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4846111164.html

*『隠された被曝』(矢ケ﨑克馬:新日本出版社)

 http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4406053735.html

*『内部被曝』(矢ケ﨑克馬:岩波ブックレット)

 http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4002708322.html

*『低線量・内部被曝の危険性:その医学的根拠』(医療問題研究会,伊集院真知子他:耕文社)

 http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4863770189.html

*『放射線健康障害の真実」』(西尾正道:旬報社)

 http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/search.cgi

 

*『原爆と原発:放射能は生命と相容れない』(落合栄一郎:鹿砦社)

 http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/search.cgi

*『人間と環境への低レベル放射能の脅威』(ラルフ・グロイブ,アーネスト・スターングラス著/肥田舜太郎,竹野内真理訳:あけび書房)

 http://www.junkudo.co.jp/detail.jsp?ISBN=9784871541008

*『放射線被ばくによる健康影響とリスク評価:欧州放射線リスク委員会(ECRR2010年勧告』(欧州放射線リスク委員会(ECRR)編/山内知也訳:明石書店)

 http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4750334979.html

 

*「内部被曝を軽視してはいけない:毒性のメカニズムが違う自然放射線と人工放射線」(里見宏『消費者レポート第1503 2012.2.7』)

 

<参考となるネット上の情報>

*「市民と科学者の内部被曝問題研究会」(「内部被曝研」HP)

 http://www.acsir.org/index.php
 

*NHK番組「追跡! 真相ファイル:低線量被ばく,揺らぐ国際基準」

 http://www.nhk.or.jp/tsuiseki/shinsou_top/20111228.html

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コメント

ちょぼちょぼ市民連合
田中一郎 先生へ
初めまして、「新ちょぼゼミ」で講演された金子勝教授の「経済政策」You Tubeを拝見させて頂いた者ですが、1;53分頃に登場する鈴木亨理事長に水中水車の協同開発を申し込んで無視をされてしまいました。それで教授から次の手をご教示仰ぎたくて、連絡方法を探しましたが見付けられずにいた処、田中先生のこの欄を見付けましたので、もし、ご連絡を取って戴くことが出来ましたら、大変有難く存じまして、勝手乍らこの欄を使わせて頂きました。勿論、一面識も無い者には、困難であるのは当然でしょうが、先生のご主張に深く感銘を受けていて、そのお考えに沿った開発と発展が出来ればと存じまして、甚だ失礼でご無理なお話ですが、どうかよろしくお願い致します。
以下、御相談の内容を述べさせて頂きますと、今年4月に「流水エネルギーを利用した底無しカップ式水力変換装置」という特許を取得した者ですが、模型では問題なく作動しましたので、これの実証実験及び製品開発をさせる為の協力者乃至組織を探しております。この発明は、海洋流水エネルギーを利用して、大容量発電を可能とさせ、安価に製作出来て、公害を出さないので、激安の電気料金を可能とさせる筈です。従って、正しく発展させれば、脱原発は自ずと達成され、同様に脱石油も大幅に削減されて、米国支配下からの独立も可能となる筈です。処で現下の情勢は複雑で、金子教授の講演された「脱原発成長論」のYou Tube通りだと思われます。その様な時に、貴ゼミの動画で北海道グリーンファンドの御示唆を受けましたので、早速協同開発を申し入れましたが、返事が有りませんでした。
そこで、もう少し説明をさせて頂ければ、大型風力発電機は住民に健康公害を与えることから不適技術であり、大容量発電では基数を増加させて行うので、コストは下がりません。また小水力発電では水利権の拘束が有ります。然し洋上の流水エネルギー利用では大規模化に制限が無いので、大容量発電は容易であり、発電機を大型にすれば効率が良くなるので、安価な電気料金が可能となり、昼夜を問わず正確で安定した発電量が得られます。漁協とは、冷凍庫電力や電気自動車用充電スタンド等で互助関係を築けば、後は何の問題も生じない筈です。小型水中水車では不透水性材料で造って、内部に発電機を封入させて自力浮上をさせると、海底に丈夫な杭を打ち立てるだけで良くなり、建設費は非常に安価となります。また大容量発電では、半潜水式プラットホームという構造物の内部に大型発電機を設置させると、復元力は常にプラスとなり、暴風時には水中に自動潜水させるので安全な海洋発電所が出来ます。その他、往復流や波動流も利用が出来て、流向変化にも追随させ、大河川では川幅横断の発電をさせるものである。従って、原発導入を計画中のベトナムやインドを初め世界中に再生可能エネルギーで貢献可能とするものです。
製作も、従来技術の応用で出来るものなので、有能なスタッフを集めて基本設計と基礎技術を検討し、開発させながら、小型から大型までを一つずつ設計図を完成させていくもので、製作は外注を活用すれば急速な敷衍が可能となり、市場は国内は勿論、世界中にも拡大されて行くので、金子先生の仰られた新産業の興隆や新しい社会システムは共に構築されていくと思われます。
小生は全く経営等は分からないので、このプランを私に替わって世に出せる、適切な経営者なり方法なり仲間なりをご紹介戴いて、一緒に進めて行ければと、願っております。
日本の特許は既に確定しており、米国、中国、欧州の特許も申請中です(但し、弁理士の改竄を受けて意味不明な箇所が多数存在しています)また、在来技術の応用で製作は全て可能だと思っております。また、ご一報を戴ければ、この水中水車の実験DVDをお送り出来ます。是非ともご協力を戴いて、この有用技術を世に出して、激安電気料金を実現させることに、御力をお貸し下さい。お願い申し上げます。
なお、田中先生の市民連合でも、ほぼ同様の事を研究されておられる様ですので、合わせてご検討を戴いて、協同でやって頂くことが出来れば、幸甚に存じます。 早々
     2017年10月3日
     住所;921-8012金沢市本江町2番10号県住5棟2室
      電話076-292-2486
      E-mail; suityusuisya@nifty.com
「流水エネルギーを利用した底無しカップ式水力変換装置」
の発明者&出願者            清水 忠雄

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